2014年(平成26年)宅建の「過去問」‐第4問(権利関係)

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平成26年

権利関係 > 売買契約 > 債権・債務発生段階での学習事項 > 物的担保・人的担保

難易度
解答時間
2
Q4

AがBとの間で、CのBに対する債務を担保するためにA所有の甲土地に抵当権を設定する場合と根抵当権を設定する場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

抵当権を設定する場合には、被担保債権を特定しなければならないが、根抵当権を設定する場合には、BC間のあらゆる範囲の不特定の債権を極度額の限度で被担保債権とすることができる。
抵当権を設定した旨を第三者に対抗する場合には登記が必要であるが、根抵当権を設定した旨を第三者に対抗する場合には、登記に加えて、債務者Cの異議を留めない承諾が必要である。
Bが抵当権を実行する場合には、AはまずCに催告するように請求することができるが、Bが根抵当権を実行する場合には、AはまずCに催告するように請求することはできない。
抵当権の場合には、BはCに対する他の債権者の利益のために抵当権の順位を譲渡することができるが、元本の確定前の根抵当権の場合には、Bは根抵当権の順位を譲渡することができない。

ヒント

抵当権については、物権としての第三者対抗要件、普通抵当権と根抵当権の被担保債権及び性質の違い(付従性の有無)を理解しているか。また、物上保証人とはどんな場合にどんな目的で設けられ、普通の保証人とどう違うのかという点を整理しておくことが重要です。
選択肢 1 × 誤り
解説
普通の抵当権を設定する場合には、被担保債権を特定しなければなりません(民法第369条第1項)。また、根抵当権の被担保債権は一定の範囲に属する不特定の債権でなければならず、あらゆる範囲の不特定の債権を被担保債権とすることはできません(同法第398条の2)。

ワンポイントアドバイス

 普通抵当権は、設定時点で債権の種類と金額が特定されている単発の取引を対象としているのに対し、根抵当権の場合は、「消費貸借取引=お金の貸し借りなど」、「売買取引」、「手形取引」といった取引の範囲と、極度額という金額の上限を定めて、その範囲内で継続・反復して取引をすることを目的としている点に違いがあるということを知っておくと理解しやすいです。
関連する条文
民法第369条(抵当権の内容)
第1項 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って債権の弁済を受ける権利を有する。
第2項 -略-

民法第397条の2(根抵当権)
第1項 抵当権は、設定行為で定めるところにより、一定の範囲に属する不特定の債権を極度額の限度において担保するためにも設定することができる。
第2項 前項の規定による抵当権(以下「根抵当権という。」)の担保すべき不特定の債権の範囲は、債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定して、定めなければならない。
第3項 -略-
選択肢 2 × 誤り
解説
普通の抵当権も根抵当権も第三者に対抗する場合には、登記があればよく、債務者の異議を留めない承諾は必要ありません(同法第177条)。

ワンポイントアドバイス

民法第177条の条文には、・・・その登記をしなければ、第三者に対抗することができない。と規定しています。裏返せば、登記さえしてあれば第三者に対抗でき、それ以外の要件は不要ということです。
関連する条文
民法第177条(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
選択肢 3 × 誤り
解説
普通の抵当権も根抵当権も物上保証人に、催告の抗弁権は認められていません。催告の抗弁権は保証人に認められています(同法第452条)。

ワンポイントアドバイス

物上保証人は、担保となる不動産を持たない債務者のために、その債務を担保する目的のためだけに自身の不動産に抵当権を設定するため、催告の抗弁権(先に債務者に弁済するよう請求せよ)を認めると物上保証の意味がなくなってしまいます。
選択肢 4 ○ 正しい
解説
普通の抵当権の場合には、他の債権者の利益のために抵当権の順位を譲渡することができますが(同法第376条第1項)、元本の確定前の根抵当権の場合には、根抵当権の順位を譲渡することはできません(同法第398 条の11第1項)。

ワンポイントアドバイス

普通抵当権は、被担保債権と債権額が特定されているので、順位の変動に伴って優先弁済を受けられる金額も変動します。根抵当権は、その性質上被担保債権も金額も一定の範囲内で変動しているため、元本確定前の順位の変動には意味がないのです。一方で、順位の譲渡はできなくても根抵当権そのものの譲渡はできます(根抵当権者が変わる)ので、この点を混同しないよう注意してください。
関連する条文
民法第376条(抵当権の処分)
第1項 抵当権者は、その抵当権を他の債権の担保とし、又は同一の債務者に対する他の債権者の利益のためにその抵当権若しくはその順位を譲渡し、若しくは放棄することができる。
第2項 -略-

民法第398条の11(根抵当権の処分)
第1項 元本の確定前においては、根抵当権者は、第376条第1項の規定による根抵当権の処分をすることができない。ただし、根抵当権を他の債権の担保とすることを妨げない。
第2項 -略-
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