フレームワークを極める!「SWOT分析」とは?
更新日:2020年6月16日

企業の経営戦略や事業戦略を考える際に「SWOT分析」というものを使います。「SWOT分析」は実務でも多用しますが、中小企業診断士試験においても非常に重要となる知識のひとつです。基本中の基本ともいえる内容なので、しっかり学んでいきましょう。
➡中小企業診断士についてはこちら!「SWOT分析」とは?
「SWOT分析」というのは企業の現状分析をするときに使うフレームワークのひとつです。フレームワークとはある決められた型や表のことをいいます。決められた型や表に情報を整理することで、現状や今後の課題が明確になり、次の戦略や目標が立てやすくなります。
SWOTとは「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の頭文字を取ったものです。もう少し詳しく説明しましょう。
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強み(Strength)
技術力やサービス内容、経験値など自社が自信をもっている部分。 -
弱み(Weakness)
主に自社が苦手とする部分や競合他社と比較して足りない部分。 -
機会(Opportunity)
自社を取り巻く外部環境。ビジネスチャンスとなるような環境変化を分析。 -
脅威(Threat)
自社の強みを打ち消してしまう危険性のある環境変化や、競合他社の動きなどを分析。
自社を取り巻く環境による影響(外部環境)と、それに対する自社の現状(内部要因)に分けて分析します。自社のおかれている現状を把握すれば、おのずと方向性や改善点が見つかりますね。企業の現状分析において非常に有効な方法です。
中小企業診断士と「SWOT分析」は切っても切り離せない関係
「SWOT分析」は一次試験の企業経営理論に登場します。中小企業診断士にとって基本中の基本ともいえる大切なフレームワークであり、経営診断でも活用する知識です。
中小企業診断士試験では企業経営理論の一次試験でその知識を問われたり、二次試験でもすべての事例で事例文を読みながら使用します。実際に試験中に「SWOT分析」の表を書いて試験に臨む受験生もいるようです。自分なりの解き方を確立し、試験に備えましょう。
「SWOT分析」のメリット・デメリット
「SWOT分析」にはメリット、デメリットが存在します。その両方を頭に入れながら現状分析をしていきましょう。
「SWOT分析」のメリットは自社の強みや弱みが分かるだけでなく、競合他社の動きなど外的環境を把握したり、自社がチャンスを生かしきれない要因などを考えたりすることができることです。その結果、広い視野で戦略を立てることが可能になります。
また、リスクとチャンスをひとつの表の中におさめることで、自社の脅威となる存在を回避しつつ、機会があればいつでもチャンスを狙うといった攻防一体の戦略が取れることもメリットのひとつでしょう。
「強み」と「弱み」の分類が極端になりやすいのがデメリットです。本来であれば企業がもつ特徴は「強み」と「弱み」にきっちり分けられるものではありません。しかし「SWOT分析」では、時にそれらも強引に分類してしまいます。
「強み」なのか「弱み」なのか考えた結果、どちらとも言えないという場合もあります。それが戦略のズレにつながる可能性もあるので慎重に進めていく必要があります。
まとめ
「SWOT分析」について見てきました。
自社の現状を分析するのに非常に有効な「SWOT分析」ですが、本来の目的は「経営戦略の立案」です。アイディアや情報の列挙ではありません。アイディアや情報を表に並べるだけではなく、最終的に課題の解決方法や効果的な経営戦略へと繋げることが目標です。
「SWOT分析」を用いていろいろな可能性や戦略を導き出すことは、中小企業診断士にとってとても大切な仕事のひとつです。
中小企業診断士試験の勉強の中でも基本となる重要な知識です。しっかり学習して、応用できる力を身に付けましょう。
➡中小企業診断士の試験概要についてはこちら!小嶋聖司(こじま せいじ)
中小企業診断士の学習は楽しい
【出身】千葉県
【経歴】千葉大学法政経学部卒 中小企業診断士
【趣味】読書・サッカー
【座右の銘】和して同ぜず
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