FP1級に合格するための勉強時間はどのくらい?勉強方法は?

FP1級に合格するための勉強時間はどのくらい?勉強方法は?

FP1級の平均的な勉強時間は?

FP(ファイナンシャルプランナー)1級の勉強は、FP3級、FP2級とは違った方法で行わなければなりません。
難易度が高いのはもちろんのこと、試験の性質も3級、2級とは大きく違うのです。
多くの勉強時間が必要となります。
ただ時間をかけるのではなく、適切な方法で勉強を積み重ねていくことが大切です。

FP1級の勉強時間、勉強方法についてご紹介していきます。

目次

FP1級の平均的な勉強時間は?

FP1級の勉強時間は、FP2級の2倍必要だと言われています。
FP2級の場合、勉強時間は平均300時間なので、この2倍の600時間は必要です。

では、1日当たり何時間くらい勉強するべきなのでしょうか。
他に本業を持ちながらFPの勉強をする場合、勉強時間は限られてきます。
特に平日は、1日の大半の時間を本業にとられてしまうので、勉強時間は1日2時間が限度と思われます。
休日なら、1日5時間は勉強したいです。
土曜日は休日出勤が入ってしまうことがあるので、必ず土日両方とも勉強に充てられるとは限りません。
土曜日が潰れたら、日曜日1日で土日の分をこなさなければならなくなってしまうため、土日分として設定する勉強時間はマイルドにしておくと良いでしょう。

勉強スケジュール

平日に1日2時間、休日に1日5時間勉強すると、勉強時間は半年間で500時間になります。

平日:1週間で10時間×4週間×6カ月=240時間
休日:1週間で10時間×4週間×6カ月=240時間
⇒計約500時間

しかし、これはあくまで毎日問題なく勉強できたときの勉強時間です。
スケジュール通りに勉強できなかったときに備えて100時間は余裕をもっておくべきです。
このことから、FP1級合格のために用意しておきたい勉強時間は600時間となります。

スケジュールはあまり詰めて考えないようにしましょう。
もしも期待通りに勉強がスイスイ進められて、時間が余ってしまったら、総まとめの時間を増やしても良いですし、小休止する時間に充てることもできます。
きっちり予定を立てて、あとで切羽詰まってしまうと、勉強のクオリティも落ちてしまうのでおすすめできません。

FP1級の難易度

FP1級は、学科試験と実技試験で難易度が異なります。
学科試験の合格率は10%程度と大変難易度が高いです。
しかし実技試験の合格率は80%程度です。
直近の実技試験の合格率は以下のとおりです。
実技試験の合格率については、FP1級実技の合格率は?受験資格は?不合格になる人の特徴は?をご参照ください。

FP1級実技試験結果の推移
試験日程 受験者 合格者 合格率
2018年9月 7,172 591 8.24%
2018年1月 7,455 1,083 14.52%
2017年9月 6,526 680 10.41%

(一般社団法人金融財政事情研究会公式HPより)

なお、FP1級の学科試験は一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)でしか実施されていません。

FP1級の勉強方法は独学が基本?

FP1級の試験勉強はほぼ独学でやるしかないというところが、やりにくいところです。
多くの資格スクールや通信教育では、FP2級までしか試験対策講座を実施していません。
そのため、自分でテキストを購入し、独りで計画を立てて進めていくことになるのです。

本気の受験者が多いFP1級

1級になると、本気でFPで身を立てていこうという意識の高い人が多いです。
FPとして独立開業しようと考えている、あるいは行政書士や宅建などを持っている人がさらなるスキルアップを求めて受験するというパターンです。

こういう人は、自分の内側からモチベーションが湧き上がってくるので、独学でも自然と勉強に身が入り、合格水準へと自分を持って行くことができるのです。

FP1級のおすすめ教材

FP1級の学科試験には基礎と応用がありますが、基礎は出題傾向(いわゆる「出やすい問題」)による対策が難しいため、体系的に覚えていかなければなりません。
きんざいファイナンシャル・プランナーズ・センターの発行する 「FP技能検定教本1級1分冊」シリーズで6分野をまずざっとおさらいしておきましょう。

全体の概要を把握できたら、同発行元の「1級FP技能士(学科)精選問題解説集」で問題を解いていきます。
問題を解き、基礎と応用の問題を解けるようにしていきましょう。
本番対策として過去問も解きましょう。

法改正対策も大事

FPの1級の試験は、きんざいの定める法令基準日(現在の法令)が出題されます。
ですから、テキスト・問題集共に最新版を選ぶのはもちろんのこと、さらに細かい調整が必要になってきます。
法令基準日は、以下のようになっています。

試験日と法令基準日
試験日 2018年5月27日 2018年9月9日 2019年1月27日
法令基準日 2017年10月1日 2018年4月1日 2018年10月1日

(一般社団法人金融財政事情研究会公式HPより)

試験勉強をするときは、この法令基準日に注意を払わなければなりません。
「FP技能検定教本1級1分冊」は例年6月に刊行されるので、2018年9月に試験を受けるのであれば、テキストの内容をそのまま正として問題ありません。
しかし翌年1月に試験を受ける場合は、法令基準値がテキスト刊行日後になってしまうので、その間の法令改正はカバーできていません。
改正の有無を個々に、自分で確認する必要があります。

FP1級の試験内容

FP1級の試験は学科試験、実技試験ともに複雑です。
学科試験の試験内容は以下のようになっています。

FP1級試験の出題形式
種類 出題形式 設問数 試験時間(2019年5月試験)
基礎編 四答択一(マークシート) 50問 10:00~12:30
応用編 記述式(筆記試験) 5題 13:30~16:00

(一般社団法人金融財政事情研究会公式HPより)

基礎編と応用編は、午前と午後に分かれて試験が実施されます。それぞれ100点、200点満点で合計120点以上正答できると合格になります。

実技試験の試験内容については、FP1級実技の合格率は?受験資格は?不合格になる人の特徴は?をご参照ください。

応用編よりも基礎編のほうが難しい

基礎と応用とあるので、基礎のほうが簡単なように思えますが、実際に難しいのは基礎のほうです。
先にも述べたように基礎は傾向による対策が難しく、的を絞った勉強がしづらいためです。
応用編のほうは、傾向が決まっているので対策を取りやすいです。

基礎編は対策がしづらいので、試験で大失敗してしまう受験者も少なくありません。
しかし午後の応用編で挽回はできるので、自暴自棄になることはありません。
気持ちを切り替えて、午後でしっかり点を取れるようにがんばりましょう。

FP1級の勉強方法

FP1級の勉強方法について、具体的に見ていきましょう。
学科試験では、基礎と応用では性質が全く異なるので、それぞれ違ったアプローチで勉強をしていく必要があります。

共通して言えることは、基礎・応用共に難易度がとても高いということ。
また範囲が幅広いということです。
そのため、FP2級に合格したら、なるべく期間を空けずに1級を受験することをおすすめします。
仕事で6分野すべてをいつも使うならともかく、限られた分野だけにしかかかわらないでいれば、時間が経つにつれ、記憶は薄れてしまうと肝に銘じておきましょう。

FP1級の試験は、1月と9月に実施されます。
FP2級の試験は5、9、1月です。
5月に2級の試験を受け、合格し、その年の9月に1級の学科試験を受験するのがタイミングとして理想的です。

また6月に発売されるきんざいの改訂版テキストを活用できるのも魅力的です。

新聞を毎日読んで専門用語に慣れておこう

FP1級に限らず、すべてのFP試験に言えることですが、新聞を毎日読む習慣をつけておくことで、本試験対策となります。
FP1級はライフプランニング、リスク管理、金融資産運用、タックス、不動産、相続・事業承継が範囲ですが、試験ではこれらの分野について、高度に専門的な問題が出題されます。

まったく予備知識のない状態からこのような問題を解くことは難しいですが、毎日新聞を読んでおくと、こうした専門用語に慣れることができるので、理解し、解きやすくなります。
特に一面、総合面、経済面は重要です。
金融、経済についてのホットなトピックや法改正の情報は新聞で連日特集を組んでくれるので、新しい情報も自然となじみのあるものになります。

基礎編 FP1級学科試験対策

基礎については、勉強をする前に「FP技能検定教本1級1分冊」をざっと読み流しましょう。
わからないところがあっても止まらずに、最後まで読み通します。
1冊あたり3時間程度で読み通すようにしましょう。

全体の概要が把握できたところで、「1級FP技能士(学科)精選問題解説集」の基礎の問題をひたすら解いていきます。
解けなかった問題は、教本の該当部分を確認して内容を理解します。

その問題を、根拠をもって解けるようになるまで理解を深めておきましょう。
FP1級の基礎は四択ですが、選ぶのは難しいです。
FP1級試験の場合、問題を完全に理解していないと、四択を三択に絞り込むことさえできないものです。
パッと見て1つを選べるような問題は、出ないと思っておきましょう。

ちなみに本試験では、テキストにも載っていないような問題も出てきたりします。
そういうものは捨て問題だと思ってあきらめることも一つの戦略です。

基礎編 「説明学習法」で選択問題の絞り込み力をつける

選択問題の絞り込みには、設問の選択肢の完全な理解が欠かせません。
そのための方法としてまず思いつくのは、ひたすら問題を解いて答え合わせすることですが、「説明学習法」もおすすめです。

説明学習法とは、問題を解きながら、その問題の解法や説明を口に出して説明していくというものです。
このとき、聞いてくれる人を探してきて、その人に対して説明できればなお良いのですが、1人でも問題ありません。

経験された方もいると思いますが、人に何かを説明すると、その物事をより理解できるようになるものです。
それは説明する過程において、頭の中で情報を整理し、記憶することができるからです。
問題を解き終わったあとに説明するよりも、解きながら説明するほうが脳は活性化するので、より効果的です。

基礎編 説明学習法で苦手トピックの洗い出しも

説明学習法は、苦手なトピックの洗い出しができるというメリットもあります。
問題の解法や説明をしていると、わかっているつもりでもわかっていないところ、自分ではわかっているのに他人に説明できないところがあることに気付くはずです。
上手く説明できないのは、理解や知識に足りない部分があるからです。
そこを重点的に復習することで、苦手科目の克服にも役立ちます。

基礎編 ノートで自作問題集をつくろう

市販の問題集を使って問題を解いたら、ノートで自作問題集をつくると、問題の理解と記憶に役立ちます。
これも選択問題の理解に役立ちます。
それぞれの分野から50問をピックアップしましょう。
市販問題集の、出やすいとされている問題や、重要とされている問題を選びます。
ノートの見開きの左側に問題、右側に解答、図表、要点などを書き込んでいきます。
自作問題集ができたら、これを繰り返し解いていきます。
解答ページは余白をもたせておき、解き直したときに何か気付いたら、それを書き込んでいきましょう。

自分で書いて要点をまとめていくと、復習するときに役立ちます。
6分野を順番に勉強していくと、最後のほうの勉強のときには、最初に勉強したことを忘れてしまうものです。
そんなときにノートを見返せば、すぐに記憶がよみがえって思い出せます。
印刷された問題集だと、こうはいきません。

基礎編 パソコンではなく手書きで

同じ自作問題集をつくるなら、ノートに手書きするよりもパソコンでタイピングしたほうが楽そうですが、おすすめは手書きです。

パソコンでタイピングすると、速く入力できます。
問題を心の中で読みながら、それと同じ速度で打ち込むこともできるでしょう。
しかしそうすると、脳内で内容を処理して理解できずに、ただ手入力するだけの作業になってしまいます。

手書きでノートを作成すると、すぐに書き込むことができないので、読みながら自然と内容を要約し、簡潔に要点だけを書けるようになります。
書く過程において、脳内で情報が整理されるのです。

パソコンでのタイピングは、どんどん打ち込めるし、達成した量も多いので、とても勉強した気になれるものです。
しかし実際は、理解が妨げられてしまっているため、要約する段階になって「あれ、この問題ってどういう意味だっけ」ということになりかねません。

応用編 FP1級学科試験対策

基礎編に比べて応用編は出るところがある程度決まっているので、対策を取りやすいです。
記述式ですが、だいたい同じようなパターンで解いていく問題が出題されます。

したがって、先ほどの問題集にある応用の問題をたくさん演習して、出題傾向に慣れておくことが有効な対策となります。 解けなかった問題は教本に戻って理解します。
完全に自信をもって解けるようにしておきましょう。
応用編は記述式なので、たとえ答えが間違っていたとしても途中経過が合っていれば部分点はもらえます。
解くときに計算式の書き方にも手を抜かないようにしましょう。

基礎編は出題の予測をつけづらいですが、応用編は決まった型の問題が出るので、応用編の対策をどこまでできるかが合否の鍵となります。

実技試験対策

実技試験は一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)とNPO法人日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)で試験が異なります。
きんざいは面接、日本FP協会は筆記で試験を行います。

きんざいの場合はある程度出題傾向が決まっているので、対策を取りやすいです。
具体的に言うと、不動産と相続・事業承継の問題が例年出題されています。
ただ面接であるというところに抵抗感を持つ方も多いでしょう。
日本FP協会は筆記試験であり、範囲は6分野から幅広く出題されますので、全般的な学習が必要となります。
詳しくは、FP1級実技の合格率は?受験資格は?不合格になる人の特徴は? をご参照ください。

過去問対策

学科試験において、応用編は出題傾向が決まっています。
過去問を本番に近い問題の演習として、慣れておくことができるという意味で、本試験対策とすることができます。
しかし基礎編は過去に出たことのない問題が出題されることも多いため、過去問を解くことによる試験対策効果はそれほどないと言えるでしょう。
実技試験では、きんざい、日本FP協会ともに、過去問で出やすい問題に慣れておくことが、本番対策として有効です。

時間配分のマネジメントを補強するという意味で言うと、基礎を含め、FP1級学科の勉強のために過去問を解くことは意味があります。
時間を計り、本番通りに問題を解く練習をしておきましょう。

まとめ

FP1級は難易度が高いこともあり勉強も難しくなりますし、必要な勉強時間も多くなります。
しかし開業を目指すのであればFP1級の取得は必須なので、ぜひチャレンジしていただきたいです。
FP1級の資格を取得するためには、FP1級学科試験を受け、実技試験を受ける以外にいくつかの方法があります。
CFP取得など学科試験受験以外の選択肢を望まれる場合は、別の方法も検討してみてください。