【必読!】簿記資格は未経験でも転職に有利?求人情報から徹底分析!

書類を抱えた人

転職に有利といわれる「日商簿記2級」ですが、果たして実務経験がなくても、会社は評価してくれるのでしょうか? ここでは、実際の求人や転職者の経験談にも触れ、詳しく探っていきます。簿記2級に合格し転職を考えている方に役立つ情報をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

簿記資格は、本当に転職に役立つの?

未経験者の場合

未経験者の場合、経理職への転職では「簿記資格」を取得しておくことをおすすめします。
経理の仕事では「実務経験」が最も重視されますが、近年の人材不足の影響で「日商簿記2級以上」を条件に、未経験者を募集する企業が増えています。

資格を取得しておくことで「会計の基礎的な知識がある」ことの証明となり、「経理の仕事に就きたい」という強い意志も伝えることができます。

まずは、求人でもっとも評価の高い「日商簿記2級」の取得を目指しましょう。

➡どう仕事に有利なのか?

経験者の場合

経理の仕事では「実務経験」が何よりも重視されます。
なかでも「実務経験3年以上、日商簿記2級以上」を条件とする企業が多いため、「簿記2級以上を取得した実務経験者」は転職市場でとても有利になります。

また、「上場企業での決算業務経験」「連結決算の実務経験」「IFRS導入の経験」「SAP、DIVAの使用経験」「海外での会計実務経験」などがある場合は、年収600万円以上の求人でも採用率が高まります。

簿記資格は、何級から転職に有利になるの?

簿記1級保有者の場合

意外と思うかもしれませんが、「日商簿記1級」を条件とする求人は、それほど多くありません。
また、給与面でも「簿記2級・未経験者歓迎」と変わらない金額であるにも関わらず、「税理士」、「税理士試験5科目合格者優遇」などを期待する企業が目立ちます。

簿記2級保有者の場合

日商簿記2級は、企業の経理・財務部門で最も評価される資格です。
求人は会計事務所から一般企業の経理まで幅広く存在します。
また、近年は人材不足の影響から「実務経験不問、日商簿記2級以上」を応募条件とする企業も増加しています。

簿記3級保有者の場合

日商簿記3級は、「初歩的な商業簿記を学ぶ基本レベル」です。
合格者は経理関連書類の処理や、青色申告書類の作成など、初歩的な業務ができるようになります。

そのため、2級ほど多くはありませんが、応募条件に「日商簿記3級合格」とあげている企業もあります。

日商簿記2級を持っていれば、実務未経験でも転職できる?

ケース1.簿記2級合格者の転職

(男性・29歳・実務未経験・会社員 → 会計事務所)
以前の仕事は、簿記とは無縁でした。
しかし、いつか転職するときに役立つ資格を取ろうと思い、日商簿記2級を独学で1年ほど勉強して取得しました。

合格後、今後の自身のキャリアについて考えるようになり、以前から興味のあった会計事務所への転職を決意しました。

未経験での転職に不安はありましたが、経理の転職に強い人材紹介会社に登録。
最近は人手不足から、未経験者を採用する会計事務所が増えていることもあり、3カ月の転職活動で内定を得ることができました。

現在はまだわからないことが多く勉強の日々ですが、経理に関する知識や実務能力を身に着けスキルアップしていきたいと思っています。

ケース2.簿記2級合格者の転職

(女性・30代・実務未経験・専業主婦 → 会計事務所)
子どもが生まれてから5年間、専業主婦でした。
社会復帰を考えたときに、何か資格を取らなければと思い、経理職に有利な日商簿記2・3級を通信講座で勉強し、半年で取得しました。

合格後、パート勤務の求人を求人サイトやハローワークなどで探し、ご縁があって自宅から車で10分のところにある、会計事務所に就職が決まりました。

子どものことと家事をこなしながらの仕事は大変ですが、職場の雰囲気も良く、慌ただしくも充実した日々を送っています。

簿記資格があれば、年齢に関係なく転職できる?

簿記2級 30代の転職事情

転職市場では、20代後半から30代後半にかけて市場価値が高まります。
そのため、転職活動の中で、自分の価値が予想以上に高いことに驚く人も多いでしょう。
とくに、経理職では「実務経験と、日商簿記2級相当の知識」が優遇されるため、この二つの条件を満たす人は有利となります。

また、近年の人手不足にから「実務未経験可 日商簿記2級(3級)取得者」を条件とする求人も増えています。

ただし、転職理由として「上司(同僚)とうまくいかない、環境が悪い、思っていた仕事と違った」などの不満をあげる人は、新しい職場でも同じ原因で悩む傾向があります。
転職にはリスクが伴うことを十分に理解し、慎重に決めるようにしましょう。

簿記2級 40代の転職事情

求人広告では「年齢制限の禁止」が義務づけられているため、求人票はすべて「年齢不問」となっています。

ただ実際は、年齢を理由に採用を見送るケースは少なくありません。
転職市場では、40歳が大きな分岐点といわれています。
40歳を境に、転職によって年収が下がる割合が高まるためです。

ですが、現在「超人手不足」といわれる転職市場。
若年層の労働力が減っているため、ベテランの採用に力を入れる企業も増えています。

転職を考える際は、「20代活躍中」、「40代活躍中」、「主婦活躍中」など募集要項をしっかりと確認し、自分に合う会社かどうかを見極めましょう。

簿記資格を生かせる転職先はどこ?

簿記2級の求人(未経験OK)

募集業種:IT系上場ベンチャーの経理職(決算業務)

勤務地:東京都

雇用形態:正社員

就業時間:09:30 〜 18:30

年収:350万円 〜 450万円
※経験・能力を考慮の上、優遇します。
※昇給:年1回(6月)、賞与:年2回(6月/12月)月給制

休日・休暇:年間休日数120日 /初年度有給日数20日 / 最大有給日数20日

手当:土日祝,年末年始,特別休暇 夏季休暇、慶弔休暇、産前産後休暇、育児休暇

福利厚生:健康保険、厚生年金、雇用保険、労災、交通費支給、服装自由、慶弔見舞金制度

仕事内容
■日常の経理関連実務(月次決算、仕訳入力、エクセルでの各種データ集計業務)
■請求書の発行、経費処理、買掛金管理、入金処理など
■監査法人、税務署対応等の補助業務
■決算短信、有価証券報告書、会社法計算書類の作成補助業務
■連結決算業務補助

応募条件
【必須経験・スキル】
■日商簿記2級以上または相当する知識
■社会人経験3年以上
■Officeが使える(Excel、Word)
■Excel:数式が使える(vlookup、vlook(match)、index(match)等)



簿記3級の求人(未経験OK)

募集業種:建材メーカー・商社の経理事務

勤務地:東京都

雇用形態:正社員

就業時間:8:30 ~ 17:30

モデル年収:250万~350万円
※年齢、経験、能力を考慮の上、優遇します。

休日・休暇:月3回週休2日制(土・日・祝)、夏季・年末年始休暇、年間108日+年次有給休暇、慶弔休暇

手当:通勤費は1カ月5万円まで支給、昇給年1回、各種社会保険完備、退職金制度あり

仕事内容
■総務経理事務【一般事務 営業事務・営業アシスタント 】

応募条件
【必須経験・スキル】
■高等学校卒以上
■日商簿記検定3級

【歓迎する経験・スキル】
■日商簿記2級、建設業経理事務士2級は優遇

まとめ

今回は、求人や転職者の経験談とともに、「転転職に関する情報をお伝えしましたが、近年、「売り手市場」といわれている転職業界では、日商簿記2級を取得することで、未経験でも経理職に就くことが可能になりました。

しかし、「前の会社より職場環境が悪化した」「思っていた仕事と違った」「思っていたほど条件が良くなかった」など、転職にリスクはつきものです。

あとで後悔することのないよう、事前にしっかりとリサーチを行い、良い条件で転職を成功させましょう。

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