マンション管理適正化法とは?

マンション管理士試験分野-その4「マンション管理適正化法」を攻略しよう!

「マンション管理適正化法」は一言でいうと、「分譲マンションの決まりを規定している法律」のことです。その中でも、マンション管理士試験に出題されるのは、マンション管理士そのものの資格に関連するものとなります。マンション管理士に関する知識や用語の定義など、毎年出題されるテーマは決まっている分野です。しっかりと覚えれば得点源になるため、5問満点を目指しましょう。

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目次

マンション管理適正化法の解説と基礎知識

まずは、マンション管理適正化法の基礎知識をご紹介しましょう。

そもそも、マンション管理適正化法とは?

「マンション管理適正化法」は、正式名は「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」といい、平成13年8月1日に施行されました。

この法律ができた背景には、時代の流れと共に社会環境やマンション住民の意識が変化し、住まいに関するさまざまなニーズも増えたことが挙げられます。そのため、マンション自体の資産価値を守り、住民が快適で安全な生活を送れるように住環境を整え維持する目的で定められました。

マンション管理適正化法が重要なわけ

時代と共にマンションも増加し、それに伴いマンション住民同士のトラブルも多様化しています。違法駐車・違法駐輪・騒音・ペット・水漏れ・ゴミ出しルール・管理費の滞納など、多くの問題があります。

マンション管理適正化法が施行される前までは、消費者保護に関しては「宅地建物取引業法」が、分譲後の管理段階では「区分所有法」が適用されてきました。しかし、マンション管理組合の支援やマンション管理業者との関係などを規定する法律はありませんでした。

そこで、快適な居住空間を維持しつつも建物の資産価値を落とさないために、マンション管理士資格やマンション管理業者の登録制度を実施するなどの措置を定めたのです。

試験におけるマンション管理適正化法の重要度は!?

マンション管理士試験は全部で50問です。その内訳は「区分所有法など」が21問、「民法等・管理組合の運営」が9問、「建築基準法等・建築設備」が15問、そして「マンション管理適正化法」が5問となっています。

マンション管理適正化法は、問題数が少ないので必ず5問満点を獲得しましょう。

また、マンション管理適正化法5問は、「管理業務主任者試験の合格者は免除」されます。実は、この5問免除の恩恵を受けている人は、毎年の受験生の3割以上はいるといわれています。「5点」は何もしなくても稼げるライバルがいる……というのは、初学者にとっては大きなハンデとなるものです。

ただし、そこでやる気を失わないでください。
この分野は「出題範囲も狭く難易度も標準レベル」だということをお忘れなく。
ここは必ず満点を獲得できる!と気合を入れて勉強しましょう。

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マンション管理適正化法は頻出テーマをおさえるのがポイント!

過去の出題事例から考えると、マンション管理適正化法の分野で特に力を入れて勉強したいのは以下の3つの項目です。

マンション管理士・管理業務主任者の相違点

マンション管理士と管理業務主任者は、同じマンションの管理や維持に関する資格ながらも立場が全く異なります。それぞれの定義の違いや、どうすればなれるのかなどは基本中の基本として把握しておきましょう。

特に以下の項目は重要ポイントです。

マンション管理士制度

  • 登録の条件:マンション管理士として登録をするための条件。登録を拒否される場合、登録を取り消された場合、注意点など。(登録の条件に関しては、マンション管理士だけではなく、管理業務主任者が登録を取り消された場合、管理業務主任者登録者が登録を取り消された場合、マンション管理業者が登録を取り消された場合も合わせて覚えておきましょう!)
  • マンション管理士登録証:登録証の交付や再交付、返納などについて
  • マンション管理士の三大義務:信用失墜行為の禁止・講習の受講義務・秘密保持義務の内容と、義務を怠った場合の監督処分や罰則について
  • 名称使用制限:名称独占資格と業務独占資格について
マンション管理士の三大義務

管理業務主任者

  • 登録:管理業務主任者の登録、登録できない場合、登録簿に登載が必要な事項など
  • 登録の手続き:管理業務主任者試験合格後、登録に必要な実務講習などの流れ
  • 管理業務主任者証:管理業務主任者証の交付、主任者証の更新・訂正・再交付・提示義務
  • 管理業務主任者の設置:設置数・みなし専任管理業務主任者・抵触の場合の措置など
  • 管理業務主任者の業務:業務内容について
  • その他:監督・マンション管理士と管理業務主任者との比較・監督処分の比較など
管理業務主任者登録の手続きの流れ

マンション管理業者の業務規制

マンション管理業者の業務も重要なテーマです。

  • 重要事項の説明:必要性と、新規の場合と更新の場合の違いなど
  • 管理事務の委託契約書(第73条書面)の交付
  • 管理事務の報告(一連の重要業務は、管理者が置かれている場合、管理者が置かれていない場合などの手続きの違いなどをきちんと把握しておきましょう)
  • 財産の分別管理:対象となる財産、分別管理の方法、保証契約の締結など

マンション管理士の罰則・監督処分

マンション管理士の罰則・監督処分に関しては、これまではあまり詳しく勉強をする必要はないとされていました。ところが、平成25年度の試験では「マンション管理適正化法」5問中、2問が罰則に関する問題だったので要注意です。以下の項目はチェックしておきましょう。

  • 名称の使用停止処分:マンション管理士の三大義務に違反した場合の名称使用の停止について、使用停止命令期間中に名称を使用した際の罰金など
  • 登録の取り消し:必要的取り消しと任意的取り消しや、登録証の返納について
  • 罰則:秘密保持義務違反・名称使用制限違反・名称使用停止処分違反の罰金について

マンション管理適正化法の勉強方法

マンション管理士試験では、「区分所有法など」「民法等・管理組合の運営」の分野は、テキストを読み込んで理解を深めることが大切です。実際に受験合格者も、この分野に関しては、暗記よりもまず理解することを重視しています。

そして、マンション管理適正化法に関しては、理解と暗記をほとんど同じ比重で勉強した人が多いようです。この分野は追い込みが効くので勉強の順番としては、後に回しても大丈夫でしょう。過去問題を何度も繰り返し、出題の可能性が高い範囲は確実に自分のものにしてください。また、用語の定義や数字なども直前期になったらしっかり暗記してください。

マンション管理適正化法は満点を目指そう!

一番問題数の少ない「マンション管理適正化法」は、「たった5問か」と見過ごさずに、「満点」を狙いましょう。というのも、出題される範囲は決まっているので、直前の追い込み期に暗記と過去問の繰り返しで知識を詰め込めば、満点獲得も可能だからです。

最初に「区分所有法など」や「民法等・管理組合の運営」など、しっかり理解を深めなければならない分野を優先して勉強し、試験が近づいてきたらマンション管理適正化法を集中的に学んでもいいでしょう。

得点が稼げる分野なので、ぜひ満点を目指して頑張ってください。

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この記事の監修者は
北川えり子(きたがわ えりこ)

学びの楽しさをシェアしたい
【出身】東京都
【経歴】拓殖大学外国語学部卒。マンション管理士・管理業務主任者、行政書士、海事代理士、宅建等の資格を保有。
【趣味】旅行、ドライブ
【座右の銘】未来とは、今である。

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