通関士試験は独学で合格できる?

更新日:2021年12月17日

本と勉強してる人

「独学で通関士の資格を手に入れたい」「独学で勉強を続けるポイントが知りたい」などと気になっていませんか。通関士は受験資格がないこともあり、独学で合格するケースもあります。しかし難しい科目もあるので、モチベーションの維持や学習に対する工夫が重要です。

今回は通関士試験を独学で合格できる可能性を示したうえで、効率良く勉強するコツをまとめました。この記事を参考にすれば、通関士試験の学習を進めるヒントがわかるでしょう。

目次

通関士試験を独学で合格できる可能性

通関士試験を独学で合格できる可能性は、個人により違います。まずは合格点や合格率から大まかな可能性を推測しましょう。そこから独学の難易度を考えます。

通関士試験の独学に向いている人

独学に向いている人は、一人で勉強方法や時間をマネジメントできる人です。モチベーションの維持が最大の課題になります。自信がない場合はスクールや通信講座を受け、プロの講師からサポートを受けましょう。

主に法律に詳しかったり、学ぶことへの意欲が強い人は独学向きです。自分で考えて、創意工夫のもと学習を進められるなら、一人で学んだ方がよいでしょう。情報のリサーチが得意という人も、独学で結果を出す可能性があります。

通関士は法律の知識が強く問われる分野です。試験問題につながるリサーチ力に加え、長期間勉強を続けても飽きない意欲がカギになります。以上の条件を満たす人は、独学で合格を目指せるでしょう。

合格点は各科目ともに正解率60%が相場

通関士試験はすべての科目において、6割以上は解けなければ合格できません。得点の高い上位の人数ではなく、個人の出来栄えで合格が決まるので、わかりやすい基準です。ただし年による多少の変動には気をつけてください。

通関士試験には3つの科目があり、それぞれの配点と合格基準は以下のとおりです。

科目 配点 合格ライン
通関業法 45点 27点
関税法等 60点 36点
通関実務 45点 27点

3科目のなかでは関税法等の配点がひときわ高いといえます。こちらの要点を中心に、残り2科目も取りこぼさずに学びましょう。

すべてを理解する必要はありませんが、最初から6割程度を目指そうとすると、数問取りこぼしただけで不合格になります。ひとつでも高い得点を目指す気概で、要点を覚えていきましょう。

合格率の推移

通関士試験の合格率は、過去10年の傾向を見ると10%を超えれば良い方です。1ケタの年もあり、難易度は高いといえます。詳細な推移を以下の表にまとめました。

合格率
2010年 9.8%
2011年 9.9%
2012年 8.6%
2013年 11.7%
2014年 13.2%
2015年 10.1%
2016年 9.8%
2017年 21.3%
2018年 14.6%
2019年 13.7%

合格基準は全体の6割正解であるにもかかわらず、クリアの割合は低水準です。準備不足の人が多いことも考えられますが、それだけ通関士試験が難しいという意味でしょう。

以上から独学での難易度は高いと想定できます。学習スケジュールを入念に組み、ひとつひとつを丁寧にこなす気概を持ちましょう。

独学のメリット2つ

通関士試験における独学のメリットを2つ紹介します。コストがかからないことと、自由にスケジュールが組めることです。資格スクールに通う人にはないアドバンテージを生かしましょう。

コストがかからない

独学の特徴は、コストがかからないことです。資格スクールの通学費用や通信講座の契約料金をカットできます。スクールに通う交通費の心配もいりません。自宅完結で好きなように学べるからです。

必要なコストは参考書や模擬試験といった書籍代です。ほかにも学習環境を整えるために観葉植物やブックスタンドといったアイテムを買う人もいるでしょう。いずれにしても時間やコストの制約にとらわれないのが魅力です。

さらに節約する方法として、限られた期間に同じテキストの復習が挙がります。参考書が終わるたびに新しいものを買うよりも有用です。同じ参考書を3~5周にわたり繰り返し解けば、通関士試験に対する理解が深まります。こうしたテクニックも節約しながら合格に近づく方法です。

自由にスケジュールを組める

独学のメリットは自由にスケジュールを組めることです。とくに資格スクールに通う時間がなければ、こちらがおすすめです。仕事や育児などの事情に左右されず、好きな時間に学習できるでしょう。 自由にスケジュールを組めることは、勉強時間を小分けにもできます。たとえば食事と同じように、朝・昼・晩と1時間ずつに分ければ、合計3時間学べるのです。昼は仕事中という人が多いようですが、昼休みや帰りの電車の中で通関士の知識を仕入れられるでしょう。 勉強時間はひとまとめである必要はありません。むしろ少しでも時間を見つけ、小刻みに学んで進歩できます。これが自由なスケジュールに基づいた独学のメリットです。

独学のデメリット3つ

独学には3つのデメリットにも気をつけてください。勉強のスケジュール管理の難しさがまずネックになります。モチベーションの維持も課題です。法律の予備知識がないことで独学に挫折するかもしれません。それぞれの注意点を解説します。

勉強のスケジュール管理が難しい

独学はスケジュール管理の難しさがデメリットです。一度スケジュールが崩れたことで勉強がうまくいかなくなるリスクさえあります。

たとえば急な仕事の予定が入ると、スケジュールの変更を余儀なくされます。どうしてもできない場合に備えて、勉強時間は余裕を持って確保しましょう。

他にも問題が想定より難しい場合は、ひとつのカテゴリーをこなすのに時間がかかります。この影響で予定より進行が遅れる可能性も考えなければいけません。

独学でスムーズに進める自信がないときは、通信講座や資格スクールに通い、専門家からアドバイスをもらいましょう。このように独学は不測の事態に対して、常に備える必要があります。

モチベーションの維持が難しい

通関士試験の独学は、モチベーションの維持が難しいのもデメリットです。途中でやる気が途絶えてしまうと、勉強から遠ざかり、学習量が増えません。

通関士試験の勉強時間は約400~500時間が相場です。たとえば1日3時間を毎日続けるとすると、約4~6カ月は見積もらなければなりません。試験合格には多くの時期を犠牲にしながら、不断の努力が求められるのです。

試験勉強は長期間にわたる戦いなので、モチベーションの維持が課題です。面倒に感じて先延ばしのくせが出ると、学習量が減ります。そうなれば準備不足のまま試験当日を迎えるでしょう。以上からモチベーションをどのように保たせるかが独学のカギです。

法律の予備知識がないと難しい

通関士試験の独学は法律の予備知識がないと難しいでしょう。法律をまったく知らないまま勉強を始めると、わからないことがたくさんあるからです。専門用語の連続に戸惑い、勉強は諦めてしまう人もいます。

通関士特有の専門用語が多いことに要注意です。多くをマスターするには参考書選びがポイントになります。世間で知られていない専門用語や、法解釈のポイントなどをわかりやすく解説した参考書がおすすめです。

わからないことが多すぎて、通関士試験の勉強に対するモチベーションを失う人も多いでしょう。勉強開始前に参考書や過去問の内容をチェックし、難しそうに感じたら通信講座や資格スクールに相談してください。

通関士試験は法律に対する予備知識がある程度ないと、独学をスムーズに進めづらいかもしれません。

独学に向いている人の特徴5つ

ここでは独学に向いているタイプを5つ挙げます。理解できるまで突き詰められる人や、自力で反省点を活かせる人、継続力のある人などが当てはまります。それぞれの特徴をまとめてみました。

学んだことを理解できるまで突き詰める

独学に向いている人には、学んだことを理解できるまで突き詰める習性があります。通関士試験は専門的知識が求められるので、テキストの内容を考え、わかるまで取り組む気概が重要です。

資格試験の必要知識は基本的に教材でインプットしたあと、問題を解くことでアウトプットできます。問題の難しさにとらわれず、理解するまでテキストを読み通せる人は、独学に向いているでしょう。時にはインターネットの検索機能を使い、専門用語の意味や難問のヒントを調べることも重要です。

このようにテキストを読んで内容を覚えるだけでなく、自力ですぐに生かそうとする姿勢が大切です。たとえば参考書の内容に関連する情報や、問題の正解の背景をネットで調べたりするとよいでしょう。リサーチ能力が上がり、学習に好影響が出ます。

独学はテキストだけで満足してはいけません。時には関連情報をネットで調べるなどして、本気でわかるまで突き詰めましょう。

自力で反省点を生かす

自力で反省点を生かせる人も、独学に向いています。問題の間違いを丁寧に分析することも、リサーチ力のもとです。基本的にリサーチが得意だったり、その能力が高かったりすれば、一人での学習をものにできます。

たとえば模試で点数が低かったら、どこの出来が特に悪いかを分析しましょう。苦手科目がわかれば、そこを徹底的に復習することで点数をアップできます。模擬試験の点数が低いことは、伸びしろが大きいことの裏返しです。以上から苦手を克服することで得点力が伸び、合格に大きく近づけるでしょう。

弱点を克服するためには、勉強法をアレンジすることも必要かもしれません。これをスムーズに実行できる人は、独学に向いているでしょう。

理解しないまま先に進むと、わからないことが増えて挫折しやすいといえます。これを避けるためにも、苦手と向き合う努力を最後までこなすことが重要です。

何事も冷静な人

普段から何事にも冷静なら、長期間の独学をものにできるでしょう。参考書の内容を理解したり、模擬試験の結果を分析したりする際、自身に求められているものを正しく判断できるからです。

独学では思いどおりにいかないこともあります。要点をうまくまとめられなかったり、模擬試験の点数が思ったより低かったりする可能性に注意です。冷静な人は結果がうまく出ない原因を分析し、成功につながる改善策を見出せます。

たとえばわからない問題について、ネット検索やテキストの読み返しで解決しようとする姿勢が好例です。資格勉強のコミュニティに相談し、理解できない問題のヒントをもらうこともよいでしょう。このように独自で解決方法を見出せる人は、独学で良い成績を望めます。

わかるところから解ける人

独学に向いている人には、わかるところから解けるタイプも当てはまります。これは一見楽をしているようですが、勉強自体から逃げているわけではありません。難しいことを後回しにしても、わかるところから知識を定着させることは合理的です。

わからないところに時間をかけすぎると、全体のスケジュールに悪影響です。自身にとって難易度の低い場所から解くことで、限られた期間に習熟度を上げられます。そのあと苦手分野が多く残ったら、ネット検索も交えて理解に努めましょう。

点数の取りやすいところを確実に落とさないことが、得点力を上げるポイントです。このように得点力の伸ばし方を自力で心得ている人は、独学でも良い結果を期待できます。

継続力がある人

独学に向いているのは、何よりも継続力がある人です。スケジュール通りの学習を長続きさせられる人は、一人で学んでも通関士の知識をたくさん手に入れられます。

長続きさせるポイントとして、勉強と休憩をうまく織り交ぜられる人が挙がるでしょう。たとえば「ポモドーロ・テクニック」を使ってみてください。これは25分学習したら、5分休憩というパターンを4回繰り返すことです。4回続いたら30分程度の休憩を取り、それが過ぎれば25分の勉強から再開しましょう。

他にもスキマ時間を有効活用できる人も独学に向いています。たとえば1日3時間勉強する場合「まとまった時間をとれない」と諦めてはいけません。20分~30分学習に使えるタイミングをたくさん見つけ、合計3時間勉強できれば充分です。勉強時間を小刻みにすれば飽きにくくなります。

スケジュール実行の創意工夫は、モチベーション維持につながるので、独学の成功のために重要です。

独学での勉強時間

通関士試験を独学で勉強すべき時間は、約400~500時間が相場といわれています。しかし人によってマスターできるまでの時間が違うことに気をつけましょう。勉強時間やスケジュールの組み方を解説します。

勉強時間の相場は約400~500時間

通関士試験の勉強時間の相場は、約400~500時間です。1日3時間進めるとすると、4~6カ月かかります。

試験問題で求められる知識が専門的であることが、最大500時間も勉強に要する背景でしょう。ジャンルは関税法、通関業法などがあります。海外との貿易、輸出、輸入に関する法律や実務、常識などが深くかかわっていますが、これは世間ではあまり知られていないものばかりです。

専門知識を限られた期間にたくさんマスターすることが、通関士試験合格のポイントです。勉強中は雑念を極力取り払い、テキストに集中して質を高めてください。

モチベーションを守りながら着実にスケジュールを消化すれば、6カ月後に通関士の知識を多くマスターできているでしょう。

人によってマスターできるまでの時間は違う

通関士の試験に必要な勉強時間は、個人により差があります。人によって法律への予備知識や器用さが異なるからです。主に勉強がどれだけ得意かで必要な時間は違うでしょう。

たとえば法律に関する予備知識があれば、400時間に満たなくても合格できる可能性があります。法律や貿易、輸出、輸入などに関係した実務経験があれば、独学で知識をブラッシュアップできるでしょう。

他にも残業の少ない人は、勉強時間を作りやすいといえます。その場合はあえて500時間よりも多くスケジュールを設け、入念に要点をチェックすれば、合格の可能性を高められるでしょう。このように勉強時間は個人の実力や環境によって異なる点に注意してください。

勉強スケジュールの組み方

>勉強スケジュールを組むなら、まず1日に使える勉強時間を想定しましょう。仕事や育児、食事、風呂など普段の習慣を見直し、勉強に使える空き時間を割り出すのです。それが決まったら、通関士試験本番までのスケジュールを組みましょう。

基本的には通関士試験の本番当日から逆算し、1日に出せる勉強時間に応じて必要な期間を割り出します。

通関士試験の本番は例年10月上旬~中旬です。勉強に必要な400~500時間を1日3時間で割れば、約4~6カ月で達成できます。相場どおりなら早くて4月、遅くて6月の始めごろから勉強を始めましょう。以上から勉強の計画は、3月の終わりごろには作り始めてください。

独学での勉強法

独学での勉強法は、まず半年程度のスパンによるスケジュール作成から始まります。科目ごとの勉強の配分も決めましょう。過去問や模擬試験は積極的に使い、間違えた部分を徹底的にフォローしてください。おすすめの勉強法についてまとめました。

半年程度のスパンでスケジュールを作る

通関士試験の勉強スケジュールは、半年程度を見積もりましょう。たとえば400時間の勉強を見込む場合、1日2~3時間ずつで4カ月~6カ月程度の期間を設けてください。続いて学習の到達目標を細かく決めましょう。

大きな目標だけでなく、1週間や1カ月ごとの小さな目標を立てるとよいでしょう。たとえば参考書を使っているなら、1週間で進めるページ数を決めるのがセオリーです。過去問を使うなら、どのタイミングで何点に到達できるかを決められます。

このように大まかなスケジュールだけでなく、小さな目標を決めることも大切です。目標到達の体験を増やすことで、勉強のモチベーションを守れます。

科目ごとの勉強の配分

科目ごとの勉強配分でおすすめなのは「関税法2:通関業法2:通関実務6」です。関税法と通関業法は基本的な知識なので、限られた時間で効率よく覚えましょう。参考書を読み通し、素早く習熟度を上げることが大切です。

一方で通関実務は専門知識を問われます。このジャンルは慎重にテキストを読まないと正しく理解できません。とくに法律や実務に対する予備知識がなければ、1ページ目から慎重なチェックが必要でしょう。

たとえば半年の学習予定なら、最初の2カ月は関税法と通関業法のマスターに専念した方がよいといえます。そこから通関実務の勉強を進めることで、3科目をバランス良くものにできるでしょう。

過去問や模擬試験を積極的に使う

通関士試験の独学は、過去問や模擬試験の使い方がカギになります。どちらも本番に近い感覚で問題に取り組めるからです。

まず過去問は通関士試験をイメージするうえで重要です。問題の構成や回答用紙の使い方から始まり、選択肢の正しい解釈法、効率の良い点の取り方などを育てていきましょう。

何冊もの過去問や模擬試験を買うよりも、一定期間1冊に絞ることが重要です。1回分を繰り返し解いていくことで、頻出問題の知識が定着しやすくなります。試験に対するコツも同時に覚えていけるので、コスト削減とともに良質な学習が可能です。

過去問や模擬試験は3周分解くことがセオリーです。そこまで済んだら2冊目以降をひとつずつ使っていきましょう。

過去問で間違えた部分をフォロー

模擬試験や過去問を解く以上、誰もがどこかの問題を間違えるでしょう。誤答部分をフォローすることで、通関士試験の合格に近づけます。同じ間違いを繰り返さないためにも、苦手分野を徹底的に学びましょう。

たとえば間違えた部分をテキストで復習すれば、納得のいく状態で先に進めます。正解の背景を知ることで、知識が定着しやすいからです。

たとえ模擬試験で高得点を取れても、本番で合格を逃すケースがあります。取りこぼさないためには、間違えた部分のテキストでのチェックを怠らないようにしましょう。

正解した部分も、知識があやふやなところは正しい答えの理由を調べておくべきです。このようにわからない部分を徹底的に潰していくことが、通関士試験の準備になります。

通関士試験を独学で合格するには?

通関士試験を独学で合格するための心得を解説します。まずは効率の良い学習法を知りましょう。続いてモチベーション維持の工夫を心がけてください。この2つを忠実に守り続ければ、通関士の知識を深められます。

効率の良い学習

通関士に限らず、資格試験の勉強では効率が重要です。たとえばひととおりテキストを読み終えたら、習熟度の確認のために過去問を1回解いてみましょう。このようにルーティンをひととおり決めれば、常に自身の実力がわかります。

過去問や模擬試験で間違えた問題があれば、誤答の原因や正解の背景をテキストで確認しましょう。ひととおり終わったら、もう一度テストに臨んでください。点数の改善が成長を示します。

これはテスト効果と呼ばれます。テキストを読んでインプットしたものを、問題への回答でアウトプットすることによる学習作用です。テキストをずっと読み込むよりも、過去問や模擬試験との組み合わせで大きな効果が生まれます。

モチベーションの維持

通関士試験の勉強は長丁場なので、モチベーションの維持が重要です。このような法律の知識が問われる資格試験は、学習に時間がかかりやすいので、途中で挫折しないように注意してください。

ずっと一人で勉強を続けていると、モチベーションが切れることもあるでしょう。対処法として積極的なコミュニケーションが挙がります。

たとえばeラーニングを利用すれば、プロの講師から勉強のやり方や、問題の解き方をアドバイスしてもらえるでしょう。仲間や家族に勉強生活をより良くすることを相談するのもおすすめです。

インターネットなら通関士に臨む仲間たちのコミュニティにアクセスし、コメントで交流してみましょう。通関士や資格試験の専門家のサイトを参考にすることでも、心のはげみになります。勉強を続ける気持ちのよりどころが重要です。

勉強のモチベーションを保つ方法

勉強のモチベーションを保つ方法は、過去問や模試の結果に一喜一憂しないことです。また1分、1問だけでも解いてみようと思う習慣も重要になります。勉強の記録をつけたり、時には休みを設けてみたりすることもよいでしょう。モチベーション維持のポイントをまとめました。

過去問や模試の結果に一喜一憂しない

勉強期間中は一喜一憂を避けましょう。過去問や模試の点数が高いからといって、そのあとの学習で気を抜いてはいけません。逆に点数が低いからといって諦めるのも早いといえます。点数に一喜一憂せず、実力に合わせた方法で勉強を続けてください。

一喜一憂を避ける方法として、一定期間ごとの目標を細かく設定することです。毎日または毎週の目標を作りましょう。週のテーマとして、特定項目のマスターや参考書の進行度合いを挙げればよいのです。

目標を細かく設定し、忠実に目指し続ければ、一時の感情に左右されなくなります。模擬試験や過去問の点数が良ければ、さらに実力を伸ばすために何ができるかを考えましょう。点数が低い場合は、改善点に専念する1週間を設けるのも選択肢です。

1分、1問だけでも解いてみる習慣

参考書の演習を1分、1問だけでも解いてみる習慣をつけましょう。その気持ちを持つだけで「次の問題も」という考えが繰り返されます。結果としてテキストが大幅に進むことがあるでしょう。

この方法は朝起きたあとや夜に寝る前、スキマ時間などで実践してみてください。もちろん仕事や生活リズムを乱すのはよくありません。しかし許された時間の範囲内なら、少しでも問題を解くことにこだわってみませんか。

スキマ時間の勉強はキリの悪いところで終わりやすいといえます。そこで中断すれば、仕事や食事が終わったあとも、先が気になるでしょう。こうして時間ができたときに「また学習しよう」という考えが繰り返されるのです。暇になったときは、通関士への興味にこだわりましょう。

勉強の記録をつける

ノートやExcelなどに勉強の記録をつけるのもおすすめです。自身の活動を記録することで、どこまで勉強したかがわかります。通関士試験における達成度も確かめられるでしょう。

自身の活動を「見える化」することが大切です。これにより自身の成長度合いがわかります。これはダイエットで体重の推移を記録し、痩せ方で成果がわかるしくみに似ているでしょう。

たとえば勉強時間をストップウォッチで測ると、その日の学習量がわかりやすくなります。過去問や模擬試験の点数もぜひ記録してください。自身の成長の記録は、通関士試験への自信につながります。

ときには無理をしないことも大切

ときには無理をしないことも、資格試験では重要です。勉強を長くやり続けたり、生活リズムを狂わせたりすると、体調に異変が起きるでしょう。これを防ぐには休息が重要です。

たとえば1日のノルマを達成したら、あとは自由時間にするのも手でしょう。月に1回は勉強時間を少なくして、趣味や行楽などで気分をリフレッシュさせてもよいといえます。

また勉強の合間でも、5~10分休憩をはさむことで、気分をリセットできるでしょう。ただしそのときは、勉強時間中や休憩中にインターネットやメールを見るのはよくありません。そちらに気持ちが集中して、学習がおろそかになるからです。

それでも勉強と休憩をバランス良く使い分けることで、コンディションを保ちながら学習を続けられます。

独学に集中しやすい環境

独学に集中しやすいように、環境を整えることも重要です。いつもと違う場所をたまに使ってみたり、勉強机をきれいにさせたりしましょう。参考書が見やすくなるように、証明の色を工夫したりブックスタンドを置いたりするのも選択肢です。

勉強場所はひとつに絞らない方がよい

勉強場所はひとつに決まりがちですが、時にはやるところを変えてみませんか。学習部屋だけでなく、リビングのように家庭内の別の場所でやってみるのも効果的です。

1~2週間に一度くらいは、図書館やカフェに出かけてみましょう。公共の場所であれば姿勢や振る舞いを見られるのが気になります。そのため参考書や演習を進めやすい環境です。

外に勉強場所を求めることで、気分転換の効果も望めるでしょう。これにより頭が働きやすくなる効果もあります。このように学習場所の工夫次第で、勉強のモチベーションを上げられるのです。

勉強机はスッキリさせる

勉強机は整理整頓しましょう。スマートフォンやゲーム、パソコンなどは学習目的に使わないなら、片づけてください。余分なものがあると、脳がそれらを情報処理して疲れやすいからです。

通関士は難問の解決力も重要なので、できるだけ頭をスッキリさせたいでしょう。以上から机の清潔さにこだわってみませんか。

青や緑色のアイテムを置く

勉強により集中したいなら、青や緑色のアイテムを置いてみませんか。たとえば取っ手の青いシャーペンを使ってみたり、カーテンを青にしたりするとよいでしょう。緑なら観葉植物を置けば、リラックス効果も期待できます。

青や緑といった落ち着いた色は、勉強している本人の気分も冷静に保ちやすくなります。部屋の中でワンポイントの工夫をすれば、気分も変わるでしょう。

明るい昼光色の照明を使う

学習環境のセットアップには、明るい昼光色の照明も重要です。ブルーライトを含む昼光色なら、参考書やノートをはっきり見やすいといえます。

就寝前に勉強するなら、オレンジの灯りが点くスタンドはいかがでしょうか。オレンジの電球色が目を守りながら、手元の情報をくっきりと映してくれます。このように照明へのこだわりも学習環境改善のポイントです。

ブックスタンドを使う

ブックスタンドは勉強中のコンディションをキープに役立ちます。普通参考書は机の上に置きますが、このとき勉強している人は内容を読むために、下を向いている時間が長くなるのです。これが肩こりや眼精疲労などにつながります。

しかしブックスタンドに参考書を据えれば、正面を向き続けられるので、ストレスを抑えられるでしょう。なるべく楽な姿勢をキープしたいなら重要なアイテムです。

まとめ

通関士試験は独学でもできますが、効率性やモチベーションの維持が課題です。勉強のやる気を持ち続ける方法や、正しい学習方法を知っておけば、通関士への興味を深められるでしょう。

たとえば3科目ごとに勉強時間を配分し、一定時期ごとの目標を作ることで、長丁場の勉強期間を乗り切れます。正しいスケジュールの実践が、通関士試験の準備につながるのです。今回の記事を参考に、合格へ向けた計画を練りましょう。

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