傷害保険とは?|わかりやすくFP解説

傷害保険とは?
目次

傷害保険とは

事故の日から180日以内に、そのケガを原因とする死亡・後遺障害、手術、入院、通院を補償する保険で、保険金は定額払いです。他の保険や社会保険等と重複して支払われます。

傷害保険とは

傷害保険の保障の範囲とは

「急激かつ偶然な外来の事故」による身体障害が対象になります。急激とは、突発的で原因から結果まで時間的間隔がないことをいいます。

偶然とは、予知できない出来事であることをいいます。

外来とは、身体の外部からの作用であることをいいます。

傷害保険の保険金とは

事由ごとに支払いの条件や額が異なります。以下の場合に保険金は支払われます。

  • 死亡保険金…事故の日から180日以内の死亡
  • 後遺障害保険金…その程度により、保険金額に所定の割合を乗じた額
  • 入院保険金…180日限度
  • 手術保険金…入院日額×手術の種類による約款所定の倍率
  • 通院保険金…180日以内において、90日限度

傷害保険の種類とは

掛け捨て型と積立型があります。積立型には、満期返戻金が一括で受け取れるものと年金で受け取れるものとがあります。

傷害保険の保険料とは

傷害保険の保険料は、医療保険や生命保険と違い、年齢や性別により異なることはありません。被保険者の職業によって保険料が決まります。

普通傷害保険とは

国内、海外を問わず、家庭内、職場内、通勤途上、旅行中などの日常生活の中で起こる様々な事故による傷害に対して補償されます。

保険金が支払われる例としては以下のものがあります。

  • 転倒し、足を骨折した場合
  • 海水浴中に高波にのまれて溺死した場合
  • 火災の煙にまかれて窒息死をした場合
  • 料理をしていて火傷をした場合
  • 酒を飲んで階段で転び、ケガをした場合
  • 自転車で転倒したときの傷が原因で破傷風にかかった場合

反対に保険金が支払われない場合は以下のものがあります。

  • 飲酒運転をして事故を起こし負傷した場合
  • 脳卒中により転倒して骨折した場合
  • けんかをしてケガをした場合
  • 自殺をはかり、命は取り留めたが重傷を負った場合
  • 新しい靴で長時間歩いたため、ひどい靴擦れを起こした場合
  • 飲食店で食べた料理が原因で細菌性食中毒を起こした場合
  • 雪道を歩いてひどいしもやけにかかった場合
  • 炎天下で野球をしていて日射病にかかり、入院した場合
  • 地震によるケガ ※ただし特約を付加すれば補償されます

家族傷害保険とは

ひとつの傷害保険契約で、自動的に家族も一緒に補償するタイプの傷害保険をいいます。家族には、保険期間中に生まれた子どもを含みます)

職業級別は、家計維持者の職業によって決定されます。家族の範囲は、契約者本人・契約者の配偶者・生計を一にする同居の親族および別居の未婚の子です。

例えば「寮生活をしている中学生の息子」は、生計を一にする別居の未婚の子に該当し、補償の対象となります。

交通事故損害保険とは

国内・国外を問わず、交通事故により被ったケガ、交通乗用車(エレベーター、エスカレーターを含む)に乗っているときのケガ、駅の改札口に入ってから出るまでのケガ、建物または交通乗用車の火災によるケガなどにより被った傷害に対して、保険金が支払われます。なお、保険料は職種に関係なく一律です。

交通事故傷害保険の補償例

  • 運行中の交通乗用車の衝突・接触等の事故として、道路通行中のトラックから落ちた積み荷に当たってケガをした場合や、エレベーターに指を挟んで骨折した場合
  • 乗客として駅の改札口を通ってから出るまでの駅構内の事故として、階段で転んでケガをした場合
  • 道路通行中の建物の倒壊、建物からの落下、崖崩れ、土砂崩れ、岩石等の落下、火災または破壊・爆発等による事故として、道路通行中に工事現場の機材が落下してケガをした場合
  • 建物または乗り物の火災による事故として、宿泊中の旅館で火事に遭い火傷をした場合

ファミリー交通事故傷害保険とは

交通事故傷害保険を家族で一緒に契約するタイプの保険です。

海外旅行傷害保険とは

被保険者が海外旅行のために、住居を出発してから帰宅するまでの間に被ったケガに対して保険金が支払われます。ケガにより医師の治療を受けた場合は、治療費用保険金として実費が支払われます。特約により、疾病死亡、疾病治療、携行品損害、賠償責任、救援者費用、キャンセル費用などを付加することができます。

普通傷害保険では免責の細菌性食中毒や地震・噴火・津波によるケガも特約なしで対象になります。

このように、海外旅行傷害保険は疾病等の補償範囲が広い内容となっています。

国内旅行損害保険とは

被保険者が国内旅行のために、住居を出てから帰宅するまでの間に被ったケガに対して保険金が支払われます。

保険金が支払われる例としては、旅行中の細菌性食中毒があります。

保険金が支払われない例としては、旅行中になった虫垂炎や、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする傷害があります。

積立普通傷害保険・積立家族傷害保険とは

普通傷害保険、家族傷害保険を積立型にしたものです。

積立ファミリー交通傷害保険とは

ファミリー交通事故傷害保険を積立型にしたものです。

積立女性保険とは

女性専用の積立保険で、傷害事故や携行品損害、賠償事故などを包括的に補償しています。また、特約により、入院時のホームヘルパー費用を補償することもできます。

年金払積立傷害保険とは

保険期間中のケガによる死亡・後遺障害を補償するとともに、保険期間の途中から毎年、あらかじめ決められた年金(給付金)が支払われる保険です。損保版の個人年金です。

年金の種類は、確定年金と保証期間付き有期年金で終身年金はありません。

積立型保険の特徴とは

契約者貸付制度、自動振替貸付制度等を利用することができます。契約時に定められた積立利率よりも保険会社の運用利率がよかった場合、配当金が付くことがあります。

保険金額の全額が支払われた場合や、被保険者や保険の目的が保険金支払い事由以外に消滅した場合(病死など)、その時点で契約は終了し、満期返戻金は支払われません。

傷害保険に関するよくある質問

国内旅行傷害保険は、中耳炎は対象外ですが、海外旅行傷害は、対象なのでしょうか?

中耳炎が補償の対象になるのかどうかですが、旅行行程中(保険の責任期間)に発症したならば補償される可能性はあります。

もし、中耳炎が既往症ならば補償はされないと思います。具体的なことは、保険会社とのどのような契約になっているのかがポイントです。

食中毒になった場合に保険金が支払われるのかどうかを整理したいのですが

普通傷害保険→含まない、海外旅行傷害保険→含む

ということまでは理解しています。国内旅行保険についてはどうでしょうか?

国内旅行傷害保険にでは、旅行中の細菌性・ウイルス性食中毒も保険金の支払の対象になります。

個人賠償責任保険と個人賠償特約は違うものでしょうか?個人賠償責任保険は自動車による賠償事故は補償されない、とのことですが、原付や自転車は補償されるのでしょうか?

個人賠償責任保険と個人賠償特約は同じものと考えてよいです。

保険は、主契約にもなりますし特約にもなるため、個人賠償責任保険という場合は、主契約であり個人賠償特約という場合は、特約だという認識でよいです。

個人賠償責任保険・個人賠償特約は、過失によって他人の生命や身体を害したり、または人の財物に損害を与えた場合に、負担する法律上の賠償責任を負うことによって被る損害について補償する保険です。

単独で契約することができますが、一般的には普通傷害保険や火災保険、自動車保険等に付帯することが多いです。そして、自動車の使用もしくは管理に起因するものは保険金は支払われません。原動機付自転車(いわゆる原チャリ、バイク)は自動車に含まれますが自転車は自動車には含まれません。

したがって、自動車に関する補償については、自動車保険に加入する必要があります。自転車に関する補償については、個人賠償責任保険で補償されています。

例えば、自転車で走行中に歩行者とぶつかり後遺障害を負わせたというような場合が該当します。

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