おすすめの不動産資格TOP5

不動産に関連する資格にはいろいろな種類があります。不動産取引・マンション管理・資金計画・住まい環境……など、分野もさまざまです。ビル・土地・マンション・家などの不動産は、企業や個人にとって大切な財産です。社会情勢や景気の影響はある程度受けても、無くなることはありません。そのため、不動産資格は取得すれば自分の武器にすることができるのです。

コロナ禍以降の世の中は、自分自身を会社に見立てキャリア・スキルアップし価値を高めていく「アイカンパニー時代」へと移行する流れです。資格をダブル・トリプルで取得すれば、より強い味方になるでしょう。この記事では、フォーサイトがおすすめする5つの不動産資格をご紹介します。

不動産に関する資格には何がある?

ひとくちに「不動産に関する資格」といっても、さまざまな分野があります。また、国家資格・民間資格など資格の種類の違い、難易度が高いもの易しいものなどの違いもあるのです。代表的な不動産の資格には何があるのか、難易度別にご紹介しましょう。

難易度★★★★★ レベルの資格

【不動産鑑定士】国家資格
不動産系資格の最高峰といわれている資格。不動産の経済価値を判定するプロとして認められる資格です。鑑定評価業務やコンサルティング業務など、不動産鑑定士のフィールドは多岐にわたります。

【建築士】国家資格
建築物を創るために必要となる設計・工事管理は、建築士の独占業務です。建築業界では必須の資格となっています。1級・2級があり、1級は国家資格の中でも高難易度です。

難易度★★★★ レベルの資格

【マンション管理士】国家資格
マンション管理士は、マンション管理組合や区分所有者(住民)の立場になり、マンション管理・維持に関してのアドバイスを行います。いわば、マンション管理のコンサルタントのような仕事です。

難易度★★★ レベルの資格

【管理業務主任者】国家資格
管理業務主任者は、主にマンション管理会社に勤めています。マンション管理組合に対して、管理受託契約に関する重要事項の説明や管理報告事務を行うのが主な仕事です。マンション管理に関する仕事でも、マンション管理士とは「住民側VS管理会社側」というように立ち位置が異なります。

【宅地建物取引士(宅建)】国家資格
宅建は、非常に高い人気を誇る国家資格です。不動産取引の専門家であることを証明する資格で、不動産会社には必ず一定数宅地建物取引士を置く義務があります。受験資格は不要なので、10代〜70代まではば広い年代の人が挑戦している資格です。

難易度★★ レベルの資格

【FP技能士】国家資格
顧客の人生目標を実現するために、総合的な資金計画を立てるお金のプロです。家計に関わる金融.不動産・住宅ローン・保険・年金制度ほか、幅広い知識を持ち現状を分析し、資産設計を行います。
【インテリアコーディネーター】民間資格

住宅・店舗・オフィス・施設などのインテリアを、依頼主の要望に合わせてコーディネートしたりアドバイスをしたりする仕事です。家具・照明・小物・内装・設備など、はば広い分野の知識を身に付け、依頼主のイメージに沿った空間を創造します。

どんな資格がおすすめ!?

上記で挙げた以外にも、不動産に関わる資格はあります。こうした資格を考えるうえで、フォーサイトでは「おすすめ」として以下の条件を重視しました。

  1. 難易度が高すぎない:難易度が高すぎる資格だと、取得までに時間がかかり過ぎる。
  2. 社会人でも挑戦できる:仕事と 試験勉強を両立できる資格が現実的。
  3. 現在〜将来にかけてニーズがある:これからの社会でニーズのある資格であること。
  4. 通信講座で勉強できる:合格することに的を絞り、効率的に勉強できる通信講座で学べる資格であること。
  5. 受験資格がない:受験にあたって、学歴・年齢・経験など一切関係なく誰でも受験できる資格であること。

それでは、この条件に当てはまる、5つの資格、宅建・FP・マンション管理士・管理業務主任者・インテリアコーディネーターをご紹介しましょう。

おすすめ不動産資格「宅建」

正式名称 宅地建物取引士
資格種類 国家資格
分野 不動産
認定団体 国土交通省
試験形式 マークシート
受験資格 学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日 毎年10月の第3日曜日
受験料 7,000円(非課税)
受験者数(2023年度) 233,276人
合格者数(2023年度) 40,025人
合格率(2023年度) 17.2%
フォーサイト合格率(2023年度) 76.1%
偏差値 55
宅地建物取引士・宅建士について詳しくはこちら

宅建(宅地建物取引士)がおすすめの理由

「宅建」は、宅地建物取引士の資格や試験の略称です。毎年20万人前後の老若男女が受験する人気の不動産資格として知られています。

宅建の資格は、土地や建物などを扱う不動産取引業務には不可欠の資格です。不動産会社は、営業所に一定数の宅建士を置かなくてはいけません。というのも、顧客に不動産取引の際に必要な「重要事項」を説明し、書類に署名・押印をするのは宅建資格を持っている人しかできないからです。

資格取得者は、一定水準の知識を所有していることの証明になるため、会社でのキャリアアップや転職・就職にも役立ちます。また、宅建資格は、不動産業界のみならず、金融機関・保険業界・建築会社でも歓迎される資格です。

宅建では民法を勉強するため、「宅建は法律系資格の登竜門」といわれています。法律に関係する資格を取得する際のステップとして取得する人も少なくありません。

宅建(宅地建物取引士)のメリット

宅建資格を役立てることができる不動産・金融・保険・建築業界などは、いわゆる「手堅い業界」です。社会のトレンドに大きく左右されることはありません。社会不況や2020年から世界的に拡大した感染症の影響など、多少は影響される部分もありますが、不要になる分野ではないので安定しているといえるでしょう。

宅建資格を持っていることは「不動産売買や賃貸物件の斡旋をする際に、お客さまに詳しい説明ができる人材」として認めてもらえます。さらに、今後増加する「空き家問題」の解決にも、宅建資格で得た知識を役立てられる可能性もあるのです。

また、宅建の資格取得で学んだ知識は、自分がマンション・家・土地などの不動産を購入したり借りたりする際に役立ちます。宅建の知識があれば不動産仲介業者にいろいろと突っ込んだ質問もでき、交渉できるのもメリットでしょう。

おすすめ不動産資格「FP」

正式名称 ファイナンシャル・プランニング技能士
資格種類 国家資格
分野 金融
認定団体 厚生労働省
試験形式 筆記、マークシート、口頭、面接
受験資格 FP3級:誰でも受験可能

FP2級:以下のいずれかに該当する人
1)3級FP技能検定の合格者
2)FP業務の2年以上の実務経験者
3)厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
4)日本FP協会認定の「AFP認定研修」を終了した人

FP1級:以下のいずれかに該当する人
1)1級学科試験の合格者
2)CFP資格審査試験の合格者
3)CFP認定者
試験日 FP2級〜3級の試験日:年に3回(5月・9月・1月)に実施
FP1級の実技試験日:年に3回(2・6・10月)実施
受験料 FP3級
学科:3,000円
実技(個人資産相談業務):3,000円
実技(保険顧客資産相談業務):3,000円

FP2級
学科:4,200円
実技(個人資産相談業務):4,500円
実技(保険顧客資産相談業務):4,500円

FP1級
学科:8,900円
実技(資産相談業務):25,000円
※各非課税
FP2級 受験者数(2023年1月) 学科試験 29,466人
実技試験 23,994人
FP2級 合格者数(2023年1月) 学科試験 16,537人
実技試験 14,283人
FP2級 合格率(2023年1月) 学科試験56.12%
実技試験59.53%
フォーサイト合格率(2023年1月) 学科試験:93.8%
偏差値 38〜57
ファイナンシャルプランナー・FPについて詳しくはこちら

FPがおすすめの理由

FP(ファイナンシャルプランナー)は、簡単にいうと、「顧客の人生や生活に関わる全てのお金」の相談に乗り、人生設計のアドバイスを行う専門家です。不動産を含む資産運用・老後資金・保険商品の活用によるリスク・ローンの選び方など、いろいろな分野に関して、顧客の将来プランを立て提案できる資格になります。

超高齢化社・感染症との共存・年金問題など、さまざまな将来の不安がある今、単に夢や希望だけではなく具体的かつ確実な人生設計を立てられるプランナーとして、今FPは注目されているのです。FP資格取得者は、保険・金融・不動産・会計などの業界で役立てることができるだけではなく、一般企業の経理部門でも歓迎されます。

FP資格には、国家資格であるFP技能士(3級〜1級まであり)と民間のAFP、CFPがあります。初めて挑戦する人は、スキルとして認めてもらえる「2級FP技能士」(3級は入門編レベル)を狙うのがおすすめです。

FPのメリット

FPの資格を取得する最大のメリットは、家計管理・子どもの教育資金・老後の生活設計・資産運用・不動産・税金・保険・相続など、人生のあらゆる場面で関わってくるお金に関して専門知識を持てることです。

これらのことに無関係で生活はできません。今後さまざまな不安が目白押しな将来「どのような生活設計を立てれば安心して暮らしていけるか」は、複雑なお金に関する知識をよく理解していないと、自分でプランニングするのは難しいものです。FPの資知識をいかして自分や家族の将来の生活設計を立てることができるので、老後も安心して迎えられるでしょう。

もちろん、FP資格は、保険・金融・不動産・会計などへの就職・転職や、社内でのキャリアアップに役立ちます。実際に、コロナ禍で働き方が変化した今、お金の知識を持ち将来設計を立てられるFPへのニーズは高まっているのです。企業である程度の実務経験を積み、さらにFPの業務内容に関連する宅建・行政書士などの資格を取得し独立することもできます。

おすすめ不動産資格「マンション管理士」

正式名称 マンション管理士
資格種類 国家資格
分野 不動産
認定団体 国土交通省
試験形式 マークシート
受験資格 年齢・性別・学歴など資格の制限はなし
試験日 試験日:例年11月の最終日曜日
受験料 9,400円(非課税)
受験者数(2023年度) 11,158人
合格者数(2023年度) 1,125人
合格率(2023年度) 10.1%
フォーサイト合格率(2023年度) 31%
偏差値 62
マンション管理士について詳しくはこちら

マンション管理士がおすすめの理由

マンション管理士は不動産資格の1種ですが、その名の通り「マンション管理に関するプロフェッショナル」のことです。マンション管理組合を顧客として、専門知識をもとに、建物の管理・維持などに関するアドバイスやサポートを行います。

  • 管理組合の運営や管理費などの会計監査
  • マンションや設備に関する修繕工事
  • マンションの管理規約の作成と更新
  • 住民トラブルの解決
  • マンション管理会社の監督

マンション管理士は、マンション組合側(住民側)の立場になり、さまざまな問題を解決に導き、住民の財産であるマンションという建物を守ります。現代は、10人に1人がマンションに住んでいる時代。新築・中古・老朽化など、マンションがどのような状態でも「管理」が不要になることはありません。

管理維持に関するはば広い知識を持つマンション管理士は、不動産管理会社・不動産コンサルティング会社などで歓迎されますが、管理業務主任者・宅建など「不動産三冠王」と呼ばれる資格も併せ持てば、自分のスキルをさらにアピールできるでしょう。

マンション管理士のメリット

現代は、10人に1人がマンションに住んでいる時代。マンション管理士が活躍するのは、新築の分譲マンションの管理だけではありません。

  • 中古マンションのリノベーション
  • 2025年問題と呼ばれる、「団塊世代の後期高齢者化に伴うマンションの空き部屋化」
  • 老朽化したマンションの修理修繕

ほか、マンション管理士の知識が必要になるケースがたくさん待ち受けています。

また、地震や台風などの自然災害や感染症などの対策、高齢者やペットにやさしいマンション環境など、現代社会に合った知識も持ち合わせたマンション管理士は、より求められるようになるでしょう。

マンション管理士は、社会人として経験を積みコミュニケーションにも慣れている人が好まれるため、中高年層の資格取得者が多いのも特徴です。行政書士やFPなどの資格も取得し、今まで積み重ねてきた人脈を活いかしてコンサルティング業として独立開業することもできるでしょう。

おすすめ不動産資格「管理業務主任者」

正式名称 管理業務主任者
資格種類 国家資格
分野 不動産
認定団体
試験形式 四肢択一式
受験資格 制限なし
試験日 12月の第1日曜日
受験料 8,900円
受験者数(2022年度) 16,217人
合格者数(2022年度) 3,065人
合格率 67.6%
フォーサイト合格率(2022年度) 77%
偏差値 55
管理業務主任者について詳しくはこちら

管理業務主任者がおすすめの理由

管理業務主任者はマンション管理のプロとして認められる資格です。資格取得者は、主にマンション管理会社で勤務しています。というも、マンション管理会社側が、マンション管理組合(住民)に対して、管理委託契約に関する重要事項の説明・管理事務報告を行う際、この資格が必要だからです。

重要事項の説明や、管理受託契約に関する契約書への記名・押印などの業務は、管理業務主任者しか行うことができない「独占業務」。そのため、管理会社は一定数管理業務主任者を置かなければなりません。マンション管理会社にとっては、非常にニーズの高い不動産関連の国家資格なのです。また、資格取得者には資格手当を出す会社もあります。

マンション管理士はマンション管理組合サイドの立場ですが、管理業務主任者は管理会社の立場で立ち位置が異なります。けれども、資格試験は出題範囲がかぶる部分も多く、両方の資格取得を狙う人も少なくありません。

管理業務主任者のメリット

マンション管理業を行う上では欠かせない存在の管理業務主任者。「10人に1人」はマンションに住んでいるといわれている今、管理会社にとって管理業務主任者はなくてはならない存在です。また、管理会社のみならず不動産業界全体や不動産部門を持っている金融機関などがマンション管理業へと参入している今、独占業務を持っている管理業務主任者は、ますます需要が高まっていくことが予想されています。管理業務主任者の仕事内容は、会社によって大きく異なることはないので転職しやすいのもメリットでしょう。

超高齢者社会を迎え、掃除や手入れが大変な家を売り便利なマンションへと引っ越す人が増えてきました。人々の住まいとしてのマンション需要が無くなることは考えられません。新築・中古・老朽化マンションでも、状態に関係なく管理は必要です。そのため、管理業務主任者のニーズは今後も高まっていくことが考えられます。また、会社勤めなので安定性があるのも魅力でしょう。

おすすめ不動産資格「インテリアコーディネーター」

正式名称 インテリアコーディネーター
資格種類 民間資格
分野 生活
認定団体 公益社団法人インテリア産業協会
試験形式 マークシート
受験資格 特になし
試験日 一次試験:10月上旬
二次試験:12月上旬
受験料 14,850円
受験者数(2022年度) 8,943人
合格者数(2022年度) 2,193人
合格率(2022年度) 24.5%
偏差値 53
インテリアコーディネーターについて詳しくはこちら

インテリアコーディネーターがおすすめの理由

数年来、注目を集めているのがインテリアコーディネーターです。不動産関連資格の中でも、最もクリエイティブな資格といえます。インテリアコーディネーターは、住居・施設・オフィスなどのインテリアの計画を立てて、商品の手配をしてプランを実現します。

コーディネートセンスやカラーの配色センスなどが必要なのはもちろんのこと、設備・内装・照明・家具・グッズほか、インテリアプランを構築するさまざまなアイテムに関してのはば広い知識を身に付けることも大切です。また、インテリアコーディネーターは、自分の好きなように商品を選んでコーディネートするのではなく、顧客の希望・予算をしっかりヒアリングしそれを形にする力も求められます。

インテリアコーディネーターは、住宅メーカー・インテリアメーカー・インテリアショップ・建設会社・設計事務所などでニーズのある資格です。それらの業界は、資格がなければ働けないわけではありませんが、資格を取得することで「知識を持っている人材」として認めてもらえます。また、会社勤めで経験を積み、独立開業する際にも、資格を取得しているほうが、顧客からの信頼を得やすくなるでしょう。

インテリアコーディネーターのメリット

ここ数年来、食事やイベントなどは「外」よりも「家」で楽しむ傾向にあります。さらに、コロナ禍の自粛生活も後押しし、「家」という空間作りにより注目が集まっているのです。高齢者が安全に過ごせる部屋、家族同様のペットと快適に暮らせる部屋、中古マンションをリノベーションでオシャレに……など、家という空間に対する要望もさらに高まっています。

インテリアコーディネートは、今後「素敵な部屋づくり」というだけではなく、実用的で安心・安全に過ごせるという現実的な要素も求められます。顧客のイメージする理想の空間を、いかに実現するかがインテリアコーディネーターの腕の見せ所。

依頼される仕事内容は、勤めている会社によっていろいろですが、たとえ担当したものが「一部分」であっても自分の実績になります。経験を積み重ねることで、すべて自分のキャリアとなって残るのもインテリアコーディネーターのメリットです。仕事の経験と信頼を積み重ね人脈を広げることで独立開業も可能なのが魅力でしょう。

最近は、コロナ感染予防の観点から、直接お客さんの自宅に伺わずに、リモートでコミュニケーションを取りつつプレゼンテーションを行うシステムなども始まっています。居心地のいい家や部屋作りに対する要望は今後も増えていく傾向にあるので、早めに資格を取得しておくのがおすすめです。

注目の不動産資格でスキルアップしよう!

働き方が大きく変化していく今。近い将来やその先の老後に備え、自分のスキルを上げて「需要のある人材」になろうと、資格取得に励む人は多くなってきました。仕事の資格は、自分の武器になってくれます。特に、不動産に関連する資格は今後もニーズが高まっていくことが予想されているのです。

ここでご紹介した5つのおすすめ資格は、今後変化していく社会のニーズにも合っています。勉強しなくても簡単に取れるという資格ではありませんが、試験勉強して身に付いた知識と資格という看板は、キャリアアップ・転職・就職に役立ってくれるでしょう。

いずれも、通信講座で効率のいい勉強をすれば、社会人でも働きながら合格を目指せます。ぜひ挑戦してみてくださいね。