新QC7つ道具とは 中小企業診断士解説

更新日:2020年11月24日

新QC7つ道具とは

「新QC7つ道具」とは、主に言語データ(定性データ)を分析し、課題解決を図ることができるツールです。さまざまな要因が輻輳する中で、因果関係をあらかじめ予測して原因究明を行うアプローチです。

新のつかない「QC7つ道具」が、問題点の把握や原因追及に対して「定量的」に分析を行うのに対し、「新QC7つ道具」は「定性的」に問題構造を明らかにするもので、以下の7つがあります。

目次

①親和図法

親和図法は、数多くのデータの中から親和性の高いデータをグループ化していき、問題構造の全体像を明らかにする手法です。親和性の高い(=似ている)データをグループにまとめ、共通化したり、そこから新しい発想を導いたりします。未来・将来の問題、未知・未経験の問題など、はっきりしない問題によく使用します。

日本の文化人類学者である川喜田 二郎(1920年 - 2009年)がデータをまとめるために考案した手法で、KJ法とも呼ばれます。

親和図法

②連関図法

連関図法は、問題の発生要因が複雑に絡み合っている場合に、それぞれの要因データと結果データを矢印で結ぶことにより、問題構造を明らかにしながら、主要な要因が何であるかを明確にする手法です。

原因が複雑に絡み合う問題を整理する事ができるので、計画段階から広い視野で全体を見渡せ、メンバーのコンセンサスを得ることが容易になるなどのメリットがあります。

連関図法

③系統図法

系統図法は、目的と手段を多段階に展開することにより、系統的に問題解決法を導出する方法です。具体的には、ある目的を設定し、それを実行する手段を考えます。さらにその手段を達成するために(その手段を目的とした)第2階層の手段を考えます。このようにして、実現可能な手段を明らかにしていきます。

事象を系統的に論理展開しやすく、ヌケ、モレが少なくなります。

系統図法

④アローダイヤグラム

アローダイヤグラムは、スケジューリングにおける「PERT」のことです。作業開始から完了までの複数の経路の中で最良の経路であるクリティカルパス上の工程を重点的に管理します。

アローダイヤグラム

PERT

PERT(Program Evaluation and Review Technique)は、前後関係を持つ複数の作業において、矢印を利用してネットワーク図を作成し、全体像を明らかにするものです。
EPST(最早着手日)は、作業を最も早く開始できる日をいいます。
LPST(最遅着手日)は、作業を最も遅く開始できる日のことで、遅くともその日までに完了していないとプロジェクトのゴールが遅延してしまいます。

クリティカルパス

EPST(最早着手日)とLPST(最遅着手日)が同じ日の結合点は、作業が開始できるようになったら即作業を始めないと全体の納期が遅延することになります。プロジェクトの中で、作業開始から完了まで複数の経路が考えられますが、そのうち最長の経路をクリティカルパスといいます。

⑤PDPC法

PDPC法(Process Decision Program Chart)とは、スタートからゴールまでの達成方法(ルート)を複数洗い出し、実際にタスクを始めた後に不測の事態が発生した時、目標に向かってどのような軌道修正をすればよいかをあらかじめ明らかにしておく手法です。過程計画決定図ともよばれます。

1968年、東京大学工学部教授の近藤次郎(1917年 - 2015年)が東大紛争の解決のために作成した手法です。

PDPC法

⑥マトリックス図法

マトリックス図法は、2つの要素を行と列に配置し、それぞれが「交差するフィールドに相互の関連に基づいて記述していく手法です。問題の関連性を網羅的に整理できます。

マトリックス図法

⑦マトリックスデータ解析法

マトリックスデータ解析法は、マトリックス図に現れたデータを2次元のグラフにマッピングし、問題解決を図る手法です。「新QC七つ道具」は言語データを扱うツール集ですが、このマトリックスデータ解析法だけが、唯一数値データを扱うツールです。マトリックス法を数値化して分かりやすくするときに使います。

マトリックスデータ解析法

過去問題

新QC7つ道具については、過去このような形で出題されています。

平成27年 第1次試験 企業経営理論 第12問
新QC7つ道具に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ア 2つの事象を行と列に設定し、交差するところに存在する情報を記号化してデ
  ータの傾向をつかむために、マトリックス図法を用いた。
イ 効果的な日程管理を行うために、PDPC 法を用いた。
ウ 目標達成プロセスの過程で想定外の問題が生じたとき、できるだけ早く目標に
  向かって軌道修正するために、連関図法を用いた。
エ 問題の因果関係を明らかにすることで、問題の原因の絞り込み、問題解決の手
  がかりの発見、問題の本質的な原因の発見に役立てるために、系統図法を用い
  た。

正解 ア

まとめ

新QC7つ道具について見てきました。
「新」がついていない「QC7つ道具」は、製造現場などで不良解析やデータの分析などの数値解析に使用されていますが、言語データが多い間接部門などでも問題解決の方向性を見出す手法として使用されるのが「新QC7つ道具」です。

「QC7つ道具」「新QC7つ道具」とも、1次試験などで問われることが多い論点です。用語だけでなく、それぞれの道具の特徴や、どのようなときに使用するのか等、しっかり押さえておきましょう。

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