仕事に活かせるおすすめ資格5選

最近、「仕事に活かせる資格を取得したい」という人が多くなりました。というのも、老後を含め将来にさまざまな不安が高まっている現代。社会人として普通に働いているだけでは安心できない……という思いが強まってきたからです。そのため、資格を取得することで「自分の能力や知識を高めたい」と思う傾向になってきました。資格を取得することで、現在の職場での昇進・昇給、より高待遇の職場への転職などが期待でき、可能性も広がります。

けれども、ひとくちに資格といってもさまざまな種類と難易度があり、実際はどの資格が役立つのか選択に迷ってしまう人も多いでしょう。そこで、この記事では、本当に資格に活かせるおすすめの資格をご紹介します。資格取得を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

どのような資格を選ぶべきか?

ひとくちに「仕事に活かせる資格」といっても、さまざまな種類があります。そこで、どのような基準で資格を選ぶべきなのかポイントをご説明しましょう。

目的を定める

まずは自分の目的をはっきりさせましょう。資格によって難易度は異なりますが、それなりに時間とお金を投資するものです。ただ漠然と、イメージのよさなどだけで選ぶと途中で挫折してしまいます。まずは自分の目的をはっきりと定めましょう。

例えば、

  • 社内で昇進・昇給したい
  • より収入の高い職場へと転職したい
  • 年齢を重ねても使える資格を取りたい

など、自分の人生設計にあった目的を決めてください。

勉強しやすく合格が可能な資格を選ぶ

仕事に活かせる資格を受験する人のほとんどが、仕事をしながら試験勉強を行っています。そのため、仕事と勉強の両立がしやすい通信講座で学べる資格がおすすめです。独学よりも、合格に目的を絞った効率のいい勉強ができます。

また、仕事に役立つ資格はそれなりに難易度が高いものです。けれども、努力して勉強すれば合格できるレベルの資格を選ぶことも大切になります。何年も勉強し続けないほど難易度が高い資格では、勉強時間を捻出するのも合格するのも大変です。

仕事に活かせる資格5選

前述の条件を考慮した上で、仕事に活かせる人気&おすすめの資格5選をご紹介します。

  • 事務系業務の資格:日商簿記・社会保険労務士
  • 金融・保険系の資格:FP・中小企業診断士
  • 不動産関係の資格:宅建

これらは、関連性がある資格なので、ダブル・トリプルで取得すれば、より自分の戦力がアップします。

仕事に生かせる資格 宅建

正式名称宅地建物取引士
資格種類国家資格
分野不動産
認定団体国土交通省
試験形式マークシート
受験資格学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日2023年10月15日(日)
13時~15時
受験料8,200円(予定)
受験者数(2023年度)233,276人
合格者数(2023年度)40,025人
合格率(2023年度)17.2%
フォーサイト合格率(2023年度)76.1%
偏差値55
宅地建物取引士・宅建士について詳しくはこちら

宅建がおすすめの理由

「宅建」とは、「宅地建物取引士」「宅地建物取引士試験」の略称です。宅建は、不動産に関する国家資格で、受験の際に年齢・学歴・経験などは一切ありません。受験しやすいため、毎年20万人前後の人が受験するほど人気の資格です。

宅建受験者の職業をみると(2019年度)、不動産業界の人が36.8%と一番多くなっています。宅建は、不動産の媒介や賃貸物件のあっせんなどの際、お客様にそれらの詳しい説明をする際に必要な資格です。そのため、不動産業界で働くためには必須の資格で、業界で働く受験者が多くなります。

しかしながら、それだけではありません。金融業界、建設業界の受験者もそれぞれ10%、その他の業種が21.3%もいるのです。また、学生や主婦の受験者も15%近くいることも、この試験の特徴でしょう。

宅建は、不動産取引業には欠かせない資格です。不動産業には、不動産管理業や不動産メンテナンス業もあり、それらの企業でも宅建の有資格者は歓迎されています。また不動産を持っている建築業界や、金融業界でも役立てる資格です。幅広い業界の仕事で役立つ資格ながら、誰でも受験できるため取得しておいて損のない資格といえるでしょう。

宅建を取得するメリットは?

宅建の合格率は平均15%前後です。試験には、民法・宅建業法・法令上の条件・不動産関連知識などが出題されます。はば広い学習が必要なので決して楽勝で合格できる試験ではありません。ただし、重要な頻出分野に照準を絞り計画的に勉強すれば、初学者でも合格は可能です。

宅建は、不動産売買を行う会社や賃貸業者、不動産管理会社などへの就職・転職の際に歓迎され、会社によっては資格手当を支給しているところもあります。さらに、不動産業界だけではなく、住宅ローンの貸し出し業務を行う金融機関・不動産物件を持つ大企業・不動産管理業でも歓迎されているのです。

これらの業界で働いている人や転職を考えている人は、アドバンテージとなる他県資格はぜひ取得しておきましょう。また、宅建試験合格の実績は、一生有効(宅建士の免許証は5年に1度の更新手続きが必要)であるのも魅力です。

仕事に生かせる資格 FP

正式名称ファイナンシャル・プランニング技能士
資格種類国家資格
分野金融
認定団体厚生労働省
試験形式筆記、マークシート、口頭、面接
受験資格FP2級:以下のいずれかに該当する人
・3級FP技能検定の合格者
・FP業務の2年以上の実務経験者
・厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
・日本FP協会認定の「AFP認定研修」を終了した人
試験日FP2級〜3級
年に3回(5月・9月・1月)に実施
受験料FP2級
学科:4,200円
実技(個人資産相談業務):4,500円
実技(保険顧客資産相談業務):4,500円
受験者数(2023年1月)FP2級
学科試験 29,466人
実技試験 23,994人
合格者数(2023年1月)FP2級
学科試験 16,537人
実技試験 14,283人
合格率FP2級
学科試験56.12%
実技試験59.53%
フォーサイト合格率(2023年1月)FP2級
学科試験:93.8%
偏差値38〜57
ファイナンシャルプランナー・FPについて詳しくはこちら

FPがおすすめの理由

FP(ファイナンシャルプランナー)という資格の名前を聞いたことがある人は少なくないでしょう。FPは、人生のさまざまなステージで必要になるお金に関して詳しい知識を持つ、「お金のエキスパート」のことです。ひとくちにお金といっても実にはば広いジャンルがあります。FPが扱うのは以下の分野です。

  • 税金
  • 金融資産の運用
  • ライフプランニングと資金計画
  • リスク管理
  • 不動産
  • 相続・事業継承

わかりやすくいうと、普段の家計の節約や税金・住宅ローンなどの支払いプラン・自分に必要な保険・老後の備え・教育ローンほか、生活に関わってくるいろいろなお金に関する知識を持ちアドバイスやプランニングをする仕事なのです。

FPは、その知識を生かし顧客に生涯のお金の設計プランを提案します。また、その知識は、保険・銀行・証券などの金融業界や住宅メーカーなど不動産業界などで活かすこともできるのです。また、ほかの関連する資格を取得しキャリアを積み、将来的に独立開業するという選択肢もあります。

FPを取得するメリットは?

FP資格は、1種類ではありません。

  • FP技能士:国家資格で3級〜1級があります。取得した資格は生涯有効。
  • CFP・AFP:民間資格。CFPはFP技能士1級レベル、AFPは2級レベル。期限があり。

初学者の方は、生涯有効で国家資格のFP技能士がおすすめ。履歴書に書いてアピールできるのは、FP技能士2級からです。

FPは企業内FPと独立系FPに分かれます。ほぼ90%は企業内FPで、以下のような業界で歓迎されます。

  • 銀行・保険・証券他金融業界:営業職や資産アドバイザーとして働く場合は取得しておきたい。
  • 不動産業界:資産運用・住宅ローン・住宅購入など、お金が動くので、営業職はFP資格を持っている人が歓迎される。
  • 一般企業:人事部・総務部などでは所得税や社会保険の知識が必要。FPの知識が役立つ。

上記の業界で働いている場合、FP資格を取得することでキャリアアップや転職などに有利になるのがメリットです。

最近は、今後の将来や老後に関する不安が蔓延している世の中。FP資格で得た知識は、仕事だけではなく自分や家族の人生を守るためにも役立ちます。最近は、自分のためにFP資格取得をする人も増えてきました。

仕事に生かせる資格 中小企業診断士

正式名称中小企業診断士
資格種類国家資格
分野法律
認定団体日本経営士協会
試験形式筆記試験
受験資格1次試験:特になし
2次試験:第1次試験合格者
試験日1次試験 8月上旬頃の2日間
2次試験 10月下旬
口述試験 12月中旬
受験料1次試験 13,000円
2次試験 17,200円
受験者数(2022年)1次試験:17,345人
2次試験:8,712人
合格者数(2022年)1次試験:5,019人
2次試験:1,625人
合格率(2022年)1次試験:28.9%
2次試験:18.7%
フォーサイト合格率(2022年)60%
偏差値67
中小企業診断士について詳しくはこちら

中小企業診断士がおすすめの理由

中小企業診断士とは、経営コンサルタントとして唯一の国家資格で「日本版MBA」ともいわれています。そして、近年「ビジネスパーソンが新しく取得したい仕事に活かせる資格」として、ランキング1位にも輝いたことがある資格なのです。

中小企業診断士は、日本では99%を占めるといわれる中小企業をクライアントとして経営上の問題分析を行い、相談に乗ったり問題点を分析して解決に導いたりします。

国家資格の経営コンサルタントと聞くと敷居が高いイメージがありますが、中小企業診断士試験を受験するには、年齢・学歴・経験など一切関係ありません。誰でも受験できるのが魅力です。ただし、試験内容は経営理論・経済学・財務・会計など専門的な分野になります。そのため、受験生は学生や若い社会人よりも、ある程度社会経験を積みビジネスに関する基礎知識を踏まえている人のほうが多いようです。

中小企業診断士は、企業で働く「企業内診断士」と独立する「独立診断士」の2通りがあります。日本の中小企業には様々な種類の業種があり、活躍の場が多いのも魅力でしょう。

中小企業診断士を取得するメリットは?

長年続いてきた景気低迷のみならず、最近の世界的な感染症の大流行で業績の悪化に苦しんでいる中小企業は、今後も増加すると予測されています。また、経営者が高齢化していることもあり、将来を見据えてどのように経営の舵を切っていいのか悩んでいる方は増加しているのです。

中小企業診断士は、そんな悩める中小企業の経営アドバイザーとしてニーズが高まっていくとされています。中小企業診断士はAIに取ってかわられるのでは……と心配される方もいますが、その可能性は極めて低いという海外の大学と日本のシンクタンクの研究データも出ているのです。

中小企業診断士は、クライアントと話し合いをしながらその時の状況に応じて色々な経営戦略提案しなければならず、コミュニケーション能力も必要になります。ただ話を聞くだけではなく、相手の表情や言葉のニュアンスなど細かい部分も汲み取るスキルも求められるのです。

中小企業診断士資格で得た知識は、自社でのキャリアアップはもちろん、転職や就職の際にも役立ちます。また、経験を積み人脈を築き独立開業することも可能で、実際に高い年収を得ている人もいるのです。

仕事に生かせる資格 簿記

正式名称日商簿記検定
資格種類公的資格
分野会計・財務
認定団体日本商工会議所,各地商工会議所
試験形式筆記
受験資格学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日簿記2・3級:2月・6月・11月の年3回
受験料簿記2級:4,720円
簿記3級:2,850円
受験者数(2023年2月)簿記2級:12,033人
簿記3級:31,556人
合格者数(2023年2月)簿記2級:2,983人
簿記3級:11,516人
合格率(2023年2月)簿記2級:24.8%
簿記3級:36.5%
フォーサイト合格率(2023年2月)簿記2級:86.4%
簿記3級:87.5%
偏差値2級:58
3級:47
簿記の詳細情報

簿記がおすすめの理由

経理や会計分野では必須の「簿記」資格。簿記は、企業・会社などの業種や業態、規模の大きさに関係なく、毎日の経営活動を記録・計画・整理して自社の財政や経営状態を明らかにするための資格です。

簿記資格を取得することは、経理事務に必要な会計の知識が身に付くだけではありません。企業の経営状態を数値で把握する財務諸表を読む力も付き、経営管理や分析力も磨かれます。そのことで、自社の経営状態だけではなく取引先の状態まで把握できるようになるのです。

そのため、数多くの企業は社員に対して簿記の資格取得を奨励し、大学や短大の推薦入試・単位認定の基準としても採用されています。簿記は、現在働いている会社で役立つのはもちろん、転職にも役立つ資格です。また、自分が独立開業して経営者になったときにも必要でしょう。

簿記を取得するメリットは?

簿記資格は、日商簿記・全商簿記・全経簿記の3種類があります。その中でも一番のおすすめは日商簿記。もっとも知名度が高く、企業が求める資格ランキング第一位に輝いています。

日商簿記は、1級から3級までありますが3級は入門編レベルです。即戦力として認められるのは2級以上なので、3級以上を目指しましょう。簿記は例年なら年3回(1級は

2回)なので、受験のチャンスも多く、仕事をしながらでも挑戦しやすいのが魅力です。簿記にはいろいろなメリットがあります。

  • さまざまな仕事に活かせる:簿記は企業会計の基本です。企業の経理や会計業務に携わっている人はもちろん、営業職や経営者にも役立ちます。自社の業績を把握し内容を分析できるため、営業力アップや業務改善に役立てられます。
  • 就職・転職に活かせる:簿記の知識は、企業や会社の業態や業種、規模に関係なく必要です。企業活動そのものに必要な知識であるため、有資格者は求人の条件として歓迎されています。
  • 他の資格と合わせればさらに戦力に:簿記1級を取得すれば、税理士や公認会計士の受験ができるようになります。また、経営に関する資格である中小企業診断士や、お金に関するはば広い分野を扱うFP資格を取得することでさらにキャリアアップや独立の強みになるでしょう。

仕事に生かせる資格 社労士

正式名称社会保険労務士
資格種類国家資格
分野法律
試験実施団体全国社会保険労務士会連合会(厚生労働大臣から事務を委託)
試験形式筆記
受験資格学歴
・4年制大学で一般教養科目の学習が終わった人
・4年制大学で62単位以上を習得した人
・短期大学か高等専門学校を卒業した人
・就業年限が2年以上
 かつ課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了

資格
・司法試験予備試験に合格した人
・行政書士の資格を持っている人
試験日2023年8月27日(日)
受験料15,000円※非課税
受験者数(2023年度)42,741人
合格者数(2023年度)2,720人
合格率(2023年度)6.4%
フォーサイト合格率(2023年度)26.4%
偏差値65
社労士・社会保険労務士について詳しくはこちら

社労士がおすすめの理由

社労士とは「社会保険労務士」の略称です。企業をクライアントとして、労働関連法令・社会保障法令などに基づいた書類の作成代行を行います。また、企業を健全に運営していくために、社会保険や労務管理などに関する相談に乗り、アドバイスや指導を行うのです。

労働・社会保険の手続き代行や法定帳簿の作成は、社労士の「独占業務」(その資格を持っている人間にしかできない業務)になります。また、労務に関するコンサルティングは独占業務ではありませんが、人事労務の相談や社員教育のカリキュラムの検討ほか、労働関係の専門知識や経験が必要とされるため社労士が行うのが最適なのです。

社労士試験を受験するには、学歴・実務経験・国家資格合格のいずれか1つの条件を満たしていることが必要になります。国家資格の中には「行政書士資格」が含まれているので、行政書士資格を取得した人は社労士も狙う人が少なくありません。簡単に取得できる資格ではありませんが、社労士が扱う分野は企業や会社の種類や業態、規模に関わらず必要なため、取得するとキャリアアップや転職、独立などに役立ちます。

社労士を取得するメリットは?

社労士の資格はどのような仕事で活かせるのでしょうか。

  • 企業の人事部:総務部など:年金や社員の待遇などについて扱うので、社労士の知識をもっとも活かせます。
  • 社労士事務所に就職する:社労士事務所の求人が少ないですが、もし勤めることができれば、実際に働きながら学ぶことができます。将来的には社労士として独立したい人に向いているでしょう。
  • コンサルティング企業:経営のコンサルティングを行っている企業では、社労士の求人をしていることもあります。

近年は働き方改革の導入で、社労士の需要は伸びていくといわれていました。さらに、最近の世界的な感染症拡大で、企業や会社の働き方は大きな改革を求められています。これからの会社運営や労務に関する問題ほか、社労士のアドバイスが求められる時代になりました。資格を取得することで、今後の社会において自分のキャリアアップや独立開業に役立てることができるでしょう。

仕事に生かせる資格を取得してキャリアアップを図ろう!

最近は、仕事・老後・将来などさまざまな心配が積み重なっている社会になりました。そんな時、役立つのが資格です。現在の会社でのキャリアアップや、より条件のいい会社への転職や再就職など、積極的に自分の未来のために努力をする人が増えてきました。

今回ご紹介した資格は、働きながら取得している人も多いのです。ぜひ挑戦してください。