取りやすい資格5選は?取得可能な理由も紹介

資格取得を考えていて、取りやすいものを探す方もいるでしょう。しかし実際の仕事に役立つ資格は、難しいイメージがつきものです。一方で初学者でも、要点を押さえれば合格に近づける資格はあります。

今回は取りやすくておすすめの資格を5つ紹介します。なかには国家資格もあり、取得すれば社会的ステータスの確立が可能です。本格的なキャリア形成を考えているなら、取りやすい資格からチャレンジしてみましょう。これを読めば理想を選ぶヒントがわかります。

目次

取りやすい資格の定義

まずは取りやすい資格の基準を見ていきましょう。合格率の高さや独学合格の可能性、受験資格の広さなどが挙げられます。ここでは代表的な4つの詳細を確かめてください。

合格率が低くない

取りやすい資格の1つ目の条件は、合格率の高さです。これは難易度に直結するので、合格率が低すぎなければ、それほど難しく感じる心配がありません。合格という成功体験をつかむことで、キャリアメイクへの意欲が高まります。

とくに国家資格では、ハードルが高いとイメージする人もいるでしょう。実際は宅建士やファイナンシャルプランナーのように、合格率が2ケタの国家資格もあります。合格という成功体験をつかむなら、なるべく合格率の高い資格を選ぶことが重要です。

独学で取得可能

取りやすい資格の2つ目の条件は、独学で資格を取れる可能性です。独りでの勉強でも取れそうな資格があれば、やりがいを見出せるでしょう。独学はモチベーションの維持が課題になるので、勉強時間が長すぎないこともポイントです。

たとえば働きながら資格取得を目指す場合、通学講座の受講が難しい可能性があります。独学はテキストの自己調達が必要です。しかしわかりやすい内容の本で勉強できれば、要点をつかみやすいといえます。ここまでうまくいけば、余分なコストをかけないで合格に近づけるでしょう。

受験資格が厳しくない

取りやすい資格の3つ目の条件は、受験資格の広さです。国家資格でも受験資格をとくに定めていないことがあります。誰でも受けられる資格なら、資格勉強を始める方にとっても取り組みやすいでしょう。

資格によっては、一定の学歴や実務経験を求める場合もあります。希望の国家資格に、条件が設けられていないか確かめてください。条件があっても、自分が当てはまる場合はチャレンジに進んでもよいといえます。いずれにしても効率的にキャリア形成を進めるなら、受験の条件が厳しくない資格に注目してください。

手ごろな受験料

取りやすい資格の4つ目の条件は、手ごろな受験料です。コストが低いほど、手軽に資格を手に入れられるからです。資格試験を受けるには、テキストや講座の契約などでコストを要します。以上を踏まえても受験料の安さは見逃せません。

資格によっては、受験料が1万円を超えるケースもあります。この場合は不合格になったときのコストが膨らむリスクに注意です。不合格になれば、再チャレンジのたびに受験料を払わなければいけません。複数回の挑戦の可能性にも備え、なるべく受験料は安いことが望ましいといえます。

取りやすい資格5選

ここでは取りやすい資格として、以下の5つをおすすめします。

  • 簿記
  • ITパスポート
  • FP3級
  • 宅建士
  • 行政書士

以上の5つは資格としての社会的需要があり、なおかつ比較的受かりやすいといえます。資格取得後も就職や転職に役立つ可能性や、知識を活かせるチャンスにもつながるでしょう。

ここで取り上げる5つの資格について、特徴や取りやすい理由などを確かめてください。資格取得だけでなく、将来のキャリアメイクも考えながら、目当ての資格を決めることが大切です。

簿記

正式名称 日商簿記検定
資格種類 公的資格
受験者数(2022年6月) 1級:8918名
2級:1万3118名
3級:3万6654名
初級:3644名
合格者数(2022年6月) 1級:902名
2級:3524名
3級:1万6670名
初級:2341名
合格率(2022年6月) 1級:10.1%
2級:26.9%
3級:45.8%
初級:64.2%

簿記は、金銭や商品などの出入りを記録するやり方です。企業の経営状況を把握するうえで欠かせません。たとえば資産動向の帳簿への記録や、決算書の作成など、社会的使命を求められる作業もあります。あらゆる企業にとって、簿記は重要です。

簿記の資格がおすすめの理由

簿記資格がおすすめなのは、お金の流れをつかむための知識を得られるからです。ほかにも企業分析や経営向上につながる提案ができるなど、ビジネスシーンで重要なメリットを得られます。簿記資格を推奨する理由を、以下に3つまとめました。

お金の流れを把握できる

簿記はお金の流れを把握できるので、資格として重要です。企業にとって経済活動情報はライフラインになるからです。社会貢献を意識するなら、簿記が選択肢になります。

たとえば簿記資格があれば、試算表や決算表などの重要書類を読み解けるのがメリットです。経営者にとって簿記の有資格者は、財政状況を常時チェックしてもらえるので頼もしいでしょう。企業のサポーターとして役立つためにも、簿記資格は重要です。

簿記の知識を活かしてお金の流れを把握できれば、企業の経営状況がわかります。ビジネスシーンで役立つために、簿記資格には注目です。

企業分析にも役立つ

簿記資格があれば、企業分析のスキルも手に入れられます。これができれば、就職や転職の成功にもつながります。経営状態がよくなかったり、財政関連の情報がない企業は、劣悪な可能性があるからです。そこにうっかり就職しないためにも、企業分析能力が欠かせません。

たとえば損益計算書やキャッシュフロー計算書、賃借対照表などが、企業分析に役立ちます。これらは決算にも使われる書類で、企業の業績を表しています。各種計算書や賃借対照表の中身がわかれば、これからの志望先の健全性を確かめられるのです。

理想の企業で働く準備としても、簿記資格が役立つ可能性があります。

企業の成長に関わる提案も可能

簿記の知識があれば、企業の成長につながる提案もできます。簿記の知識を活かして財政情報を整理すれば、そこから成長のヒントがわかるからです。企業を前向きに変えるきっかけになれば、社会貢献を実感できるでしょう。

たとえば勤務先の企業の利益が今ひとつ上がらず、悩む方もいます。そのときは損益計算書や賃借対照表などの整理が選択肢です。そこから業績が伸び悩む原因を見つけ、改善方法を考えるきっかけを作れます。このように企業をよい方向へ導くうえでも、簿記資格が役に立つのです。

簿記が取りやすい資格の理由

簿記資格が取りやすい理由を紹介します。下級ほど合格率が高いのが特徴です。ほかにも2級以下は年3回開催で、誰でも受けられる点が大きいといえます。取りやすい資格の理由を、以下に3つ紹介するので、ぜひごらんください。

下級ほど合格率が高い

簿記は下級ほど合格率が高いといえます。2022年6月試験の場合、2級は26.9%、3級は45.8%でした。ともにまとまった合格率なので、受験のモチベーションにつながるでしょう。

合格率の高い下級から合格していくことで、上級挑戦時の予備知識も得られます。合格という成功体験を得れば、上級に挑む意欲も出せるのです。簿記資格は下級ほど取りやすく、知識の蓄積にもつながるでしょう。

チャンスに恵まれている

簿記試験の特徴は、チャンスに恵まれていることです。とくに2級と3級は年3回開催になります。一度不合格になっても、短期間ですぐに挑戦できるのがポイントです。

年に複数回開催している資格試験は、チャレンジしやすい環境です。資格試験には年1回しか受験できないイメージがあります。しかし簿記の2級や3級は、不合格後も反省点を分析すれば、短期間でそれを実践できるのです。

このように恵まれたチャンスを活かし、簿記資格取得の道筋をつけましょう。

受験資格の制限がない

簿記試験が取りやすい要因として、受験資格の制限がないことも挙げられます。これは誰でも受けられるという意味です。何か資格がほしいと思い立ったら、門戸の広い簿記資格を選んでみませんか。

簿記資格なら、高校生や大学生でもチャレンジが可能です。ビジネスに必要な知識を、若いときから学び、現場に活かせます。資格取得の成功体験をつかんでみたい方も、簿記の2~3級から始めるとよいでしょう。

ITパスポート

正式名称 ITパスポート試験
資格種類 国家資格
受験者数(2021年上期) 8万0157人
合格者数(2021年上期) 4万4694人
合格率(2021年上期) 55.8%

ITパスポートは、ITの知識を問う国家資格です。近年はSNSやAI、暗号資産などインターネット関連のビジネスが増えています。そのためITの知識も、さまざまな業種で欠かせません。ITパスポートはテクノロジー系の資格としては取りやすいので、キャリア形成の初歩として役立ちます。

ITパスポートの資格がおすすめの理由

ITパスポートが資格として推奨できる理由を3つ紹介します。社会的ステータスの証明や、将来的なIT業界での活躍などに重要です。おすすめの理由について、以下に詳細をまとめました。

国家資格として社会的ステータスを証明できる

ITパスポートは国家資格なので、取得すれば社会的ステータスの証明になります。IT業界で認知度が高いので、そこで働く意欲も示せるのです。つまり基礎知識の習得により、IT業界におけるキャリアを本格的に踏み出せます。

ITパスポートは、デジタル関連の基礎知識を問うものです。定期更新や講習の受け直しは必要ないため、資格は一生有効になります。以上からIT業界で人生をやり直すときも、すぐに知識をアピールできるのです。ITパスポートは、その業界における知識のある人間として、就職や仕事のサポートなどに役立ちます。

将来的なIT業界での活躍に重要

ITパスポートは、将来的なIT業界での活躍に重要です。IT関連の仕事では、複雑な知識を求められるからです。難解な知識の習得や、複雑な作業の進行には、基礎知識が欠かせません。

ITでも基礎知識があるだけで、業界で活躍できる可能性が広がります。ITパスポートではテクノロジーのしくみや業務で使うシステム、ネットワークの正しい利用方法などを学べるのが特徴です。これらを習得するだけでも、IT業界で働くきっかけになります。

上位資格取得のきっかけにもなる

ITパスポートを取得すれば、さらなる上位資格を目指すきっかけにもなります。基本情報処理技術者のような難易度が高い試験に向けて、予備知識を得られるからです。

IT系の資格は数多いといえます。キャリアメイクのために複数の資格を取りたい人もいるでしょう。しかし複数資格の取得を意識するなら、基礎知識が欠かせません。その意味でもITパスポート取得は、キャリアメイクの第一歩になるでしょう。

ITパスポートが取りやすい資格の理由

ITパスポートが資格として取りやすい理由を紹介します。挑戦しやすい環境や、合格率の高さ、必要な勉強時間の短さに注目してください。取りやすい理由として、以下に3つをまとめました。

挑戦しやすい環境

ITパスポートが取りやすい理由として、挑戦しやすい環境が挙げられます。パソコンを使ったCBT方式での受験だからです。答案用紙に鉛筆で答えを書き込む場合より、スムーズに回答を進められる人もいるでしょう。

試験会場も全国にあり、月に2~4回実施のケースもあります。スケジュールを調整しながら、いつでも挑戦できるのがポイントです。このようにいつでもチャレンジできる環境が、資格の取りやすさにつながっています。

IT系資格試験としては合格率が高い

ITパスポートは、関連業界における資格試験として合格率が高いといえます。1回の試験で、過半数合格も見られるからです。すぐに資格を取れるだけでなく、基礎知識の習得もできる点で、ITパスポート資格は便利になるでしょう。

IT系の資格は数多く、難易度が高いものも含まれます。一方でITパスポートは基礎知識がメインで、充分に準備を済ませれば合格に近づけるのです。難しい資格に挑む前に、まずはITパスポートから挑戦してみませんか。

必要な勉強時間が短い

ITパスポートは、合格に必要な勉強時間が短いこともメリットです。独学でも約100時間で合格の可能性があります。これなら1日2時間で、1カ月半かけるだけで充分です。

ITパスポートのように独学での勉強時間が短い場合、学習習慣の定着にもつながります。普段の生活で勉強の習慣がなく、それでもIT業界で活躍したい場合は、こちらで基礎知識をつかみましょう。短期間で要点をマスターできるので、成功体験をつかみやすいといえます。

ITパスポートに限らず勉強時間が短い資格は、基本的に取りやすいと考えてください。

FP3級

正式名称 3級ファイナンシャルプランナー技能検定
資格種類 国家資格
受験者数(2022年5月) 学科:3万9231人
実技:3万8810人
合格者数(2022年5月) 学科:3万2707人
実技:3万5058人
合格率(2022年5月) 75.3%(学科×実技)

FPは「ファイナンシャルプランナー」の略で、お金の相談に応じるコンサルタントです。技能検定として1級から3級まであります。お金の知識を深められるだけでなく、国家資格としてキャリアメイクの味方にもなることに注目してください。

FP3級の資格がおすすめの理由

FP3級がおすすめである理由として、社会貢献の実感が挙げられます。ほかにも役に立つ業界が広いことや、副業に活かせる可能性にも注目です。おすすめの理由として、以下に3つを示しました。

社会貢献を実感しやすい

FP3級を推奨できる理由として、社会貢献を実感しやすい点が挙げられます。生活にお金はつきもので、そのお金に悩む人が一定数います。そうした悩みに応えるためにも、FPは重要です。

たとえば不動産を買いたい場合、多額の取引額がかかります。しかしこの件での相談者は、お金や不動産の予備知識を持たないケースもあるでしょう。そこでFPがローンの組み方や、トラブル回避などの専門知識を活かし、適切なアドバイスを進めるのです。

このようにお金の悩みを解決するには、FP3級のような有資格者のサポートが欠かせません。

幅広い業界に役立つ

FPの資格は、幅広い業界に役立ちます。企業はお金なしでは活動できません。一方で顧客は企業に対してお金を払うことで、経済活動を進めます。その意味でもFPのサポートが重要になる場面は多いでしょう。

FPが役立つ業界は金融や保険、不動産などさまざまです。お金の知識で顧客を正しい方向に導かなければいけません。以上からFP3級があるだけでも、さまざまな企業で役に立つ可能性があります。

副業にも活かしやすい

FP3級は、副業にも活かせます。金融商品の販売代行や、ライフプラン設計コンサルタント、セミナー講師などが代表例です。普段サラリーマンとして働いている方でも、週末や祝日はFPの知識を活かした活動で、副収入を得ることがあります。

FP資格は、仕事の合間にやりたいことを進めるうえで有用です。たとえば近年は働き方の多様化により、週末限定で起業する人もいます。FPとして顧客にアドバイスを送る役目は、週末起業に合っているでしょう。以上を考えてもFP資格は、副業志望者の選択肢です。

FP3級が取りやすい資格の理由

FP3級が取りやすい理由を紹介します。合格率の高さだけでなく、合格基準点の低さも一因です。独学を進めやすい点も見逃せません。ここでは取りやすい理由として、以下に3つを示しました。

合格率が高い

FP3級は金融系の資格として、合格率が高いといえます。とくにFPは1級から3級まであり、3級は入門知識の問題が揃っています。要点さえつかめれば、合格に近づけるでしょう。

出題ジャンルはリスク管理や資産運用、不動産など幅広いといえます。しかしどれも問われるのは基本的知識です。そのためプレッシャーを感じすぎることはありません。以上を踏まえても、FP3級の合格率の高さは、受験意欲につながります。

合格基準点が6割以上

FP3級では、合格基準点が6割以上です。 正確には学科試験と実技試験の2形式があり、両方とも6割以上の点数獲得が必要です。それでも低めの基準点なので、クリアしやすいといえます。

7割から8割の正答率を求める資格試験もあるなか、FP3級の合格基準点は比較的低い形です。絶対評価なので、基準点さえ超えれば何人でも合格できます。このような基準の緩さも、FP3級の取りやすさにつながっているでしょう。

独学も進めやすい

FP3級は独学を進めやすい点も見逃せません。約20時間の勉強で合格可能だからです。勉強に苦手意識があっても、20時間程度ならこなせる人もいるでしょう。

通信講座を受講すれば、自宅完結でスクールと同質の勉強もできます。自宅での時間を柔軟に使いながら、効率的な勉強を進められるのです。FP3級でこれができれば、約20時間よりも短い時間で合格に近づけます。

このような環境を味方につければ、FP3級を一発で取る可能性もあるのです。

宅建士

正式名称 宅地建物取引士資格
資格種類 国家資格
受験者数(2021年10月) 20万9749人
合格者数(2021年10月) 3万7579人
合格率(2021年10月) 17.9%

宅建士は不動産契約における重要事項説明をするための資格です。不動産取引は多額が動くだけではありません。購入や賃貸契約締結を希望する方は、不動産関連の知識を有していないため、宅建士が重要事項説明でサポートする必要があります。以上から社会的な重要性があり、資格としても一定の需要が見られる状況です。

宅建士の資格がおすすめの理由

宅建士資格がおすすめの理由として、就職や転職に役立つ可能性が挙げられます。ほかにもキャリアアップへの直結や、資格手当も期待できるでしょう。資格として推奨できる理由を、以下に3つ紹介します。

就職や転職に有利

宅建士資格の最初のメリットは、就職や転職に役立つことです。不動産業界だけでなく建築、金融などでも宅建士の知識が役立つ可能性があります。このような業界では、人材として重宝を受けるでしょう。

大手企業やIT業界でも、全国に支店を開いている場合は宅建士の資格が活きるかもしれません。オフィスや店舗などの管理に、専門的な知識が問われるからです。以上から宅建士資格の活用法は幅広いといえます。

キャリアアップに役立つ

宅建士資格がおすすめである理由として、キャリアアップに役立つ可能性にも注目です。不動産業界での活躍や独立開業などにつながるでしょう。

独立開業を目指しているなら、他資格とのダブルライセンスで効果を発揮します。司法書士や不動産鑑定士のように、法律や不動産に関連する2つ目の資格があればよいでしょう。宅建士はほかの資格との併用により、独立後の活躍も期待できます。

資格手当を期待できる

宅建士資格がおすすめである理由として、資格手当も見逃せません。生涯有効なので、取得によって資格手当を得やすいといえます。年収増につながれば、生活に余裕ができるでしょう。

たとえば宅建の資格手当によって月給が3万円アップするとします。年収にして36万円のアドバンテージです。これだけでも資産面で余裕を持てます。資格手当で生活を豊かにするうえでも、宅建士資格に注目です。

宅建士が取りやすい資格の理由

宅建士資格を取りやすい理由として、士業資格としての合格率の高さがあります。また受験資格に制限がないことや、マークシート方式もポイントです。資格として取りやすい理由を、以下に3つまとめました。

士業試験としては受かりやすい

宅建士は、士業試験としては受かりやすいといえます。2021年度の合格率を、行政書士や社労士と比べてみました。

資格名 合格率
宅建士(10月試験) 17.9%
行政書士 11.2%
社労士 7.9%

このように宅建士は、ほかの士業試験よりも合格率が高いといえます。たとえば社労士も人気資格ですが、合格率相場が10%を切っています。キャリアメイクを考えるなら、取りやすい資格として宅建士を目指すのも選択肢です。

受験資格に制限がない

宅建士には、受験資格の制限がありません。思い立ったら誰でも受けられるのがメリットです。高校生や大学生、主婦などでも受験できます。

士業試験によっては受験資格制限があります。たとえば社労士試験は学歴、実務経験、特定試験合格の各カテゴリーを定め、それぞれに条件を設けています。提示された受験資格のうち、どれかに当てはまれば受けられますが、どれにも当てはまらず受けられない人もいます。

以上と比べても宅建士は受験者の規定がない分、取り組みやすいイメージです。

試験はマークシート方式である

宅建士の試験はマークシート方式です。選択肢から答えを選び続けるだけなら、問題に答えやすいといえます。

事前に入念な勉強をしておけば、選択肢の正誤を見分けやすくなります。記述式は正確な知識がないと、答えを書けないおそれがあるのです。しかしマークシート方式は選択肢の文によって、記憶が刺激を受けることがあります。そこからヒントを見出し、正しい問題を選ぶチャンスです。

選択問題が続く分、宅建士試験は本番でも取り組みやすいといえます。

行政書士

正式名称 行政書士
資格種類 国家資格
受験者数(2021年度) 4万7870人
合格者数(2021年度) 5353人
合格率(2021年度) 11.2%

行政書士も、需要のある国家資格のひとつです。官公署への提出書類の手続き代行のように、専門的業務を務めます。企業を相手にすることもあり、社会的な使命感の大きさが特徴です。

行政書士の資格がおすすめの理由

行政書士資格がおすすめである理由として、未経験からでもチャレンジできる可能性が挙げられます。ほかにも独立開業のチャンスや、法的な知識を実践できる機会にも目を向けてください。ここでは行政書士資格を推奨する理由を、3つ紹介します。

未経験でもキャリアアップを目指せる

行政書士資格のメリットは、未経験でもキャリアアップを目指せる可能性です。合格率相場が約10%と高めで、独占業務もあります。行政書士資格があるだけで、社会的視野を大きく開けるチャンスです。

行政書士は官公署提出や権利義務、事実証明などさまざまな書類作成ができます。それらに関する手続きの代行も、行政書士の独占業務です。資格の取りやすさと業務の充実性によって、未経験でも人生を変えられます。

独立開業も可能

行政書士試験に合格すれば、独立開業も見えてきます。士業資格として独占業務が多く、独立後の活躍も見据えられるでしょう。

ただし独立には、営業や経営のスキルが求められます。資格取得後は法律事務所で実務能力を磨きつつ、空き時間を身ながら経営ノウハウを学びましょう。このような準備期間は大切ですが、開業後の活躍を見据えるなら行政書士資格が役立ちます。

法的な知識が身につく

行政書士資格の取得によって、法的な知識を得られるのもポイントです。司法試験ほどではありませんが、憲法や民法などをバランスよく学べます。これにより、仕事や日常生活に法律を役立てられるでしょう。

起業者や、会社の重要な役職なら、法人のマネージメントにも役立ちます。法人には重要書類の手続きがつきものです。こちらのノウハウがわかれば、経営だけでなく企業サポートの立場からも貢献できます。法律の知識を味方につければ、ビジネスシーンでの活躍を見込めるでしょう。

行政書士が取りやすい資格の理由

ここでは行政書士が取りやすい資格を、3つ紹介します。限定的な勉強範囲や合格基準の低さ、法律系資格としての合格率の高さなどに注目してください。

学習科目が限定的

行政書士資格が取りやすい理由として、限定的な学習科目が挙げられます。民法と行政法が中心なので、これらの要点を押さえれば合格に近づけるのです。ほかにも憲法や会社法、商業登記法などの学習も必要です。

行政書士試験は、司法試験より範囲が限られています。以上から働きながら取れる資格としても注目です。

合格基準点は6割

行政書士試験の合格基準点は、全体の6割です。難易度の高い問題が想定されますが、基準点が低いぶん、取りやすい資格といえます。士業資格がほしい初学者には、選びやすいでしょう。

資格によっては、全体の7割~8割の正解率を求められる試験もあります。こちらと比べると、行政書士試験は比較的やさしく感じます。基準点が厳しくないことが、行政書士資格の取りやすさにつながっているのです。

法律系資格としては合格率が高い

行政書士試験を取りやすい理由として、合格率の高さもあります。2021年度の合格率を、社労士や司法書士と比べましょう。

資格名 合格率
行政書士 11.2%
社労士 7.9%
司法書士 5.1%

表を見る限り、法律系の資格は合格率ひとケタも見られます。一方で行政書士の合格率相場は約10%です。法律系資格としては高いといえます。以上から確実なキャリアメイクを考える場合、行政書士のような取りやすい資格が選択肢です。

簡単に取れても意味のない資格

今回紹介した資格以外にも、取りやすいものはあります。しかしなかには、取れても役に立ちづらいタイプもあるのです。キャリアメイクで失敗しないために、簡単に取れても意味のない資格は避けましょう。ここでは該当する資格の特徴を挙げます。

求人が少ないもの

求人が少ない資格は、取っても意味がありません。就職に役立つ場が少ないと、キャリア形成が難しくなるからです。

代表例が介護事務になります。介護施設で事務専門の仕事は見つけづらいからです。また漢字能力検定も、求人で要件とするケースが見当たらないとされます。このように社会的な需要の少ない資格は、避けた方が無難です。

趣味の域を出ない民間資格

民間資格には、趣味の域は出ないものもあります。この場合は取りやすくても役に立ちません。資格としてビジネスに役立つ範囲が狭いからです。

たとえば野菜ソムリエは、栄養に関する基礎知識を問う資格になります。しかし栄養の知識をビジネスに活かせる場所が見当たりません。フードビジネスに役立てるなら、調理師や管理栄養士の方がよいでしょう。

このように趣味の範囲を出ない資格を取ると、無駄な労力になるおそれがあります。

知名度の低い資格

知名度の低い資格は、そもそも役に立たない可能性があります。誰も知らない資格は、求人として要件になりづらいからです。

需要の低い資格を取ると、社会的なアドバンテージと考える人もいます。しかし実際は、資格手当をもらえなかったり、知識を活かせる求人が見つからないおそれがあるのです。このようにデメリットが目立つため、知名度の低い資格は避けた方がよいでしょう。

まとめ

取りやすくて将来の役に立つ資格として、簿記やITパスポート、宅建士などがあります。行政書士のように独立開業を視野に入れられる資格もおすすめです。これらは合格率が2ケタあり、キャリアメイクに役立つので、狙う価値があります。

資格には取りやすくても、ビジネスで役に立ちづらいものもあります。キャリアメイクを本格化させるなら、資格選びからが大切です。取得後の就職や転職まで想定しながら、理想を決めてください。