中企業診断士試験の合格率は?合格率から考える試験対策

中小企業診断士は、近年人気の国家資格です。取得を目指す方、目指そうかと考えている方も多いかと思いますが、そう簡単に取得できる資格ではありません。

中小企業診断士試験に一発で合格する確率は4~8%程度。一次試験、二次試験ともに20%程度の合格率となっています。

そこでこの記事では、中小企業診断士試験の詳細な合格率と、合格率から考える試験対策など、中小企業診断士試験の合格率と対策についてまとめてみました。

目次

中小企業診断士試験の合格率

中小企業診断士試験は毎年一度、全国の会場で実施されています。試験は一次試験(筆記)と二次試験(筆記と口述)に分けて行われ、例年夏に一次試験、秋に二次試験(筆記)、そして冬に二次試験(口述)が行われています。

1年をかけて一次試験から二次試験を行うのが中小企業診断士試験です。まずはその合格率を、一次試験、二次試験に分けてご紹介しましょう。


一次試験
実施年度 受験者数 合格者数 合格率
2011年度 15,803名 2,590名 16.4%
2012年度 14,981名 3,519名 23.5%
2013年度 14,252名 3,094名 21.7%
2014年度 13,805名 3,207名 23.2%
2015年度 13,186名 3,426名 26.0%
2016年度 13,605名 2,404名 17.7%
2017年度 14,343名 3,106名 21.7%
2018年度 13,773名 3,236名 23.5%
2019年度 14,691名 4,444名 30.2%
2020年度 11,785名 5,005名 42.5%

※受験者数は全教科を受験した受験者数


二次試験
実施年度 受験者数 合格者数 合格率
2011年度 4,003名 790名 19.7%
2012年度 4,878名 1,220名 25.0%
2013年度 4,907名 910名 18.5%
2014年度 4,885名 1,185名 24.3%
2015年度 4,941名 944名 19.1%
2016年度 4,394名 842名 19.2%
2017年度 4,279名 828名 19.4%
2018年度 4,812名 905名 18.8%
2019年度 5,954名 1,088名 18.3%
2020年度 6,388名 1,174名 18.4%

※合格者数は筆記試験・口述試験ともに合格した方の数

合格率を見ると、年度によってバラつきがあることが分かります。つまり中小企業診断士試験は「絶対評価」で判定される試験であるということが分かります。

絶対評価とは、事前の合格ラインがある程度決まっており、そのラインを超えた受験者はすべて合格となる試験。これに対して、受験者数の上位何名(もしくは何%)を合格とする試験は「相対評価」の試験といわれます。

事前に合格ラインが決められている絶対評価の試験と、事前に合格ラインがハッキリしない相対評価の試験では、相対評価の試験の方が対策が難しいといわれています。その点ある程度目標である合格ラインが公表されている中小企業診断士試験は、受験対策がしやすい試験といえるでしょう。

ちなみに中小企業診断士試験(一次試験)の合格ラインは以下の通り。

  • 総得点が60%以上
  • 得点率40%未満の科目がないこと

中小企業診断士試験の一次試験は7つの科目を受験しますが、この7科目全てで40%以上の得点を取り、さらに総得点で60%以上を取ることが条件となります。一発で合格を目指す場合、弱点科目がなく、全科目平均的に点数が取れるように対策する必要があります。

男女別合格率

男女別の合格率を見ていきたいと思います。まず受験者数ですが、割合で言えば男性が約9割。女性受験者は約1割と、圧倒的に男性の受験者が多い試験となっています。

近年出産や育児を経験した女性が、社会復帰をするのが難しいという点が問題となっています。この問題を解決するために、社会復帰を前に資格試験を受験する女性も増えていると言われていますが、中小企業診断士試験に関しては、ここ10年ほど受験者数における男女比に大きな変化はありません。

これは中小企業診断士という資格が独占業務を持たない資格であること、また独立開業が難しい資格であることも影響しているかもしれません。再就職などに応募する場合、重宝するのは独占業務を持つ資格、もしくは広い分野で活躍できる資格です。この点ではあまり積極的に選ばれない資格かもしれません。

そんな男女別の合格率を確認してみましょう。

一次試験(2020年度)
性別 受験者数 合格者数 合格率
男性 1,8146名 4,655名 25.7%
女性 2,023名 350名 17.3%

※科目別合格者は除く


二次試験(2020年度)
性別 受験者数 合格者数 合格率
男性 6,595名 1,076名 16.3%
女性 487名 98名 20.1%

一次試験の合格率は男性受験者の方がやや高い傾向が見られます。中小企業診断士試験に挑むにあたって、やはり男性受験者の方が真剣かつ本気で取り組んでいるのかもしれません。

一方二次試験の合格率では男女で逆転。一次試験を突破できるレベルまで対策している女性受験者は、二次試験も突破できるレベルまで知識を身に着けているのでしょう。

数字から読み取れる全体的なイメージでは、基本的に男性の方が本気で試験に取り組んでおり、女性受験者は非常に高いレベルの知識を持つ受験者と、まだそこまで知識が身についていない受験者の両極端であるという傾向に見えます。

年齢別合格率

続いて受験者、合格者の年齢による合格率を確認していきましょう。下の表は2020年度試験の統計データです。

一次試験(2020年度)
年代 受験者数 合格者数 合格率
10代 150名 19名 12.7%
20代 3,288名 816名 24.8%
30代 6,124名 1,609名 26.3%
40代 5,803名 1,398名 24.1%
50代 3,665名 906名 24.7%
60代 1,018名 237名 23.3%
70代以上 121名 20名 16.5%
最高齢合格者 81歳 最年少合格者 16歳

※科目別合格者は除く


二次試験(2020年度)
年代 受験者数 合格者数 合格率
10代 11名 1名 9.1%
20代 824名 218名 26.5%
30代 2,127名 501名 23.6%
40代 2,109名 296名 14.0%
50代 1,519名 143名 9.4%
60代 451名 13名 2.9%
70代以上 41名 2名 4.9%
最高齢合格者 81歳 最年少合格者 16歳

受験者数のボリュームゾーンは30代。仕事をしながら取得を目指す方が中心となっており、現状受験するかどうか悩んでいる社会人の方には心強いデータです。

合格率の面でも中心となっているのは30代。30代を中心に20~50代といった、いわゆる現役世代が合格者の中心となっています。

この年齢別の傾向は一次試験、二次試験ともに共通しており、仕事をしながらその仕事で活用するため、もしくは資格を取得し転職をするために取得を目指す方が中心となっています。

最年少合格者は16歳、最高齢合格者は81歳ですが、これはかなり広範囲といえます。ここから考えられるのは、しっかりと対策ができれば、年齢を問わず合格できる試験であるということでしょうか。

勤務先別合格率

受験者、合格者ともに30代が中心である中小企業診断士試験ですが、続いては受験者の勤務先別のデータを確認してみましょう。データは変わらず2020年度試験のデータです。

一次試験
業態 業界 受験者数 合格者数 合格率
自営業 経営コンサルタント 245名 49名 20.0%
税理士・公認会計士など士業 547名 174名 31.8%
その他 498名 106名 21.3%
企業勤務 経営コンサルタント事務所等 600名 153名 25.5%
民間企業 12,150名 3,085名 25.4%
民間金融機関 1,862名 496名 26.6%
公務員 政府系金融機関 261名 91名 34.9%
その他公務員 699名 186名 26.6%
中小企業支援機関 545名 91名 16.7%
独立行政法人・公益法人等 232名 63名 27.2%
研究・教育 113名 22名 19.5%
学生 613名 108名 17.6%
その他(無職含む) 1,804名 381名 21.1%

※科目別合格者は除く


二次試験
業態 業界 受験者数 合格者数 合格率
自営業 経営コンサルタント 95名 13名 13.7%
税理士・公認会計士など士業 245名 38名 15.5%
その他 152名 24名 15.8%
企業勤務 経営コンサルタント事務所等 210名 55名 26.2%
民間企業 4,428名 733名 16.6%
民間金融機関 689名 133名 19.3%
公務員 政府系金融機関 119名 32名 26.9%
その他公務員 256名 39名 15.2%
中小企業支援機関 116名 16名 13.8%
独立行政法人・公益法人等 96名 13名 13.5%
研究・教育 32名 1名 3.1%
学生 106名 20名 18.9%
その他(無職含む) 538名 57名 10.6%

一般民間企業に勤めている方が圧倒的に多く、特に金融機関や経営コンサルタント会社勤務に限らず多くの業種の方が挑戦していることが分かります。

そんな中で高い合格率を誇っているのが、政府系金融機関勤務の方や、税理士や公認会計士といった士業の方です。

これはあくまでも予想でしかありませんが、政府系金融機関勤務の方は、いわゆる公務員です。就職の時点で国家公務員試験を受験している方々ということになります。税理士や公認会計士など士業の方は、当然その士業で必要となる資格試験を受験し合格している方ということになります。

どちらも、資格試験や国家試験に慣れている方であり、中小企業診断士試験のような国家試験に慣れている方とも考えることができます。

とはいえ、一般民間企業勤務の方もほぼデータ通りの合格率となっており、現状勤めている企業の業務に関係なく、合格を目指せる資格であることが分かります。

受験会場別合格率

続いて試験会場別の合格率を確認しておきましょう。中小企業診断士試験は、全国の会場で試験が行われます。一次試験は全国8会場、二次試験は一次試験から那覇会場を除いた7会場で試験が行われます。

では、会場別の合格率を見てみましょう。

一次試験(2020年度)
受験地域 受験者数 合格者数 合格率
札幌 406名 103名 25.4%
仙台 838名 175名 20.9%
東京 11,231名 2,876名 25.6%
名古屋 1,841名 430名 23.4%
大阪 3,697名 958名 25.9%
広島 843名 191名 22.7%
福岡 1,124名 242名 21.5%
那覇 189名 30名 15.9%

※科目別合格者は除く


二次試験(2020年度)
受験地域 受験者数 合格者数 合格率
札幌 137名 28名 20.4%
仙台 253名 41名 16.2%
東京 4,144名 696名 16.8%
名古屋 634名 117名 18.4%
大阪 1,267名 187名 14.8%
広島 279名 39名 14.0%
福岡 368名 66名 17.9%

基本的に試験会場別で合格率に大きな差はありません。注目すべきは東京会場の受験者数の多さ。東京都が日本で最も人口が多く、関東地方の人口で日本全人口の約1/3ですから、多いのは当然といえます。

しかし、一次試験の受験者数を見ると、東京会場の受験者数が全体の半数以上になっています。このことからも、特に大都市圏で需要の大きい資格であることが想像できます。東京会場で受験する方には、東京都内に加え、横浜市や千葉市、さいたま市といった都市圏も含まれているため、この受験者数になっていることが想像できます。

都市圏で働く方、また転職で都市圏での就職を考えている方、就職を都市圏でと考えている方には特におすすめの資格と言えるかもしれません。

一次試験科目別合格率

中小企業診断士試験の一次試験では、科目別合格の制度が採用されています。科目別合格とは、一次試験全体の得点では合格に至らなくても、科目ごとに合格点に達していれば、その科目のみ合格できる制度。

科目別合格の有効期間は3年間。一度合格した科目は向こう3年間受験をする必要がなくなります。

ちなみに中小企業診断士試験は絶対評価で合格ラインが決められており、その基準となるのは次の2点です。

  • 総得点の60%以上を取得すること
  • 取得率40%未満の科目がないこと

この条件を満たせば一次試験合格ですが、この条件を満たさなかった場合、つまり総得点の60%に達していないケース、および40%未満の科目があるケースにおいて、60%以上の正答率だった科目があれば、その科目だけは合格となり、翌年以降は残りの科目を受験すればOKということになります。

では、この科目別合格の合格率を見てみましょう。

試験科目 受験者数 合格者数 合格率
経済学・経済政策 9,849名 2,311名 23.5%
財務・会計 10,738名 1,161名 10.8%
企業経営理論 11,462名 2,226名 19.4%
運営管理
(オペレーション・マネジメント)
9,745名 912名 9.4%
経営法務 11,568名 1,390名 12.0%
経営情報システム 9,985名 2,868名 28.7%
中小企業経営・中小企業政策 11,614名 1,905名 16.4%

※2020年度試験のデータより
※全科目合格者は除く

科目別の合格率には大きな差があることが分かります。2020年度の試験で言えば、運営管理や財務・会計の科目が難しく、経営情報システム、経済学・経済政策の科目が簡単だったということになります。

科目別に受験者数に差があるのは、科目別合格の制度の影響です。受験者数が多い科目は、前年までの3年間で難易度が高かった科目、受験者数が少ない科目は、過去3年間で合格している方が多い、難易度の低かった科目ということになります。

合格率から見る中小企業士試験対策

いろいろな統計データから、中小企業診断士試験の合格率を見てきました。ではこの合格率のデータから、どのような対策が有効になるのかを考えていきたいと思います。

中小企業診断士の試験は3段階で行われます。まずは7科目のテストを2日間かけて受験する一次試験があります。この一次試験に合格すると、筆記による二次試験に進みます。二次試験の筆記試験に合格すると、最後に二次試験の口述試験です。

この3つの段階ごとに、可能な対策、有効な対策などを考えていきたいと思います。

一次試験対策

まずは一次試験に通過しなければ、二次試験対策も何もありません。一次試験の7科目の対策をどうするかが大きな課題といえるでしょう。

上でも少し触れたとおり、一次試験の合格ラインは総得点の60%。7科目全てこのレベルまで高めることができればかなり合格に近づけます。また、1科目でも40%未満の科目があると、総得点が60%を超えていても合格できません。その点からも全体を平均的に勉強する必要があります。

これが中小企業診断士試験の難しいところですが、一気に合格を目指す以上、避けては通れないところです。

一方中小企業診断士試験には、科目別合格の制度があります。早急な資格取得を必要としない場合、つまり資格取得に十分な時間をかけられるのであれば、この制度を利用し最終的に合格を目指す方法があります。

中小企業診断士試験は年に一度。一度失敗してしまうと、次のチャンスは1年後ということになります。そこで最初に挑戦する年は、集中して勉強する科目を2~3科目程度に絞り込み、その科目の合格を目指します。

翌年は残りの科目を。この2年間で7科目をクリアできなくても、もう1年チャンスはあります。都合3年間で7科目をクリアするイメージで受験することも可能です。

科目別合格の話になったので、直近5年間の科目ごとの科目別合格率をまとめてみたので確認しておきましょう。

★経済学・経済政策

実施年度 科目別合格率 全科目合格率
2016年度 29.6% 17.7%
2017年度 23.4% 21.7%
2018年度 26.4% 23.5%
2019年度 25.8% 30.2%
2020年度 23.5% 42.5%

★財務・会計

実施年度 科目別合格率 全科目合格率
2016年度 21.6% 17.7%
2017年度 25.7% 21.7%
2018年度 7.3% 23.5%
2019年度 16.3% 30.2%
2020年度 10.8% 42.5%

★企業経営理論

実施年度 科目別合格率 全科目合格率
2016年度 29.6% 17.7%
2017年度 9.0% 21.7%
2018年度 7.1% 23.5%
2019年度 10.8% 30.2%
2020年度 19.4% 42.5%

★運営管理(オペレーション・マネジメント)

実施年度 科目別合格率 全科目合格率
2016年度 11.8% 17.7%
2017年度 3.0% 21.7%
2018年度 25.8% 23.5%
2019年度 22.8% 30.2%
2020年度 9.4% 42.5%

★経営法務

実施年度 科目別合格率 全科目合格率
2016年度 6.3% 17.7%
2017年度 8.4% 21.7%
2018年度 5.1% 23.5%
2019年度 10.1% 30.2%
2020年度 12.0% 42.5%

★経営情報システム

実施年度 科目別合格率 全科目合格率
2016年度 8.5% 17.7%
2017年度 26.6% 21.7%
2018年度 22.9% 23.5%
2019年度 26.6% 30.2%
2020年度 28.7% 42.5%

★中小企業経営・中小企業政策

実施年度 科目別合格率 全科目合格率
2016年度 12.5% 17.7%
2017年度 10.9% 21.7%
2018年度 23.0% 23.5%
2019年度 5.6% 30.2%
2020年度 16.4% 42.5%

一次試験7科目の科目別合格率は以上の通り。どの科目も合格率は安定しておらず、どの科目が簡単で、どの科目が難しいというのは年度によって大きな差があります。

近年の傾向で言えば、経営情報システムや経済学・経済政策の合格率が安定して高く、経営法務や財務・会計の合格率が低い傾向にあります。

とはいえこの傾向も翌年には変わる可能性もありますので、自分が得意か不得意化で勉強時間を調整した方がいいでしょう。

また、科目別合格の制度を導入している試験のポイントとして、「すでに合格している科目をあえて受験する」という方法もあります。

例えば1年目で4科目合格し、そのうち1科目が得意科目で80%の得点を取ったとします。2年目は残る3科目の受験でも問題ありませんが、この3科目がそれぞれ55%の正答率の場合、2年目も一次試験は不合格となります。

そこで正答率80%の試験をあえて再度受験します。ほか3科目の正答率が55%でも、すでに合格している得意科目で80%を取ることができれば、総得点の60%を超えることが可能です。

得意科目はあえて受験して、総得点を補うという受験方法は、科目別合格が採用されている試験ではよく行われる方法ですので覚えておきましょう。

二次試験(筆記試験)対策

二次試験の筆記試験の出題は、「中小企業の診断及び助言に関する実務の事例」です。一次試験で学んだ知識を使って、実際の事例に対し解答を出す問題となり、一次試験で学んだ科目の習得度が試される試験となります。

最善の対策としてはやはり過去問対策でしょう。出題にはある程度の傾向もありますので、どういった問題が多く出題されるのかを知るには過去問対策がベストです。

過去問対策と聞くと、できるだけ多くの過去問に触れようとする方もいますが、過去問は近年の問題に絞り込み、同じ問題を何度も隅々まで理解できるまで繰り返すのがおすすめです。

中小企業診断士試験で用いられる事例は、実際の業務でもおかしくないリアルな問題が中心となります。そうなると現代の社会の状況に即した問題が出題されます。また、中小企業経営に関する法改正もたびたび行われているため、あまり古い過去問は意味をなさない可能性が高くなります。

過去問対策はできるだけ近年出題された問題で行うのがベスト。同じ問題を繰り返し解き、試験で何が問われているのか?どの部分を正確に把握しておく必要があるのかを理解するようにしましょう。

二次試験の筆記試験対策は、一次試験受験前はある程度間隔をあけつつ行う程度でいいでしょう。一次試験から二次試験まで例年2ヶ月ほど間隔があきます。この期間に集中的に仕上げることもできますので、そのつもりで一次試験前は一次試験対策を重視した計画を組むのがおすすめです。

一次試験で科目別合格を利用し、複数年かけて合格を目指す方も、初年度の試験対策から二次試験の筆記試験をイメージした勉強をするのがおすすめ。もちろん二次試験対策に多くに時間を割く必要はありませんが、二次試験の問題は一次試験で問われる知識の応用問題でもあります。

一次試験の科目を勉強する手助けになることもありますので、定期的に過去問に挑戦する、解けなくても解答を見て理解する、理解できない部分は集中的に勉強するという流れで勉強をすると、一次試験対策にもなります。

二次試験(口述試験)対策

直近3年間の二次試験口述試験の結果をまとめた表が以下の表になります。

試験年度 口述試験受験者 口述試験合格者 合格率
2018年度 906名 905名 99.9%
2019年度 1,091名 1,088名 99.7%
2020年度 1,175名 1,174名 99.9%

過去3年で約3,000名が受験し不合格はわずか5名。一次試験、二次試験の筆記試験を合格できるだけの知識がある方であれば、まず落ちることにない試験です。

とはいえ落ちている方がいるのも現実。油断をしていいわけではありません。二次試験の筆記試験から口述試験まで2ヶ月半ほどの時間的猶予がありますので、この期間を有効利用し、どのような問題が出題されるのかを調べておきましょう。

受験者と合格者の中心

ここまでいろいろな合格率の数値を見てきました。この合格率の数字から、どのような方が受験し、どのような方が合格しているのかを検証してみましょう。

この検証を行うことで、これから受験を考えている方の参考になるポイントが見つかるかもしれません。

ボリュームゾーンは30代&民間企業勤務

まずは受験者と合格者のボリュームゾーンです。どちらも最も多いのは30代となっています。30代といえば、どの業界でも業務の中心となっている世代。企業によってはまだ役職などがつかず、一般社員として働いている方も多い世代です。

こういった世代が受験者、合格者の中心ということは、考えられることは3つ。今行っている業務で有効活用できる、もしくは資格手当が支給されるケース。さらに中小企業診断士資格を取得し、別の業種へ転職を考えているケースです。

勤務先別の合格率を見ると、民間企業に勤務する方が受験者数の多くを占めており、コンサルティング業務を行っていない業種の方の受験&合格も多いように思われます。

中小企業診断士として働くことを考えれば、コンサルティング業務や独立開業が中心になるかと思いますが、一般企業の他業種で働いていても、中小企業診断士資格を取得していることは大きなメリットになるケースもあります。

この資格を取得できるだけの知識があるということは、中小企業の経営診断ができる能力があるということ、この能力は営業職などでも有効に活用することが可能です。

また、30代でしかも民間企業勤務の方が多く合格しているということは、仕事をしながらでも合格が目指せるという事の証拠でもあります。しかも仕事をしながら取得を目指している方は、あまり時間をかけずに短期間の勉強で取得している可能性が高く、短期間での合格も目指せる資格であると考えられるでしょう。

コンサルティング業の方には傾向に差が

勤務先別の合格率を見ると、コンサルティング業に勤務している方の合格率はやはり高めであるという傾向が見られます。しかし反面自営業でコンサルティング業務を行っている方の合格率はやや低めです。

ここから読み取れるのは、中小企業診断士という資格の特徴です。中小企業に対する経営診断や経営アドバイスに関しては、中小企業診断士の資格がなくても行うことは可能です。自営業でコンサルティング業務を行っている方で、中小企業診断士試験に挑戦している方は、まだ資格を取得していないと推測されます。

つまり受験している方にすれば、特に中小企業診断士資格がなくても業務は行えているということ。資格を持っていた方がより信頼度が高まるという理由で受験していると想像できます。その分試験に対する本気度がやや低いのかもしれません。

一方コンサルティング業界で働いている方は、まだ独立開業をしていない方ということに。独立開業を目指すにしても、今行っているコンサルティング業務においても、資格の有無は信頼度に直結しますので、是が非でもほしい資格ということになります。その分合格率が高いと考えられます。

合格率の低い中小企業診断士資格は必要か

上でも少し触れましたが、中小企業の経営診断を行うことに対し、中小企業診断士の資格は必要ではありません。この資格を持っていなくてもコンサルティング業務は可能であり、実際にそうしているコンサルティング事務所も少なくありません。

では、ある程度の勉強時間を使ってまで、中小企業診断士資格を取得する必要はあるのでしょうか?

独占業務がなく、名称独占資格でもない中小企業診断士資格。この資格の取得メリットについて考えてみましょう。

資格を持っている方が業務上有利

中小企業診断士という資格の取得メリットは、やはり国家資格であることが大きなポイントです。資格を取得していることで、同じコンサルティング業務をするにも顧客からの信用度が大きく変わってきます。

また、都道府県や公的機関からの業務依頼を受けられるのは中小企業診断士資格を持っている方のみ。無資格の事務所には業務依頼が届かないという事実もあります。

ここまでは独立開業のケースを中心にメリットを考えてきました。しかし中小企業診断士の資格を持つ方で、独立開業をしている方の割合は約25%です。残る75%の方のメリットも考えておきましょう。

まず、コンサルティング業務に就いている方にとっては、業務上大きなメリットが考えられます。顧客からの信頼度も高まりますし、社内での評価にも直結するでしょう。

続いて資格手当です。中小企業診断士資格を取得した従業員に資格手当を支給している企業は多く、その相場は1~3万円程度。毎月これだけ収入がアップするのであれば大きなメリットといえるでしょう。

さらに資格を持っていることにメリットを考えると、社内・社外からの評価という点が考えられます。資格を取得したということは、それだけ努力をした方ということになります。しかも仕事をしながら時間を上手にやりくりし、勉強を続けるという結果に資格取得があります。

目標に向かって地道な努力をいとわない人物であるという評価は、仕事をするうえで大きなメリットとなるでしょう。

中小企業診断士試験の合格率を高めるには?

中小企業診断士試験を合格率の面から考えると、司法試験のように絶望的に難しい試験ではないものの、しっかりと対策をしないと到底合格できない試験であることが分かります。一次試験の合格率が25%、二次試験の合格率が20%で考えると、1年で二次試験まで合格できる合格率は5%です。

これだけ難易度の高い試験の合格率を高めるにはしっかりと対策を練るほかありません。ではどのような対策をすれば合格率を高められるかを考えてみましょう。

簡単な試験ではない

単純に合格率を考えても、難易度の高い試験であることは間違いありません。難易度の高い試験の合格率を高めるには、効率的に学ぶのが最も重要なポイントとなります。

しかし、この資格試験に挑戦したことがない方が、いきなり効率的な勉強を独学で見出すのは不可能に近いこと。そこで頼りにしたいのが、資格取得の予備校や通信講座ということになります。

中小企業診断士の講座を開講している予備校や通信講座は少なくありません。毎年生徒を募集し授業を行っているため、中小企業診断士試験対策のポイントも把握していますし、効率的な勉強プログラムも持っています。

では、予備校と通信講座のどちらがおすすめでしょう。答えから言えばどちらもおすすめです。しかし、多くの方には通信講座をおすすめするということになるでしょう。

理由は予備校の立地と数です。予備校はやはり人口の多い都市圏を中心に教室があるため、通うためには都市圏に住んでいる必要があります。いくら予備校があるといっても、片道1時間もかかるようでは通学時間がもったいないということになります。

社会人にとって、仕事が終わってから練るまでに自由にできる時間は限られています。恐らく3時間前後でしょう。そのうち2時間が移動時間で消化されては、とても効率的な勉強とは言えません。

つまり、予備校に片道30分以内で通えるという一部限られた方以外には、必然的に通信講座をおすすめするという形になります。

近年は予備校に通学しなくても通信講座で大きな結果を残せるようになっています。特に大手通信講座のフォーサイトでは、中小企業診断士講座を受講した方の合格率が非常に高くなっています。

フォーサイトの合格率は一般受験者の1.37倍

上で紹介した大手通信講座フォーサイトですが、このフォーサイトの中小企業診断士講座を受講した方の一次試験合格率は50%(2021年度)。全国平均の約1.37倍という高い合格率をマークしています。

フォーサイトの講座がこれだけの結果を残しているのにはいくつかの理由があります。まずは授業動画の充実。フォーサイトでは授業動画撮影に専用のスタジオを利用しています。このスタジオは、かつて地上波番組の収録も行われていた本格的なスタジオ。使用する機材もプロ仕様の本格的な機材ばかり。

PCの画面はもちろん、タブレットやスマホの小さな画面でも見やすい授業動画となっています。

テキストはフルカラー印刷を採用。難解な用語も多くなる資格取得の勉強ですが、カラーを効果的に活用し、一見して見やすいつくりとなっています。

そして一番のポイントがeラーニング教材の充実です。フォーサイトは外出先や電車に乗っている移動時間などにスマホで簡単に勉強できるeラーニング教材に力を入れています。比較的短時間の授業動画や、スマホで簡単にできる演習問題、さらに授業の音声データなどもそろっており、環境に合わせた活用することができます。

毎日仕事をしている社会人の方にとって、ポイントとなるのが勉強時間の確保です。より効率的に勉強をするには、毎日の移動時間など、スキマ時間をどれだけ有効活用できるかにかかっています。これを実現してくれるのがフォーサイトのeラーニング教材です。

授業内容はもちろん、毎日の隙間時間も有効活用できることが、フォーサイトの高い合格率を実現しています。

まとめ

例年の合格率を見る限り、中小企業診断士試験に1度の挑戦で合意化する確率は5~8%程度。一次試験と二次試験があり、一気に合格するにはなかなか難しい試験となります。

受験者の傾向を見ると、現在仕事をしている30代の方が中心であり、合格率が高いのもやはり現役で働く30代が中心ということになります。このことからも、毎日仕事をしながらでも十分に目指せる資格であることは間違いありません。

中小企業診断士試験の一次試験では、科目別合格の精度もありますので、この制度を利用して複数年かけて合格を目指すことで、難易度を下げる方法もありますが、実際に仕事をしている社会人の方にとって、長期間勉強時間を確保するのもなかなか難しいところ。できれば短期間の勉強で合格を目指したい資格でもあります。

短期間の勉強時間で中小企業診断士試験に合格するには、効率的な勉強が必須条件。これを実現するには独学では難しく、予備校や通信講座を利用するのが一般的となります。

予備校への通学は、通学可能圏内に中小企業診断士試験対策講座を開講している予備校がある必要があります。この条件を満たさないという方におすすめなのが通信講座です。

通信講座を選ぶ場合は、実際に実績のある講座を選ぶのがおすすめ。古くからその資格講座を開講している予備校には、その資格試験に対するノウハウも蓄積されているため、より効率的な学習が望めます。

一例を上げればおすすめはフォーサイト。長く中小企業診断士講座を開講しており、実際に高い合格率を残している通信講座です。特にeラーニング教材の充実は目を見張るものがあり、時間のない社会9陣の方でもスキマ時間を有効に活用し、効率的に学べます。

効率的に勉強し、しっかりと短期間での合格を目指しましょう。