社労士過去問の一問一答を繰り返す
【社会保険労務士】
2019年(平成31年度)合格
- 勉強期間
- 10ヶ月間
- 受験回数
- 2回目
- 職業
- 正社員(サラリーマン)
- 年代
- 20代
- 性別
- 男性
基礎学習編
フォーサイトからは労働基準法に始まる労働法のテキストが届きます。カラー印刷で大変見やすいです。この時点では、時効や提出官庁等の横断学習はしません。各科目ごとの知識を覚えられるように映像講義とテキストの音読を繰り返します。
社会保険法もほぼ同様です。ただし、個人的には年金法2科目については、年金アドバイザーの資格学習等を先に行う方が取り掛かりやすかったのかもしれないと考えます。それくらい癖のある科目と思っていただいた方が良いでしょう。
労一については、深追いしすぎないこと。テキストも分厚く赤文字も多いですが、その覚えた文言が実際に試験に出る確率からすると割に合わないと考えます。のちに届く労働経済白書対策の数字を大まかに覚えたり、時事問題の把握に努める方が良いでしょう。
社一についてはその逆。各法ごとのキーワードを抑えることを意識しましょう。
○年や○○万円といった数字系は、とにかく語呂合わせを使いました。加藤先生からも映像中で覚え方の講義があります。また、自分の趣味や有名人、名所等と絡めて作り上げた語呂やリズム感のある語呂ですとなかなか忘れないのではないでしょうか。いずれにしましても、「本試験でキーワードを見かけたときに、いかに多くの要素を引っ張り出せるか」がカギとなるでしょう。
テキストは、1つのところのものを集中して使い、別に発刊されているものを使わないでください。1冊集中型の最大の利点は「文字を文字としてだけでなく映像として記憶できる」ことにあると思います。何十回も見直したテキストですと、「あの単語はこのページにあって、その見開きにはこんなことも書いてあったな」とイメージ化できるようになってきます。これも「本試験で知識を引き出す」ために必要なことでしょう。
また、私の場合はまとめノートは作成しませんでした。なぜならテキストのほかにノートを作ると持ち歩きに不便だからです。科目横断の知識も、どれか1つのテキストに寄せて書くことがおすすめです。
キーワードや条文は、家じゅうに付箋やメモを貼り付けました。特にお手洗いやお風呂は必ず寄るところですので、特に抑えたい点を貼り付けました。一時期はスマートフォンの壁紙を健康保険法の高額医療費のページのスクリーンショットにしていたこともありました。とにかく「毎日目に触れる」状況を作りましょう。
過去問編
こちらは1回目の失敗から。1回目はフォーサイト様の過去問題集のみを使用していましたが、数多く取り組んでいるうちに、以前間違えた問題も暗記してしまうことがままありました。結果色々な選択肢・問題に出会うことなく、実践的な演習活動ができず、模試・本試験ともいい成績を残すことができませんでした。
これを受けて2回目は、インターネットで無料提供されている社労士試験の過去問題集の演習サイトを使い、毎日一問一答を繰り返しました。科目は全教科ランダムです。例えば、「今日は雇用保険を1日やるぞ」としたとき、しばらく解いていると「これ、さっきも出てきた論点じゃん」というような慣れが出てきてしまいます。これを防ぐために、全教科総当たり、どこから何が来るのか分からない状態で取り組むことが良いでしょう。
また、正解不正解にかかわらず、問題の出典元となった科目のテキストを開き、その論点の記載ページ、並びに前後の10ページほどを音読しました。これにより、毎日触れない科目はなくなり、重要な論点については粘っこい反復学習が可能となります。
音読という単語を複数回使わせていただきましたが、黙読よりも効果があると考えます。ご自宅で学習されるのであればこちらの方が良いかと思います。
直前対策編
直前期は何を差し置いても法改正です。(私の受験した2年間ではほぼ出題はありませんでした。今後そのような向きになるのかもしれませんが。)もしも前年度のテキストを使用しているようでしたら、6~7月頃までには知識のアップデートが必須でしょう。
この頃になると科目単体では整理ができていると思いますので、横断整理も行います。似通ったワード・フレーズ・条文・年数等多岐にわたりますので、ごちゃごちゃにならないよう気を付けましょう。
また、模試についてですが、結論から申し上げますと「無理に受ける必要はない」と考えます。他社様ですと用意された会場での試験、フォーサイト様ですと7月に送られてくるものを自学で取り組むわけですが、いずれにしても難易度が高く、合格見込みの点を取ることは望めません。試験まで1か月もないのにここで気落ちしたり、模試の問題のような難しい選択肢の検討をしたりといったことに時間をかけるくらいなら、変わらず一問一答形式で基礎の修練を図る方が効率的でしょう。加えて、模試の受験で鬼門とされる労一社一の白書統計対策をとることは不可能といってよいと思います。
科目編
ここからは科目ごとにポイントを確認したいと思います。
労働基準法(発送時期:8~9月)
キモは「労働時間・休憩・休日」です。近年注目されている面もありますし、ページ数も多いですから、特に注意して取り組みましょう。変形労働時間制や36協定、有休などは必ず出題があると思ってください。
労働時間等は上限を数字で覚えていても、頭を使う問題(ここ2年の労働基準法の問1をご覧ください。)となったときに困ってしまいますので、そのあたりも注意が必要です。
労働安全衛生法(発送時期:9~10月)
総括安全衛生管理者や安全管理者といった、部門担当の名称や指導先、義務や努力義務がポイントです。似通った名前でも論点としてはかなり違うという点も多くあります。また、健康診断や面接指導も今後重要な点になっていくように感じられます。
労災保険法(発送時期:9~10月)
労災の事例問題は1問必ず出題があります。しかし、星の数ほどある事例を抑えることは不可能ですので、テキスト・過去問題集を取り組んだうえで「常識ある肢」を選ぶことに集中しましょう。
業務災害については、名称ごとの定義・時効年数を抑えましょう。
雇用保険法(発送時期:10~11月)
失業等給付はボリュームもありますが、必ず出題があります。単語単語は理解していても、失業から給付までのスケジュールで並べられると…、ということがあるかと思いますので、点でなく線で覚えるようにしましょう。
全体を通して、○日以内というフレーズが多く出てきます。一通り学習を終えたら、この点の整理をしておくとよいでしょう。
二事業については出題されてもどうにもできないと思いますので、詳しくやる必要はありません。
労働保険徴収法(発送時期:10~11月)
本試験では4点分の出題があります。出題のされ方が「○○である」というタイプのものが多いので、○か×かを考えればよい、ということは「覚えていれば正解できる」ということにもつながります。金額・期日・起算点を正確に抑え、確実に1点をもぎ取りましょう。
健康保険法(発送時期:1月頃)
急にテキストの厚みが変わります(笑)。それだけ出題の範囲・重要度も違ってくるということだと思います。現に択一式では、労基+労安=10点、労災+徴収=雇用+徴収=10点であるのに対し、ここからの社会保険科目はそれ単体で10点という配点ですから、そこを意識して時間をかけて取り組みましょう。
どのパートも満遍なく出題されるように思われますので、苦手を作りすぎないことが大事です。届け出の期日は年金法と似ているようで違う部分もありますので注意が必要です。また、大臣の認可と承認、健保組合と協会けんぽの要件の違いにも気をつけましょう。
国民年金法(発送時期:3~4月)
初学者にとっては非常に難しく感じると思います。1号から3号、任意加入被保険者の得喪や、老齢・障害・遺族基礎年金、猶予と免除が大きなウェートを占めているように思います。
厚生年金保険法(発送時期:3~4月)
上記同様です。この2科目は一体不可分ですので、1F2F部分でどのように連動しているのかを確認しましょう。
退職時改定や在職老齢年金等独特の仕組みは出題される可能性が高いのではないでしょうか。一方で、厚生年金基金については無視しても大きな問題にはなりません。
総じて健保+国年のハイブリッドのようなものです。発送時期もこれを踏まえたものでしょうから、前2科目で見たことのあるようなものも多く出てきます。
労一・社一(発送時期:5~6月)
択一式ではそれぞれ5問ずつの出題です。正直に言って、労一については最後まで何が対策なのか不明瞭でした。重ね重ねですが、テキストを完璧にしてもそこから出るのは何問なんだろう…?というレベルです。ただし、労働契約法に関しては出題の可能性が非常に高いです。同法と関連法は抑えるようにしましょう。
社一は先程申し上げた通り、キーワードの把握に努めます。社労士法はやはり社労士になるための試験ですから、試験対策上もとても重要なものであると思います。「やってはいけないことをしたらどうなるのか」「どういう処分が待っているのか」、このあたりにスポットを当ててみましょう。
どちらも運の要素(特に選択式)の強い科目ですが、強いて言えば、各法の条文や基本的理念は、その赤文字部分は暗唱できるようになりましょう。私はこののち発送される横断学習のテキストの、条文ページをコピーしてお風呂へ貼り付け音読していました。
試験当日編
回答はファーストインプレッションを大切にしましょう。不合格の年、選択式の健保で見直し中に回答を変えた結果基準点割れしました。
選択式は早々に解き終えますので、余計な迷いを消すためにも退出して択一式の対策に備えましょう。また、Twitter等で答え合わせもしてはいけません。午後のモチベーションにかかわります。
択一式は、労一社一を一番最後にしましょう。考えてもわからない問題が多く出てきますので、1ページ目から解いてここで時間を使い、最も時間のかかる肝心の社会保険法でタイムオーバーなどということにさせないためです。
ご飯を多く食べると消化にエネルギーがとられますのでほどほどに。屋外は暑いですから、朝事前に購入してから教室で食事しましょう。
当日滞在時間も長くなります。試験会場によっては椅子が固いこともありますので、タオルケットを座布団のようにできるようにしていきました。これだけでもかなり違います。
また、お手洗いでの中座を有効に使いましょう。一時退出させてもらえたら、お手洗いで体がほぐれる伸ばし運動等を行います。再開後も気を引き締めて取り組むことができるでしょう。
最後に
「労一社一の選択式の足切り」。ここで涙を呑む学生様も多くいると伺います。これに関しては出てきた問題の周辺事項への関心がいかにあるか、ということでしか対応できないと思います。
その他の選択式対策については、私の択一式対策(毎日全科目の一問一答&該当テキストの音読)であればこれを兼ねることができていると思いますし、実際に選択式の過去問は2回目の学習時には一度も解きませんでした。
長い試験時間に耐えうる集中力は、日ごろから集中して取り組む姿勢と、その取り組んできたという自負から生まれるものではないでしょうか。「どんなに少なくても、受講開始から試験当日まで勉強しない日はなかった」。簡単なようで難しいことです。しかし、これこそがあなたを難関資格試験の合格へと導きます。
ぜひ頑張ってください。