通関士試験の過去問の使い方は?選び方から勉強法まで

更新日:2022年12月22日

通関士試験の合格を目指す方にとって、過去問は重要です。しかしその重要性や、適切な使い方がわからず、悩む方もいるでしょう。過去問の活用法がわかれば、通関士試験の勉強をスムーズに進められます。

今回は通関士試験の過去問の取り組み方に悩む方へ、正しい活用法をまとめました。試験合格に向けて、過去問の正しい活用は重要です。こちらを参考にして、学力向上につなげてください。

目次

適切な過去問の選び方

過去問選びにはさまざまなポイントがあります。一問一答形式がおすすめです。さらに問題と解答が別々になっているタイプを確かめてください。わかりやすい解説なども重要です。このように過去問選定の基準を、以下にまとめました。

一問一答で選ぶ

過去問は一問一答形式をメインで使いましょう。通関士試験は語群選択や、選択肢に対して正しいものをすべてマークする形式があります。試験勉強時は正答率の向上だけが目的では不十分です。正解の理由まで学ばないと、知識のアップデートはうまくいきません。

一方で過去問の一問一答形式は、選択肢ひとつひとつの正誤を問います。消去法などに頼らず、純粋に正しい知識を鍛えられるのです。目先のテクニックに頼らず、確固たる知識を根拠に答えを見つけられます。このような積み重ねが、得点力向上につながるでしょう。

以上から一問一答式の過去問は、通関士試験の要点理解に重要です。

問題と正解は見開きになっていない状態がおすすめ

過去問の見開きでは、問題と正解が一緒になっていない形がおすすめです。問題と同じ見開きに解答があるとしましょう。答えが目に入り、考える力がつきにくいといえます。このような状態が続くと、勉強に身が入らないでしょう。

おすすめは問題の裏や、巻末などに解答が載っている形式です。問題ごとに解答があるのではなく、解答が別個でひとまとめになっています。こちらの方が問題を解きやすいでしょう。また解答や解説をまとめた冊子を、過去問の本体から切り離せればなおよいといえます。

このように過去問を選ぶときは、問題と解答の位置関係に注意しましょう。これについて気になることがあれば、書店の店員や出版社への問い合わせもおすすめです。

解説のわかりやすさもポイント

解説のわかりやすさもポイントです。 充実しているほど、要点がわかりやすくなるでしょう。丁寧な解説ほど、わからなかった問題を理解しやすくなります。素早い理解が続くほど、学習へのモチベーションにつながるでしょう。

通関士試験では、選択肢を複数選ぶタイプや、正解がまったくないタイプもあります。選択肢に適切なものがない場合、マークシートでは「0」を塗りつぶさなければなりません。そのためほかの資格試験よりも、選択肢問題には慎重な取り組みが必要です。

通関士試験では、ひとつひとつの正解または不正解への背景理解を要します。こうした背景をスッキリと解説してくれるテキストが有用です。

問題演習目的なら分野別を

問題の演習目的で過去問を使うなら、分野別がおすすめです。一般的な過去問は、出題年ごとに実際の問題構成を順番に並べています。過去問によっては、ジャンルごとにまとめているタイプもあるでしょう。こちらの方が効率的に演習を進められます。

分野別の過去問は、テキストとの併用に向いています。テキストで特定ジャンルを読み終わったあと、過去問から該当の問題をまとめて解けるからです。年代別よりも学習のメインとして使いやすいでしょう。

テキストによるインプットが終わったあとは、分野別の過去問でアウトプットに励んでください。

模試感覚で解くなら年代別を

模試感覚で問題を解くなら、年代別の過去問をサブとして使いましょう。実際の年度と同じ問題構成なので、本番に即した環境で解けます。模擬試験の時期は限られていますが、年代別の過去問ならいつでもチャレンジ可能です。

年代別の過去問は10年分以上が望ましいでしょう。10年分を解いていくことで、出題傾向をつかめるからです。これは頻出要点の見極めにもつながります。たとえば10年分のうち、6回以上で類似問題があれば、次の本番でも問われる可能性に注目です。

このように過去問は、通関士試験の中身を知るうえで参考になります。

通関士試験の過去問の重要性や目的

通関士試験合格には、過去問の勉強が大切です。全体の大部分が、過去問からとされます。またインプットした知識は働かせるうえでも、過去問は欠かせません。また苦手分野の把握と改善にもつながるでしょう。ここでは過去問の重要性を解説します。

全体の75~80%が過去問から出題

通関士試験問題の大部分は、過去問から問われます。公益財団法人日本関税協会が、試験問題の75~80%を過去問からの出題と説明するほどです。以上から通関士を目指す場合、まずは出題傾向の把握がカギでしょう。

通関士試験の過去問を見れば、出題形式と各攻略法がわかります。選択肢から適切な語句を当てはめる語句選択式、選択肢から複数の正解選定、申告書作成などが代表的な形式です。それぞれの構成を知り、解き方を考えましょう。

過去に問われた問題を解いていけば、形式ごとの対処法が見えてくるでしょう。通関士試験では過去問の繰り返しが目立つので、傾向から対策を決める戦略が大切です。

知識を働かせるため

インプットした知識を働かせるためにも、過去問は大切です。たとえばテキストから知識を仕入れることがインプットなら、それを働かせるために過去問を解く行動がアウトプットになります。

インプットだけでは、本番で知識の応用が利きにくいといえます。知識を知っているだけでは、問題文を読んだときに何を問われているかわかりません。問題を見て正しい知識を当てはめる練習が必要です。その象徴が過去問になります。

たとえばテキストで通関業法を学べば、通関業関連の法律を学べます。しかし実際に問題を解かないと、各法律の認識や扱い方が身につきません。問題によって必要な法知識が違うため、それを見分ける術も必要です。

インプットだけで満足せず、問題への適応力を高めるアウトプットがカギになります。その意味でも過去問はアウトプットに有用です。

苦手分野の把握

過去問の活用は、苦手分野の把握になります。この場合は年代別過去問を使ってみましょう。通しで解けば、得点力の低い苦手分野を見分けられます。そのあとの補強時間確保につながるでしょう。

たとえば過去問を2年分解いてみます。ともにあるジャンルで、得点力が低いとわかるかもしれません。そこは苦手分野なので、重点的な復習が必要です。このように自分の得意なポイントだけでなく、欠点を知るうえでも過去問がカギになります。

通関士試験は専門知識を問われます。過去問を解けば、何らかの課題が見つかるでしょう。本番までの課題改善がカギです。

通関士試験の過去問を解くメリット

通関士試験の過去問を解くメリットはさまざまです。適性を知るだけでなく、試験問題の傾向をつかめる点に注目です。また合格までの戦略を作るためにも、過去問でシミュレーションを済ませておきましょう。ここでは過去問を解くメリットをまとめました。

通関士適性を知るため

過去問を何年分か解いてみると、通関士適性がわかります。つまり過去問は実力診断です。通関士資格を得るうえで、必要な改善点を見出せるでしょう。

ここで苦手分野が見つかっても、一喜一憂をしないでください。試験本番までの時間があれば、通関士としての適性を高めるチャンスが残されています。苦手分野は得点の伸びしろが大きいので、改善によって飛躍のきっかけをつかめるのです。このように前向きに考えながら、課題解決に努めましょう。

年代別の過去問を解いた場合、そのときの合格の可能性がわかります。得点が低くても落ち込む必要はありません。ここから合格点到達に向けた課題や、その解決法を見つけてください。このような取り組みが、合格へのプロセスになります。

通関士試験の問題傾向をつかむため

通関士試験の問題傾向をつかむうえでも、過去問は有用です。問題の出方だけでなく、よく問われる要点がわかります。頻出要点を優先的に覚える努力で、得点力を高められるでしょう。

たとえば通関士試験では、通関実務が難問とされます。申告書作成や、課税価格計算などの実技を問われるからです。過去問を解き続けることで、正しい処理方法を学ばなければいけません。通関実務の出題方法だけでなく、必要知識の傾向まで覚えておきましょう。ここまで取り組めば、通関実務をスムーズにこなすヒントが見えるかもしれません。

以上から過去問は、通関士試験の攻略法を見つけるきっかけになります。体系別過去問でメインの演習をしておき、ひと通り終わったら年代別で出題傾向をつかみましょう。とくに重要なポイントは、そこから理解に努めてください。

合格までの戦略構築のきっかけになる

過去問を使えば、合格への戦略構築のきっかけになります。時間配分や解答スタンスなど、合格に向けたプラン実践につながるのです。知識だけでなく、本番の取り組み方を学ぶうえでも、過去問を使いましょう。

通関士試験に挑むには、問題構成や頻出要点の把握が大切です。過去問での問題構成を見ないと、本番まで試験の流れがわかりません。さらに1年ごとの過去問を解いていけば、時間配分の練習になります。何年分も、そして何周分も解くことで、本番前に理想の戦略を作り出せるでしょう。

知識のブラッシュアップだけでなく、戦略構築のためにも過去問が重要です。

通関士試験は過去問だけで合格できるか?

各資格試験における過去問の重要性から、通関士試験も過去問だけで攻略できるという考えがあるようです。しかし実際は、過去問の勉強だけでの合格は難しいでしょう。

過去問だけだと不十分な理由は、知識の穴が空くことです。とくに年代別だと、体系的に学べません。試験勉強は、ジャンルごとの複数の要点理解が重要です。しかし過去問は、あくまでも実際に問われたものを、冊子として提供するだけです。それを読むだけでは、試験本番で新しいタイプの問題に適応できないでしょう。

テキストによる事前知識の習得があって、初めて過去問演習が活きます。いきなり過去問を見ても、専門用語のせいで問題や選択肢を理解できないおそれがあるのです。

さらに通関士試験は、法改正の影響を受けます。法律の改正はいつ起きるかわからず、たとえば通関業法があるときに大きく変わるかもしれません。このような事象に対応できない可能性から、過去問だけでの試験攻略は難しいでしょう。

以上から過去問は重要ツールですが、頼りすぎてもいけません。テキストでのインプットとともに、バランスよく使いましょう。

通関士試験で過去問以外にやるべき内容

通関士試験の勉強では、過去問以外も重要です。たとえばテキストは何周も読み進めましょう。動画や音声教材の活用もプラスになります。また学習が一巡したら、模擬試験も受けてみましょう。過去問以外の重要点を、以下にまとめました。

テキストは何周も読み進める

テキストは何周も読み進めてください。通関士試験のテキストには、世間でなじみのない専門用語も目立ちます。ひととおりの理解には、わからなくても読み進めましょう。

資格試験のテキストは、多読がおすすめです。これは何周も読み進めることを意味します。2周目以降に読み直すと、専門用語への抵抗感が薄れるでしょう。テキストの読解は、質より回数が重要です。

テキストの多読によって、情報が定着します。最初から精読すると、一周に時間がかかりすぎるので、挫折のリスクに注意です。以上からテキストは一定のペースで、何周も読み進めましょう。

動画や音声教材の活用

通関士試験に向けたインプットでは、動画や音声教材の活用もおすすめです。文字だけの情報よりも、耳で聞く音声や、視覚情報の方が頭に入りやすいといえます。人間のさまざまな感覚を使えば、通関士試験の知識を貯めやすくなるでしょう。

たとえば動画や音声は、通信教材で活用できます。スマートフォンで専用アプリを開けば、授業動画を聞けるでしょう。通勤中や仕事の昼休みなど、さまざまなシチュエーションで利用可能です。

文字だけでなく視覚や音声情報の活用によって、要点をつかみやすくなります。テキストに加えて、動画や音声教材も積極的に使ってみましょう。

模擬試験を受ける

通関士試験の前に、模擬試験を受けておきましょう。本番と同じ問題構成や難易度、試験時間で挑めます。ここで時間配分や解答戦略などを試し、本番までの改善のきっかけとしましょう。

模擬試験で合格ラインに届かない場合は、苦手分野の復習に力を入れてください。得点力の低い分野は伸びしろがある証拠です。伸びしろを活かし、たっぷりと知識を詰め込みましょう。

以上から模擬試験は、今後の学習計画の参考にもなります。結果をもとに、本番までの課題解決に努めてください。

通関士試験における過去問の適切な使い方

通関士試験の勉強では、過去問の使い方も大切です。テキストとの並行活用、最低3周以上の通しなど、さまざまなポイントがあります。適切な過去問の活用法を、以下にまとめました。

テキストと並行して使おう

過去問はテキストとの並行活用がおすすめです。特定ジャンルのテキストを読み終わったら、該当部分の過去問を解きましょう。このような繰り返しで、複数要点の理解が可能です。

実際に過去問を解くと、知識の応用が想定より難しいとわかるでしょう。テキストの通読だけでは、応用力が育ちません。何度も問題を解いているうちに、知識の使い方がわかってくるのです。

過去問は、体系別を先に使いましょう。問題演習をひと通り済ませてから、年代別を試す形がおすすめです。

過去問は最低3周以上進めよう

過去問は最低3周以上進めましょう。1冊を繰り返し解き直せば、知識の定着度が上がります。問題と解説の組み合わせを深く理解できます。このように情報の組み合わせをセットで覚えられれば、しばらく忘れないでしょう。

過去問の1周目は、とにかく進めることを目的としてください。苦手分野を強化して2周目で得点向上を目指しましょう。3周目で満点近くを目指す形が理想です。このような取り組みで、習熟度を高めてください。

体系別も年度別も、過去問は3周以上がおすすめです。限られた冊数を徹底的に使いこなして、理解度を高めましょう。

過去問は10年分以上がおすすめ

過去問は10年分以上がおすすめです。最低でも5年分は望ましいとされます。それだけの過去問を解くことで、幅広い問題に適応できるのです。

たとえば10年分を3周解けば、30回分取り組むことになります。テキストのインプットの成果を出すには、30回分が充分なボリュームでしょう。ただし通関士の試験範囲には法律が絡み、年度によっては法改正に対応できていない問題があります。公式情報から、法改正の有無を知っておきましょう。

法改正のような注意点はありますが、基本的に10年分を3周解き続ければ、適応力向上を見込めます。

特定曜日に過去問を解く習慣を

過去問は特定曜日に解くと決めましょう。それによって習慣化が容易です。週末に2年分ずつ解く形が理想でしょう。

通関士の推奨独学時間は約400~500時間です。1日2時間なら約8カ月かかります。このうち序盤は体系別の過去問を通してください。一巡したときから、年度別の過去問を解き始めます。

体系別でアウトプットの練習をしながら、過去問で実力チェックを繰り返しましょう。このような取り組みで、知識を仕入れつつ、課題発見からの解決計画も決められます。以上から平日はテキストの読み込みを中心として、週末に過去問を解く形を基本としてみましょう。

過去問はインターネットでのダウンロードも可能

通関士試験の過去問は、インターネットでのダウンロードも可能です。税関の公式サイトでは、過去数年の問題とその回答を見られます。テキストの読み込みや体系別過去問演習が一段落したら、ぜひアクセスしてみましょう。

それ以外でも、通関士試験の過去問を無料提供するサイトがあります。サイトによっては、わかりやすい解説が特徴です。知識定着には、明快な解説を含んだ過去問が欠かせません。その意味ではインターネットでの過去問にも、利用価値があります。

過去問は冊子のイメージが強いでしょう。しかし実際はインターネットからのダウンロードでも、充実した内容が見られます。状況に応じて、使いたいものを判断してください。

iPad、Kindleのような電子機器でも過去問は解ける

最近はiPadやKindleのような電子機器でも、過去問を解けます。これらがあれば、自宅以外でも取り組めるでしょう。場所を選ばずに過去問を解けると、勉強時間を有効活用できます。

電子機器での学習には、さまざまなメリットが特徴です。紙のテキストや過去問を持ち運ばなくてよい点が大きいでしょう。余分な荷物が減って楽になるからです。またKindleで過去問を買えば、紙媒体よりも安くなる場合があります。

物理的なメリットやコストの安さから、iPadやKindleでの過去問学習も選択肢です。

通信講座ならeラーニングで過去問を活用

通信講座を使えば、eラーニングで過去問を使えます。パソコンやスマートフォンを使って、場所や時間を選ばずに学習可能です。

フォーサイトでも、eラーニングシステムがあります。たとえば「過去問一問一答」では、選択肢の正解や不正解の背景を考えられます。要点理解や、苦手分野の補強にも効果的です。制限時間機能を使えば、解答速度の向上や、時間配分の練習にもなります。

このように機能性に優れたeラーニングは、通関士試験の効率的学習にもつながるでしょう。とくにフォーサイトのeラーニングシステムではコンテンツが充実しているので、ぜひ注目してください。

合格者の体験談を過去問活用のヒントに

過去問の使い方で迷ったときは、合格者の体験談をヒントにしましょう。合格までのプロセスを、実際に読めるからです。こちらを参考にしながら、過去問の使い方を決めてもよいでしょう。

体験談では、過去問の使い方の紹介も見られます。そのとおりに実践したり、独自の使い方を見出すきっかけを得たりできます。このように成功者の体験談は、通関士試験突破にもつながるでしょう。

過去問の使い方に迷ったら、成功者の話に合わせる形も選択肢です。

通関実務は重点的に取り組む

通関士試験の過去問は、通関実務の取り組みがとくに大事です。通関実務は、実際の業務と同じ形で、書類を作らなければいけません。資格試験のなかでも、ここまで本格的な実技は珍しいとされます。

過去問における通関実務攻略のポイントは、書類作成や計算に慣れることです。多くの問題から、対応力をつけていきましょう。勉強というより、問題に慣れる感覚が大切です。

以上から通関実務のマスターには、集中学習の期間を設けましょう。過去問をいくつも解いて、問題との向き合い方を学んでください。

通関士試験の過去問でよくある質問

通関士試験の過去問について、疑問がある方もいるでしょう。ここではよくある質問に対する答えをまとめました。理想のボリュームや、解き始めるタイミングなどに答えているので、ぜひ参考にしてください。

過去問は何年分解くべきですか?

過去問は10年分を目安にしましょう。出題傾向をつかむため 多くの種類の問題に対し、適応力をつけるためです。

たとえば10年分解いてみると、似たような問題を何度も問われることがあります。その種類の問題では、同じ要点が大切になるでしょう。頻出度の高い要点は、優先的に覚えてください。多くの人が正解している問題を取りこぼすと、合格が遠のくかもしれません。

また10年分の過去問では、さまざまな問われ方があります。知識の活用には、幅広い問題への適用力が大切です。10年分を解き進めることで、応用力を学べるでしょう。

このように過去問は、傾向に基づいた対策のきっかけになります。それを機能させるうえで、10年分が理想です。

過去問はいつから解くべきですか?

過去問は体型別の場合、学習を始めたころから使いましょう。テキストの特定ジャンルを読み終えたら、すぐに体系別過去問の該当問題を演習してください。

体系別の過去問を解き終わってから、年代別に取りかかりましょう。テキストのインプットと、演習の成果をすぐに試すためです。特定年度の過去問を解き終わったあとに、苦手分野が見つかったら、集中的な復習に取りかかってください。

早期の課題解決のためにも、過去問は学習開始時期から積極的に使いましょう。

過去問は何周分解くべきですか?

過去問は3周分解くがおすすめです。1冊を複数回解いていけば、要点の大部分を覚えられます。

過去問の解答は、目的意識が大切です。1周目はとにかく通してみましょう。テキストによるインプットから、過去問によるアウトプットへつなげる感覚をつかむためです。

2周目の前に、苦手分野の復習を済ませてください。復習後に2周目へ入ると、問題の大部分が解きやすくなるでしょう。こちらの復習が済んだら、3周目に入ります。これまでの学習期間における総仕上げとして臨みましょう。

以上から過去問は、3周分通すことで、知識充足につながります。

過去問ではどのくらいの点数を取れればよいですか?

1周目はとくに点数にこだわる必要はありません。一方で3周目には、各年度で満点近くを取れるようにしましょう。

1周目はインプットの内容を、過去問でのアウトプットにつなげることを意識してください。そこで苦手分野が分かれば、復習のきっかけにできます。

2周目から3周目にかけては、高得点を意識しましょう。とくに3周目は、それまでの予備知識もあるので、満点近くを取れるように努めてください。

過去問でも状況ごとに目的意識を変えましょう。最初のうちは高得点を意識する必要はありませんが、最終的には満点に近い状態が理想です。

まとめ

通関士試験の過去問は、カテゴリーごとに目的意識を持って取り組んでください。たとえば語句や文章を選ぶ問題では、正解や不正解の理由も考えながら進めましょう。以上の意識で、要点を深く理解できます。

また通関士試験では通関実務が難関です。ここでも過去問からさまざまな問題を解いていき、書類作成や計算に慣れていきましょう。

通関士試験の過去問は、10年分を3周分解きましょう。ここまで取り組めば、得点力を充分に高められます。

過去問だけに頼らず、テキストの読み込みのような基礎学習も心がけてください。テキストによるインプットの成果として、過去問によるアウトプットを実践しましょう。加えて問題ごとに適切な対処法を見出すには、複数回にわたる過去問の活用が不可欠です。

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