貿易用語 デマレージ(demurrage)って何! ディテンション(detention)との違いは?!

更新日:2020年9月24日

黒板に時計とFREETIMEの文字

デマレージとディテンション。”de”から始まるこれらふたつの単語は、いずれもコンテナに関連する費用のことです。それぞれどのような意味か、その概要と違いについてまとめます。

目次

コンテナターミナルを倉庫扱いしないで!「デマレージ」とは?

「デマレージ(英語demurrage)」とは、陸揚げされた輸入コンテナが無料保管期間(Free Time)を過ぎてもなおコンテナヤード(Container Yard:CY)から引取りされず、置かれた状態になっている場合に課される「超過保管料」のことです。船会社がコンテナの早期引取りを促すため、輸入者に対して課します。

保税地域であるコンテナターミナルにコンテナが置かれた状態でかかる費用なので、デマレージは非課税、消費税はかかりません。

デマレージの料金設定は、コンテナの滞留期間が長くなるほど、1日当たりの金額が累進的に高くなるようになっています。通常、土曜日・日曜日・祝祭日も計算に入れます。また、通常のDRYコンテナよりもリーファーやオープントップ、フラットラックのような特殊コンテナのほうが、フリータイムが短い上に、1日当たりのデマレージの料金も2倍以上高く設定されており、よりシビアな条件になっています。

デマレージは何も輸入だけにかかるものではありません。輸出にもデマレージがあります。たとえば、コンテナをヤードに搬入した後に顧客都合により本船変更、フリータイムを超過して実入りコンテナがターミナルに置かれた状態になった場合、輸出デマレージが課されます。なお、輸出デマレージも非課税です。

つまり、コンテナターミナルを倉庫扱いしないで!実入りコンテナを早く引取りして!が輸入デマレージ。早く船積みして!それが、輸出デマレージです。

デマレージの肝となるフリータイムの期間やデマレージの料金設定は船会社や航路によって異なります。

ところで、そのフリータイム、延長できるかもしれません。輸出者が船会社にブッキング(予約)するとき、コンテナを船積みする前に、船会社と事前に交渉しておくことでフリータイムを延長できる可能性があります。

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「ディテンション」との違いは?!

「ディテンション(英語detention)」とは、コンテナヤード(CY)から納入先にコンテナを運搬した後、無料貸出期間(Free Time)を過ぎてもなお、コンテナがコンテナ保管場(Van Pool)に返却されない場合に課される「返却延滞料」を指します。船会社がコンテナの早期回収を促すために設定しています。

輸入であれば、実入りコンテナがヤードから搬出されて空コンテナが返却されるまで、輸出であれば、空コンテナがヤードから搬出されて実入りコンテナが搬入されるまでの期間がフリータイムを過ぎた場合に課されます。

国内にコンテナが置かれた状態でかかる費用なので、ディテンションは課税対象、別途消費税がかかります。

◇デマレージとディテンションの共通点

  • 〇営業日というフリータイムをひとたび過ぎれば、土日祝日も関係なく費用が加算されていきます。超過期間が長くなるにつれ、1日当たりの料金は累進的に高くなります。
  • DRYコンテナよりも特殊コンテナのほうが、料金設定が高いです。
  • コンテナの回転率を上げたいという船会社の願いが込められています。

◇デマレージとディテンションを一言でいえば、

  • デマレージ…コンテナターミナルを倉庫扱いしないで!さもないと課されるもの。
  • ディテンション…コンテナ早く返して!さもないと課されるもの。

両者の違いは、コンテナがコンテナヤードの内or外 どちらに置かれ過ぎているか?です。前者はコンテナがCY内に、後者はコンテナがCY外に置かれ過ぎている結果、課される料金です。

デマレージやディテンションの計算方法

フリータイムやデマレージ・ディテンションは船会社のサイトで確認することができます。「船会社名 デマレージ」などと検索しましょう。

通常、フリータイム・デマレージ・ディテンションは同一のページにまとめられていますので、該当の項目をチェックします。それぞれの起算日、営業日カウントor土日祝日も加算するのか?注※に従って、フリータイムの超過日数をカウントし、期間に応じた単価を掛け算していきます。

莫大なデマレージが発生してしまうケースと対策

貨物が輸入者の管理下にあれば、雪だるま式に増えるデマレージを避けられそうですが、輸出サイドの予定を把握しておらず、さらに、船会社からArrival Notice(到着通知:A/N)が担当部署に届かなかったなどの事情で莫大なデマレージが発生してしまうケースがあります。

対策として、

  • 出荷予定を把握しておけるように対策を講じる
  • ピンポイントで担当者のもとにA/Nが届くように、B/L(船荷証券)のNotify Party(A/Nの送付先)欄に輸入手続き担当者の連絡先を記載してもらうよう輸出者に要請しておくことが挙げられます。

余計な費用をかけないために、日ごろからデマレージなどが生じないよう対策しておくとよいでしょう。

まとめ

◇デマレージとディテンションの違いまとめ

デマレージ
(demurrage)
ディテンション
(detention)
FreeTime超過日数に対してかかるもの コンテナの「超過保管料」 コンテナの「返却延滞料」
コンテナを置いていた場所 コンテナヤード内 コンテナヤード外
課税・非課税 非課税 課税

いずれも超過期間が長くなるにつれ、1日当たりの料金は累進的に高くなりますので、泥沼にはまらないよう注意しておきましょう。特に、輸入者のデマレージ対策は必須です。

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