名称独占資格とは?定義やおすすめ資格をわかりやすく解説

この世にはさまざまな資格がありますが、なかには名称独占資格も含まれます。
これは該当資格を持っていない限り、その肩書きを名乗れない立場です。業務独占資格とは違った意味で重要で、持っていれば社会的ステータスにつながるでしょう。

今回は名称独占資格の詳細を知りたい方のために、その意味をまとめました。該当するものから、おすすめの資格も挙げます。これを読めば名称独占資格の重要性を学びつつ、資格選びのヒントも得られるでしょう。

名称独占資格とは

名称独占資格では、その資格を持っている人だけが肩書きとして名乗れます。
そうでない人は、特定資格とまぎらわしい名前も名乗れません。違反すると罰金のようなペナルティが下ります。

名称独占資格は保育士や栄養士、マンション管理士などが代表例です。
たとえば保育士資格を持っていない人が「保育員」などと名乗って仕事をすると、問題になるでしょう。このように名称独占資格は、一定の規制を設けて、その職業の人々を守っています。

名称独占資格は、その資格試験の合格者以外は名乗れないと認識してください。

名称独占資格の特徴

ここでは名称独占資格の特徴を、3つ解説します。
最初は国や都道府県などが認めた試験で取れることです。
また業務独占は兼ねていません。そして無資格では、名称独占資格の肩書きを名乗れないのがポイントです。それぞれの詳細を以下で見ていきましょう。

国家試験や都道府県などが認めた試験で取得

ほとんどの名称独占資格は、国や都道府県、指定団体などが認めた試験に合格すれば取れます。
資格である以上、知識証明のテストを受けなければいけません。難関資格もありますが、取れば仕事に応募しやすくなるでしょう。
たとえば保育士は、児童福祉法で決まった国家資格です。試験主催は一般社団法人「全国保育士養成協議会」になります。

彼らが主催する試験に合格すれば、保育士の資格を手に入れられるしくみです。
このようにして名称独占資格は、取得までのルールが決まっています。

業務独占は兼ねていない

名称独占資格は、業務独占資格とは違います。
前者は資格保有者のみ名乗れること、後者は資格保有者だけにできる仕事がある点が特徴です。
以上から名称独占資格は、業務独占を兼ねていません。

そのため業務自体は、無資格でもできます。たとえば保育士の仕事自体は、無資格でも可能です。

保育士の資格のない人が、ベビーシッターのような業務をしても問題ありません。
問題になるのは、保育士の資格のないベビーシッターが。保育士と名乗る場合です。
このように名称独占資格は、仕事自体は誰でもできますが、肩書きとして名乗れる人が限られています。

無資格で名称独占資格の名前を名乗れない

名称独占資格は、無資格では名乗れません。その資格を持っていない限り、肩書きを名乗ってはいけないという意味だからです。
たとえば理学療法士の場合、理学療法士及び作業療法士法第17条で名称独占資格としての決まりがあります。

理学療法士でない場合は、その名称やまぎらわしい名前を肩書きとして名乗れません。
これに違反すると30万円以下の罰金刑を受けます。懲役刑はありませんが、刑罰を受ける以上、社会的イメージにも影響するでしょう。

名称独占資格は、無資格者が名乗れないように決まりを示しています。

業務独占資格との違い

名称独占資格と業務独占資格の違いを、以下の表で見てみましょう。

種類 名称独占 業務独占 罰則対象
名称独占資格 × 無資格でその肩書きを名乗る
業務独占資格 無資格でその肩書きを名乗るか、関連業務をする

名称独占資格は、無資格者がその名称を名乗った場合だけ処罰対象です。業務独占資格は無資格者がその名乗るだけでなく、関連業務をした場合も処罰対象になります。
たとえば医師は業務独占資格のひとつです。無資格だと医師と名乗れないだけでなく、医業もしてはいけません。これと比べると、名称独占は罰則対象が狭い印象です。
このように名称独占と業務独占は、資格の性質が違います。以上を踏まえながら、目当ての資格を決めてください。

名称独占資格を目指すときの注意点

自分がほしい資格が、名称独占資格であることが想定されます。
このときはさまざまな注意点を心得てください。たとえば業務独占資格との重要性比較や、取得後のキャリアメイクなどを考えましょう。
名称独占資格を目指すときの注意点を、以下にまとめました。

重要性は業務独占資格より低い可能性

名称独占資格は、業務独占資格より社会的重要性が低い可能性があります。

名称独占は、無資格者がそう名乗らなければよいだけです。業務独占との違いとして、無資格でも関連業務ができます。
たとえばマンション管理士の場合、管理費や修繕積立金の管理などがあります。
しかしこのようなお金の管理は、管理会社の経理担当でもできるでしょう。

経理担当者にマンション管理士の資格がなくても、無資格の肩書きを名乗らない限り、とくに問題にはなりません。
名称独占資格専用の仕事はありません。そのため代わりがいると判断されやすく、資格証明だけで収入が上がる保証もないのです。
以上から名称独占資格が本当に必要かどうか、キャリア分析で確かめてください。

名称独占資格は取得後のキャリアメイクが重要

名称独占資格は、取ったあとのキャリア構築が大切です。この種類だと、業務独占資格がありません。
無資格でやりたい仕事ができる企業が見つかれば、すぐに資格はいらない可能性があります。
たとえば保育士は名称独占資格の代表格です。しかし子育ての仕事はほかにもあります。

ベビーシッターや託児所スタッフなどが代表例です。保育士資格がなくてもそう名乗らない限り、ベビーシッターなどをしても問題ありません。
自分のやりたいことに合わせて、本当に名称独占資格が必要かどうかを見極めてください。

長期的な需要を意識して名称独占資格を選ぼう

名称独占資格を選ぶなら、長期的な需要が大切です。その資格を要件としていたり、高評価を与えたりする求人があります。
そのような企業のニーズにふさわしい人材を目指しましょう。
たとえばマンション管理士は、賃貸物件の維持管理にかかわります。

マンションでは毎日たくさんの人が住みます。彼らを安心させるには建物のメンテナンスや、住民同士のコミュニケーションのサポートなどが大切です。
このような役目を求める不動産系企業があるため、マンション管理士には一定の需要を見込めます。
社会的背景を考えながら、資格ごとの長期的需要を見極めてください。

おすすめ名称独占資格の紹介

ここからは、おすすめの名称独占資格を紹介します。以下の3つを見ていきましょう。

  • マンション管理士
  • 中小企業診断士
  • 保育士

どれも特定層の日常に関わるため、重要な資格とされます。マンション管理士は住環境、中小企業診断士は企業、保育士は子育てに関係する資格です。
知名度もあることから、このような有資格者を求める求人も見られます。

社会的需要の観点から見れば、名称独占資格でも理想のキャリアにつながるものがあります。
ここでは3つの資格について、それぞれの魅力を見ていきましょう。

マンション管理士

正式名称マンション管理士
資格種類国家資格
分野不動産
認定団体国土交通省
試験形式マークシート
受験資格年齢・性別・学歴など資格の制限はなし
試験日試験日:例年11月の最終日曜日
受験料9,400円(非課税)
受験者数(2023年度)11,158人
合格者数(2023年度)1,125人
合格率(2023年度)10.1%
フォーサイト合格率(2023年度)31%
偏差値62
マンション管理士について詳しくはこちら

マンション管理士は、その名のとおりマンションの維持や管理に携わります。
管理規約や使用細則作成、トラブル解決の交渉、大規模修繕工事に関するコンサルティングなどが業務です。マンション管理士がおすすめである理由を、以下に示しました。

マンション管理士がおすすめの理由

マンション管理士がおすすめである理由は、次の3つです。
不動産の知識習得、コミュニケーション能力の発揮、プライベートでの有用性になります。

それぞれの詳細を見ていきましょう。
最初のおすすめポイントは、不動産関連の知識が身につくことです。

マンション管理士試験の問題では、マンションの構造や設備、区分所有法などが問われます。どれも賃貸物件のマネジメントに欠かせません。
以上から不動産管理会社が、マンション管理士の有資格者を求める場合があります。

資格取得によって、不動産の知識を想定できるからです。不動産系企業の役に立ちたいと思ったら、マンション管理士がおすすめです。
不動産の知識を生かした仕事をするなら、マンション管理士を目指してみましょう。

次のおすすめポイントは、コミュニケーションが得意な人に向いていることです。
普段から他人へのアドバイスがうまかったり、コミュニケーションを円滑に進められるとして社内から評価を受けたりする人がいます。
そのような人は、マンション管理士を目指してはいかがでしょうか。

マンション管理士は、住人同士のコミュニケーションのサポートをします。
加えて管理規約や大規模修繕計画などで、管理会社や組合と話し合うことも必要です。
その意味でコミュニケーション能力は重要になります。

以上からマンション管理士は、コミュニケーション能力開花に向いた職業です。

最後のおすすめポイントは、プライベートにも資格が役立つ可能性です。
自分がマンションに住むときは、維持管理やトラブル解決などのサポートができます。
不動産の専門知識は、自分の生活にも役立つかもしれません。

たとえば共用スペースで汚れやダメージが目立っているとします。その場合は清掃や修繕計画を、管理会社に呼びかけてみましょう。
専門的知識を生かして、共用スペースの問題解決方法を正確に伝えられます。
以上を考えてもマンション管理士資格は仕事だけでなく、プライベートでも味方になるでしょう。

マンション管理士に需要がある理由

マンション管理士に需要がある理由を3つ紹介します。
まずは人々の住む場所を管理することから、社会的重要性があることです。
ほかにも不動産業界が人材として有資格者を求める可能性に注目してください。

定年後の仕事として選択肢にもなります。需要がある理由を、以下で見ていきましょう。
まずはマンション管理士の資格には、社会的重要性があることです。日常生活に大切な衣食住のうち「住」を扱う点が大きいといえます。

マンション管理士自体の人気も考えると、一定の需要に期待です。

たとえば大規模修繕工事のアドバイスによって、建物としての健全性を保てます。
ダメージを放置した賃貸物件では、人々が暮らしづらいでしょう。欠陥のせいで生活でのトラブルが起きたり、事故でケガ人が出たりするかもしれません。
住環境を守る意味でも、マンション管理士の需要はこれからも見込めます。

マンション管理士の需要の要因に、不動産業界が求める人材イメージがあります。
賃貸物件に住む人が長年安心して暮らせるように、健全な維持や管理を進めたいからです。そこで専門知識を有するマンション管理士を求めます。

たとえばマンションの居住者によっては、規約違反を続けるかもしれません。
管理会社が注意しても聞かない可能性があります。そこでマンション管理士が管理会社に対し、退去の可能性も含めた適切なアドバイスを与えられるのです。
トラブル解決のため、管理会社に正しい行動をさせられます。

マンション管理では、さまざまな場面でその道のプロが必要です。
このような背景が管理士の需要につながっています。

最後のポイントは、定年後の仕事の候補になることです。マンション管理士の資格試験では、60代以上の合格例もあります。
豊富な社会経験を活かして、住人同時のトラブル解決や、管理上のアドバイスなどを送れるからでしょう。
またマンション管理士の資格を取り、大家として活躍する人も想定されます。

専門的な知識を活かした管理によって、人々は安心して暮らせるでしょう。
以上からシニア世代でもマンション管理士になれば、不動産業界での需要にあやかれます。

中小企業診断士

正式名称中小企業診断士
資格種類国家資格
分野法律
認定団体日本経営士協会
試験形式筆記試験
受験資格1次試験:特になし
2次試験:第1次試験合格者
試験日1次試験 8月上旬頃の2日間
2次試験 10月下旬
口述試験 12月中旬
受験料1次試験 13,000円
2次試験 17,200円
受験者数(2022年)1次試験:17,345人
2次試験:8,712人
合格者数(2022年)1次試験:5,019人
2次試験:1,625人
合格率(2022年)1次試験:28.9%
2次試験:18.7%
フォーサイト合格率(2022年)60%
偏差値67
中小企業診断士について詳しくはこちら

中小企業診断士は、規模の小さい企業に対して経営課題を見出し、解決方法をアドバイスします。こちらも国家資格として、長期的需要を見込めるでしょう。おすすめポイントと需要がある理由を、以下で説明します。

中小企業診断士がおすすめの理由

中小企業診断士がおすすめである理由は、次の3つです。
経営資源の分析力養成、ネットワーク構築の可能性、そしてステータスアップのきっかけになります。それぞれの詳細を見ていきましょう。

最初のポイントは、経営資源の分析力向上です。中小企業診断士なら、プロの見地から本格的な分析を進められます。
そこから企業の魅力を伸ばす方法や、欠点の改善方法を見出せるでしょう。

一般的に企業を支える要素は人材、設備、資金などです。
しかし中小企業診断士なら、それ以外の要因も踏まえて、よいところや悪いところを見つけられます。以上から企業内診断士と独立診断士、どちらの立場でも活躍できるでしょう。

経営分析のスキルを持つ人は限られていますが、世の中の企業にはさまざまな課題があります。
中小企業診断士のように、企業の問題を解決できるスキルは貴重です。

次のポイントはネットワーク構築の可能性です。同業者だけでなく経営者、ほかの士業者との情報共有ができます。
ネットワークを活かして仕事を進めれば、案件数や収入の増加につながるでしょう。

たとえば経営者なら、診断士としての相談相手だけでなく、経営関連の情報をシェアできます。
ほかの士業者なら、法律やコンプライアンス、社会情勢などさまざまな面から意見交換ができるでしょう。このような情報を企業診断に活かせます。

中小企業診断士は、独自のネットワークを作れるのがメリットです。

最後のポイントは、社会的ステータス向上のきっかけです。
中小企業診断士資格をきっかけに、ダブルライセンスや独立開業などのきっかけをつかめます。
中小企業診断士に対するダブルライセンスなら、FP(ファイナンシャルプランナー)、社会保険労務士などが合うでしょう。

たとえばFPなら金融知識を活かして、企業のお金の問題を解決できるかもしれません。
社会保険労務士なら労務や保険、年金関連の書類手続き代行も受けられます。
労務管理に関するコンサルティングも可能です。

FPや社会保険労務士は、中小企業事業者からの相談も想定されます。
このようにダブルライセンスで活躍できる可能性も探ってください。

中小企業診断士に需要がある理由

中小企業診断士の需要の背景を解説します。経営を助ける役目、ベンチャー企業のサポート、AIによる代替可能性の低さの3つです。
それぞれの詳細を確かめ、資格選定に役立ててください。

最初のポイントは、経営に悩む人を助けられることです。経営に悩む人は全国に想定されるので、診断士の需要も見込めます。
中小企業診断士も経営問題を解決できれば、その会社の業績向上につなげられるのです。
企業救済が、診断士にとっての社会貢献になります。

たとえば優秀な人材を確保できない企業があったとしましょう。
中小企業診断士は、相談相手である会社の経営実態や、社会情勢などをチェックします。
そこから人材獲得状況の改善をアドバイスできるのです。

このようにあらゆる企業の味方になれることが、中小企業診断士の需要に結びついています。
次のポイントは、ベンチャー企業に対応できる可能性です。

ベンチャー企業とは、革新的な商品やサービスを生み出す企業の一種です。
設立してから数年程度のように、企業としての若さも想定されます。
中小企業診断士は、ベンチャー企業を助けることもあります。

社会にイノベーションを生み出したくても、経営問題でつまづく人がいるからです。
そうした人を専門的見地からアドバイスしてあげることも、診断士の役目になります。
以上から中小企業診断士は、ベンチャー企業からの需要を取り込めるでしょう。

最後のポイントはAIによる代替性の低さです。
中小企業診断士に限らず、コンサルタント系の仕事はコミュニケーションが重要です。
適切なアドバイスには正確な表現が求められます。

高度なAIが企業診断するとすれば、機械で経営状況をデータ化し、それに基づいたアドバイスができるでしょう。
しかし人間の感情への配慮や、企業特有の事情は考えられません。
以上から人間である中小企業診断士によるアドバイスの方が、救済に近づけます。

保育士

正式名称保育士
資格種類国家資格
分野教育
主催団体社団法人 全国保育士養成協議会 保育士試験事務センター
試験形式筆記試験・実技試験
受験資格あり
試験日前期試験:筆記試験4月・実技試験6月
後期試験:筆記試験10月・実技試験12月
受験料12,950円
受験申請者数(2022年度)79,378人
合格者数(2022年度)23,758人
合格率(2022年度)29.93%
フォーサイトの合格率(令和3年度)70.2%
偏差値56
保育士について詳しくはこちら

保育士は保育所のような児童福祉施設で、子どもを預かる仕事です。
子育て世代を中心に需要が見込めるため、安定収入の可能性があります。
おすすめの理由と、需要の背景を見ていきましょう。

保育士がおすすめの理由

保育士がおすすめである理由は、次の3つです。
子どもの世話が好きな人にとってのやりがい、資格更新不要であること、プライベートの子育てにも役立つことです。
それぞれの詳細を見ていきましょう。

最初のポイントは、子どもの世話が好きなら、やりがいを感じられることです。
子育てには苦労がつきものですが、楽しんでやれる人にはそれが生きがいになります。

やりがいの観点から、保育士として充実の人生を送れるかもしれません。
また子育てのノウハウが豊富だと、人材としても重宝を受けます。
ノウハウをたくさん学ぶ人は、その分野に興味がある証拠です。

以上から保育園やこども園などで、子どもが楽しく過ごす方法もあみ出せるでしょう。
このように子どもの世話が好きな人は、保育士として生きがいを見出せます。

保育士には、資格更新の必要がありません。資格取得後は都道府県への登録が必要です。
そこで保育士証を一度もらえば、更新なしで一生持ち続けられます。

ほかの資格によっては、定期的な更新や再試験などが必要です。

このような場合は資格維持のために、わざわざスケジュール調整をしなければなりません。
以上を考えれば、保育士にそれがないのはプラスです。
保育士は資格更新不要のため、キャリアプランも考えやすいでしょう。

最後のポイントは、プライベートの子育てにも役立つ可能性です。
保育士試験では、子育てのノウハウにつながる出題もあります。資格勉強で身につけた知識は、自分や身内の子育てにも役立つでしょう。

たとえば親戚や友人の子どもを預かる人もいます。
そこで保育士の知識があれば、子どもと安心して生活できるでしょう。

このように保育士のノウハウは、どこで役に立つかわかりません。
子どものいる親は、子育てがつきものです。保育士の知識は、自分の生活の味方にもなります。

保育士に需要がある理由

保育士に需要がある理由を解説します。最初の要点は、子どもを育てながら働きたい人の味方になれることです。
ほかにも有効求人倍率の高さや、関連業務の多様化などに注目してください。
需要の背景を、3つに分けて解説します。

最初のポイントは、子育て世代の味方になれることです。
子どもの親によっては、働きながら育てたい場合があります。

その人は仕事に行っている間、保育園などに子どもを預けることが必要です。
そうした親に対応するため、保育園などは保育士資格のある人材を求めます。

有資格者なら、業界のニーズに応えられるでしょう。以上から保育士の需要は、今後も続きそうです。
また保育士の有効求人倍率は、近年高い水準です。

有効求人倍率とは、1人の求職者に対する求人数の割合です。
1を上回れば仕事を探す人より求人が多いといえます。

厚生労働省のデータでは、有効求人倍率は2020年で最大2.94、2021年は最大2.93でした。

出典:
保育士の有効求人倍率の推移(全国)

以上から子育てを助けてもらえる職業は、需要が大きいとされます。
子どもを育てながら働く人が、サポートしてくれる人を求めているからでしょう。

このような背景から、保育士は長期的需要を望めます。
また最近は、保育士資格を活かした仕事の多様化も見られ、これが需要拡大につながっているようです。
認定こども園や企業内保育士など、有資格者の進路が広がっているからです。

たとえば認定こども園には保育に加え、幼稚園としての教育機能もあります。
教育のノウハウがある人なら、保育士の資格を活かして働けるのです。

また子育てしながら働く親のために、企業内保育士の求人を出す会社もあります。
保育士の知識を活かした新しい仕事が生まれているので、資格取得後はそちらを視野に入れてもよいでしょう。

まとめ

名称独占資格とは、無資格では名乗れない職業です。一定の社会的ステータスも見込めるでしょう。
しかし名称独占資格の仕事自体は、独占業務ではありません。

そのため業務独占資格よりは、重要性が低くなります。
資格取得で満足せず、そのあとのキャリア形成も慎重に考えてください。

名称独占資格としてマンション管理士や中小企業診断士、保育士などがおすすめです。
日常生活に関わる仕事で、社会的な需要もあるからです。

これから資格を求めるなら、名称独占資格の特徴を参考にしつつ、取るべきものを考えてください。