FP2級不動産はこう攻めよう!不動産の勉強方法、出やすい問題、税金など

FP2級不動産はこう攻めよう!不動産の勉強方法、出やすい問題、税金など

FP2級不動産はこう攻めよう

FP2級の試験範囲の1つである不動産の勉強法について紹介するページです。
建築基準法、不動産の譲渡、賃貸契約という不動産で頻出のテーマについて、実際の過去問を例にとり、解説しています。

また、不動産の知識は宅建の資格と組み合わせることで活躍の場を広げられますが、FPと宅建を組み合わせたダブルライセンスの活用法についても紹介していきます。

目次

FP2級 不動産の勉強法

FP2級の試験における不動産の試験範囲は、以下の9点が含まれます。

  • 不動産の見方
  • 不動産取引
  • 不動産の法令上の規制
  • 不動産の取得・保有にかかる税金
  • 不動産の譲渡にかかる税金
  • 不動産の賃貸
  • 不動産の有効活用
  • 不動産の証券化
  • 不動産の最新の動向

不動産とは何ぞやというところから、実際の売買、賃貸にかかわるルールや税制、不動産を金融資産と見た際の活用方法、さらには最新の事情まで、不動産にかかわるトピック全体が範囲となっています。
これらの知識を一通りつけていくことで、不動産の問題が解けるようになります。

不動産の勉強のポイントは?

不動産に関する知識を一通りつけると問題が解けるようになると述べましたが、あまりに範囲が広いため、これらをくまなく覚えることは至難の業です。
たとえば、建ぺい率・容積率の計算方法の一部(路面価からの評価額算出)は、不動産業にかかわる人であっても扱わない内容が含まれているほどです。
不動産に関することなら何でもかんでも入れてしまおうという方針のもとに試験範囲が設定されていることがその理由です。
なお、この傾向は不動産に限らずFPのすべての分野にもあてはまります。

FP2級の不動産の勉強においては、覚えるべき項目の取捨選択が重要なポイントとなります。
出題頻度の高い項目を重点的に覚えるようにしましょう。

FP2級 不動産の問題を見てみよう

不動産の分野で頻出の問題は、不動産の譲渡、建築基準法、賃貸契約の3つです。
特に賃貸契約は毎年出題されています。
建築基準法については、建ぺい率、容積率の制限、道路制限、用途制限など、住宅建築にかかわる制限が出題されやすい傾向にあります。
不動産譲渡については、譲渡所得の区分を理解しておくことがポイントになります。

過去にどのような問題が出題されたのか、具体的に見ていきましょう。

不動産の問題(1) 賃貸契約

 借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
なお、本問においては、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権と言い、契約については考慮しないものとする。

  1. 普通借地権の設定当初の存続期間は、借地権者と借地権設定者の合意にかかわらず、30年を超えて定めることができない。
  2. 普通借地権の存続期間が満了する場合、借地権設定者が立ち退き料を支払うことにより、借地契約を必ず終了させることができる。
  3. 借地権者は、普通借地権について登記がなくても、当該土地上に借地権者の名義で登記された建物を所有するときは、これをもって借地権を第三者に対抗することができる。
  4. 普通借地権の存続期間が終了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は借地権者設定者に対し、建物を建築費で買い取るように請求することができる。

(平成29年5月出題)

解答編

答えは3番です。

順番に見ていきましょう。

  1. 普通借地権の当初の存続期間は、借地権者と借地権設定者との契約により期間を定めない場合は30年ですが、期間を定める場合は30年以上で定めることができるので、×です。なお、このときに30年より短い期間を定めることはきません。
  2. 立ち退き料を支払うことにより、借地契約を必ず終了させることができるわけではないので×となります。借地権設定者が遅滞なく正答事由を備えた意義を述べたときに、はじめて更新不可となります。
  3. 借地権は、それ自体の登記がなくても、借地権者が借地上に所有している建物を登記していれば、それをもって第三者に対抗できます。したがってこの肢が〇です。
  4. 普通借地権の存続期間が満了し、契約の更新がない場合は、借地権者は借地権設定者に対して建物を買い取るように請求できますが、その価格は建築費ではなく時価となるので×です。

不動産の問題(2) 建築基準法

 都市計画区域及び準都市計画区域における建築基準法の規定に関する次の記述のうち、もっとも不適切なものはどれか。

  1. 建築物の敷地は、原則として、建築基準法に定める道路に2m以上接していなければならない。
  2. 防火地域内に耐火建設物を建設する場合、建ぺい率と容積率の双方の制限について緩和を受けることができる。
  3. 建築物の敷地の前面道路の幅員が12m未満である場合、建築物の容積率は、前面道路の幅員により定まる容積率と、都市計画で定められた容積率のいずれかが低い方が上限となる。
  4. 第一種低層住宅専用地域内においては、建築物の高さは10mまたは12mのうち、都市計画において定められた限度を超えてはならない。

(平成27年9月出題)

解答編

答えは2番です。

順番に見ていきましょう。

  1. 建築物の敷地は、原則として、建築基準法に定める道路に2m以上接していなければいけません(接道義務)。
    したがって、これは問題無し。
  2. 防火地域内に防火建築物を建設する場合、建ぺい率の制限について緩和を受けることができますが、容積率についてはこのような規定はありません。
    したがって、これが不適切です。
  3. 建築物の敷地の前面道路の増員が12m未満なら、建築物の容積率は、前面道路の幅員により定まる容積率(前面道路に法定乗数をかけた数値)と、都市計画で定められた容積率(指定容積率)とのいずれか低い方が上限となります。
    したがって、これは問題無し。
  4. 第一種低層住宅専用地域内においては、建築物の高さは10mまたは12mのうち、都市計画において定められた限度を超えることはできません。これを絶対高さ制限と言います。
    したがって、これは問題無し。

不動産の問題(3) 不動産の譲渡

 他人が土地を譲渡したことによる譲渡所得に係る所得税の取り扱いに関する次の記述のうち、もっとも不適切なものはどれか。

  1. 居住の用に供する土地を取得した際に納付した登録免許税及び不動産所得税は、譲渡所得の金額の計算上、取得費に含まれる。
  2. 土地を譲渡する際に直接要した仲介手数料は、譲渡所得の金額の計算上、譲渡費用に含まれる。
  3. 平成22年7月に購入した土地を平成27年10月に譲渡した場合、その土地の譲渡にかかる所得は長期譲渡所得に区分される。
  4. 土地の譲渡に係る譲渡所得は、その所有期間の長短にかかわらず、分離課税の対象となる。

(平成28年1月出題)

解答編

答えは3番です。

順番に見ていきましょう。

  1. 居住の用に供する土地を取得した際に納付した登録免許税及び不動産所得税は、譲渡所得の金額の計算上、取得費に含めることができます。したがって、問題無し。ちなみに取得費とは、譲渡した資産の取得に要した金額(資産の購入代金、仲介手数料、登記費用など)に、その後の設備費、改良費を加算した合計額です。
  2. 土地を譲渡する際に直接擁した仲介手数料は、譲渡所得の金額を計算するうえで、譲渡費用に含まれます。したがって、問題無し。
  3. 土地・建物等の譲渡所得の計算においては、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下か5年超かによって、短期・長期を判断します。この場合、平成22年7月に購入した土地を平成27年10月に譲渡しているので、平成27年1月1日時点で判断することになり、所有期間は5年未満です。この土地の譲渡に係る所得は、短期譲渡所得に区分されます。したがって、これが不適切です。暦の期間で見ると5年経過しているので、うっかり長期と考えてしまわないよう注意しましょう。
  4. 土地の譲渡に係る譲渡所得は、その所有期間の長短にかかわらず分離課税の対象となります。したがって、問題無し。

FPの不動産の勉強では税金が重要です!

FP2級の試験範囲では、「タックスプランニング」と「不動産」は別の分野ではありますが、両者は緊密に絡み合っています。
「不動産」の勉強は不動産のテキスト・問題集だけで勉強するのではなく、「タックスプランニング」と合わせて進めていくようにしましょう。
例えば、「不動産の問題(3) 不動産の譲渡」の問題は、カテゴリとしては不動産ですが、いずれの選択肢も「タックスプランニング」の知識を問うものです。

さらに言うと、タックスプランニングはすべての道に通じています。
保険にしても、金融資産にしても、相続にしても、税金の計算なしに話は進みません。
並行して勉強するというより、まずタックスプランニングから勉強から始め、それから他の分野の勉強に移ったほうが効率的に理解できます。

宅建とFPのダブルライセンスのメリット

不動産関係の相談をしていこうと思っているのなら、FP2級に加えて宅地建物取引士(宅建)の資格も取得しておくと良いです。
FP2級だけしか持っていないのなら、できることは不動産を資産活用するうえでの提案までですが、宅建を持っていれば実際の売買まで含めてお客さまのお手伝いができます。
また信頼性も高まります。
FPとして独立開業するのなら、ダブルライセンス取得も検討しましょう。
ただしその場合は、FP2級ではなくFP1級が必要になります。

逆に、宅建を持っている不動産関連の営業員が、営業スキルのブラッシュアップのためにFP2級を取得するというケースは多くあります。
FP2級があれば、単なる販売だけではない、お客さまの将来にわたる有効な資産運用の手段として、自社製品を販売できるようになるからです。

FPはダブルライセンスと相性が良い

FPは、不動産、金融、保険などさまざまな分野についての提案を行うことができる資格です。
そこにダブルライセンスをつけると、提案にさらなる信頼性をつけることができます。
「FP」+「行政書士」、「FP」+「社会保険労務士」、「FP」+「中小企業診断士」など、バリエーションは多岐にわたります。
FPを勉強してみて、将来関わりたいと思う分野が出てきたら、ダブルライセンスにぜひ挑戦してみてください。

FPとして開業すれば、自分ひとりの力でお客さまを獲得しなければいけません。
その際に重要になるのはやはり信頼性です。
コミュニケーション力つまりセールストークの上手さはもちろん必要ですが、それに加えてその分野に特化した国家資格を持っているということは大きなセールスポイントになります。

不動産業のFP2級勉強法

不動産関係の仕事をしている人がFP2級の試験を受ける際は、不動産に関しては既に専門知識を持っているので、勉強時間を短縮できます。
テキストや問題集を解く必要はないでしょう。
過去問を解き、傾向を把握することで対策は十分です。
ただし先に述べたように、一部、不動産業で扱わない内容も含まれているので、そこは抜け漏れがないようにしておきましょう。

金融資産や保険など他の分野に関しては、一から勉強する必要があるので、初心者と同様の苦労は必要です。

まとめ

不動産の勉強をするにあたっては、不動産そのものの知識に加えて、タックスをどれほど理解しているかが重要になります。
とはいえ、一般になじみのない話題も多く、上の過去問解説で見てきたとおり、パッと読んだだけでは理解しにくい内容も多いかと思います。
覚え方もややこしかったりします。
税金の決まりごとについては、頻出のテーマは丸暗記でも良いので頭に叩き込むようにしましょう。