定年後の行政書士挑戦、問題を解くのはたいへんでした
【行政書士】
2017年(平成29年度)合格
- 勉強期間
- 11ヶ月間
- 受験回数
- 初学者(1回目)
- 職業
- 転職(求職中)
- 年代
- 60代
- 性別
- 男性
何も資格がなく、求職の張り紙を色々見ても、自分の適性に今一つピンとくるものがなくて、月日の経つのに任せ、あっという間に2か月が過ぎてしまった。
多少焦りが出たこともあって、在職中から興味のあった行政書士の通信教育講座をネットで検索してみた。すると、お手頃価格のフォーサイトの講座が目に入った。
失業中で小遣いにも困り、学校に通う余裕もなかった自分に、割引された受講料が助けにもなって、「基礎講座と直前対策」のCDコースに申し込む決心ができた。
もし合格すれば、行政書士法人への求職活動も可能になるし、何よりもあまり気の進まない会社に行かなくてすむのではないかという気持ちが強くあった。早速申し込んで受験勉強に突入することにした。
フォーサイトのテキストを初めて手にしたのは、2017年1月下旬であった。その時は、テキストがたくさんあるけれど、試験までまだ10か月あるから何とかなるのではという甘い考えがあった。
スケジュール帳には、2月は「基礎法学」で、3月は「憲法」、4月・5月は「民法」、6月は「商法」、7月・8月は「行政法」、「一般知識」は最後の10月にまとめてやるという大雑把な計画を記入した。なにしろ、「日本国憲法」もまともに読んだこともなくて、本格的な法律関係の勉強をするのは初めてであった。
今から考えれば、メインとなる「民法」・「行政法」はわからなくても、できるだけ早くテキストと問題集に取り組めば良かったとの思いが募る。試験問題に慣れることが一番大切なことだからである。
受験素人の自分は、ただ1日2時間、テキストを信じ声をだして、太字とカラーの部分を中心として暗記することに集中した。1日2時間以内と決めたのは、途中でつぶれることを第一に懸念したからである。
実はこれまでも数種の通信教育を試みて、途中から諦めて全くやらなくなったことがあり、今回ばかりはもう後がないという覚悟で臨んだつもりであった。
最初の数か月は、テキストと向き合うのが面白くほぼ予定通りに計画が進んだ。ところが、民法の物権・債権の分野になってからは、十分理解ができないと暗記自体がままならず、頭がパンク状態に陥ってしまった。
ここで諦めることはできないので、逆療法として問題集の回答の解説を暗記することに重点を置くことにした。すると、過去問の正解の解説が丁寧で分かりやすく、今までの勉強法よりも効果が上がるような気分になってきた。
こうして気持ちを切り替えて、メインの民法と行政法を3か月以上かけて、諦めずに何とか乗り切った。ただ、半分も記憶出来ていなかったのが実情だった。
8月・9月はもうやぶれかぶれで、大声をだしてほとんどの過去問の正解の解説を読み上げていた。こうした中、直前対策と2回の模擬試験が来てとても助かった。実際の試験と同じ体験を踏めたのだった。
勿論、合格基準の6割に達する訳がなく焦りは募ったが、正解の解説がわかりやすいので、何とかそれを頭にたたみ込み、理解できたような気分を高めていった。
最後の一般知識は、問題集の正解の解説を5回読んで運を天に任せた。分野が広すぎてきりがないと思ったからである。11月に入り、気分を落ち着かせるために、1度行った昨年度試験・模擬試験を毎日2時間かけて、繰り返しやってみた。
試験前日には、当然、全問正解できるようになった。似たような問題がでれば、正解できそうになれたのであった。
さて、試験当日のことである。
意気揚々と1ページを開き、問題に取り組んだ。すると、わからない、愕然とした。正に聞いてないよという思いが込み上げた。
ただ、難しい問題も易しい問題も同じ4点だと考え、何とか気持ちを切り替えるよう努力した。3時間で6割とることを思った。
時間がかからず回答できた問題もあり、難しい問題を見直す時間ができた。フォーサイトで教えて頂いたことを思い出しながら、とにかくすべての問題を回答した。
記述式問題はもう支離滅裂であったが、部分点がもらえることを切に祈った。へとへとになって家に戻り、夜の解答速報を待った。半分以上諦めていたが、なんとマークシートで176点取れそうであった。
後は、記述式を待つばかりとなったが、自分の支離滅裂な回答に何点つけてもらえるだろうかと不安は残った。こうして2018年1月31日午前10時半を迎えた。
神様、フォーサイト様という思いで、ネットの合格者受験番号をクリックした。思わず飛び上がってしまった。合格できたのである。
正解の解説を暗記するという自分の学習方法は邪道であったが、積み重ねれば試験で6割取れたのである。急いで、自分のような法律の素人を合格に導いてくれたフォーサイトの事務局に御礼のメールを出した。本当に嬉しかった。
これで行政書士法人に求職活動ができる。なお、テキストはもったいないので、今全体を読み直している。基本から確実に理解するためである。