「ABC分析」ってどんな分析方法?分かりやすく解説!

更新日:2020年12月1日

「ABC分析」ってどんな分析方法?分かりやすく解説!

「ABC分析」という言葉を聞いたことがありますか?あまり聞いたことがないかもしれませんが、マーケティングやビジネスの世界で活用されている分析方法のひとつです。

「ABC分析」は今後の企業の方向性や戦略を考えるときに役立つのでこの機会に是非、理解しておきたい知識です。今回は「ABC分析」の進め方や活用法などを分かりやすく解説していきます。

目次

「ABC分析」とは

「ABC分析」とは複数のデータを重要度に基づいて分類していく分析方法です。

企業では日々たくさんの製品やサービスを取り扱っています。
どの商品をどれだけ入荷するのか、どのように管理するのかということは企業にとって重要な課題です。それを知るには、まず自社の製品やサービスの現状をデータ化して、分析する作業が必要になります。

そこで役に立つのが「ABC分析」です。これを活用すれば売上、コスト、在庫などを重要度が高い順にランク付けすることができます。自社を客観的に分析し、その結果を基に業務の効率化を図ったり、適切な在庫管理をしたり、様々な場面で活用できます。

重要度が高いところに経営資源を多く配分することで、売上や利益を効率的に向上させようという考え方です。重要度が高い順にA、B、Cと分類していくことから「ABC分析」と呼ばれています。この分析方法のベースには「パレートの法則」というものが取り入れられています。次項ではこの「パレートの法則」について解説します。

「ABC分析」に必須!「パレートの法則」

イタリアの経済学者であるヴィルフレド・パレートが提唱した法則で「物事を構成する要素が全体に占める割合には偏りがあり、一部の要素が全体の大部分を占める」という考え方をいいます。

「物事の結果の8割は2割の要素によってもたらされている」ということから「80:20の法則」とも呼ばれています。

なんだか難しい法則のように聞こえますが、

  • 従業員の2割が、全体売上の8割を生み出している
  • 2割のヒット商品が、全体売り上げの8割を担っている
  • 2割の熱心な顧客が、全顧客の売上の8割を占めている

…と言い換えてみると、なんとなく理解できるような気がしませんか?

この法則を様々な業務形態へ当てはめ、ビジネスや経営に活用するのです。つまり、全体を構成する2割の部分に注力すれば経営資源を最も効率的に配分できるということになります。効率化されると、それに伴い売上や利益も効率よく増えていきます。最終的に企業全体に良い結果をもたらすことになるでしょう。

「ABC分析」の基本的な進め方

「ABC分析」を行うにはまず基となるデータが必要です。どの製品やサービスがどのくらい売れたのか、単価はいくらなのか、売り上げはいくらなのか、など様々な視点から収集したデータが「ABC分析」のベースになります。

次に得られたデータを基に構成比を計算しましょう。
構成比とはある製品やサービスが全体の売上に占める割合のことをいいます。これを計算することで、自社のどんな製品やサービスが全体売上の何パーセントを占めているのかが分かります。

その計算結果からA、B、Cに分類していきます。
この分類は累計売上割合を基に行います。例えば、累計売上割合の上位70%以下はA、中位71~90%以下をB、下位91%以上をCとします。こうすることで重要視する事業や業務が明確化され、戦略や改善の指標となります。

これが「ABC分析」の基本的な進め方です。

「ABC分析」の結果をどう活用するのか

前項でA、B、Cに分類された項目はそれぞれどのような位置づけにあるのでしょうか。まずはAグループです。ここに分類された項目は売上のほとんどを担います。そのため、ここに分類された項目に関しては在庫を十分に確保する必要があります。最も注力すべきグループです。

反対にCグループに分類された項目は売上の貢献度が低いことを意味します。在庫の確保は最低限にし、無くなったら在庫する形でも十分かもしれません。またここに分類された項目は売上の伸び悩みや業務の非効率の原因になっている可能性もあります。場合によっては廃盤にするという判断も必要になります。

AとCの中間に位置するのがBグループです。販売予測を行って定期的に発注したり、在庫切れを見計らって発注したり細かな対応が必要です。

しかしあくまでもこれは指標に過ぎず、総合的に判断することを忘れないようにしましょう。売れ筋だけに注力するのではなく、季節によって売れ筋が変わったり、メディアに取り上げられ爆発的に売れたりすることもあります。単に数字だけを見るのではなく、全体を考慮して管理することが大切です。

もうひとつ注意しなければならないのが「ロングテール理論」というものです。
これは近年、普及しているインターネット販売に当てはまります。これは「ニッチな商品がヒット商品の売上高を上回る」という理論です。つまり、長い間少しずつ売れ続ける商品が大きな売り上げとなる、ということです。

ネット通販は陳列スペースなどを気にせず、お目当ての商品がいつでも購入可能です。ニッチな商品もコンスタントに売れれば企業に貢献できます。ですから、Cグループに分類された項目すべてが悪いというわけではありません。それも踏まえて今後の判断をする必要があります。

また商品などのモノに限らず、顧客売上管理などヒトにも活用できるのがこの「ABC分析」です。

例えば顧客ごとの年間の利益率をデータ化し、同じように分析することで重要視する顧客が明確になります。顧客ごとに営業方法や販売方法を変えることも可能です。項目を変えればいろいろな分析に活用できるのが「ABC分析」の良いところでもあります。

まとめ

「ABC分析」について見てきました。
この分析を活用して目指すのは適切な在庫管理や業務効率の向上です。最終的に「効率的に利益率を上げる」いう目標に向かって企業活動を行っていきます。

企業の現状を「見える化」するために役立つ「ABC分析」は客観的に自社を見つめることができるので是非、積極的に活用していきたいですね。

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