平成28年
宅建業法 > 業務に対する規制 > 取引交渉 > 物件の案内・説明1(重要事項の説明)
難易度
D 解答時間
1.5分
Q36
宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明(以下この問において、売買の場合には買主、貸借の場合には借主が宅地建物取引業者である場合を除く。)に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
- 1
- 区分所有権の目的である建物の売買の媒介を行う場合、当該建物が借地借家法第22条に規定する定期借地権の設定された土地の上に存するときは、当該定期借地権が登記されたものであるか否かにかかわらず、当該定期借地権の内容について説明しなければならない。
- 2
- 宅地の貸借の媒介を行う場合、当該宅地が流通業務市街地の整備に関する法律第4条に規定する流通業務地区にあるときは、同法第5条第1項の規定による制限の概要について説明しなければならない。
- 3
- 建物の売買の媒介を行う場合、当該建物の売買代金の額並びにその支払の時期及び方法について説明する義務はないが、売買代金以外に授受される金銭があるときは、当該金銭の額及び授受の目的について説明しなければならない。
- 4
- 建物の貸借の媒介を行う場合、当該建物が建築工事の完了前であるときは、必要に応じ当該建物に係る図面を交付した上で、当該建築工事の完了時における当該建物の主要構造部、内装及び外装の構造又は仕上げ並びに設備の設置及び構造について説明しなければならない。
- 1
- 一つ
- 2
- 二つ
- 3
- 三つ
- 4
- 四つ
ヒント
重要事項説明(35条書面)の記載事項はかなりの数があります。すべてを暗記することは時間と手間がかかるため、過去問題に出てきた事項を重点的に暗記し、その他細かい点は覚えられる限りで暗記します。

選択肢
ア
正しい
解説
区分所有建物の売買の媒介を行う場合、当該建物を所有するための一棟の建物の敷地に関する権利の種類および内容について説明しなければなりません(宅建業法第35条第1項第6号、同法施行規則第16条の2第1号)。本肢の定期借地権の内容はこれに該当します。なお、登記されたものであるか否かにかかわらず説明が必要です。

ワンポイントアドバイス
区分所有建物における敷地に関する権利の種類及び内容について、重要事項説明(35条書面)において、売買の場合には記載が必要です。ただし、区分所有建物の賃借の場合には記載が不要です。
関連する条文
- (宅建業法第35条第1項第6号)
六 当該建物が建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第二条第一項に規定する区分所有権の目的であるものであるときは、当該建物を所有するための一棟の建物の敷地に関する権利の種類及び内容、同条第四項に規定する共用部分に関する規約の定めその他の一棟の建物又はその敷地(一団地内に数棟の建物があつて、その団地内の土地又はこれに関する権利がそれらの建物の所有者の共有に属する場合には、その土地を含む。)に関する権利及びこれらの管理又は使用に関する事項で契約内容の別に応じて国土交通省令・内閣府令で定めるもの
選択肢
イ
正しい
解説
宅地の貸借の媒介を行う場合、当該宅地が流通業務市街地の整備に関する法律第4条に規定する流通業務地区にあるときは、同法第5条第1項の規定による制限の概要について説明しなければなりません(同法第35条第1項第2号、同法施行令第3条第2項、同条第1項第7号)。なお、流通業務市街地の整備に関する法律第5条において、原則として、流通業務地区では、トラックターミナル、鉄道の貨物駅、倉庫などの流通業務施設以外の施設を建設できないとされています。

ワンポイントアドバイス
取引される宅地が流通業務地区に指定された地区にある場合、宅建業者は買主に対して、その旨を説明しなければなりません。ただし、流通業務地区に関する問題は本試験でもあまり狙われることがないため、深く考える必要はありません。
関連する条文
- (宅建業法第35条第1項第2号)
都市計画法、建築基準法その他の法令に基づく制限で契約内容の別(当該契約の目的物が宅地であるか又は建物であるかの別及び当該契約が売買若しくは交換の契約であるか又は貸借の契約であるかの別をいう。以下この条において同じ。)に応じて政令で定めるものに関する事項の概要
選択肢
ウ
正しい
解説
建物の売買の媒介を行う場合、当該建物の売買代金の額並びにその支払の時期および方法について説明する義務はありませんが、売買代金以外に授受される金銭があるときは、当該金銭の額および授受の目的について説明しなければなりません(同法第35条第1項第7号)。

ワンポイントアドバイス
建物の売買・交換・賃借を行う場合に、当該建物の売買代金、交換差金、借賃を除いて金銭の授受が行われるときには、重要事項説明(35条書面)への記載が必要になります。また、売買代金などに関しては、37条書面への記載事項となります。
関連する条文
- (宅建業法第35条第1項第7号)
代金、交換差金及び借賃以外に授受される金銭の額及び当該金銭の授受の目的
選択肢
エ
正しい
解説
建物の貸借の媒介を行う場合、未完成の建物に関しては、工事完了時の形状、構造、主要構造部、内装および外装の形状・仕上げ、設備の設置・構造について、重要事項として説明しなければなりません(同法第35条第1項第5号、同法施行規則第16条)。

ワンポイントアドバイス
建物の売買・交換・賃借を行うとき、当該建物が未完成物件の場合には、その建物が完成した時の形状や構造などを重要事項説明(35条書面)に記載しなければなりません。また完成物件の場合には、このような取り決めがないため、重要事項説明への記載は不要です。
関連する条文
- (宅建業法第35条第1項第5号)
該宅地又は建物が宅地の造成又は建築に関する工事の完了前のものであるときは、その完了時における形状、構造その他国土交通省令・内閣府令で定める事項
※掲載している問題および解説は、必ずしも最新の法改正に対応したものではありません。直近の試験に向けて法改正に対応している問題および解説については、フォーサイトの過去問講座(有料)にてご提供しております。