中小企業診断士の平均年収・年収の中央値を徹底調査

更新日:2023年2月27日

難関資格として知られる中小企業診断士資格。取得には長い勉強期間が必要になりますが、せっかく資格を取得しても、その効果が薄ければあまり取得意欲は沸きません。

そこでこの記事では中小企業診断士資格を持っている方の年収を徹底調査。

日本行政書士会が行ったアンケート結果を基に、平均年収や年収の中央値などを紹介していきます。

また、中小企業診断士としてより年収アップをめざすための方法なども併せて紹介していきますので、これから取得を考えている方はぜひ参考にしてください。

目次

中小企業診断士の平均年収

まずは中小企業診断士の年収の分布を確認していきます。「一般社団法人 中小企業診断協会」では、定期的に登録している中小企業診断士を対象にアンケート調査を行っています。

今回は2020年11月に行われた「中小企業診断士活動状況アンケート調査」から、年収の分布を確認してみましょう。

年収
割合
300万円以下 14.3%
301~400万円 8.8%
401~500万円 10.0%
501~800万円 21.4%
801~1,000万円 11.4%
1,001~1,500万円 15.4%
1,501~2,000万円 6.7%
2,001~2,500万円 4.3%
2,501~3,000万円 2.8%
3,001万円以上 4.8%

参照:中小企業診断士活動状況アンケート調査(2020年11月)
URL:https://www.j-smeca.jp/attach/enquete/kekka_r3.pdf

もっとも割合が高いのが501~800万円のゾーン。これが中小企業診断士の資格を持つ方の平均年収となります。

同じく2020年度に行われた国税庁による「民間給与実態統計調査」を見ると、一般的な給与所得者の平均年収は約433万円。比較すると中小企業診断士の平均年収は、一般的な給与所得者よりも高いという結果が出ています。

さらに細かく中小企業診断士の年収を考えていきましょう。

年収の中央値を計算すると?

さらに細かく中小企業診断士の年収を検証するため、上記の表から中小企業診断士の年収の中央値を算出してみましょう。便宜上年収3,001万円以上の方は、すべて年収3,001万円として計算してみます。

この条件で計算すると中小企業診断士の年収の中央値は966万4980円。上記の表のボリュームゾーンよりもやや高いという結果になります。

この年収の中央値は、一般的な給与所得者の平均値のおよそ2倍。中小企業診断士の平均年収はかなり高いレベルにあることが分かります。

働き方による年収の違い

一般的に「士業」と呼ばれる資格の多くは、独立開業することで初めてその士業の業務を行うことができます。司法書士や行政書士などがそうであり、企業に勤務しながら、その士業としての業務を行うことは基本的にはできません。

しかし中小企業診断士は企業に勤務しながらその業務を行える珍しい士業となります。これは中小企業診断士には特定の独占業務がないことも理由の一つでしょう。

つまり、中小企業診断士には2通りの働き方があり、一つは企業に勤務しながら中小企業診断士として活躍する「企業内診断士」、もうひとつは独立開業して業務を行う「独立診断士」です。

そこで中小企業診断士資格を持つ方の働き方の割合を確認してみましょう。

勤務先
割合
プロコン経営(独立開業・他資格ナシ) 28.6%
プロコン経営(独立開業・他資格アリ) 17.5%
コンサルティング企業勤務 2.2%
公務員 1.3%
公的機関・団体等 4.5%
調査・研究機関 0.6%
金融機関 6.8%
民間企業 33.3%
その他 3.3%
コンサルティング業務はしていない 1.7%

参照:中小企業診断士活動状況アンケート調査(2020年11月)
URL:https://www.j-smeca.jp/attach/enquete/kekka_r3.pdf

上記の表の「プロコン経営」とは「プロ・コンサルティング経営」という意味。つまり独立開業している方を指します。中小企業診断士の資格を持ち、独立開業をしている方の割合は約46%。半数以上の方は企業に勤務しながら活動をしていることが分かります。

そこで、企業内診断士と独立診断士の年収の違いをチェックしていきたいと思います。

企業内診断士の平均年収

ここまで参考にしているアンケート資料には、企業内診断士のみの平均年収などのデータはありません。そこで、ここからは推測しながらになりますが、企業内診断士の年収を考えていきましょう。

企業内診断士の多くは、業務の中で直接中小企業診断士の資格を活用しているわけではありません。多くの方は副業として中小企業診断士の資格を活用しています。

2023年現在、徐々に副業を認める企業は増えているとはいえ、副業ではやはり稼働日数も収入も限界があります。

基本の収入は企業からの給与で、ある程度副収入として中小企業診断士資格を活用していると考えた場合、企業内診断士の年収は、一般的な給与所得者の平均年収に近い数字になると予想されます。

こうした事情から推測すると、企業内診断士の平均年収は500~700万円といったあたりになるかと思います。

独立診断士の平均年収

独立診断士の割合は約46%。企業内診断士の平均年収が500~700万円で、中小企業診断士の年収の中央値が約966万円と考えると、独立診断士の平均年収は、企業内診断士よりも高くなると予想されます。

とはいえ、独立診断士全員が高収入というのも考えにくいところ。独立診断士は自分で営業を行い、顧客を獲得する必要があります。この営業活動が得意な方もいれば、苦手な方もいるでしょう。

そう考えると、独立診断士の年収は、高い方と低い方が両極端で存在すると考えられます。年収が高い方はそれこそ1,000万円を超え、3,000万円を超える方もいるでしょう。反対に年収の低い方の中には300万円に満たないという方もいらっしゃるかと思います。

両極端とはいえ、平均を想定すれば企業内診断士よりは確実に高くなります。計算上独立診断士の平均年収は1,000万円を超えてくると考えられます。

他の資格と平均年収を比較

中小企業診断士の平均年収は、一般的な給与所得者の平均値よりもかなり高いという結果が出ました。では、中小企業診断士資格と比較的性格の似た、ほかの人気資格との平均年収を比較してみましょう。

資格
平均年収
中小企業診断士 約966万円
行政書士 約584万円
社会保険労務士 約1,029万円
FP2級 約573万円

参照:令和3年賃金構造基本統計調査
※行政書士は「他に分類されない専門的職業従事者」、社会保険労務士は「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」、FP2級は「金融営業職業従事者」を参照
URL:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html

中小企業診断士以外の資格に関しては、年収がハッキリ分かるような調査が行われていません。そこで国税庁による賃金構造基本統計調査を参考に、各資格が含まれるであろう項目の平均年収をチェックしていきます。

意外と平均年収が低いのが行政書士とFP2級。FP2級に関しては、中小企業診断士と比較するとそこまで難易度の高い資格ではないため、資格取得者の数が多く、さらに独占業務もないことからある程度納得の数字といえます。

行政書士に関しては、上でも触れたとおり独立開業が基本となる資格。高収入の方と収入の低い方が両極端になる傾向が強く、平均するとこの数字に落ち着くという事でしょう。

社会保険労務士の資格は、中小企業診断士と同様に企業に勤務しながらその資格を活用できる資格。さらに社会保険労務士には独占業務があるため、その分年収も高くなるものと想定されます。

とはいえどの資格でも、取得することで一般的な給与所得者の平均年収を上回るというのは同じ。その中でも中小企業診断士は平均年収の高い資格ということになります。

中小企業診断士の平均年収が高い理由

いろいろなデータから、中小企業診断士の資格を持つ方は、平均年収が高くなるという結果が出ました。

ではここからはなぜ年収が高くなるのか。その理由に関して推測していきたいと思います。

評価の高い国家資格である

中小企業診断士の平均年収が高くなる大きな理由として、資格取得自体が難関資格であるという点が挙げられます。

中小企業診断士試験の合格率は、一次試験と二次試験をトータルで考えると5~10%。難易度はかなり高い試験です。

加えて試験で問われるのは経済に関することや経営に関することが中心であり、企業の運営に関する知識が問われます。つまり、企業としてもよりよい役職につけやすい資格となります。

中小企業診断士資格を取得するということは、難易度の高い試験に合格するために地道な努力を積み上げられることの証明でもあり、さらに身に着けた知識は企業を運営するために必要な知識ということもあり、必然的に社内の評価が高まりやすいという特徴があります。

さらに独立開業という可能性も持つ資格で、独立開業して経営がスムーズに運べば、年収1,000万円超えの珍しくない資格。これが平均年収が高くなる大きな理由でしょう。

資格取得者の平均年齢が高い

今でも年功序列の考え方が根強い日本社会。基本的には勤続年数の長い年長者の方が年収は高くなる傾向にあります。

そこで、中小企業診断士活動状況アンケート調査から、中小企業診断士の平均年齢をチェックしていきましょう。

年齢
割合
29歳以下 0.4%
30~39歳 7.1%
40~49歳 22.4%
50~59歳 31.3%
60~69歳 26.1%
70歳以上 12.5%
中央値 55.4歳

参照:中小企業診断士活動状況アンケート調査(2020年11月)
URL:https://www.j-smeca.jp/attach/enquete/kekka_r3.pdf

資格取得者のボリュームゾーンは50代、中央値を計算しても55.4歳とほぼ同じ結果が出ました。

つまり中小企業診断士の多くは比較的年齢が高い層。年齢が高くなれば、上記の通り平均的な年収もアップするのが日本社会です。国税庁の調査による、給与所得者の平均年収は、10~60代まで全体の平均値。比較すれば中小企業診断士の年収が高くなるのも当然といえるかもしれません。

企業からの給与に加え、中小企業診断士としての副業を行うことで、年収が高くなっていると考えることができます。

ダブルライセンスで仕事の幅が広がる

特に独立開業をしている方に言えることですが、中小企業診断士資格以外に、別の資格も取得し、ダブルライセンスで働いている方も少なくありません。

「働き方」の項で紹介した勤務先別のデータを参考にすると、独立開業している方の約38%の方が、ほかの資格を併せ持っているというデータが出ています。

同じアンケートの結果から、中小企業診断士が持つほかの資格に関するデータを紹介しましょう。

★中小企業診断士が持っている他の代表的な資格

  • ファイナンシャル・プランニング技能士
  • 行政書士
  • 社会保険労務士
  • 情報処理技術者

参照:中小企業診断士活動状況アンケート調査(2020年11月)
URL:https://www.j-smeca.jp/attach/enquete/kekka_r3.pdf

ここでは一部の資格を紹介していますが、どの資格も中小企業診断士の資格と合わせ持つことでより業務の幅が広がる、関連性の高い資格といえます。

こうしたダブルライセンス、トリプルライセンスを持つことで顧客を集めやすくなり、さらに業務の幅も広がります。結果年収も高くなることになりますので、中小企業診断士として将来的に独立も視野に入っている方は、ほかの資格も狙うという選択肢を持っておくのがおすすめです。

資格を取得しただけでは年収アップにならないケースも

ここまで「中小企業診断士は平均年収が高い」というデータを基に書き進めてきましたが、注意すべき点があります。それは、中小企業診断士の資格を取得したからと言って、すぐに年収アップに繋がらないケースも多いという点です。

中小企業診断士活動状況アンケート調査から、「中小企業診断士の資格を取得したことで、勤務先や関係先どう評価されたか」という項目に注目しましょう。

回答内容
比率
特に変化はなかった 40.4%
上司などから高評価を得た 25.6%
関係先から高評価を得た 24.4%
資格手当が支給された 13.1%
資格を活かせる部署に配属された 11.5%
昇給・昇格した 6.1%
その他 13.8%

参照:中小企業診断士活動状況アンケート調査(2020年11月)
URL:https://www.j-smeca.jp/attach/enquete/kekka_r3.pdf

勤務先からの評価の特に変化がなかったという意見が約4割、資格手当が支給されたり、昇給・昇格したという意見は合計しても20%弱という結果になっています。

中小企業診断士の資格には、独占業務がありません。つまり即効性の高い資格ではなく、取得しただけでは直接収入に反映される事が少ない資格といえます。

もちろん資格を取得し、その知識を業務において活用していくことで、徐々に評価が高まる資格であることは間違いありません。

それでも収入の面において、即効性を求めるのであればいくつか方法は考えられます。資格手当の申請はもちろんですが、もうひとつは異動願いや転職を考えるという点です。

異動願いとは、資格を活かせる業務に異動し、そこでより活躍し昇給・昇格を目指すという方法。もうひとつの転職という点では、やはり資格を活かせる業種に転職するというのがポイントとなります。

中小企業診断士の資格は、基本的には即年収アップを目指す資格ではありません。長期的に年収の大幅アップを目指すのであれば、企業内で働きながら人脈を広げ、将来的に独立開業をするというのがおすすめとなります。

年収をアップさせるための方法

では、実際に中小企業診断士の資格を活用しつつ、年収をアップさせるためにはどのような方法があるのか、具体的な方法を考えていきましょう。

もちろん実現可能なものもありますし、難しい項目もありますが、年収アップが目標となれば、どれも重要なポイントになります。

これから資格取得を目指す方は、将来的には以下のような方法を頭に入れ、年収アップを目指せるようにしましょう。

コンサルティング業界に転職する

中小企業診断士の資格や、資格を取得するために必要な知識を活かせる業界に転職するのは年収アップに直結する方法です。

中小企業診断士の資格を活かせる業界といえばやはりコンサルティング業界でしょう。中小企業診断士の資格は、コンサルティング業務で活用できる唯一の国家資格。この資格を持っているのといないのでは、顧客からの評価が大きく変わります。

また、コンサルティング業界は、結果を出せば出すほど年収が高くなる事が多い業界。コンサルティング業界では歩合制を導入している企業が多く、成績次第では特に役職がついていなくても年収1,000万円を超えることも難しくありません。

通常業務でコンサルティング業務を行っていくことは、将来的に独立開業をした場合にも大きく活用できる経験となります。上記の通り企業内診断士よりも独立診断士の方が平均収入は高くなります。

歩合制を最大限活用し年収を上げながら、将来的な独立開業へ向けての経験を積む。これが年収アップを実現する最短ルートといえるでしょう。

ほかの資格を併せて取得する

中小企業診断士の資格に独占業務はありません。この点を補強する手段としてほかの資格を併せ持つという方法があります。

中小企業診断士の業務と寒冷性の高い資格を併せ持つことができれば、双方の資格の知識を活用し、さらに幅広い業務を請け負うことができるようになるでしょう。

企業内診断士として活動するのであれば、より顧客からの信頼を獲得できるのがFP2級以上のFP資格。FPの資格は資産運用などのアドバイスをするスペシャリスト。この資格と中小企業診断士を併せ持つことで、より具体性の高いコンサルティングができるようになります。

独立開業を目指す、もしくは実際に独立するというのであれば、独占業務を持つ資格を併せ持つのがおすすめ。特に司法書士や行政書士といった資格は中小企業診断士の資格と相性がよく、おすすめの資格となります。

ほかにも社会保険労務士なども併せ持つことで業務の幅が広がる資格です。こうした資格を取得することで、年収アップを目指せるようになるでしょう。

独立診断士として活動する

中小企業診断士として年収アップを考えるのであれば、やはり独立診断士となることがおすすめです。

最初に解説した通り、企業内診断士は収入という面では安定感はあるものの、大きく年収アップに繋げるのが難しくなります。独立診断士は仕事の受注も自分で行う必要があるなど、安定感という面では不安がありますが、成功すれば一気に高年収を目指せます。

独立診断士として成功できるかどうかは、なんといっても顧客を確保できるかどうかにかかっています。ある程度顧客を確保できれば、その顧客から新たな顧客を紹介してもらえるケースもあり、徐々に経営は上向くでしょう。

年収アップを目指して独立開業をする場合、まずはどのように顧客を獲得するかを考えておく必要があります。単純にHPを作成する、チラシを配るというだけではなかなか顧客は集まりませんし、経営は安定しません。

開業する地方で有効になる営業方法を考えるなども必要ですが、なにより重要なのが人脈を広げることです。

人脈を広げることで、その人脈が直接顧客になる可能性もありますが、それ以上におすすめしたいのが、ほかの資格取得者との繋がりを深めること。例えば行政書士や司法書士、弁護士、税理士などと人脈を作ることで、その士業の顧客が回ってくるケースがあります。

士業の仕事は独占業務が中心であり、いわば特定の問題の専門家となります。行政書士などの場合は、官公署などに提出する書類の作成などに関しては専門家ですが、中小企業の経営診断などのプロではありません。

行政書士事務所の顧客が、経営に関して相談したいとなった場合、行政書士では対応できないので知り合いの中小企業診断士などを紹介するという形になります。

こうした繋がりで顧客を獲得するのは重要なこと。もちろん中小企業診断士側からも顧客の紹介ができれば、より強固な関係性が築けるでしょう。

企業内診断士として給与を受け取りながら、こうした人脈を広げていき、その後に独立するのがおすすめとなります。

民間案件を多く受注できるようになる

中小企業診断士として独立した場合、請け負う業務には2つのパターンがあります。ひとつは自ら営業をしたり、他者から紹介される「民間案件」、もうひとつは自治体や公的機関から紹介を受ける「公的案件」です。

この民間案件と公的案件の単価に関して紹介しておきたいと思います。

公的案件が
中心の中小企業診断士
民間案件が
中心の中小企業診断士
診断業務(平均) 37,700円/日 98,300円/日
経営支援業務(平均) 37,500円/日 112,500円/日
調査研究業務(平均) 53,600円/日 89,700円/日
講演・教育訓練業務(平均) 48,100円/日 119,000円/日
執筆業務(平均) 7,800円/400文字 6,400円/400文字

参照:中小企業診断士活動状況アンケート調査(2020年11月)
URL:https://www.j-smeca.jp/attach/enquete/kekka_r3.pdf

あくまでも参考資料とはなりますが、全体を見れば公的案件よりも民間案件の方が業務単価は高くなります。

業務内容によっては3~4倍と大きく収入は変わってきますので、年収アップを目指すのであれば民間案件が重要というコットになります。

民間案件をより多く受注するには、やはり営業活動が重要。どのように営業するのか、どこからどんな仕事を受注するのかが重要になります。

とはいえ民間案件だけで業務を回していくのはかなり難易度の高い話。特に開業間もない中小企業診断士と考えると、ほぼ不可能に近いということになります。

中小企業診断士として独立開業してしばらくは、公的案件であるていどの収入を確保しつつ、民間案件を確保して収入を挙げていくのが理想となります。

公的案件である程度収入を確保することを考えると、やはり公的案件の多い地域で活動するのが重要になります。つまり地方部よりも都市部で活動した方がその可能性は高くなるということ。できればより中小企業の数が多い、都市部での営業を意識したいところです。

得意な分野を持つ

中小企業診断士として独立開業する場合に、意外と見落としがちながら重要になるのがこの項目です。

総務省の調査によると、日本国内の企業の99.7%が中小企業。つまりほぼすべての会社が中小企業に含まれていることになります。だからこそ中小企業診断士の仕事も多く、独立開業も可能ということになりますが、大事なことはここではありません。

ほぼすべての企業が中小企業であるということは、中小企業の業務内容も無数に存在するということ。そんな中小企業の経営診断やコンサルティングを行う中小企業診断士は、それぞれの企業が行う業務に関してもそれなりの専門知識が必要ということになります。

とはいえ、ほぼすべての業務に関する専門知識を持つというのは不可能です。そこで自身が絶対的に自信を持つ専門分野を持つことが重要になります。

どの分野がいいのかは、開業する地域の事情もありますし、中小企業診断士として独立開業するまでにどのような業界にいたのかも重要なポイント。

単純に経験がある業界でもいいですし、単純に自分が好きな分野や、興味がある分野でも構いません。とにかく特定の分野に関する専門知識を身に着けていきましょう。

そうすることで、その分野の仕事はここという印象を与えることができますし、新たな顧客獲得にも大きなプラスになるでしょう。

常に新たな知識を吸収する

企業経営に関する情報や法律は非常に多く、しかもそれぞれが変更されたり改正されたりを繰り返しています。

法改正はもちろん金融市場の数値や、国際的な動きなど、とにかく新しい情報に関してどんどん吸収していくことが必要になります。

同じ中小企業診断士でも、常に新しい情報を仕入れている診断士と、情報のアップデートが進んでいない診断士では、顧客からの評価は大きく変わります。

常に経済ニュースに注目する、法改正に目を向ける、海外の情報に関してもしっかり仕入れるなど、情報のアップデートを行っていきましょう。もちろんここでも得意分野というのは重要なポイント。得意分野があれば、まずはその分野に関する情報を仕入れるようにするいいでしょう。

まとめ

中小企業診断士の平均年収は501~800万円。中央値を見ると約966万円という円ケート結果があります。

直接的な比較は難しいものの、一般的なサラリーマンと比較しても十分に高い水準であり、中小企業診断士資格を取得するということは、年収アップに繋がる挑戦といえます。

とはいえ、資格を取得しただけで年収が大きく上がるわけではありません。年収をアップさせるためには独立開業を視野に入れるなど、将来を見据えた活動が必要になります。

中小企業診断士の年収は、企業内診断士よりも独立診断士の方が高くなる傾向があり、さらに独立開業後の年収アップにはいくつかのポイントが考えられます。

ほかの資格も取得しダブルライセンスで働く、民間案件をより多く受注できるようにする、専門分野を持つなど、より多くの顧客を獲得できるような準備をしながら独立開業に備えましょう。

とはいえ、この夢を叶えるには何より中小企業診断士の資格を取得する必要があります。例年の合格率が5~10%と難関資格のひとつに数えられる中小企業診断士。しっかりと準備し、合格できるように対策していくことから考えましょう。

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