起業するのに持っておくとよい資格

将来、起業するために「資格を取得しなければ!」と思っている人は少なくないでしょう。起業して「看板をあげる」には、仕事に関するキャリアや経験だけでなく「資格」が必要です。資格は、その人のスキルや知識の証明になるため、顧客からの信頼度も高まります。

けれども、いざ資格を取得しようと思っても「どのような資格を取得しておけば起業に役立つのだろう」と迷ってしまうものです。そこで、ここでは実際にフォーサイト受講生の方から「実際に起業に役立った!」という声が多かった、おすすめの資格をご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

最近の起業現状と資格の必要性

会社勤めをしている人で「いつかは起業して独立したい」と考えたことがある人は少なくありません。

  • ほかに仕事でやりたいことがある
  • 今の給料に満足できない
  • 今の職場にさまざまな不満がある
  • 一国一城の主に憧れている

など、理由はさまざまでしょう。
昔は、独立して会社を立ち上げ事務所を借りるのはお金がかかって大変でした。最近は、「コワーキングスペース(共同で仕事ができる場所)」も激増し、以前よりも起業しやすい状況になっているのが現状です。そんな日本の起業環境の変化もあり、昔よりも「起業独立」を考える人が増加しています。

起業を考えている人に必要なのは「強みとなる資格」です。資格として「格」がある「国家資格」やそれに準ずる「公的資格」がおすすめでしょう。取得することで自分の会社運営に役立つだけではなく、顧客からもスキルや能力を信頼してもらえる資格がいいでしょう。もちろん、資格取得だけではなく、起業前の在職中に準備しておきたいことがあります。

資格以外にも起業のために準備したいこと

起業するためには、資格外にも以下のことが必要です。

人脈

お客さんになってくれる人脈を、築いておきましょう。会社の先輩や同僚とも仲よくしておけば、困ったときに相談できます。

マーケティング能力

そんな職種で起業するにしても、世の中のトレンドやニーズを理解していないまま自分の思いだけで起業しても長続きしません。市場リサーチして分析するマーケティング力を養っておきましょう。

コミュニケーション能力

どの分野の資格にしても、独立開業するうえで絶対に必要なのがコミュニケーション能力です。聞上手・話し上手・アドバイス上手で、なおかつ誠心誠意対応する姿勢も必要です。

情報収集&分析能力

「開業したらそれで終わり!」ではありません。社会情勢は常に変化しますし法律も改正されます。そのため自分の仕事分野に関しては、いつも情報収集をして勉強や分析することも大切です。

本当に起業に役立つ資格とは?

資格はいろいろあるので、いざ起業のために取得しようと思っても迷ってしまいますよね。おすすめの資格は以下のような条件があります。

  • 現在会社に在職中でも勉強できる
  • 専門学校に通学しなくても通信講座で勉強可能
  • 特殊な資格ではなく、はば広く役立てられる
  • 難易度が高すぎない「現実的な合格率」の資格
  • 起業してその資格をいかすために機材や道具などを購入する必要はない(たとえば、歯科医として独立開業するためには、高額な医療器具をそろえなければなりません)

起業したい人におすすめの3つの資格

フォーサイトでは、おすすめ資格を3つに絞りました。

  • FP(ファイナンシャルプランナー)
  • 簿記(日商簿記)
  • 宅建

この3つは、前項で挙げた条件に当てはまります。それぞれ、どのような部分がおすすめなのか見ていきましょう。


起業するのによい資格「FP」

正式名称ファイナンシャル・プランニング技能士
資格種類国家資格
分野金融
認定団体厚生労働省
試験形式筆記、マークシート、口頭、面接
受験資格 FP3級:誰でも受験可能

FP2級:以下のいずれかに該当する人
1)3級FP技能検定の合格者
2)FP業務の2年以上の実務経験者
3)厚生労働省認定金融渉外技能審査3級の合格者
4)日本FP協会認定の「AFP認定研修」を終了した人

FP1級:以下のいずれかに該当する人
1)1級学科試験の合格者
2)CFP資格審査試験の合格者
3)CFP認定者
試験日 FP2級〜3級の試験日:年に3回(5月・9月・1月)に実施
FP1級の実技試験日:年に3回(2・6・10月)実施
受験料 FP3級
学科:3,000円
実技(個人資産相談業務):3,000円
実技(保険顧客資産相談業務):3,000円

FP2級
学科:4,200円
実技(個人資産相談業務):4,500円
実技(保険顧客資産相談業務):4,500円

FP1級
学科:8,900円
実技(資産相談業務):25,000円
※各非課税
受験者数(2019年8月)16,852人
合格者数(2019年8月)6,806人
合格率 FP3級:学科試験70〜80%、実技試験80〜90%
FP2級:学科試験40〜80%、実技試験50〜60%
FP1級:学科試験10%、実技試験70〜80%
フォーサイト合格率(2019年8月 FP2級)83.7%
偏差値38〜57
ファイナンシャルプランナー・FPについて詳しくはこちら

FPがおすすめの理由

FP(ファイナンシャルプランナー)とは、ひとことで表現すれば、「人生で必要なあらゆるお金に関するプランナー&アドバイザー」です。住宅ローン・保険・年金・不動産・相続・税金ほか、生きている限り関わってくるさまざまな「お金」は、きちんと計画的に考えておかないと、いざとなったときに大変です。けれども、お金に関することは難しくて、専門的な知識を持つのは困難。そんなときに、頼りになるのがFPなのです。FPは、顧客それぞれの将来設計にあった資金計画を立てて、アドバイスをします。

FP資格取得者は、お金に関する非常にはば広い知識を取得しているために、金融業界・保険業界・不動産業界・税、会計業界では歓迎されます。また、一般企業の経理・営業部でもFPの知識は役立てることができるのです。もちろん、税・貯蓄・年金・税金ほか、日常的に関わってくるお金の知識を得て、自分の生活に役立てている人もいます。もちろん、会社経営においても役立つ心強い資格です。

FP資格はいくつか種類がありますが、初学者はFP技能士がおすすめになります。3級〜1級がありますが、3級は入門レベルです。自分の武器とするのであれば2級取得を目指しましょう。

FPが起業におすすめの理由

FPは、「起業に役立つ資格」として必ずランキングのトップクラスに入ります。起業を成功させるために必要なのは、熱意や人脈も大切ですが、一番肝心なのは「経営力」です。マネジメント・会計・税務・法務・労務・融資など専門分野の知識も必要になります。それらの専門家に業務を委託する方法もありますが、それなりにお金がかかってしまうのです。

FPの知識を持っていれば、会社の資金繰り・節税対策・事業運営におけるリスク回避、投資や保険の選択など、いろいろな判断を自分で行うことができます。
実務レベルで役立つFP2級を受験するには、まず3級に合格して受験資格を得てください。FP2級は年に3回ありチャンスが多いのもメリットです。起業前、会社に在職中に取得しましょう。


起業するのによい資格「簿記」

正式名称日商簿記検定
資格種類国家資格
分野会計・財務
認定団体日本商工会議所,各地商工会議所
試験形式筆記
受験資格学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日簿記2・3級:2月・6月・11月の年3回
受験料簿記3級:2,850円
簿記2級:4,720円
簿記1級:7,850円
受験者数(第151回)49,766人
合格者数(第151回)6,297人
合格率簿記3級:平均30〜40%
簿記2級:平均20〜40%
簿記1級:平均10%
フォーサイト合格率(第151回)35.5%
偏差値2級:58
3級:47
簿記の詳細情報

簿記がおすすめの理由

簿記は、企業の経理や会計部門の人が持っている資格というイメージを持っている人が多いのですが、独立・企業にも非常に役立つ資格です。

簿記は「企業や会社に出入りするお金の流れを、帳簿に記録・計算・整理する」ことです。上級者レベルになると、商業簿記・工業簿記に関する高度な知識や財務諸表も深く理解できるようになるため、自社や取引先の経営状態も読み解けるようになります。

簿記の資格は全商簿記・全経簿記・日商簿記がありますが、一番有名で企業からの信頼も厚いのが「日商簿記」です。3級と2級は、6月・11月・翌年に2月に試験があります。3級は、基礎レベルなので、起業に役立てるためには2級を取得しましょう。簿記に合格するための勉強時間が、3級50時間、2級は100時間ほどといわれています。1日に1時間の勉強でも2か月〜5か月勉強すれば合格も可能です。

簿記が起業におすすめの理由

日商簿記2級を取得すれば、商業簿記・工業簿記に関する高度な知識が身に付きます。また、会社に出入りするお金の流れも理解できるようになるため、起業した際に、自分の会社の売り上げや経費の状況などをしっかり把握できるでしょう。さらに、資金繰りに関しても適切な判断ができるようになるために、リスクを回避することもできます。簿記は、帳簿を付けるだけではなく、会社の経営状態を把握するためには大切な知識です。

最近は、手間を省く経理や会計ソフトもありますが、起業者として簿記の知識を持ち2級以上レベルを取得していることは重要でしょう。取得した資格は、名刺やホームページにも記載できるために「自分の能力の証」にもなります。

日商簿記試験は、3〜4か月ごとに行われるので、チャンスが多いのもメリットです。起業前は何かと忙しいと思いますが、1日に1〜2時間程度の勉強時間を作って、資格を取得しておきましょう。簿記は、会社勤めから起業して経営者になるために必要な知識。起業前に取得するほうがいいでしょう。


起業するのによい資格「宅建」

正式名称宅地建物取引士
資格種類国家資格
分野不動産
認定団体国土交通省
試験形式マークシート
受験資格学歴・年齢・性別・国籍に関係なく受験可能
試験日毎年10月の第3日曜日
受験料7,000円(非課税)
受験者数(平成30年)213,993人
合格者数(平成30年)33,360人
合格率15.6%
フォーサイト合格率(平成30年)70.8%
偏差値55
宅地建物取引士・宅建士について詳しくはこちら

宅建がおすすめの理由

「宅建」とは宅地建物取引士(宅建士)の略称で、不動産に関する国家資格です。また、宅建士になるための試験は「宅建試験」といいます。宅建士は、主に不動産会社のスタッフとして働くことがほとんどです。不動産の売買・賃貸などの取引を行う際に、不動産の専門知識を持たないお客様のために、重要事項の説明をしたり書類に署名・押印したりする業務を行います。この業務は、宅建士資格を取得した人しかできないために不動産会社では必ず必要な人材です。また、銀行・金融・保険などの業界でも、不動産の知識を持つ宅建士資格はニーズがあります。

宅建士試験の合格率は15〜17%。簡単に取得できる資格ではありませんが、司法書士などほかの国家資格と比較するととりやすい資格です。「独学でも取得できる」というインターネットの記事もありますが、出題範囲が非常に広いために、通信講座などを利用して効率よく学習を進める必要があるでしょう。

宅建が起業におすすめの理由

宅建資格は、不動産屋金融業界などへの就職や転職などに役立つ資格です。また、起業して不動産会社を始める人にとって、宅建資格の取得は必須でしょう。また、不動産業界以外の仕事で起業する場合も、事務所を借りたりマンションを購入したりする際に、知識が役立ちます。起業が成功しオフィスを構える際にビルを借りるときにも活用できるでしょう。不動産業者と金額交渉をする際にも武器となってくれます。

ちなみに、数年前、79歳で宅建資格を取得し不動産会社を立ち上げた女性が話題になりました。企業前の60年間は1度も働いたことのない専業主婦で、一念発起して宅建士資格を取得、今では年商5億円の不動産会社社長となり、「業界の風雲児」と話題になったのです。この事実は、宅建士を目指す人、不動産業での起業を目指す人にとって大きなモチベーションになったそうです。

宅建試験は、年に1回、1日に2時間程度の勉強で4〜6か月はかかるといわれています。会社に在職中に勉強をして資格を取得しておきましょう。


起業に備えて資格を取得し武器にしよう!

起業を成功させ、経営を健全に継続するためには「資格」が武器になってくれます。FP・簿記・宅建は、直接その資格で独立するのではなくても、持っていたい資格です。お金や不動産に関連する知識は、起業時のみならず、ずっと役に立ってくれます。「経営者」が所有する資格として名刺に記載しておけば、顧客の印象もよくなり信頼も増すでしょう。いずれも、きちんと効率的な勉強をすれば合格できる資格です。起業前にぜひ取得してくださいね。