「QC7つ道具」って何だろう?その秘密に迫る!

QC7つ道具

品質管理は企業にとって重要です。品質管理を効率よく行うために必要なのが「QC7つ道具」と呼ばれるものです。なんだかアニメの秘密道具みたいですが、このおかげで日本の製造業は世界一の品質と言われるようになりました。今回は「QC7つ道具」について詳しく見ていきます。

目次

「QC7つ道具」ってどういうもの?

「QC7つ道具」について解説する前に「QC」について説明しなければいけません。「QC」とは「Quality Control」の略で、品質管理という意味です。

「QC7つ道具」は品質管理に特に効果を発揮する7つの道具のことをいいます。定量的なデータを分析することができるので、主に製造現場の品質管理、改善手法として広まりました。

ちなみに「7つ道具」と呼ぶ由来については諸説ありますが、源義経の家臣・武蔵坊弁慶の7つ道具になぞらえたものだと言われています。こちらも興味深い話ですね。

「QC7つ道具」を解説!

ここでは「QC7つ道具」について詳しく解説していきます。ちなみに「QC7つ道具」とは次の7つを指します。

①パレート図
②チェックシート
③グラフ
④ヒストグラム
⑤特性要因図
⑥散布図
⑦管理図

では、それぞれについて見ていきましょう。

①パレート図

パレート図は、全体の中で大きな影響を占めるものが何であるかを明確にし、重要な問題を特定するための手法です。この手法はパレートの法則に基づいています。パレートの法則とは上位2割が全体の8割を占める、という法則です。

「売上の8割は全顧客の上位2割が占めている」「売上の8割は全商品のうちの上位2割によって生み出されている」ということを耳にしたことはありませんか?これがパレートの法則です。

パレート図を用いて検証したい作業の工程や項目を「見える化」すると、全体の工程の中で大きな影響を与えている問題点を抽出することができ、何を改善すれば大きな効果が出るのかが分かります。
その結果、不良品の割合を減少させたりすることが可能になります。

②チェックシート

チェックシートとは得られたデータを記録したり、整理したりするための記録用紙のことです。
チェックシートは2種類あります。ひとつはデータ収集に利用する記録用チェックシートで、もうひとつは点検用チェックシートです。これは日常の業務が正常に実行されているか点検するためのものです。

記録用紙に記入することで、誰が見ても同じように記録、点検ができるようにします。また集計したデータはグラフ化するなどして活用します。ただ記録を残すだけでは意味がありません。集計したデータを解析し、活用することが最終目的です。

③グラフ

グラフは複数のデータを視覚的に示すことができる図のことです。グラフには様々な種類があるので、目的によって使い分けると良いでしょう。

例えば円グラフは全体において各項目の比率を確認する時に便利です。棒グラフは各項目の差を見比べる時に役に立ちます。折れ線グラフは日々の推移や動向を確認するときに使用し、帯グラフやレーダーチャートは前年比と割合の変化を確認するときに便利でしょう。用途や目的によって適切なグラフを選び、データを分析していきます。

④ヒストグラム

ヒストグラムは、測定データが存在する範囲をいくつかの区間に分けて積み上げたもので、工程のバラツキ状態を見るための手法です。

どのような分布構成になっているか視覚で理解できるため、人口分布など統計でもよく使われます。品質管理では、ヒストグラムでバラツキの特徴を把握することで何が起きているのかを推定するために使用します。

⑤特性要因図

現在、抱えている問題が持っている特性と、それに影響を与えている要因とを矢印を用いて整理した図です。その図の見た目から魚の骨と呼ばれることもあります。

ひとつの特性に対してまず背骨を書き、それから大骨を書きます。大骨には要因と考えられるもの(人、機械、材料、方法など)を大まかに記入します。そして細かな要因を魚の小骨や中骨のように周辺に記入していきます。
そうすることで、問題に影響している要因を客観的に把握することが可能になります。

⑥散布図

散布図は、データを点の集合によって表現した図です。散布図上の点の散らばり方によって相関関係の有無を把握することができます。

分析を行う際は以下の4つの点について検証します。

⑴相関関係があるか
点の散らばり方が直線的な関係である場合は「相関がある」と表現します。散布図を見ると相関の有無や強さの度合いも分かります。

⑵異常点はないか
点の集まりから異常に飛び離れた点はないかチェックします。異常点の多くは作業者や材料、作業条件の変更など特別な原因に基づいています。異常点を見つけた場合は原因を徹底的に検証する必要がありそうですね。

⑶分けて考える必要があるか
原材料別、機械別、季節別などある条件に従って分けて考えると有効な情報が見つかる時もあります。

⑷偽相関ではないか
相関関係が無いのに、散布図上では相関関係がある状態を示す場合もあります。これを「偽相関」といいます。得られた結果をそのまま信用するのではなく、本当にそのような関係が成り立つのか検証することが大切です。

⑦管理図

現在の工程が正常か異常かを客観的に判断し、さらに工程を安定した状態に保つために活用する手法です。

まず、製造工程において偶然によるバラつきを加味した「正常値」という規定の範囲を設けます。その正常値の範囲を超えた場合は何かしらの異常が発生しているということになります。
不良発生件数が管理限界値を超えた日に何があったのか、その原因を究明するときに活用します。

「QC7つ道具」はなぜ必要?

製造現場では日々、多くの課題や問題を抱えています。これらの課題や問題を解決、改善することが企業にとって重要なのです。そのためには積極的に問題に取り組もうとする自主自立的な人材と「QC7つ道具」が必要なのです。

「QC7つ道具」は事実に基づいた客観的なデータを基に現在起きている問題を把握し、分析し、解決するための道具です。現場改善をするためには課題解決に前向きに取り組む従業員の協力も必要ですが、その効果をより発揮させるために「QC7つ道具」も活用しましょう。

「QC7つ道具」を活用するために

「QC7つ道具」を活用する時はどの手法を使えば問題が解決できるのか、どんなデータが必要なのか考えることが大切です。

「QC7つ道具」の特徴や活用法を理解しておけば、品質管理の現場において何か問題が発生した場合「今回の状況はヒストグラムが使えそうだ」と次の行動への意思決定も迅速になります。

どんなデータが必要か考える場合は「層別」という手法も役に立ちます。層別とはデータを時間別や作業者別といったようにある条件に基づいて整理することをいいます。これによりデータの特徴や傾向を大まかに把握することが可能です。「QC7つ道具」の前に層別でまずは膨大なデータを整理するのも良いかもしれませんね。ここで整理したデータは「QC7つ道具」に当てはめ、さらに検証していきます。

まとめ・中小企業診断士との関連性

「QC7つ道具」について見てきました。昔から製造現場の品質管理に用いられてきた手法で現在でも役に立つ道具です。まずはそれぞれの道具の意味や活用法をしっかりと理解し、必要な時にすぐ使いこなせるよう準備しておくことが大切です。

「QC7つ道具」は中小企業診断士試験では第1次試験では運営管理という科目で問われます。出題頻度は高く7つを全て覚えておいた方が良いでしょう。さらに第2次試験では事例Ⅲの生産・技術においてもその知識を応用していくことが求められます。