行政書士の学習教材を初学者対象に、驚くほど精巧につくる会社ですね
【行政書士】
2014年(平成26年度)合格
- 職業
- 自営業・会社経営
- 年代
- 40代
- 性別
- 男性
そして、このようなものを手に取って読んでしまう悩ましさの主な要因は
“自分はこれからどう学習を進めていくべきなのか”
或いは“今の自分の学習方法は正しいのか否か”
という点ではないかと思います。
更に、この体験記を今こうしてご覧になっているということは、真剣にフォーサイトの受講を検討されているか、或いは既にフォーサイトを受講されているかのどちらかで、
“果たしてフォーサイトを信じてよいのか”
ということが気になっているに違いありません。
僕は幸いにして行政書士試験に一回で合格しました。
結果論としては、僕が1年強を費やした勉強のやり方は僕に比較的合っていたということになるでしょう。
しかし、それが最も僕に適していたのかといえば僕自身にもよく分かりません。
なぜならば、勉強の期間中はたとえ様のない程に苦しかったですし、模擬試験に参加している時も、本番試験に臨んだ時でさえも、分からないことが多く、それこそ会場から飛んで逃げ出したいような衝動に駆られていたからです。
それでも僕は何とか一回で合格できた、そして勉強の最中にはいつも傍らにフォーサイトの教材があった、これらは間違いの無い事実です。
僕は文系大学での教育は受けていますが、専攻は法学系ではないですし、正直真面目な学生ではなかったので、
行政書士試験の勉強を始めた頃の立場は法律の初学者であったといってよいと思います。
大学卒業後は暫く会社勤めをしていたのですが、もっと自分の可能性を試してみたくなり、海外に出て起業をしました。
おかげさまで事業はそこそこの状況になってきたのですが、その先のリスクも多々あった為、万が一の際自分を守る保険としてこの行政書士の資格取得を目指すことにしたのです。
仕事をしている僕にとってそれほど纏まった余裕の時間はありません。海外での仕事ですから日本の予備校に通うこともできません。
ですから、必然的に通信講座を選択することになったわけです。それでも自分だけでは完結できず、家族や友人の助けを借りて教材を日本から送ってもらったことが今となってはよい思い出です。
ところで、僕がなぜフォーサイトを選んだのかという話をしましょう。
動機は簡単です。
他の教材よりも内容が断然に少なく見えたからです。
これは何についても言えることですが、専門的な勉強を開始しようとする時に、その筋の超有名な学者が編さんした様な分厚い教材を用いると大抵挫折します。
もちろんそういう教材が劣っているという話ではなく、初学者には合っていないということで、自分の水準や自由になる時間と相談の上で順次そういう教材を取入れていくのであれば問題はないということです。
僕は受験勉強についても同じようなことが言えると思いました。
法律初学者である自分の水準を考えたら一番内容が少ない教材を使用するのが道理にかなっており、フォーサイトを選んだのも単にそういう理由です。
行政書士試験の教材でも何年経ったら読み終えるのかと思える様な分厚いものが数知れず存在しますが、人間とはおかしなもので、やり切れないと分かっていても分厚いテキストが手元にあると安心してしまい、また手元にあるだけでやり遂げてしまった様な変な感覚に陥ってしまうのです。
受験という目的に対して分厚い教材を選択するという手段は、少なくとも僕の水準では間違いであると僕は考えたのです。
教材を作成する側に立って考えるとフォーサイトには非常に感心します。
実は多くの内容を一定の制約のもとに凝縮する作業は大変なことですし、人は心理的に分厚い教材をよりよいと誤解しやすいわけで、フォーサイトはそんなことを恐らく全て承知の上で、受験生の為に、わざわざ見た目に薄い教材を提供して下さっているからです。
話をフォーサイトの教材をどうやって活用したかに移しましょう。同時に他の教材をどう取り入れたのかという点にも触れます。
僕が受講したのは、基礎講座と過去問講座がセットになったものです。
どちらの講座にもメイン教材以外に色々こまごまとした教材が附属されてきましたが、僕はメイン教材以外は一切使用していません。
基礎講座については、先ずテキストを開かずDVDだけを全て一回転視聴して自分が勉強することのイメージを持たせました。
二回転目と三回転目はテキストを見ながらDVDも視聴し、四回転目にはテキストだけで精読するようになり、DVDについてはテキストが容易に開けない様な移動の最中や食事の最中などに視聴するだけになりました。
その後もテキストの精読に集中し、正確にカウントはしていませんが、少なくとも十回転くらいはテキストを精読したと思います。
ただテキストを眺めても成果が分からなかったので、目次を活用し、目次の項目毎に学んだ内容を空で言えるか否かを理解したか否かの判断基準としていました。
もうだいたい大丈夫かなと思えたのが、学習を開始してから4ヵ月後くらいでしょうか。
そこからは過去問講座の出番です。過去問講座にもDVDがついていましたが、僕は一度も使いませんでした。
過去問講座の問題集については、先ず一回転目に問題も答案も解説も単なる読み物として読みました。
基礎講座で学んだこととの乖離を知りたかったからです。
今考えれば当然のことですが、基礎講座も過去問講座もアプローチの方法が違うだけで実質的内容に大きな差は感じられなかったので、過去問講座の問題集はトータルしても三回転で終了しました。
学習開始後からそこまでで約半年です。とにかく時間に追われていたので学習に際し、視聴する・読む・簡単に記す、これ以外の行為は一切行いませんでした。
それが功を奏したのか、フォーサイトの教材による学習が煮詰まってきた頃でも時間はまだたっぷり残っていました。ということで、そこから市販の肢別過去問集(約850頁)を取入れました。
同時に関連六法の素読みも開始しました。その後は、基礎講座のテキストとDVD、市販の肢別過去問集、そして関連六法の素読みを本試験までグルグルグルグル狂った様に回転学習し続けました。
おかげでどの教材の理解度もほぼ100%になっていたと思います。それでも、模試や本試験で心中穏やかでなかったのは冒頭にも書いたとおりです。
行政書士試験は、過去問に触れればすぐに分かりますが、近年急激に難化しています。またその傾向は継続しています。
行政書士の業域が近年急拡大し社会的責任が増してきていることとも大いに関係しているでしょう。
従って、試験の難化傾向は今後も暫くは継続すると思います。この様な試験に対し満点に近い点を取りにいく勉強方法があるでしょうか?
仮にあったとしても現実的ではないでしょうし、そんな勉強方法を取入れる必要はないと僕は思います。
行政書士試験は基礎を完全に押えていれば6割が取れ、つまりは合格出来る様に恐らく構成されています。何をもって基礎というかは恐らく過去問の内容です。
もちろん過去問の内容を理解するにはその背景となっている関連知識も必要になります。
フォーサイトの素晴らしいところは、過去問が徹底的に研究されていて、過去問で問われた内容を理解させようとする努力が全体にわたってされていることだと思います。
学習をしている最中はそんなことには気づかずに何となく作業をこなす日々でしたが、本試験を終えて冷静に振り返ってみると、それがよく分かります。
僕は冒頭からフォーサイトを信じてよいのかどうかという受験者の皆様からの問いかけを意識しながらこの体験記を書いてきましたが、ここまで読んでくだされば、ある程度分かって頂けたのではないでしょうか。
僕の様に普段仕事に追われ、且つ法律初学者である方には、心からこのフォーサイトをおすすめします。
そしてもしフォーサイトの教材に飽き足りる様なことがあれば、その時初めて他の教材に手を出して意味があるということも付記しておきましょう。
更に、僕程度の水準で一定期間内に成果を出そうとするのであれば、行政書士試験の勉強はどこまでやっても完全はあり得ない、いつまでたっても不安が残るものなんだということを予め心に留めておくべきだと思います。
最後は、“それでも自分はこの行政書士試験に受かってやる!”
というメンタルの強さを持ち、それを維持しながら、普段の勉強や本試験に臨むことが肝要だと思います。
この合格体験記が受験者の皆様にとって少しでも気付きや励みになれば幸いです。