サラリーマンにお勧めのビジネス資格3選

企業で働くサラリーマンにとって、強い味方になるのが「資格」です。自分が働いている業種に役立つ資格を取得している人材は企業にとっては「戦力になる人」。そのため、「希望する部署で活躍できる」「社内でのキャリアアップが狙える」などのメリットがあります。

さらに、資格取得者は、「サラリーマンとして働きながらも、時間をやりくりして試験勉強を行い、合格を手に入れた人間」として、その努力や前向きな姿勢、仕事に対する熱意を評価してもらえるのです。また、資格は将来、転職や独立をする時にも役立ちます。ビジネスに役立てられる資格にはいろいろな種類があります。その中で、どのような資格を取得するのがよいいのかをご紹介しましょう。

サラリーマンに役立つビジネス資格とは?

ひとくちにサラリーマンに役立つビジネス資格といっても、さまざまな種類があります。
さらに、国家資格・公的資格・民間資格があり、それぞれあらゆるジャンルの資格があるのです。では、ビジネスマンとして取得しておきたい資格、働きながらでも挑戦できる資格にはどのようなものがあるのでしょうか。

ビジネスの現場にすぐに活かせる

企業で働いているサラリーマンに向いているのは、取得してすぐに現場で活かせる資格です。「なんとなく箔が付く」「取得しておくと格好いい」などの曖昧な理由ではなく、仕事にそのまま直結し、そのスキルを役立てられる資格を取得しましょう。

取得するまでに時間がかかり過ぎない

大人になってから資格の受験勉強をするのはそれなりに大変です。特に企業で働いているサラリーマンにとっては、日中は仕事をしているので、それ以外の時間に勉強しなければなりません。勉強計画を立てて、試験日までに根気強く学習をすることが必要になります。

自分が頑張って勉強すれば合格が狙えるレベルの資格にしましょう。何年も勉強しなければならないような難易度が高すぎる資格だと、合格するまでが大変で挫折してしまいます。

自宅や自分の都合のいい時間帯で勉強できる資格

サラリーマンの場合、毎日決まった時間に退社できるとは限りません。急な残業や取引先の接待を頼まれることもあるでしょう。そのため、仕事と勉強の両立がしやすい通信講座で勉強するのがお勧めです。

独学という方法もありますが、合格に必要な分野に絞って効率よく学ぶためには、「自分で勉強分野の取捨選択を考えなくてもいい」通信講座を選ぶほうがいいでしょう。

お勧めのビジネス資格「中小企業診断士」

正式名称中小企業診断士
資格種類国家資格
分野法律
認定団体日本経営士協会
試験形式筆記試験
受験資格1次試験:特になし
2次試験:第1次試験合格者
試験日1次試験 8月上旬頃の2日間
2次試験 10月下旬
口述試験 12月中旬
受験料1次試験 13,000円
2次試験 17,200円
受験者数(2022年)1次試験:17,345人
2次試験:8,712人
合格者数(2022年)1次試験:5,019人
2次試験:1,625人
合格率(2022年)1次試験:28.9%
2次試験:18.7%
フォーサイト合格率(2022年)60%
偏差値67
中小企業診断士について詳しくはこちら

中小企業診断士がおすすめの理由

中小企業診断士という資格をご存じでしょうか。この資格は、近年「サラリーマンが新たに取得したい資格 第1位」となったほど、人気のある資格なのです。

中小企業診断士とは、経営コンサルティングに関する唯一の国家資格。現在、日本では中小企業は99%を占めています。中小企業診断士は、その中小企業をクライアントとし、主に経営に関する相談相手となりアドバイスや提案を行います。
中小企業診断士になるには以下の知識や能力が必要です。

  • 経営全般に関する幅広い知識
    クライアント企業の経営目標を現実化するために、経営資源といわれている「人材・資金・情報」に関する幅広い知識が求められる
  • 経営革新を促進する能力
    目まぐるしく変化する社会や経済状況に敏感で、クライアント企業がどのようなビジネスモデルを展開することが最適かアドバイスをする能力
  • プレゼンテーション&コミュニケーション能力
    自分が分析した経営に関するアドバイスは、クライアント企業がわかりやすいようにプレゼンテーションする能力も大切。そしてクライアント企業の問題などをきちんとヒアリングして、的確なアドバイスをわかりやすく相手に伝えるコミュニケーション能力も不可欠です。

これらの能力は、中小企業診断士として独立し顧客企業を見付けなくても、自分が働いている企業内で活用できます。

中小企業診断士がサラリーマンにおすすめの理由

中小企業診断士は、サラリーマンに非常に人気の高い資格です。経営に関する幅広い知識の持ち主は、企業の規模・業務内容・部署などに関係なく歓迎されます。そのため、管理職を狙う人や現在管理職の人も、中小企業診断士の資格試験に挑戦する人が増えているのです。

例えば、営業職・経理職など所属する分野は異なっても、それらの部署の専門性を持ちつつ、中小企業診断士試験で取得した「会社や取引先などの経営状態を分析する能力」を活用できます。
これからは、社会や経済状況が今までになく混乱し、今後は従来の概念通りでは生き残っていけなくなりそうな大きな変化を迎える時代です。中小企業診断士の資格を取得すれば、現在働いている会社で役立てられるだけではなく、将来的には経験や人脈を積んで独立することも可能でしょう。

中小企業診断士は、国家資格でありながら年齢・学歴・経験など受験に際しての条件がないのもメリットです。

  1. 1次試験に合格
  2. 2次試験の筆記式を受験
  3. 筆記式に合格すれば2次試験の口述式を受験
  4. 2次試験の口述式に合格して実務講習を受ける

このステップを経れば晴れて中小企業診断士として登録できます。多少時間はかかりますが、サラリーマンにはお勧めの資格です。

お勧めのビジネス資格「簿記」

正式名称日商簿記検定
資格種類公的資格
分野会計・財務
認定団体日本商工会議所,各地商工会議所
試験形式筆記
受験資格学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日簿記2・3級:2月・6月・11月の年3回
受験料簿記2級:4,720円
簿記3級:2,850円
受験者数(2023年2月)簿記2級:12,033人
簿記3級:31,556人
合格者数(2023年2月)簿記2級:2,983人
簿記3級:11,516人
合格率(2023年2月)簿記2級:24.8%
簿記3級:36.5%
フォーサイト合格率(2023年2月)簿記2級:86.4%
簿記3級:87.5%
偏差値2級:58
3級:47
簿記の詳細情報

簿記がおすすめの理由

簿記は、ビジネスに関する資格の中でも有名です。簿記とはわかりやすくひとことで説明すると、企業の日々の経営活動を記録・計算・整理して、経営成績や税制状況を明確にするスキルです。企業の規模・成績・業種に関係なく、どのような会社でも必要とされる能力になります。そのため、簿記のスキルはいろいろな企業で高く評価されるのです。キャリアアップに役立つ資格なので、多くのサラリーマンの間で人気の高い資格になります。

ひとくちに「簿記」といっても、日商簿記検定・全商簿記検定・全経簿記検定の3種類があり、企業で一番評価されているのは日本商工会議所が主催している「日商簿記検定」になります。日商簿記は3級から1級まであり、多くの受験生は3級から受験しますが、3級は入門編です。仕事に活かすのであれば企業からスキルとして評価してもらえる2級以上の取得を目指しましょう。また、簿記1級は超難関ではありますが、取得すれば税理士の受験資格を得ることができます。

簿記がサラリーマンにおすすめの理由

簿記は、簡単にいうと企業の経済活動を数字で記録する手段です。企業活動で発生する仕入れや売り上げ、消耗品費・交際費・雑収入ほかの収益などさまざまな項目を数字として記録し集計します。

簿記は、経理や会計などの部門に関係するものと思っている人も多いのですが、実は営業や経営などの部門にも非常に関わってくるのです。簿記スキルを取得する大きなメリットは以下の3つになります。

  • 企業のお金の流れがわかる=会社の経済活動を理解できる
  • 企業分析をすることができるので、キャリアアップや転職にも役立つ(転職先の企業の将来性などを探ることができる)
  • 成長する企業が判断できる(営業・経営に関する部門で役立つ)

「できるサラリーマン」として、簿記はぜひ身に付けておきたいスキルです。年齢・学歴・経験など受験にあたっての条件はなく、誰でも思い立てば受験ができるのもメリットです。

また、簿記は先にご紹介した中小企業診断士とも相性のいい資格。中小企業の経営コンサルタントには簿記の知識は欠かせません。簿記2級取得後、中小企業診断士を受験する人も少なくないのです。企業で働くサラリーマンのキャリアアップにはぴったりの資格でしょう。

お勧めのビジネス資格「ITパスポート」

正式名称ITパスポート
資格種類国家資格
分野IT
認定団体経済産業省
試験形式四肢択一式
受験資格特になし
試験日随時
受験料5,700円
受験者数(2022年度)231,526人
合格者数(2022年度)119,495人
合格率(2022年度)51.6%
フォーサイト合格率(2022年度)96.2%
偏差値45
ITパスポート検定について詳しくはこちら

ITパスポートがおすすめの理由

ITパスポートは、企業で働くサラリーマンなら持っておきたい国家資格です。現在は、企業の規模や職種に関係なく、ITに関する知識なしで働くのは難しい時代。事務や経理系・技術系、経営系ほか、あらゆる部門でITの基礎知識は欠かせません。

ITパスポートは、パソコンの操作に関する知識ではなく、簡単にいえば「IT力」を証明できるスキルで、以下の分野の知識を身に付けることができます

  • これからの時代に欠かせない、情報セキュリティや情報モラルに関する知識
  • 企業コンプライアンスや知的財産権などに関する知識
  • 社会人として知っておきたい経営全般に関する知識や、会計・財務に関する知識
  • 情報システム・ネットワーク・データベースなどのITの基礎知識

幅広い分野のIT知識を身に付けることで、サラリーマンとしてのスキル向上や仕事の効率化をはかれます。

ITパスポートがサラリーマンにおすすめの理由

ITパスポートは、パソコン操作や表計算ソフトのスキルを証明するものではありません。
ITの基礎知識・企業経営・情報セキュリティなど幅広いジャンルの基礎知識を持っている人材の証明になるものです。

ITパスポートは、IT企業で働くサラリーマンにとっては欠かせないスキルですが、一般企業の事務・経理・営業部門で働く人も取得しています。最近は企業や地方自治体などでも、働く人材のIT力を高める目的で、ITパスポートの受験を推奨するところも増えてきました。どんな職種でも必要になる知識なので、取得しておいて損にはなりません。

ITパスポートの試験は、全国各地の試験会場で、月に2〜8回実施されています。試験のチャンスが多く受験資格もないので気軽に挑戦できるのもメリットでしょう。ITパスポートは、情報処理技術者試験の中でも入門編となる資格です。IT系の上位資格の取得を目指している人なら、取得は必須でしょう。

合格率は高めの試験なので、IT系の知識を学ぶのは初めてという人でも「効率よく学べる通信講座」を利用して集中的に学べば一発合格も可能です。

キャリアアップを狙うサラリーマン必須の資格!

中小企業診断士も、簿記も、ITパスポートも、サラリーマンにとってビジネス力を上げるためには必須の資格といえます。これらの資格取得のために学んだ知識は、企業の規模や業種などには関係なく役立ちます。社会情勢や仕事・生活スタイルが刻々と変化していく状況の中でも、必ず必要とされるスキルといえるでしょう。

これらの資格は、仕事と勉強の両立をさせながら、合格を狙えるのも魅力です。ビジネスマンとしてのスキルアップを目指して、ぜひ挑戦してくださいね。