実務家密着取材

直撃インタビュー
社会保険労務士 齊藤学さん

社会保険労務士   齊藤学 さん

1973年新宿生まれの埼玉県育ち。専修大学文学部人文学科を卒業後、1998年に全国展開する大手飲食チェーン企業に入社。都内の支店に配属され、副店長として勤務。その後退職し、2001年の試験で社会保険労務士に合格。翌年、都内にある社会保険労務士事務所に入所し、給与計算業務をメインにさまざまな業務を担当し、2002年に勤務登録。2004年、さいとう社労士事務所を独立開業し、現在に至る。

齊藤学さんが代表を務める「さいとう社労士事務所」のホームページは下記のとおりです。
URL : http://www.k3.dion.ne.jp/~mannabu/


単純に、簡単に、分かりやすい説明で
「そこにいて当たり前」、空気のような社労士に

試験に合格して資格を取得した後、実際にどのような仕事を行うのか。フォーサイトでは活躍中の実務家を直撃し、その実像に迫ります。今回は、社会保険労務士の齊藤学さんからお話を伺いました。

どのようなお仕事をされているのでしょうか


一般的な社労士業務です。社会保険・労働保険に関する各種手続き業務、就業規則の作成などの社内制度の構築業務、給与計算代行業務、また人事・総務・労務管理の専門家として、さまざまな専門知識の情報提供やアドバイスを行っています。クライアントは都内のサービス系、制作系、IT系企業が多く、基本的には顧問として継続的なお付き合いをしています。


齊藤さんのオフィスは早稲田にある

齊藤さんのオフィスは早稲田にある


資格を取ろうと思ったきっかけは何ですか


健康上の問題で、新卒で入社した会社を退職せざるをえない状況になりました。辞める決意をしてからいろいろ調べ始め、「人と接する仕事」かつ、「事務系の転職にも有利であろう資格」かつ「独立してやっていくことも可能な資格」で検討したところ、一番トップに出てきた選択肢が“社労士”でした。転職という選択肢よりも、未知の世界にある“社労士”という職業が浮かんだことが、自分としても不思議なくらいでしたね。フルタイムでアルバイトをしながら受験勉強に励み、2度目の試験で合格しました。


2度目のチャレンジで合格

2度目のチャレンジで合格


資格取得後、どのようにお仕事を進めたのでしょうか?


私の場合、ラッキーだったことに、比較的スムーズに社労士事務所へ入所することが出来ました。社労士試験に合格したものの、進路に悩む人は結構多いのです。私自身も、これからどのように進むべきか迷っていた時、ひょんなきっかけで、とある通信教育会社主催の合格セミナーへ行きました。そこで、知り合った社労士の方からご縁をいただき、都内の社労士事務所に勤務することが出来ました。そして3年間の修行期間を経て、独立しました。


お仕事の際に気をつけていることとは何でしょうか?


「丁寧に簡単に仕事する」ことをモットーにしています。矛盾するようですが、私は凝り性ですので、仕事が複雑になりがちです。そうすると、一般の人には、かなり分かりにくくなってしまいますので、お客様の理解や同意を得ることも難しくなってしまいます。ですから、極力簡単に作業し、丁寧に分かりやすい仕事をするように心がけています。また、社労士はお堅いイメージを持たれてしまいがちですが、出来るだけ親しみやすい存在になるように心がけています。事業主の方も、従業員の方も、スムーズに仕事が出来るよう、「そこにいて当たり前」な、空気のような距離感で接しています。


温かい語り口の齊藤さん

温かい語り口の齊藤さん


お仕事に必要なスキルは何だと思われますか?


積極性が大事だと思いますね。スキルは、実際に仕事をしているうち身につくものです。とにかく一歩踏み出さなければ、何も始まりません。自分からアクションを起こすべきだと思います。あまり考えず、とりあえず行動に移してみる。何か行動してみることで、人が繋がったり、物事が動き出します。丁寧にやれば大きな間違いは起こりませんし、いくらでも軌道修正することは出来ます。考えるより先に飛び込むことで、得られるものは多いと思います。


齊藤さんの趣味はゴルフ

齊藤さんの趣味はゴルフ


今後の予定、夢を教えてください


いくつになっても現役でいることですね。私が尊敬している社労士のひとりで、80歳を超えてもバリバリと活躍されている方がいます。健康でにこやかに、晴れ晴れと仕事をされている様子をみるのはとても気持ちいいですし、理想の将来像ですね。私もノウハウや経験、知識を積み重ね、ロングスパンで成長していきたいと思います。



試験勉強中は、合格へ至る目標だけで、頭がいっぱいになってしまうと思います。けれど実際、合格してからが本当のスタートです。是非、“仕事をしている自分”を思い浮かべてモチベーションをアップすると良いと思います。“成功している自分”をイメージして、頑張ってほしいですね。


社会保険労務士   齊藤学 さんの、ある1日


ある日のスケジュール
7:00 起床 朝食
9:30 出社 メールチェック
10:30 社内 書類作成
12:00 休憩 昼食
13:00 社内 電話対応、書類作成
14:30 外出 クライアント訪問
16:00 社内 給与計算業務
19:00 退社 その後、同業者との懇親会
23:00 帰宅  
24:00 就寝