2015年(平成27年)宅建の「過去問」‐第3問(権利関係)

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平成27年

権利関係 > 賃貸借契約 > 民法上の賃貸借契約

難易度
解答時間
2
Q3

AB間で、Aを貸主、Bを借主として、A所有の甲建物につき、賃貸借契約を締結した場合と、使用貸借契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

Bが死亡した場合、では契約は終了しないが、では契約が終了する。
Bは、では、甲建物のAの負担に属する必要費を支出したときは、Aに対しその償還を請求することができるが、では、甲建物の通常の必要費を負担しなければならない。
AB間の契約は、では諾成契約であり、では要物契約である。
AはBに対して、甲建物の瑕疵かしについて、では担保責任を負う場合があるが、では担保責任を負わない。

ヒント

賃貸借と使用貸借の違いについての問題です。賃貸借契約は、賃料の支払いがあるので貸主は積極的に借主に目的物を使用させる義務が生じます。したがって、目的物については瑕疵が無いようにしなければなりませんし、契約の終了要件も非常に厳格になっています。それに対して使用貸借はあくまでも無料での貸し出しになりますから、賃貸借契約ほど目的物についての瑕疵に責任を負いません。
このような根本的な制度の違いを意識して問題に取り組みましょう。
賃貸借と使用貸借
選択肢 1 × 正しい
解説
の場合は、相続の対象になります(民法第896条、第601条)ので、契約当事者が死亡しても終了しませんが、の場合は、借主の死亡によって終了します(同法第599条)。
使用貸借は相続人に継承されない

ワンポイントアドバイス

相続の部分にも触れている問題になっています。被相続人(亡くなった人)の権利や義務は相続人に承継されますので、賃借権も承継されます。賃借権は、あくまでも「何かを借りることができる権利」ですが、財産としての性格を有します。
一方で使用貸借はそのような扱いになっていません。
関連する条文
(民法第599条)
第五百九十九条 使用貸借は、借主の死亡によって、その効力を失う。

(民法第601条)
第六百一条 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

(民法第896条)
第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。
選択肢 2 × 正しい
解説
の場合は、賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができます(同法第608条第1項)。の場合は、借主は、借用物の通常の必要費を負担します(同法第595条第1項)。
使用貸借契約の場合の修繕など

ワンポイントアドバイス

賃貸借契約は賃料をもらっている以上、貸主が借主に積極的に目的物を使用させる義務がありますから、目的物に必要な修繕は原則として貸主が行います。しかし、借主が早期に処置する場合もあり得ますので、その場合には費用を貸主が負担します。一方で、使用貸借契約はあくまでも無料の貸し出しですから、修繕などは借主が行うのが原則です。
両契約の差を理解できていると、解きやすい肢です。
関連する条文
(民法第608条第1項)
第六百八条 賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。

(民法第595条第1項)
第五百九十五条 借主は、借用物の通常の必要費を負担する。
選択肢 3 × 正しい
解説
の場合は、当事者の一方がある物の使用および収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる諾成契約です(同法第601条)が、の場合は、当事者の一方が無償で使用および収益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生ずる要物契約です(同法第593条)。
諾成契約と要物契約

ワンポイントアドバイス

 諾成契約とは「当事者の合意だけで成立する契約」の事です。一方で、要物契約とは「契約の成立に目的物の引き渡しが必要な契約」です。
 このように契約成立の要件の違いに着目した分類についても出題がされていますから、条文で物の引き渡しが必要な契約かどうかを区別することが求められます。
 たとえば、売買契約(民法第555条)は「…財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対して代金を支払うことを約する…」となっています。物の引き渡しは要求されていませんので、諾成契約です。
関連する条文
(民法第601条)
第六百一条 賃貸借は、当事者の一方がある物の使用及び収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対してその賃料を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

(民法第593条)
第五百九十三条 使用貸借は、当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
選択肢 4 ○ 誤り
解説
の場合は、賃貸の目的物に隠れた瑕疵があったときは、賃貸人は賃借人に対して瑕疵担保責任を負います(同法第559条、第570条)がの場合は、貸主は目的物の瑕疵について責任を負いませんが、貸主がその瑕疵を知りながら借主に告げなかったときは、貸主は責任を負います(同法第596条、第551条)。
瑕疵担保責任

ワンポイントアドバイス

賃貸借契約と使用貸借契約の貸主の瑕疵担保責任の違いを問う問題です。この違いは、有償なのか無償なのかによって義務の重さの区別がはっきりとしています。
なお、「瑕疵(かし)」とは、目的物に対する不具合等の不良を指します。例えば、有償で借りたコピー機がトナー部分の不良で印刷できなくなった場合は、ここでいう瑕疵に当たります。この具体例の場合は、有償で借りているので賃貸借契約となりますから、貸主にコピー機のトナー部分の修理義務が生じます。
関連する条文
(民法第551条)
第五百五十一条 贈与者は、贈与の目的である物又は権利の瑕疵又は不存在について、その責任を負わない。ただし、贈与者がその瑕疵又は不存在を知りながら受贈者に告げなかったときは、この限りでない。
2 負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保の責任を負う。

(民法第559条)
第五百五十九条 この節の規定は、売買以外の有償契約について準用する。ただし、その有償契約の性質がこれを許さないときは、この限りでない。

(民法第570条)
第五百七十条 売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第五百六十六条の規定を準用する。ただし、強制競売の場合は、この限りでない。

(民法第596条)
第五百九十六条 第五百五十一条の規定は、使用貸借について準用する。
※掲載している問題および解説は、必ずしも最新の法改正に対応したものではありません。直近の試験に向けて法改正に対応している問題および解説については、フォーサイトの過去問講座(有料)にてご提供しております。

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