法人契約の生命保険の経理処理とは?

法人契約の生命保険の経理処理とは?
目次

原則的な経理処理の考え方とは

法人契約の生命保険とは、法人が契約者(保険料負担者)、役員や従業員が被保険者となる生命保険です。支払保険料の経理処理としては、契約形態(保険金受取人)、保険種類、保険料の支払方法により、損金算入が認められるか、資産計上をしなければならないかが異なります。

また、法人税基本通達により特別な経理処理が定められている保険商品もあります。ここではまず、保険料支払い方法を月払い・半年払い・年払いとした場合の、原始的な考え方について紹介します。

原則的な経理処理の考え方とは

保険料の処理内容とは

<貯蓄性のある保険>

保険料受取人
法人 1.資産計上
役員・従業員、または役員・従業員の遺族 2.損金算入

1.の処理内容…積立保険料として、保険金・解約返戻金の受取時まで資産計上し、これらを受け取るときに資産計上額を取り崩します。

2.の処理内容…役員・従業員に対するみなし給与(報酬)として損金算入します。役員、従業員は給与課税の対象となり、所得税・住民税の課税対象となりますが、生命保険料控除の適用を受けられます。

<貯蓄性のない保険>

法人 3.損金算入
役員・従業員、または役員・従業員の遺族 4.損金算入

3.の処理内容…支払保険料等として損金算入します。

4.の処理内容…被保険者が役員・従業員の全員加入であれば福利厚生費として、特定者のみの加入であれば給与(報酬)として損金算入します。福利厚生費が認められる場合は役員・従業員に対する課税はありません。

貯蓄性のある保険とは

満期保険金のある養老保険、年金を受け取れる個人年金保険、解約返戻金(キャッシュバリュー)が蓄積されていく終身保険が該当します。

貯蓄性のない保険とは

いわゆる掛け捨て型の定期保険、医療保険等が該当します。

定期保険特約付終身保険等の経理処理とは

定期保険特約付終身保険等は、保険料を主契約部分と特約部分とに分けて経理処理をします。

<貯蓄性のある保険で受取人が法人の場合(資産計上タイプ)の仕訳(年間保険料1,000,000円の場合)>

借方 貸方
積立保険料 1,000,000円 現預金 1,000,000円

<貯蓄性のない保険で受取人が法人の場合(損金算入タイプ)の仕訳(年間保険料1,000,000円の場合)>

借方 借方
支払保険料 1,000,000円 現預金 1,000,000円

繰越控除に関するよくある質問

いろんな種類の保険に関しての経理処理について、なかなか覚えられません。コツがあれば教えて下さい。

経理処理全般の考え方に共通しているのは、

「保険金の受取人は誰で、誰が得をしているのか」を念頭に置いて頂き、解答するということです。

例えば、ハーフタックスプランの場合、満期保険金の受取人は法人・死亡保険金受取人は役員・従業員の遺族です。この場合、法人・役員/従業員共に得をしています。

したがって、法人が受け取る分の保険金については、最終的に会社の資産となるので、1/2を資産として計上し、役員・従業員が受け取る分の保険金については、会社が役員・従業員のために支出してあげているので、1/2を福利厚生費として計上します。

このように、基本的な考え方としては、誰にとって得だから、どのような計上の仕方になるのかを考え、細かい数字が必要となる部分については、繰り返し過去問を解くことにより、知識が定着いたします。

初めから正答できる方はいません。合格された方は、繰り返し過去問を解くことにより徐々に正答できるようになっています。

損害保険等の保険料の経理処理がわかりません。

損害保険等の保険料の経理処理は、保険金受取人が「法人」か「役員・従業員」、「役員・従業員の相続人」であるかどうかで経理処理が異なってきます。

経理処理の種類としては、まず保険金受取人=法人、とする損害保険があります。

この場合、支払った保険料は、支払保険料として法人は損金算入できます。 役員・従業員は非課税になります。つまり、被保険者である役員・従業員には、給与課税はされません。また、従業員が障害にて、損害保険の保険金を法人が受け取った場合、全額を益金参入しますが、役員・従業員に社会通念上相当な金額を見舞金として支払った場合は、その金額は損金算入します。

また、従業員が死亡し、損害保険の死亡保険金を法人が受け取った場合、全額を益金参入しますが、保険金全額を死亡退職金として従業員の遺族に支払った場合、法人は死亡保険金全額を損金算入します。

次に保険金受取人=役員・従業員またはその遺族、とする損害保険があります。

この場合、支払った保険料は、支払保険料として法人は損金算入できます。 役員・従業員は非課税、ただし役員または特定の従業員のみを対象に契約した場合、給与として所得税の課税対象になります。

また、損害保険の保険金を従業員やその遺族が受け取る場合、障害の保険金だと非課税、死亡保険金だと相続税にて処理をします。

個人と法人の損害保険金の税務処理の違いについて、理解出来てないです。解説をお願いできませんでしょうか。

個人の場合は、ほとんどが非課税です。

生命保険の同じ分野については、生命保険と同じ考え方です。法人が保険金等を受け取った場合は、原則として益金に算入され、法人税の課税対象になります。

ただし、その保険料が資産計上されている場合は、保険金から資産計上した額を差し引くことができます。

また、火災等により事業用の固定資産(建物など)に損害が生じたために 受け取った保険金を、新しい固定資産の取得にあてた場合は、圧縮記帳と呼ばれるしくみを利用することができます。

圧縮記帳は、本来ならば当期に支払うはずの法人税を次期以降に繰り延べて支払うことにより、当期に多額の税金がかからないようにするための制度です。圧縮記帳は、かなりややこしい制度なので、深入りはしないことです。