2017年(平成29年)宅建の「過去問」‐第1問(権利関係)

⼟⽇祝もOK!受講前のお問い合わせはこちら
0120-966-883 (受付時間 11:00〜19:00)
平成29年度 問題一覧へ
平成29年

権利関係 > 売買契約 > 契約の成立段階での学習事項 > 代理

難易度
解答時間
2
Q1

代理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

売買契約を締結する権限を与えられた代理人は、特段の事情がない限り、相手方からその売買契約を取り消す旨の意思表示を受領する権限を有する。
委任による代理人は、本人の許諾を得たときのほか、やむを得ない事由があるときにも、復代理人を選任することができる。
復代理人が委任事務を処理するに当たり金銭を受領し、これを代理人に引き渡したときは、特段の事情がない限り、代理人に対する受領物引渡義務は消滅するが、本人に対する受領物引渡義務は消滅しない。
夫婦の一方は、個別に代理権の授権がなくとも、日常家事に関する事項について、他の一方を代理して法律行為をすることができる。

ヒント

代理とは、本人の代わりに別の人が物事を行うことです。代理人には法定代理人、任意代理人、さらに復代理人と種類があり、その選任方法が異なってきます。代理人にどうやってなるのか、どんなことをできるかポイントを押さえると、問題が解きやすくなります。
選択肢 1 × 正しい
解説
判例は、「売買契約を締結する権限を与えられた代理人は、特段の事情がない限り、相手方から、当該売買契約を取消す旨の意思表示を受ける権限を有する。」としています(民法第99条、最判昭34.2.13)。
代理人の売買契約の代理権の図解

ワンポイントアドバイス

代理人は本人に代わって「買う」「売る」という意思表示をしたり、相手の意思表示を受け入れる権利を与えられています。
もし代理人に相手側からの売買契約を取り消す旨の意思表示を受け入れる権限がなければ、スムーズに契約ができず、代理人の意味がありません。
関連する条文
(民法99条)
第九十九条
1 代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。
選択肢 2 × 正しい
解説
委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができません(同法第104条)。
代理人と復代理人の権限の図解

ワンポイントアドバイス

復代理人とは、代理人によって任せられた代理人です。
そのため、代理人に与えられている権限以上のものを任せることはできません。

法定代理人の場合、復代理人をいつでも選任することができます。
一方、委任によってなった代理人(=任意代理人)は復代理人を以下の場合しか選任することができません。
・本人の許諾を得たとき
・やむを得ない事由があるとき
関連する条文
(民法104条)
第百四条
委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。
選択肢 3 ○ 誤り
解説
判例は、「復代理人が委任事務を処理するに当たり金銭を受領し、代理人に引き渡したときは、特段の事情がない限り、代理人に対する受領物引渡義務は消滅し、本人に対する受領物引渡義務も消滅する。」としています(最判昭51.4.9)。
復代理人の引き渡し義務

ワンポイントアドバイス

復代理人の引き渡し義務は代理人と本人に対してあります。
復代理人が受け取ったお金を代理人に渡してしまえば、そのお金を本人に渡すことはできません。
そのため、これを代理人に引き渡したところで、代理人に対する受領物引渡義務も本人に対する受領物引渡義務も消滅してしまいます。
関連する条文
(民法107条2項)
第百七条
2 復代理人は、本人及び第三者に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負う。
選択肢 4 × 正しい
解説
夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負います(同法第761条)。この連帯責任をもとに夫婦の一方は、個別に代理権の授与がなくても、日常家事に関する事項について、他の一方を代理して法律行為をすることができるとされています(最判昭44.12.18)。
引越しを例にした夫婦における代理権の図解

ワンポイントアドバイス

日常の家事に関する事項とは、例えば引っ越しをしたら水道、ガス、電気の契約をしますが、夫の名義での契約を妻が代わりに行う場合も多くあります。
この時、個別の代理権がなくても行うことができると、法律や判例で定められています。
もちろん、夫と妻が逆でも行うことができます。
関連する条文
(民法第761条)
第七百六十一条
夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。ただし、第三者に対し責任を負わない旨を予告した場合は、この限りでない。
※掲載している問題および解説は、必ずしも最新の法改正に対応したものではありません。直近の試験に向けて法改正に対応している問題および解説については、フォーサイトの過去問講座(有料)にてご提供しております。