定年後でも仕事に使えるおすすめの資格

定年後も仕事を続けるために「資格取得」を考えている人は増えています。現代は、「人生100年」といわれている時代です。一般的に日本では「60歳〜」とされている定年ですが、現役を引退してしまうには早過ぎます。

昔と比べて、今の60代は見た目も若いだけではなく体力も気力も十分、社会人としてのキャリアも長いために「仕事人」としては実は理想的なのです。そんな定年後の人が、新しく仕事をする上で武器となってくれるのが「資格」です。ここでは、退職後も仕事をする人にぴったりのおすすめ資格をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

人生100年時代!定年後に備えた生き方を考える

「定年」を迎える60代。人生100年時代といわれている現代では、まだまだ「道半ば」を過ぎたばかりです。定年を迎えたからといって、家に閉じこもって隠居生活をするには早過ぎますよね。そこで、定年後の残りの人生を有意義に過ごすために、前もっていろいろな計画を立てておきましょう。

定年後も仕事をしてイキイキとした生活を送るために

定年後の生活を考えると、不安になる……という人は少なくありません。年金や退職金だけでは「今までの生活ができない」と、定年後も仕事をする人は増えているのです。
また、金銭的な問題はもちろんのこと、気力も体力もあるのに、仕事もせずブラブラしているだけでは「ぼけてしまいそう」「体が老け込んでしまう」「社会から取り残されてしまう」と不安に思っている人も少なくありません。

定年後も続けられる仕事は、若い世代と違ってある程度制限があります。そこで、
今まで積み重ねてきたキャリア・人脈・社会経験を生かせる仕事をして、充実した第二の人生を送るためには「資格」が必要になるのです。どのような資格が定年後の再就職に役立つのか探ってみました。

定年後に役立つ資格ってどんな資格?

ひとくちに「資格」といっても、国家資格・公的資格・民間資格の3種類があります。そして、それぞれにたくさんの分野の資格があるのです。定年後、仕事に役立てたいなら、難易度の低い誰でも取得できる資格・社会的に認知度や信用度が低い資格を選んでも意味はありません。以下の要素を持つ資格がおすすめです。

  • 専門性が高い資格
  • 有資格者への需要が高い資格
  • 人々の生活(不動産や財産など)に密着している資格

そして、定年後の60代という年齢が、「信頼できる」「頼れる」とプラスに働く資格がいいでしょう。

定年後のおすすめ資格

本記事でおすすめしたいのは、以下の4つの資格です。いずれも、定年後の再就職に有利で、独立開業も可能な資格となっています。

  • FP(ファイナンシャルプランナー)
  • 宅建士(宅地建物取引士)
  • 社労士(社会保険労務士)
  • マン管(マンション管理士)

それぞれどのような資格なのか、ご紹介していきましょう。

定年後に仕事に使えるおすすめ資格「FP」

正式名称ファイナンシャル・プランニング技能士
資格種類国家資格
分野金融
認定団体厚生労働省
試験形式筆記、マークシート、口頭、面接
受験資格 FP3級:誰でも受験可能

FP2級:以下のいずれかに該当する人
1)3級FP技能検定の合格者
2)FP業務の2年以上の実務経験者
3)厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
4)日本FP協会認定の「AFP認定研修」を終了した人

FP1級:以下のいずれかに該当する人
1)1級学科試験の合格者
2)CFP資格審査試験の合格者
3)CFP認定者
試験日 FP2級〜3級の試験日:年に3回(5月・9月・1月)に実施
FP1級の実技試験日:年に3回(2・6・10月)実施
受験料 FP3級
学科:3,000円
実技(個人資産相談業務):3,000円
実技(保険顧客資産相談業務):3,000円

FP2級
学科:4,200円
実技(個人資産相談業務):4,500円
実技(保険顧客資産相談業務):4,500円

FP1級
学科:8,900円
実技(資産相談業務):25,000円
※各非課税
受験者数(2019年8月)16,852人
合格者数(2019年8月)6,806人
合格率 FP3級:学科試験70〜80%、実技試験80〜90%
FP2級:学科試験40〜80%、実技試験50〜60%
FP1級:学科試験10%、実技試験70〜80%
フォーサイト合格率(2019年8月 FP2級)83.7%
偏差値38〜57
ファイナンシャルプランナー・FPについて詳しくはこちら

FPがおすすめの理由

FPとは、「ファイナンシャルプランナー」の略称です。ひとことで表せば「お金に関するエキスパート」のことですが、ファイナンシャルプランナーは、人間が生きていく上で大切な、税金・教育・不動産・老後など、身近なお金に関する知識を持ち、顧客の人生設計にあったプランを提出したりアドバイスをしたりする仕事を主に行います。

これらのお金に関する知識は、特に銀行・保険・証券・不動産業界で役立ちます。すでにこれらの業界で働いている人で、FP資格を取得している人も少なくありません。また、就職や転職の際には事前に取得しておくと優遇されます。

FP資格で扱うお金は以下の6つの分野です。

  • ライフプランニング
  • タックスプランニング
  • 金融資産運用
  • 不動産
  • 相続・事業継承
  • リスク管理

FP資格は、国家資格である「FP技能士」のほか、AFP・CFPという民間資格があります。初学者には認知度が高い「FP技能士」がおすすめです。

FPが定年後におすすめの理由

FPは、こらから定年を迎えようとしている、いわゆる「プレ定年世代」に人気が高い資格です。実際に、定年を迎えようとしている社会人に「これから取得したい資格」のアンケートをとると、FPは常に上位に入っています。定年後の再就職で条件のいい仕事は競争率が高く、職につくにはコネやキャリアがないと難しいこともあります。そこで、ライバルに差を付けるためにも、事前に仕事の即戦力となる資格を取得しておきましょう。

定年後の再就職案件は、金融機関関連が結構多く、勤務地や給料の額がほかの業種よりも恵まれている傾向にあります。そこで、FP資格取得者は何ももっていない人よりも有利になるのです。また、行政書士など独立可能な資格を取得している人が、定年後の独立開業するにあたり、お金に関する知識を持っていることをアピールするため、ダブル・トリプル資格としてFPを取得することもあります。

FPは、顧客の人生設計に関するお金のアドバイスを行うプロなので、ある程度年齢を経ている人のほうが、信頼感を寄せてもらえるのがメリットです。また、この資格は、自分や家族の人生設計を考えるときにも大いに役立てることができます。


定年後に仕事に使えるおすすめ資格「宅建士」

正式名称宅地建物取引士
資格種類国家資格
分野不動産
認定団体国土交通省
試験形式マークシート
受験資格学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日毎年10月の第3日曜日
受験料7,000円(非課税)
受験者数(平成30年)213,993人
合格者数(平成30年)33,360人
合格率15.6%
フォーサイト合格率(平成30年)70.8%
偏差値55
宅地建物取引士・宅建士について詳しくはこちら

宅建がおすすめの理由

宅建士とは、宅地建物取引士のことで、不動産業界で働くために必要となる資格です。そして、不動産業界だけではなく、ほかの業界でも有資格者は歓迎されます。実は、宅建資格は「日本の企業が取得を推奨している国家資格No.1」で、毎年20万人近くの老若男女が挑戦している資格なのです。

宅建士の資格取得者は、一般的には不動産会社などに勤務します。不動産の売買・交換・賃貸取引の際、不動産に関する知識には詳しくないお客さまに対し、「重要事項を説明したり契約締結後に交付する書類に署名・押印をしたり」する業務を行います。この業務は、宅建士の資格を取得している人間にしか行うことができず、不動産会社では事業所の規模・人数に合った「一定数の宅建士を置くこと」を義務付けられています。

また、宅建士を求めているのは、不動産業界だけではありません。建設・建築業界、保険業界、金融業界などでも必要とされる資格なのです。国家資格ながらも、受験するにあたって、年齢や学歴などの制限はなく誰でも挑戦できるのもメリットでしょう。

宅建が定年後におすすめの理由

宅建士の試験合格率は15%〜17%で、誰でも簡単に合格できるほど簡単な資格ではありません。けれども、50満点中70%以上の正答率で合格になるので、頑張れば取れる資格です。定年になる前にしっかりと勉強して資格を取得しておきましょう。特に以下の業界での仕事を希望している人はおすすめです。

不動産業界不動産仲介・売買・投資関連・管理などの企業
建設業界自社で建設した物件を販売する建設会社やグループ企業
金融業界銀行・信用金庫・不動産担保ローンを扱う金融機関

また、最近では海外の投資家が日本のマンションを資産として購入するケースも増えてきたために、宅建の資格プラス英語力がある人材はかなり歓迎されているようです。語学力に自信がある人で不動産関連業界への再就職に興味がある人は、語学力+宅建士の資格の持ち主として自分のスキルをアピールできるでしょう。


定年後に仕事に使えるおすすめ資格「マン管」

正式名称マンション管理士
資格種類国家資格
分野不動産
認定団体国土交通省
試験形式マークシート
受験資格年齢・性別・学歴など資格の制限はなし
試験日試験日:例年11月の最終日曜日
受験料9,400円(非課税)
受験者数(平成30年)12,389人
合格者数(平成30年)975人
合格率7.9%
フォーサイト合格率(平成30年)37%
偏差値62
マンション管理士について詳しくはこちら

マン管がおすすめの理由

「マン管」は、マンション管理士の略称です。マンション管理に関する法律の知識を持ち、マンションの住民間トラブルや住民と業者とのトラブル、マンションの修繕や建て替えの計画など、さまざまな問題を「住人の立場に立って」問題解決をしたりマンション管理に関するプランのアドバイスなどを行ったりします。

マンション管理士は、マンションの管理組合を顧客とし顧問契約を結び、組合の運営サポート・定期総会の議案書点検・管理会社の業務チェックなどを主な業務とします。

マンション管理士資格は、2001年に誕生した比較的新しい資格です。今後の日本では、地震や台風などの災害対策・老朽化したマンションの建て替え・定期的に行わなければならない大規模修繕など、住民が安全・安心かつ快適なマンション生活を送るために、管理に関するさまざまな業務が必要になります。そのためにも、マンション管理のプロであるマンション管理士の資格は、よりニーズが高まるといわれているのです。

マン管が定年後におすすめの理由

マンション管理士は、国家資格の中でもミドル・シニア世代に人気の高い資格です。というのも、マンション管理組合をサポートするコンサルティングのような仕事なので、マンション管理に関する法律に詳しいだけではなく、ある程度の年齢を経た社会・人生経験が豊富な人のほうが「信頼できる」という理由で、中高年層への需要が高いからです。

マンション管理士資格は、マンション管理会社や不動産関連業などでも推奨されています。社内マンション管理士として働くか、独立して開業マンション管理士になる2つの道に分かれます。ただ、マンション管理士の資格だけでは独立するのは難しいので、独立にあたっては宅建士・建築士・行政書士・FPなど、ダブル・トリプルでライセンスを取得して仕事のはばを広げる人もいます。

今後、現在日本で増加している中古マンションは、大規模修繕が必要になります。また、最近増加中の高齢者専用マンションやペット共生型マンションなど、専門分野に強いマンション管理士へのニーズも高まるでしょう。定年前に資格を取得し、在職中に人脈を築いてから独立をする人もいます。


定年後に仕事に使えるおすすめ資格「社労士」

正式名称社会保険労務士
資格種類国家資格
分野法律
試験実施団体全国社会保険労務士会連合会(厚生労働大臣から事務を委託)
試験形式筆記
受験資格 学歴
・4年制大学で一般教養科目の学習が終わった人
・4年制大学で62単位以上を習得した人
・短期大学か高等専門学校を卒業した人
・就業年限が2年以上
 かつ課程の修了に必要な総授業時間数が1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了

資格
・司法試験予備試験に合格した人
・行政書士の資格を持っている人
試験日毎年8月の最終日曜日(開場時間9:30〜)
受験料9,000円※非課税
受験者数(平成30年)38,427人
合格者数(平成30年)2,413人
合格率6.3%
フォーサイト合格率(平成30年)25.7%
偏差値65
社労士・社会保険労務士について詳しくはこちら

社労士がおすすめの理由

社労士(社会保険労働士)という資格は、最近注目を集めています。社労士は「労働法や社会保険などに精通しているプロ」のことで、企業を顧客として、社会保険や就業規則に関連する書類の作成や提出の代行などを主に行います。社労士の仕事には3種類あります。

1号業務(独占業務)労働社会保険諸法令に基づいて提出が必要な申請書類の作成や、それらを行政官庁に提出する手続き代行
2号業務(独占業務)就業規則、労働者名簿ほか労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成
3号業務(独占業務ではない)人事や労務管理などの相談に乗り、適切なアドバイスを行う

社労士は、「独占業務」である、人事や労務管理に関する法律・公的な保険・年金他の知識に詳しいだけではなく、最近では企業の相談に乗りアドバイスをするコンサルタント業の能力がある人が必要とされています。最近は、企業のブラック体質やハラスメント問題がクローズアップされているために、トラブル解決や防止のためにも、人事のエキスパートである社労士を確保したいという企業は増加中です。

社労士が定年後におすすめの理由

社労士は、「独占業務」が中心となっているために、独立開業に向いている資格です。そして、ミドル・シニア世代の人が多いのも特徴となっています。理由としては、肉体的な負担が少ない・経営者のよき相談役になる・企業のコンサルタントになりアドバイスを行う……という仕事柄、若くて経験の浅い人よりは、年齢を経た人のほうが話をしやすいということが挙げられます。また、定年後まで勤め上げたという経験も、信頼できる要素となるようです。

また、社労士は独立開業しなくても、企業に勤務して業務を行う勤務社会保険労務士もいます。何れにしても、定年前に会社に勤めながら勉強をして資格を取得し人脈を広げるなど、準備をしておくほうがいいでしょう。社労士を受験するには、年金・保険・相続など中高年にとってはかなり身近なことがたくさん含まれています。今まで漠然としか知らなかったことも、より本格的に学ぶことができるので、非常に興味深く勉強を進めることができるのもメリットです。


まとめ

昔と異なり、現代では定年を迎える年代でも、まだまだ現役でバリバリ働ける人のほうが増えています。そのため、定年後は老後の生活のためにも、生きがいを感じられる生活を送るためにも、第二の仕事人生を送る計画を立てる人が多くなったのです。
そのためには、他のライバルに差を付けられる資格を取得する必要があります。定年後の人生を充実させるためにも、早めに計画を立てて勉強をスタートしてください。