2015年(平成27年)宅建の「過去問」‐第6問(権利関係)

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平成27年

権利関係 > 売買契約 > 債権・債務発生段階での学習事項 > 物的担保・人的担保

難易度
解答時間
2
Q6

抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

賃借地上の建物が抵当権の目的となっているときは、一定の場合を除き、敷地の賃借権にも抵当権の効力が及ぶ。
抵当不動産の被担保債権の主債務者は、抵当権消滅請求をすることはできないが、その債務について連帯保証をした者は、抵当権消滅請求をすることができる。
抵当不動産を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその代価を抵当権者に弁済したときは、抵当権はその第三者のために消滅する。
土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、一定の場合を除き、抵当権者は土地とともに建物を競売することができるが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができる。

ヒント

抵当権の目的物の範囲は頻出の分野となっています。抵当権の効力が及ぶ範囲として「付加して一体となっている物」のことを、付加一体物と法律上略称します。
付加一体物の範囲は明確に定められていませんが、判例上は従物並びに付合物に及ぶものとされていますので、大変広くその範囲が認められています。したがって、認められないものを例外的に暗記すると非常に整理しやすい分野です。
選択肢 1 × 正しい
解説
賃借地上の建物が抵当権の目的となっているときは、一定の場合を除いて、敷地の賃借権にも抵当権の効力が及びます(民法第370条、最判昭40.5.4)。
賃借地上の建物が抵当権の目的となっている場合

ワンポイントアドバイス

判例上、借地権について「従たる権利」として抵当権が及ぶとされています。これは、建物を競売にかけたとしても、借地権を得られなければ不法占拠となってしまい、土地所有者(賃借人)の請求によって即座に建物を取り壊す結果となるからです。
この場合でも賃貸人の承諾が必要なことには変わりがないのですが、裁判上の手続きを踏むことで賃貸人の承諾に代わる判決を得ることができます。
関連する条文
(民法第370条)
第三百七十条 抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産(以下「抵当不動産」という。)に付加して一体となっている物に及ぶ。ただし、設定行為に別段の定めがある場合及び第四百二十四条の規定により債権者が債務者の行為を取り消すことができる場合は、この限りでない。
選択肢 2 ○ 誤り
解説
抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をすることができます(同法第379条)が、主たる債務者、保証人およびこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができません(同法第380条)。よって、抵当不動産の被担保債権の主債務者も、その債務について連帯保証をした者も、抵当権消滅請求をすることができません。
抵当不動産の第三取得者と抵当権消滅請求

ワンポイントアドバイス

抵当権消滅請求とは、抵当不動産を譲受けた者(第三取得者)が行うことのできる請求です。第三取得者としては、自分の所有する不動産に第三者の抵当権が付着していると、いつ競売にかけられるかわからず不安定な地位に立たされます。そのような第三取得者を保護する趣旨の制度ですから、当然に抵当権設定者やその保証人等は請求できません。
関連する条文
(民法第379条)
第三百七十九条 抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。
(民法第380条)
第三百八十条 主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。
選択肢 3 × 正しい
解説
抵当不動産について所有権または地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅します(同法第378条)。
抵当不動産の第三者取得と代価弁済による抵当権の消滅

ワンポイントアドバイス

本問の弁済を代価弁済と呼びます。代価弁済は、抵当権者と第三者の間の合意で金額を設定し抵当権を消滅させる制度です。これは、目的物の競売を前提としている抵当権消滅請求とは全く異なる制度です。
関連する条文
(民法第378条)
第三百七十八条 抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。
選択肢 4 × 正しい
解説
土地に抵当権が設定された後に抵当地に建物が築造されたときは、一定の場合を除いて、抵当権者は土地とともに建物を競売することができますが、その優先権は土地の代価についてのみ行使することができます(同法第389条)。
抵当地に建物が建造されたとき

ワンポイントアドバイス

民法上、土地と建物が別個の不動産であることから(民法第86条)、それぞれ別個に担保の目的物となります。したがって、土地に設定された抵当権は土地以外の部分について債務の引き当てにはできません。
しかし、土地の上に建物が付着している場合には、土地のみを競売したとすればその評価額は建物によって下落します。また、建物をわざわざ取り壊すのも酷です。それを受けて民法は土地建物を一斉に競売にかけることができます。その場合にも、もともと担保としていた土地のみが債務の引き当てとなる事には変わりありません。
関連する条文
(民法第389条)
第三百八十九条 抵当権の設定後に抵当地に建物が築造されたときは、抵当権者は、土地とともにその建物を競売することができる。ただし、その優先権は、土地の代価についてのみ行使することができる。
2 前項の規定は、その建物の所有者が抵当地を占有するについて抵当権者に対抗することができる権利を有する場合には、適用しない。
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