2014年(平成26年)宅建の「過去問」‐第6問(権利関係)

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平成26年

権利関係 > その他 > 不法行為

難易度
解答時間
1.5
Q6

Aは、Bに建物の建築を注文し、完成して引渡しを受けた建物をCに対して売却した。本件建物に瑕疵かしがあった場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

Cは、売買契約の締結の当時、本件建物に瑕疵かしがあることを知っていた場合であっても、瑕疵かしの存在を知ってから1年以内であれば、Aに対して売買契約に基づく瑕疵かし担保責任を追及することができる。
Bが建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき義務を怠ったために本件建物に基本的な安全性を損なう瑕疵かしがある場合には、当該瑕疵かしによって損害を被ったCは、特段の事情がない限り、Bに対して不法行為責任に基づく損害賠償を請求できる。
CがBに対して本件建物の瑕疵かしに関して不法行為責任に基づく損害賠償を請求する場合、当該請求ができる期間は、Cが瑕疵かしの存在に気付いてから1年以内である。
本件建物に存在している瑕疵かしのために請負契約を締結した目的を達成することができない場合、AはBとの契約を一方的に解除することができる。

ヒント

瑕疵担保責任の成立要件とこれに基づく損害賠償請求権及び、不法行為に基づく損害賠償請求権との相違点(消滅時効など)についての知識が問われます。また、請負契約が絡んだときの当事者の権利義務についても整理しておく必要があります。
建物の請負建築と建物売却
選択肢 1 × 誤り
解説
売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、売主は瑕疵担保責任を負います(民法第570条、第566条)。そして、この隠れた瑕疵とは、買主が善意・無過失であることが要求されます。本肢のCは、売買契約の締結の当時、瑕疵があることを知っていた以上、売買契約に基づく瑕疵担保責任を追及することはできません。
瑕疵担保責任と買主の善意・無過失

ワンポイントアドバイス

 隠れた瑕疵とは何? 善意・無過失という要件はルールなので覚えるしかありませんが、瑕疵を具体的にイメージしておくと瑕疵担保責任を理解しやすいです。(例:雨漏り、シロアリ発生、給排水管などの普通は見えないところの腐食などのハードの部分のほか、物権も絡みますので押さえておきましょう。)
関連する条文
民法第570条(売主の瑕疵担保責任)
売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。但し書き―略-

民法第566条(地上権等がある場合等における売主の担保責任)
第1項 売買の目的物が地上権、永小作権、地役権、留置権又は質権の目的である場合において、買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。
第2項及び第3項 -略-
選択肢 2 ○ 正しい
解説
判例は、「建物の建築に携わる設計者、施工者等は、建物の建築に当たり、契約関係にない居住者等に対する関係でも、建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき注意義務を負う。これを怠ったために、建物にその安全性を損なう瑕疵があり、それにより居住者等の生命、身体または財産が侵害された場合には、設計者等は、特段の事情がない限り、不法行為による賠償責任を負う」としています(最判平19.7.6)。
CによるBに対する不法行為に基づく損害賠償請求

ワンポイントアドバイス

判例により、CはBに対し不法行為に基づく損害賠償を請求できます。
この関係を図で示すと上のようになります。
選択肢 3 × 誤り
解説
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者が損害および加害者を知った時から3 年間行使しないときは時効によって消滅し、不法行為の時から20 年経過したときも消滅します(民法第724条)。「Cが瑕疵の存在に気付いてから1年以内」ではありません。

ワンポイントアドバイス

 この選択肢は、「不法行為」に基づく損害賠償請求権について問うています。設問の性格上「瑕疵担保責任」による損害賠償請求と混同しがちになりますので注意してください。ちなみに、判例では瑕疵担保による損害賠償請求権は、引き渡しから10年間の消滅時効にかかる(最高裁・平成13年11月27日)としています。損害賠償請求の原因ごとの整理が必要です。
関連する条文
民法第724条(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から二十年を経過したときも、同様とする。
選択肢 4 × 誤り
解説
仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができます。但し、建物その他の土地の工作物については、解除することはできません(民法第635条)。本肢は、建物ですから、Aは、請負契約を解除することができません。
請負契約と担保責任追及

ワンポイントアドバイス

どうして建物その他の工作物については解除できないのでしょうか。
現行民法の制定時の社会状況や経済情勢が影響していると言われています。これらは社会的価値が高く、解除によって取り壊すことは社会にとっての損失につながること、また、請負人に過剰な負担を課すことになると考えられていたと言われています。
関連する条文
民法第635条
仕事の目的に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りでない。
※掲載している問題および解説は、必ずしも最新の法改正に対応したものではありません。直近の試験に向けて法改正に対応している問題および解説については、フォーサイトの過去問講座(有料)にてご提供しております。

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