一生忘れることのできない令和2年度社労士試験

【社会保険労務士】 2020年(平成32年度)合格
勉強期間
1年間
受験回数
初学者(1回目)
職業
正社員(サラリーマン)
年代
20代
性別
女性
1.受講することとなったきっかけ



 私は税理士事務所で働いている29歳の女性です。学生の頃から簿記や会計の勉強を続けていて、社会人になってからも税理士試験の勉強をしていました。以前勤めていた事務所が社労士事務所併設であったため、給与計算や社会保険の手続きを担当することが多く、年数を重ねるごとに社労士業務の重要性が分かるようになり、税理士と社労士のダブルライセンスを考えるようになりました。最初の上司が社労士だったことにも影響を受けました。



 とはいうものの、まずは税理士5科目合格が優先で、社労士はその後でもいいや、くらいの気持ちでした。しかし、その税理士試験も、大学在学中に1科目合格できたものの社会人になってからは躓き、合格科目は増えず、苦しい日々を送っていました。確かに、明らかに労基法違反の働き方をしていた時期もありましたし、家庭の事情で受験を断念した年もありましたが、結局は忙しくて時間がないことを言い訳にして、勉強から逃げていた日々だったと思います。



 そんな中で、令和元年度の税理士試験も受験しましたが、ほとんど勉強しておらず、とりあえず受験したみたいな形で、受験する前から惨敗することが見えていたような試験でした。大手専門学校の通学講座に通っていたこともあったのですが、仕事の繁忙期に復習が追いつかなくなってしまって授業についていけなくなり挫折したことの反省を生かして、令和2年の試験に向けて、自分のペースで学習できる通信講座を探していました。そこで見つけたのがフォーサイトの社労士講座でした。元々は税理士試験対策の講座を探していたのですが、税理士試験でかなり躓いていたので、1年間は税理士試験から離れて、別のことを始めてみよう。最初はそんな軽い気持ちがきっかけでした。通信教育専門の会社であること、また、フルカラーで読みやすいテキストと、講師の加藤先生が同じ大学の同じ学部出身であったことが決め手となり、受講を申し込みました。







2.日々の学習について



 私が合格することができたと思う理由の一つが、とにかく基本を大事にしたことだと思います。8月の超直前期になってからも、苦手な箇所は基礎講座の講義を早回しで視聴していたくらいです。とにかく基礎講座に時間をかけていて、10回くらい視聴した箇所もあったと思います。直前期には、他社の模試形式の問題集で実戦練習していて、未学習の論点が出てきて不安になることもありましたが、フォーサイトの教材は合格ラインに達するのに必要な知識だけに絞ってあるので、未学習のものが出てきても焦らないように心がけました。そうした枝葉の論点を知っていれば、本試験で問われたときに得点に結びつくかもしれませんが、他の基本的なところを正解していれば、合格ラインに達することができます。そうしたところに時間をかけすぎると、フォーサイトの教材の良さが生かせなくなってしまうと思ったので、直前期で知らないものに出会ったときは深く考えず暗記するようにして、さらっと流すようにしました。



 また、早い時期から問題演習の数をこなしていたことも、重要だったと思います。択一式試験はとにかく時間との戦いだということを知って、問題文を読むスピードを速くしようと考えました。それは一朝一夕に身につくものではないので、最初の頃はチェックテスト、ある程度学習が進んでからは過去問を、道場破りのアプリで毎日必ず解いていました。スマホひとつあればいつでもできるので、隙間時間を無駄にすることなく取り組めます。時間計測機能もついていたので、本試験で必要なスピードを身に着けることができたと思います。ちなみに、税理士試験も時間との戦いと言われていて、私の過去の敗因として、問題演習量が少なかったためスピードが身についておらず解ききれなかったということがかなりあったため、その反省を生かして問題演習量はとにかく多くしようと思っていました。



 過去の税理士試験でいつも継続して勉強できず、毎年惨敗を繰り返していた私が、こんなに辛抱強く学習を継続して社労士試験に一発合格できたことは自分でもとても驚いていますが、考えてみるとそれはある意味必然だったと思います。というのは、フォーサイトの教材や学習システムが、忙しい社会人でも無理なく続けられるように工夫されたものだったと感じるからです。確かに大学在学中に1科目は取ったのですが、それは学生だったから時間もたくさんあって勉強に専念できた環境だったからで、社会人になっても同じ勉強方法を続けていたら結果は出ないのは当然だと思いました。当時は今ほどスマートフォンも普及しておらず、私も重たいテキストを何冊も持ち歩いていました。ですが今は、スマートフォンひとつで数十冊分のテキストや問題集を持ち歩くことができます。いかに時代や自らの状況にあった教材や学習方法を選ぶことができるかが、重要なことなのだと感じました。







3.新型コロナウイルスや持病との戦い



 ご存じの通り、令和2年は新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界中の人々がこれまでとは違う日常を送ることになった年です。通学で勉強されていた方は、通信講座に切り替えることを余儀なくされたと伺っています。政府から緊急事態宣言が出された時点では、私は通信講座による学習スタイルを確立できていたので、フォーサイトを選んでいたことによって、本試験までの重要な時期に、かなり有利に学習が進められたのではないかと感じています。



 とはいうものの、やはり新型コロナウイルスに対する不安というものは消えませんでした。勤め先の税理士事務所の後輩たちが受ける予定だった6月の簿記検定は中止となり、皆とてもがっかりした様子でした。8月に実施される社労士試験はそもそも実施されるのか、そんな中で勉強を続けるモチベーションを保つのは、正直しんどかったところもありました。そんな状況から抜け出せるきっかけとなったのが、隔週で実施されていたリアルタイム講義(eライブスタディ)でした。問題演習とその解説も、よいものばかりでしたが、それ以上に二神先生がいつも激励のお言葉だったり、さりげない応援メッセージをくださるので、今年の社労士試験は実施されて、このまま継続していれば必ず合格できるという確信が持てるようになっていきました。



 そんな中で、絶対に合格したかったので、睡眠時間を削って勉強したりしていて無理をしていたため、身体が悲鳴をあげてしまいました。7月の上旬頃、職場で突然体調が悪くなり倒れてしまいました。とりあえず仕事は早退することにし、歩いて会社近くの病院の救急外来へと思ったのですが、そもそも立ち上がることができず、同僚が呼んでくれた救急車で病院へ行くことになりました。新型コロナウイルスの対応で疲弊している医療関係者に対しては、余計な業務を増やしてしまいとても申し訳なく思いました。病院では、「労災使いますか?」と聞かれ、そこははっきり「業務外です!」と答えたので、おかしな患者だなと思われたとは思います(笑)。幸い病気というほどではなく一時的な体調不良だったのですが、もう本試験まで約1か月。最後の追い込みをしたい時期ですが、あまり無理はできない状況になりました。この日を境に、受かりたければ遅くとも12時までには寝るということを肝に銘じて、体調管理に努めました。



 まだまだ困難は続きます。8月の上旬に、職場で新型コロナウイルスの陽性者が出てしまいました。2週間の隔離期間を考えると、本試験までギリギリです。自分も陽性判定となった場合は、陰性になってからさらに隔離…と考えると、今年の試験はもうアウトです。祈るような気持ちでPCR検査の結果を待ちましたが、、、結果は幸い陰性。会社は全社員が2週間休業となり、休業手当は100パーセント支給してくれたので安心して休むことができ、この時間は勉強に充てました。



 本試験当日。朝は思っていたほど緊張することはなく、電車では道場破りのアプリで軽く問題演習を行いウォーミングアップをして、かなりリラックスできていましたが、会場で自席に座って選択式の問題が配られていたころに身体に異変が起きます。実は、過去に受験した税理士試験で体調が悪くなったことがきっかけで、パニック障害を患っていました。あの、血の気が引いていって、手足が痺れてくる嫌な感覚が何となくしてきました。やはり精神疾患を抱えた人が合格できるほど社労士試験は甘くないのか。副作用の眠気が嫌なので発作予防での服薬はしなかったが、やっぱり飲んでおけばよかったか。試験中の服薬許可の申請をしておけばよかったか。いろいろな思いが頭の中を駆け巡っていました。様々な困難を乗り越えてきたけど、もはやここまでか。棄権して退出しようか、、、。そう思っていたときに、脳裏に浮かんだのが、前日に動画で応援メッセージをいただいた講師のお二人の顔でした。今まで苦しくても楽しく受講してきたことを思い出して、ゆっくり深呼吸すると、発作がピークに達することはなく、そのまま選択式試験は始まりました。



 フォーサイトは営利企業ですし、私もそれなりのお金を払っているので、合格に必要な教材を提供してくださるのは、ある意味当たり前です。しかし、金額では測定できない、とても価値のあるものを、講座を通して提供していただけたような気がします。令和2年という年は私にとって、本当に色々なことがあって、一生忘れることができない年になると思いますが、そんな年にフォーサイトという素晴らしい企業の講師やスタッフの皆様に支えていただきながら社労士試験に合格できたのは、これ以上のことはないです。来年は税理士試験に再挑戦します。フォーサイトに税理士試験の講座がないのがとても残念ですが、今回の社労士試験を通して一回りも二回りも成長できたと思うので、税務と労務の二刀流スペシャリストとなれる日を夢見て、日々自己研鑽に励んでいきたいと思います。

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