国際物流の業界で使用される「NACCS(ナックス)」って何? 分かりやすく解説!

「NACCS(ナックス)」って何?

IDC,CEA,BIA,ACL…
これらが何を示しているか分かりますか?

「NACCS」と呼ばれるシステムを使用して手続きを行う際の業務コードのほんの一例です。輸出入の現場で用いられているNACCSとは何か?概要をまとめます。

目次

民間の国際物流企業と税関を繋ぐ?!「NACCS」とは?

「NACCS(ナックス)」とは、Nippon Automated Cargo And Port Consolidated Systemの略称で、正式名称は、「輸出入・港湾関連情報処理システム」といいます。

輸出入貨物の審査と許可をする「税関」、
税関に対して輸出入申告を行う「通関業者」、
関税の口座振替による徴収などに関わる「金融機関」、
入出港に係る手続きなどを行う「船会社」や「航空会社」、
貨物の搬出入手続きを行う「保税蔵置場等」、
コンテナに貨物を積めるバンニング情報の登録や混載貨物の手続きなどを行う「海貨業者」や「フォワーダー」 積卸しするコンテナの搬出入手続きを行う「コンテナヤード」

輸出入に関連する手続きを行う関係行政機関などを結び付けるNACCSにより、業務が迅速かつ効率的に行われるようになりました。

実際にNACCSを使用して手続きを行う際は、アルファベット3文字程度の業務コードを指定して、情報を入力、関係各所に送信します。また、本船のコールサイン(識別符号)などの情報を参照するのにもNACCSを使用します。

冒頭に記した謎のアルファベットの組み合わせはNACCSの業務コードでした。

IDC…輸入申告(海上)に係る業務
CEA…輸入申告審査終了
BIA…保税運送貨物の搬入確認登録
ACL…フォワーダーが船荷証券(B/L)に必要な情報を船社などに送信する業務

ほんの一部です。このほかにもたくさんの業務が存在しています。

NACCS リアルタイム口座って何?

輸入手続きのなかで重要なイベントといえば、輸入者による「関税の納付」です。

NACCSを利用したリアルタイム口座というものがあります。

リアルタイム口座は、納税者の一般口座から”自動的に”納付手続きが行われるのが特徴です。NACCSが輸入者や税関、銀行を結び付ける特性を生かすことで、従来の納付とは異なり、輸入者が金融機関に対し納付指示を行う業務などが不要になります。

リアルタイム口座を利用するためには、事前に、利用者・輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社(NACCSセンター)・金融機関の3者間において、口座振替契約を行います。

NACCSを使用して輸入納税申告を行う際に、あらかじめ指定した口座番号等を入力することで、税関による申告の審査が終了すると、納税額が納税者の一般口座から国庫金勘定へと自動的に振替えられる仕組みです。

これにより税金の納付を行われると、金融機関から領収済通知情報がNACCSに送信されます。税関はこの通知情報に基づき、NACCSで領収、収納等の処理を行い、輸入(納税)申告者に対して輸入許可通知書等を出力することになります。

NACCSを介して手続きが進められるため、関税の納付や納付の確認などがスムーズに進められます。

通関士試験とNACCS

貿易業界で唯一の国家資格であり、輸出入手続きのスペシャリスト「通関士」になるために突破しなければならない通関士試験。通関士試験において、NACCSに関わる「電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律」は出題範囲に入っています。

過去の試験ではNACCSでできる業務とできない業務は何なのか?などについて、問われています。

現在NACCSでは関税法関連法以外の他法令に係る手続き、たとえば、

経済産業省に対する貿易管理手続き、
農林水産省に対する植物防疫手続きや動物検疫手続き、
厚生労働省に対する食品衛生手続き

など多くの業務をNACCS上で処理することができます。

NACCSは以前までそれぞれ独立したシステムだったものを統合していき、輸出入に係る手続きを一元化してきました。改良が加えられ現在大部分の業務はNACCS上で手続きできるようになっています。

今後のNACCS 高度な情報をリアルタイムで共有して業界全体を最適化?!

わたしが通関業者に勤めていたころ、不毛な業務だと感じていたこと。

それは、荷主からShipping Instruction(S/I:船積指示書)のEXCELデータをもらい、ACL(B/L情報を船社に提出するためのNACCS業務コード)などに貼り付けしやすいようにデータを加工、地道にコピー&ペーストを何十件、何百件と繰り返したことです。

顧客によってはFAXで書類が届くこともあり、データ化するところからスタートです。船荷証券であるB/Lは記載事項に誤りがあると貨物の引取りに支障を来たす恐れがあるので、タイプするとき、内容をチェックするときはだいぶ神経を使います。

通関業者以外にもひとつの貨物を輸出入するのに多くの業者が関わっており、その都度データの打ち直しなどによって膨大な時間と労力が費やされていると言われています。

そのような現状を打開する手として、いま注目されているのがブロックチェーン技術です。

ブロックチェーンとは、従来の一か所で情報を管理する中央集権型ではなく、複数の関係者全員でデータ管理を行います。みんなで情報管理を行うことで情報の書き換えや消失といったリスクを軽減させられる比較的安全な技術だと言われています。

この技術を用いて、関係者がリアルタイムで共通の情報をもっていれば、より業務の効率化、業界全体の最適化を図ることができます。不毛な転記作業は無くなっていくでしょう。

現在、大手企業を中心にブロックチェーン技術を活用した貿易情報連携基盤の実用化に向けて動き出しており、NACCSとのデータ連携も見据えられています。

今後、貿易業界でシステム面の大革命が起こる日も近いかもしれません。

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