実務家密着取材


社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 平野厚雄 さん
1977年東京都生まれ。専修大学経営学部経営学科を卒業後、2001年に郵政事業庁(現・郵便局株式会社)に入省。都内の特定郵便局にて、郵政三事業(郵便・貯金・保険)の窓口業務を担当。簡易保険の営業を契機にFPの存在を知り、在職中に CFP®を取得。2006年3月に郵便局を退職し、同年4月より大学でのFP資格講座や企業主催のマネーセミナーの講師、各種媒体でのコラム執筆等、独立系FPとして活動を開始。その傍ら、柔術・総合格闘技の選手として活動し、様々な大会に出場。その後、2007年に総合格闘技を引退し、都内の社会保険労務士法人に就職。セミナー講師や保険・年金相談などファイナンシャル・プランナー業及び担当顧問先の入社・退社等の各種手続き、労務相談、就業規則作成等の社会保険労務士業を経験し、2010年12月に社会保険労務士登録完了。2011年10月に社会保険労務士事務所を退職後、「FP社会保険労務士事務所 柔コンサルティング」設立。現在、ブラジリアン柔術道場「ストライプル世田谷」にて、柔術インストクターとしても活動中。
平野厚雄さんが代表を務めるFP社会保険労務士事務所 柔コンサルティングのホームページは以下のとおりです。
URL : http://www.yawara-bjj.jp
「将来は、今日の積み重ね」
ライフプランの重要性を説く、元格闘家FP
試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は、ファイナンシャルプランナー・社労士の平野厚雄さんからお話を伺いました。
どのようなお仕事をされているのでしょうか
大きく分類すると、メイン業務は5つあります。まず、1つ目が、個人向けFP相談。保険の新規加入・見直し、住宅ローン借り方・返し方、教育資金の貯め方、老後資金の貯め方、資産運用の始め方等のご相談、キャッシュフロー表の作成、金融機関等への同行等、どこの金融機関にも属さない中立・公正な立場で対応しています。2つ目に、コラム執筆、セミナー講師としての活動があります。マネー雑誌・WEBサイト等へのコラム執筆、社員研修、マネーセミナー、確定拠出年金の継続教育セミナー等の講師業です。3つ目に、顧問契約・手続代行業務。主に、企業の労働保険・社会保険の各種届出の代行ですね。労務相談や従業員向けFPサービスも行っています。4つ目に、就業規則作成・見直しといった各種規程類の作成業務です。会社と社員のトラブル防止策、リスク管理のために就業規則の作成・改訂、各種規程類のご提案をします。5つ目は、助成金関連業務です。助成金に関するご相談、手続き代行等も承っています。そして今後「プロ格闘家」を対象にFPの必要性を広めていこうと計画中です。

郵便局・社労士事務所勤務を経て独立した平野さん
ファイナンシャルプランナーの資格を取ろうと思ったきっかけは何ですか
大学卒業後、2001年に郵政事業庁(現・郵便局株式会社)に入省し、都内の小さな郵便局(特定郵便局)で、郵政三事業(郵便・貯金・保険)の窓口業務を担当しました。ほとんど残業のない郵便局で日々勤務しながら、「このままでいいのかな?」と思うことがしばしばありました。また、私が入省して間もなく、郵政民営化の流れが急激に進み、小泉内閣のもと、郵政改革が断行されました。「今のままではいけない!」という思いが次第に大きくなっていきました。その時期、簡易保険の営業をきっかけにFPの存在を知り、間もなくFP資格を取得するための勉強を開始。AFPは2003年、CFP®は2004年に取得しました。

郵便局勤務時代にCFP®を取得
独立のきっかけは何だったのでしょうか?
実は、独立して目指したのは、FPというよりも格闘家だったのです。社会人になった年から柔術・総合格闘技を本格的に始めました。2005年くらいからアマチュア大会での実績が認められるようになりましたが、すでに20代後半になっていたので、アマチュアとプロの狭間で相当悩みました。「格闘家は一生出来るスポーツではない」と思いながらも、自分自身でライフプランを立てました。そして、「あと数年でも、自分のやりたいことをしよう」と、独立の道を選び、プロ興行の総合格闘技イベントに出場するようになりました。一方で、独立系FPとしての活動もスタートしました。また、同じFPの先輩から「格闘技に特化したFPという道もある」という指摘を受け、自身の経験をいかしたFP業を展開することにしました。2007年の大会を最後に総合格闘技を引退した現在では、ブラジリアン柔術道場「ストライプル世田谷」で柔術インストクターを務めています。

格闘家時代、多くの大会に出場
お仕事をする上で、心がけていることは何でしょうか?
独立以降、自分自身が商品であるという認識を持つようになりました。 郵便局は、日本中の誰もが知っているブランドですが、私個人は世界にたったひとつの存在です。私の座右の銘は「将来は今日の積み重ね」。挨拶する。締め切りを守る。誰にでも礼儀正しく接する。そんな当たり前のことを日々コツコツ積み重ねるように行っています。

平野さんの座右の銘は「将来は今日の積み重ね」
資格取得は目的ではなく手段です。合格がゴールではなく、そこから先の道は、自分自身で切り拓いていかなければなりません。資格は無限大の可能性を秘めており、その用途は十人十色。資格という手段を活用することで、その人なりの特技や長所を伸ばすことが出来ます。まず自分自身の棚卸を行い、自分の長所、得意分野を明確にし、得意とするものを積み重ねていけば、きっとうまくいくと思います。
社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 平野厚雄 さんの、ある1日

5:00 | 起床 | 朝食 |
6:00 | 出社 | メールチェック、コラム執筆 |
10:00 | 社内 | 講義の準備 |
11:00 | 外出 | スポーツジムで水泳 |
12:00 | 休憩 | 昼食 |
14:00 | 外出 | 講師としてファイナンシャルプランニングの授業を担当 |
19:10 | 移動 | |
20:30 | 帰社 | 残務整理、書類作成 |
21:30 | 退社 | |
25:00 | 就寝 |