簿記について

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簿記2級と建設業経理士のダブルライセンスのメリットは?

「簿記2級」合格者のステップアップ資格として注目される「建設業経理士」とは、一体、どのような資格でしょうか?

ここでは、建設業経理士の基本情報に加えて、いくつかの事項をまとめています。建設業経理検定に興味のある方、受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

「簿記2級」のダブルライセンスに「建設業経理検定」はあり?

「建設業経理検定」とは、建設業経理に関する知識を問う試験です。建設業界独自の帳簿のつけ方や、財務諸表の読み方、決算の処理、会計学などを学びます。3・4級合格者には「建設業経理事務士」、1・2級合格者には「建設業経理士」の称号が与えられます。

「建設業経理検定」はどんな人におすすめ?

建設業界で「会計処理のプロフェッショナル」として重宝されるため、建設会社や工務店の経理への就職・転職を考えている方、業界内でキャリアアップを目指す方におすすめの資格です。

会社によっては、資格手当として毎月数千円が支給されるところもあります。また、専門性の高い資格のため、近年は簿記2級からのステップアップ資格としても、注目を集めています。

「簿記検定」と「建設業経理検定」の違いを教えて!?

「簿記検定」は、企業の経理はもちろん、営業・販売などあらゆるビジネスシーンに役立ちます。なかでも「日商簿記2級」は、毎年15万人以上が受験する、日本でもっとも有名な簿記資格。経理・財務の求人の多くが、日商簿記の資格を持っている人を優遇しています。

一方の「建設業経理検定」は、建設業の会計処理やコスト管理を身につける試験です。建設業界では「奨励資格」となっているため、建設会社や工務店などへの就職・転職活動では、強力なアピールツールとなります。

「簿記2級」と「建設業経理士2級」、どちらが難しい?

「建設業経理士2級」の方が難しいといわれています。なぜかというと、建設業経理検定2級では、「日商簿記2級の知識」+「建設業会計の知識」が必要になってくるからです。

日商簿記2級と学習範囲が重複するところも多く、「簿記2級」を取得してから「建設業経理士2級」にチャレンジする方が多いです。

建設業経理検定 諸情報

受験資格 年齢・性別・学歴・国籍に関係なく、希望の級を受験できる。
試験日 【1・2級】3・9月上旬
【3・4級】3月上旬
試験内容

【1級】
建設業原価計算、財務諸表、財務分析(各90分)
建設業簿記、建設業原価計算及び会計学を修得し、会社法その他会計に関する法規を理解しており、建設業の財務諸表の作成及びそれに基づく経営分析が行えること。

【2級】
建設業簿記、原価計算、会社会計(120分)
実践的な建設業簿記、基礎的な建設業原価計算を修得し、決算等に関する実務を行えること。

【3級】
建設業簿記、原価計算(120分)
基礎的な建設業簿記の原理、記帳、初歩的な原価計算を理解し、決算等に関する初歩的な実務を行えること。

【4級】
簿記のしくみ(90分)
初歩的な建設業簿記を理解していること。

出題形式 記述式
試験費用

【1級】
1科目:7,410円
2科目同時:10,600円
3科目同時:13,680円

【2級】
6,280円

【3級】
5,250円

【4級】
4,220円

合格基準 100点満点中、70点以上で合格
試験会場 全国各地の主要都市(47地区)
合格発表日
  • 試験日から約2カ月後、受験者全員に合否通知を発送。
  • 合格発表日の午前10時から、「建設業振興基金」のホームページに合格者の受験番号を掲載。
受験者数(平成30年)

【1級】
原価計算:約1,800人
財務諸表:約1,600人
財務分析:約1,200人

【2級】
約8,000人

【3級】
約2,100人

【4級】
約230人

申込方法 インターネット申し込み・書面による申し込み
主催団体 一般財団法人 建設業振興基金(https://www.keiri-kentei.jp/

建設業経理検定試験とは?(試験会場・テキスト・講習)

建設業経理士1・2級・建設業経理事務士3級の合格率は?

建設業経理士1級の合格率は、次のとおりです。

級別 合格率
建設業経理士1級 財務諸表 30%前後
財務分析 30~40%
原価計算 25%前後
建設業経理士2級 30~40%
建設業経理事務士3級 60%前後

建設業経理士1・2級・建設業経理事務士3級の難易度は?

建設業経理士1級の難易度は「非常に高い」です。
5年以内に「財務諸表」「財務分析」「原価計算」のすべてに合格しなければ、1級の資格がもらえないため難しく感じる方が多いようです。事前に「日商簿記1級程度の知識」を身につけておくことが、短期合格のポイントとなります。

2級の難易度は「やや高め」
試験範囲の約60%が「日商簿記2級の試験範囲」、残り半分が建設業固有の「原価生産や建設業会計」となっているため、簿記2級を持っている方であれば、勉強が進めやすいでしょう。

3級の難易度は「低め」
初歩的な建設業の簿記を学ぶことができます。そのため、簿記初心者でも学習しやすい内容となっています。

建設業経理士1・2級・建設業経理事務士3級の勉強時間は?

建設業経理士1・2級・建設業経理事務士3級の勉強時間は、勉強方法や生活スタイルによって変わってきます。「簿記の知識がない状態」で「仕事をしている方」が「通学講座や通信講座」で学ぶ場合は、3級が約3カ月・2級は約5カ月・1級は6~8カ月をみておくと安心でしょう。

独学の場合は、選ぶ教材や勉強の進め方によって変わってきますが、「簿記の知識がない状態」で「仕事をしている方」の場合は、3級が約3~5カ月・2級は約5~8カ月・1級は6~12カ月をみておくと安心でしょう。

建設業経理士2級・1級の過去問をチェック!

建設業経理士2級では、以下のような問題が出題されます。

問1 次の文章は、下記の<原価の基礎的分類>のいずれと最も関係の深い事柄か、記号(A〜D)で解答しなさい。(24点)

1.原価は、最終的には、生産物別の原価を算定する必要があるから、その最終生産物の生成に関して、直接的に認識されるか否かの基準によって、直接費と間接費に分類される。

2.一般的な建設工事では、材料費のように工事進捗度に応じて発生するものや、現場事務所経費のように会計期間において工事進捗度と関係なく一定額が固定的に発生するものがある。

3.建設業では、一般的に工事原価を管理するための実行予算の作成に際しては、工事種類(工種)別に原価を区分して集
計する方法が採用されている。

4.会計上の取引を第一次的に分類集計する際に最も適切なもので、財務会計における費用の発生を基礎とする分類である。

<原価の基礎的分類>
A 発生形態別分類 B 作業機能別分類 C 計算対象と関連性分類 D 操業度と関連性分類

建設業経理士1級では、以下のような問題が出題されます。

財務諸表

〔第1問〕 「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」に基づいて次の問に解答しなさい。各問ともに指定した字数以内で記入すること。 (20点)

問1 当初の減価償却計画の決定において見積もった有形固定資産の耐用年数に変更が生じた場合、どのような会計処理を行えばよいか説明しなさい。(200字以内)

問2 例えば、定率法から定額法への変更のように、減価償却方法を変更した場合の会計処理と、そのような会計処理を行う理由を説明しなさい。(300字以内)


財務分析

〔第4問〕 次の<資料>に基づき、下記の問に答えなさい。なお、解答に際しての端数処理については、解答用紙の指定のとおりとする。 (15点)

<資料>
第5期
完成工事高 ¥28,644,000
安全余裕率 108.5%(分子は実際の完成工事高を用いている。)
固定費 ¥9,240,000
資本回転率 1.2回(総資本は期中平均ではなく期末資本を用いている。)
変動的資本は総資本の 75%とする。

問1 損益分岐点の完成工事高を求めなさい。

問2 資本回収点の完成工事高を求めなさい。

問3 第5期の変動費を求めなさい。

問4 第6期の目標利益を¥1,050,000としたときの完成工事高を求めなさい。なお、変動費率と固定費は第5期と同じとする。

問5 第7期には経営能力拡大のため、¥460,000の固定費の増加が見込まれている。第7期の完成工事高営業利益率を10%として、これを達成するための完成工事高を求めなさい。なお、変動費率は第5期と同じとする。


原価計算

〔第2問〕 次に掲げる各文章と最も関係の深い原価概念を下記の<用語群>の中から選び、その記号(ア~シ)を解答用紙の所定の欄に記入しなさい。(10点)

1.代替案の比較において用いられる原価の差額

2.品質原価計算において、製品の規格に合致しない製品を発見するための原価

3.経営者の行う特定の意思決定に関して、現金支出を生じさせる原価

4.意思決定において無関連な原価

5.犠牲にされる経済的資源を、他の代替的用途に振り向けたなら得られるはずの最大の利益額、すなわち最大の逸失利益額で測定した原価

<用語群>
ア 機会原価  イ 過去原価  ウ 変動原価  エ 標準原価
オ 差額原価  カ 現金支出原価  キ 埋没原価  ク 評価原価

建設業経理士2級・1級は独学で合格できる?

建設業経理士2級・1級は、独学で合格できます。ただ、簿記2級の基礎知識が必要になるため、簿記が未経験の方は「建設業経理事務士3級に合格しておく」又は「簿記2級の知識を身につけておく」ようにしましょう。

独学で進める場合は、建設業経理士2級なら「日商簿記2級のテキスト」+「建設業経理士2級テキスト・問題集」、1級なら「日商簿記1級のテキスト」+「建設業経理士1級テキスト・問題集」がおすすめです。なるべく早く合格したい方は、通学講座や通信講座を利用すると、無理なくスムーズに勉強ができるでしょう。

まとめ

今回は「建設業経理検定(建設業経理士)」の基本情報や、2級・1級の「合格率・難易度・勉強時間」「過去問」「勉強方法」「簿記検定との違い・難易度比較」などについてご紹介しました。

建設業経理士は「建設会計のプロフェッショナル」として重宝される資格です。建設業界への就職・転職に興味がある方は、ぜひ受験を検討してみてはいかがでしょうか?

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