2015年(平成27年)宅建の「過去問」‐第1問(権利関係)

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平成27年

権利関係 > その他の契約 > すべての契約のまとめ

難易度
解答時間
2
Q1

次の記述のうち、民法の条文に規定されているものはどれか。

債務の不履行に基づく人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使することができる時から20 年間行使しないときは、時効によって消滅する旨
事業のために負担した貸金債務を主たる債務とする保証契約は、保証人になろうとする者が、契約締結の日の前1か月以内に作成された公正証書で保証債務を履行する意思を表示していなければ無効となる旨
併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる旨
債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める旨

ヒント

民法の条文知識を直接に問う問題です。近年の試験では条文に書かれている知識を直接に問う問題が増えてきました。普段の勉強の際に、選択肢が何条の問題なのか確認し、条文を読みこんでおく練習が必要となります。難易度も非常に高い問題形式ですから、得点源とする為に意識して学習するよりは、普段の勉強での心掛けによって得点する問題です。
選択肢 1 × 規定されていない
解説
消滅時効は、権利を行使することができる時から進行します(民法第166条)。そして、債権は、10年間行使しないときは消滅します(同法第167条第1項)。しかし、本肢のような「債務の不履行に基づく人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権」の消滅時効に関する規定は民法の条文に規定されていません。

ワンポイントアドバイス

消滅時効や取得時効といった、いわゆる「時効」の問題は試験の上では頻出分野となっています。特に、消滅時効は短期消滅時効という、非常に短い期間での消滅時効を認めている規定があります(民法第170条~174条)。その部分は頻出分野ですので、一読しておきましょう。
関連する条文
(民法第166条)
第百六十六条 消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。
2 前項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を中断するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。

(民法第167条第1項)
第百六十七条 債権は、十年間行使しないときは、消滅する。
選択肢 2 × 規定されていない
解説
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じません(同法第446条第2項)。本肢のような「事業のために負担した貸金債務を主たる債務とする保証契約」であっても書面であればよく、公正証書である必要はありません。よって、民法の条文に規定されていません。

ワンポイントアドバイス

 よく勘違いされることですが、保証契約を締結するのは、主たる債権者と保証人です。保証契約が錯誤(民法95条)によって無効であることを主張する相手を「債務者に対して」としてしまう誤りはよく見受けられます。この場合保証人は錯誤に基づいて「債権者に対して」無効であることを主張します。
関連する条文
(民法第446条第2項)
第四百四十六条 2 保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
選択肢 3 × 規定されていない
解説
判例では、本肢のように「併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる」とされていますが、民法の条文には規定されていません。なお、併存的債務引受とは、旧債務者が債務者の地位のまま、新債務者(引受人)と併存して債務者になることです。

ワンポイントアドバイス

 併存的債務引き受けは契約当事者でない第三者が債権を負うということで特徴的な形式です。他にも、債務引き受けには免責的債務引き受けという形式も存在しており、その区別が重要になります。また、両方の形式とも判例上認められていますが、条文となっていません。

例)債権者Aの債務者Bへの債権をCが債務引き受けする場合。
・免責的債務引き受け⇒「Bの代わりにCが支払う」:Bは債務者ではなくなる
・併存的債務引き受け⇒「Bと一緒にCも支払う」:Bは債務者のまま
選択肢 4 ○ 規定されている
解説
債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任およびその額を定めます(同法第418条)。よって、本肢は民法の条文に規定されています。

ワンポイントアドバイス

 過失相殺について、不法行為の損害賠償の過失相殺について定めた規定があります(民法第722条第1項)。
ここで、「不法行為」とは故意・過失によって損害を与えることを指します。不法行為を受けた者は、不法行為をしたものに損害賠償を求めることができます(民法第709条)。不法行為責任は債務不履行責任と異なって、契約関係がなくても生じます。
身近な例を挙げると、交通事故などで適用される過失相殺は不法行為の過失相殺を指します。債務不履行の際に認められる過失相殺と区別して理解しましょう。
関連する条文
(民法第418条)
第四百十八条 債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定める。
※掲載している問題および解説は、必ずしも最新の法改正に対応したものではありません。直近の試験に向けて法改正に対応している問題および解説については、フォーサイトの過去問講座(有料)にてご提供しております。