2016年(平成28年)宅建の「過去問」‐第5問(権利関係)

⼟⽇祝もOK!受講前のお問い合わせはこちら
0120-966-883 (受付時間 11:00〜19:00)
平成28年度 問題一覧へ
平成28年

権利関係 > 売買契約 > 債権・債務発生段階での学習事項 > 債権譲渡

難易度
解答時間
2
Q5

Aが、Bに対する債権をCに譲渡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

AのBに対する債権に譲渡禁止の特約があり、Cがその特約の存在を知りながら債権の譲渡を受けていれば、Cからさらに債権の譲渡を受けた転得者Dがその特約の存在を知らなかったことにつき重大な過失がない場合でも、BはDに対して特約の存在を対抗することができる。
AがBに債権譲渡の通知を発送し、その通知がBに到達していなかった場合には、Bが異議をとどめない承諾をしても、BはCに対して当該債権に係る債務の弁済を拒否することができる。
AのBに対する債権に譲渡禁止の特約がなく、Cに譲渡された時点ではまだ発生していない将来の取引に関する債権であった場合、その取引の種類、金額、期間などにより当該債権が特定されていたときは、特段の事情がない限り、AからCへの債権譲渡は有効である。
Aに対し弁済期が到来した貸金債権を有していたBは、Aから債権譲渡の通知を受けるまでに、異議をとどめない承諾をせず、相殺の意思表示もしていなかった。その後、Bは、Cから支払請求を受けた際に、Aに対する貸金債権との相殺の意思表示をしたとしても、Cに対抗することはできない。

ヒント

 債権もその他財産と同様に譲受人と譲渡人の双方の合意があれば譲渡が可能です。また、譲渡禁止の特約が存在する場合には、債権譲渡が無効になります。ただし、譲受人が善意無過失である場合には、譲渡禁止の特約があったとしても有効となります。
譲渡禁止の特約が存在する場合の債権譲渡
選択肢 1 × 誤り
解説
譲渡禁止特約は、債権の譲受人が特約の存在を知らない(善意)、または知らないことに重過失がない場合(善意無重過失)には、債務者は債権の譲受人に対して、無効を主張することができません。よって、BはDに対して特約の存在を対抗することができません(民法第466条第2項ただし書き)。
債権譲渡禁止の特約と、債権譲渡を受けた善意無重過失の転得者D

ワンポイントアドバイス

債権譲渡に関して、善意無過失かどうかは譲受人(対抗する相手)を見て判断します。Cからの転得者であるDは善意無過失となっているため、BはDに対して無効を主張することができません。
関連する条文
(民法第466条)
債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。

2 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。(指名債権の譲渡の対抗要件)
選択肢 2 × 誤り
解説
債権譲渡の債務者に対する対抗要件は、譲渡人から債務者への通知、債務者による譲渡人または譲受人に対する承諾の2つの方法があります(同法第467条第1項)。よって、債権譲渡の通知がBに到達していなかった場合でも、Bが異議をとどめない承諾をしたときには、Bは、Cに対して当該債権に係る債務の弁済を拒否することができません。
債権譲渡の債務者に対する対抗要件

ワンポイントアドバイス

債権譲渡では以上の2つが対抗要件になります。また二重譲渡が発生した場合で、確定日付のある証書があるときには、確定日付の早い方ではなく、到達が早い方が優先されます。
関連する条文
(民法第467条)
指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。

2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。指名債権の譲渡における債務者の抗弁)
選択肢 3 ○ 正しい
解説
将来の取引に関する債権であった場合でも、その取引の種類、金額、期間などにより当該債権が特定されていたときは、特段の事情がない限り、債権譲渡はすることができます(最判平11.1.29)。
将来債権とその譲渡

ワンポイントアドバイス

将来債権であってもその債権が特定される時には、譲渡が可能です。将来必ず発生する取引から得られる債権ならば事前に譲渡を行っても問題ないと考えられています。
選択肢 4 × 誤り
解説
債権譲渡され、その債務者が、債権譲渡の通知を受ける前に譲渡人に対して反対債権を取得した場合には、債務者は、譲受人に相殺を主張することができます(最判昭45.6.24)。よって、Bは債権譲渡の前に反対債権を有していますので、Cに相殺の意思表示を対抗することができます。
債権譲渡された場合の反対債権と相殺の意思表示

ワンポイントアドバイス

相殺できる条件には、次の4つがあります。

・当事者双方が債権を保有していること
・双方の債権が有効であること
・双方の債権目的が同じであること
・双方の債権が弁済期にあること

これらの条件を満たしていない場合には相殺することができません。
※掲載している問題および解説は、必ずしも最新の法改正に対応したものではありません。直近の試験に向けて法改正に対応している問題および解説については、フォーサイトの過去問講座(有料)にてご提供しております。

過去問TOPへ戻る