実務家密着取材

直撃インタビュー
ファイナンシャルプランナー 鈴木さや子さん

ファイナンシャルプランナー   鈴木さや子 さん

1972年生まれ。千葉県船橋市出身。1995年に慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、住友海上火災保険株式会社(現・三井住友海上火災保険株式会社)に入社。年金払積立傷害保険や介護費用保険等を取り扱う部署に所属し、主に顧客相談を担当。その後、転居・結婚を機に退職し、専業主婦となる。2008年にAFP、2011年にCFP®を取得し、独立開業。ママと子どものマネー相談&教室「mamaTanoマネーサロン」を立ち上げる。現在、主婦や女性をメインターゲットにした個別相談、マネーセミナーを開催。また。キッズマネーステーション認定講師として、PTA主催の講演会や家庭教育学級、親子レクチャ―、子ども向けマネーセミナーも行う。

鈴木さや子さんが運営している「mamaTanoマネーサロン」のホームページは以下の通りです。
URL : http://mamatano.net


「ママ・プレママたちをもっとハッピーに!」
マネー力育成に取り組む、ママのためのママFP

試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は、ファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さんからお話を伺いました。

どのようなお仕事をされているのでしょうか


FP事務所「mamaTanoマネーサロン」を運営し、個別相談とセミナーや講演、マネーコラムの監修・執筆をメインに活動しています。テーマは、家計やライフプランニングはもちろん、保険や住宅取得、税金、年金、資産運用、FPの試験対策法まで、ママたちの興味・リクエストに応じて、幅広く取り扱っています。セミナーや講演の開催地は、江東区や中央区、港区など都内が多いですね。定期的に区の文化センターで行う勉強会もあれば、気楽に美味しいものを食べながらおしゃべりするブランチセミナー、小学校の保護者向けの講演会などもあります。
 私自身、2人の娘を持つ母親なのですが、家計を預かり、子どもを育てる母親こそ、お金の知識はなくてはならないものだと感じます。けれども、お金の教育を受けず、お金の知識が十分でないママたちがたくさんいるのです。
 私は、専業主婦のママたち、働きながら子育てしているママたち、これからママになるプレママたちに向けて、「もっとお金の知識をつけて、ハッピーな人生を送って欲しい!」、「マネー力のあるママを増やしたい!」という思いで日々業務に取り組んでいます。


「ママたちが楽しくお金の勉強ができる場を増やしたい」と話す鈴木さん

「ママたちが楽しくお金の勉強ができる場を増やしたい」と話す鈴木さん


ファイナンシャルプランナーの資格を取ろうと思ったきっかけは何ですか


住宅購入を検討したとき、たまたま住宅ローンの無料相談に行きました。そこで出会ったのがFPです。いくつか質問されて、それに答えた後、パパーッとライフプランをシミュレーションして、私にも分かるように噛み砕いて説明してくれました。そのスムーズな作業にとてもびっくりすると同時に、「この人が名乗っているFPとは、どういうものなの?」と疑問に思い調べたのが、FPというものを知ったきっかけです。
 その後、住宅ローンの仮契約に行ったとき、銀行員から説明されても専門用語だらけで全く意味が分かりませんでした。それなのに、印鑑を押すことを急かされ、お金の知識がないまま契約をすることの怖さを感じました。そのときに、「本契約までに、お金のプロの資格を取ろう!」と決意したのです。2人の子どもの育児と家事をしながら、通信教育を利用し、フォーサイトの通信教育講座でAFPの勉強を始めて、2008年に一発合格。そこで、「仕事になるかもしれないから、上位資格も取っておこう!」と考え、CFP®も取りました。


FPに加え住宅ローンアドバイザーの資格も取得

FPに加え住宅ローンアドバイザーの資格も取得


資格を取得した後に、どのようにお仕事を進めていきましたか?


AFPを取得した頃から、少しずつママ友からのお金の相談が増えるようになりました。「パパの保険って入った方がいいのかな」、「保険料払い過ぎていないかしら?」、「これからの教育費ってどれくらいかかるの?」などなど。そこで、「FPはたくさんいるのに、ママたちには意外と浸透していない存在なんだ」と気付き、「FPとして差別化を図るとすれば、私の武器はママであること。だったらママ・プレママたちが、楽しくお金の勉強ができる場、気楽に相談できる場を提供しよう!」と思い立ちました。子育てに没頭していた専業主婦の頃にもブログを書いていたので、その経験を活かして、「mamaTanoマネーサロン」を立ち上げました。率先して仕事を取りに行くというよりは、周りにいるママ・プレママ、子どもたちからの質問に答え、要望に応じているうち、自然とそれが仕事になっていったという印象ですね。


お仕事の魅力、やりがいは何でしょうか?


「マネーサロンに来て良かった!」、「鈴木さんと話せて良かった!」という声をいただいた時に、「FPという仕事をやっていて良かった!」と思いますね。子ども向けのセミナーでは、子どもたちの興味をひくように展開する必要があるので、小道具などの下準備も欠かせません。また、ママたち向けのセミナーでは、専業主婦やキャリアウーマンなど、さまざまなバックグラウンドを持つママたちに、「なるほど!」と思わせる知識と情報を持って臨まなければなりません。1回の密度が濃いので、予習や準備など、やるべきことは多いのですが、満足度は非常に高く、「やってよかった!」と感じています。
 独立系FPとして、ひとりで仕事を組み立てていくことが楽しいと思うと同時に、ひとりで仕事をとっていく大変さをひしひしと感じています。しかし、仕事を再開することによって、これまで以上に家族の有難みを感じますし、「自分という人間が社会に存在する意義が少しはあるのかも知れない」と、自信が持てるようになりました。


子ども向けセミナーも随時開催

子ども向けセミナーも随時開催


お仕事の際に気をつけていることは何でしょうか?


ママたちが気軽に来て、お金のことを話せるよう、親しみやすい雰囲気を大事にしています。私の仕事スタイルは基本的に赤ちゃんやお子様連れ歓迎でさせていただいているので、ママたちが落ち着いてお金の相談が出来るよう、配慮しています。
 ご相談では、出来るだけ私自身の考えを押し付けないようにしています。皆さん大人ですから、それぞれ持論はあると思います。共感しながら、相手の価値観を踏まえた上で、話を展開していくように心がけていますね。


FP仲間の前で、趣味のオーボエを披露することも

FP仲間の前で、趣味のオーボエを披露することも


今後の展開、将来の展望について教えてください


私自身、まだ発展途上の状態です。現在は江東区や中央区、港区を中心に活動していますが、今後はもっと知名度を上げ、全国のママに向かって発信していきたいと思っています。私もそうでしたが、専業主婦の中にも夢を持っている方がたくさんいます。でも、子どもが小さくて思うように動けない、また、社会復帰に不安を感じているなどの理由で、その思いを閉じ込めてしまう人もいます。キャリアウーマンだけではなく、専業主婦のママたちも、社会に出て、自分の夢を叶えるためのきっかけや場を提供し、サポートしていきたいと考えています。


「生きている間、一生使える資格」、それがFPです。独立したい方にとって、自分の夢を叶えるため、意味ある資格だと思います。「専業主婦だから…」といって、夢を諦めてしまう人もいますが、どんな境遇にあったとしても、やりたいことは必ず実現出来ます!まずは資格取得をきっかけに、少しずつでも行動に移していただきたいな、と思います。


ファイナンシャルプランナー   鈴木さや子 さんの、ある1日


ある日のスケジュール
6:30 起床 朝食準備
7:30 家事 家族の送り出し、掃除など
8:30 仕事開始 メール&ニュースチェック、レジュメ作成
9:30 出勤  
10:00 セミナー ママ・主婦向けセミナー「マネーサロン」
13:00 個別相談 FP相談
15:00 帰宅 メールチェック、資料作成
18:30 夕食  
21:30 仕事 子どもたちを寝かしつけ、残務整理・ブログ執筆
23:00 自宅 夫帰宅、夕食
24:30 就寝