金融政策とは?|わかりやすくFP解説

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金融政策とは

日本銀行は、物価の安定、持続的な経済成長、国際収支の均衡等を目的として、各種の金融政策により金利やマネーストックを調整しています。このような調整を金融政策といいます。

おもな金融政策として、政策金利操作、支払準備操作、公開市場操作の3つがあります。

金融政策は、日銀の最高意思決定機関である政策委員会が開催する金融政策決定会合で決定され、その内容は、「経済物価情勢の展望(展望レポート)年4回公表」に集約されています。

国際収支とは

国際収支=経済収支+資本収支+外貨準備増減+誤差脱漏

経常収支とは、貿易収支(輸出―輸入)、サービス収支(旅行代金の受払いなど)、所得収支(給与の受払いなど)、経常移転収支(国際機関への拠出金の支払いなど)をいいます。

資本収支とは、投資収支(証券投資・直接投資など)をいいます。

政策金利操作とは

中央銀行(日銀)の金融政策によって操作する対象(目標)となる金利を「政策金利」といいます。政策金利は、国内の様々な金利全てに影響を与えます。

現在の政策金利は無担保コール翌日物レートです。日銀は、無担保コール翌日物の貸し手として資金を供給したり、借りてとして資金を吸収したりすることにより、無担保コール翌日物の金利を操作します。

無担保コール翌日物の金利が上下すれば、それによって資金を調達している民間金融機関の金利負担(調整コスト)は増減するため、住宅ローン等の民間金融機関の貸出金利に影響を与えることになります。

公開市場操作

金融機関が保有している国債を日銀が買えば、日銀はその代金を金融機関に支払うことになり、資金を供給することになります。

つまり、日銀が国債を買い資金供給のためのオペレーション(買いオペ)を行うことで、金融機関の手持ち資金が増えます。市場に流通するお金の量が増えれば、金利の下降要因となります。

逆に、日銀が保有している国債を金融機関に売れば、資金を吸収することになります。つまり、日銀が国債を売り資金吸収のためのオペレーション(売りオペ)を行うことで、金融機関の手もち資金が減ります。市場に流通するお金の量が減れば、金利の上昇要因となります。

公開市場操作の表

支払準備率操作とは

民間銀行は将来の預金の払い戻しに備えて、預金残高の一定割合を準備預金(法定準備金)として日本銀行に預けておかなければなりません。

これを準備預金制度といい、この一定割合を支払準備率(法定準備率)といいます。日銀はこの支払準備率を変更することで市場に流通している資金量を調節しています。

例えば、準備預金制度の準備率を引き上げると、民間銀行の手持ち資金が減少しますから、市場に流通する資金量の減少となり市場金利の上昇要因となります。

一方、準備率を引き下げると、民間銀行の手持ち資金量が増加しますから、市場に流通する資金量の増加となり市場金利の下降要因となります。

支払準備率操作の表

財政政策とは

国や地方公共団体が行う経済活動を「財政」といい、税制や公共投資などの財政によって経済の安定化を図ることを財政政策といいます。

国は公共事業などでお金を使い、景気を良くしようとします。お金が足りなければ国債を発行するため、市場金利が上がり、景気拡大が困難になることもあります。

米国の金融政策とは

米国には単体としての中央銀行は存在せず、中央銀行制度として連邦準備制度(FRS、Fed)があります。連邦準備制度は、連邦準備制度理事会(FRB)、連邦公開市場委員会(FOMC)、連邦準備銀行(地区連銀)によって構成されています。

連邦準備制度理事会(FRB)とは

連邦準備制度を統括し、金融政策を遂行する機関で、一般的には米国の中央銀行(日本における日銀)に相当するものとみなされています。

連邦公開市場委員会(FOMC)とは

FRBが定期的に開催する金融政策の意思決定会合で、日銀の金融政策決定会合に相当します。公開市場操作の方針や、短期金利の指標(日本の無担保コール翌日物レートに相当)であるフェデラル・ファンド・レート(FFレート)の誘導目標を決定します。

連邦準備銀行(地区連銀)とは

FBRの管轄下にあって通貨の発行や民間銀行の監督を行う機関で、全米の主要都市(12地区)に置かれています。

金融政策に関するよくある質問

「日本の経常収支が米国と比較して相対的に悪化することが予想されるとき円安となる」ということの考え方を教えてください。

日本の経済収支が米国と比較して悪化するとは、国際収支が悪くなる(赤字になる)と予想されます。これは、お金が集まらないことにつながり、さらに通貨が下がる(円安傾向となる)ことへとつながると考えていくことができます。

「通貨の価値について長期的にみると、経済成長が高くインフレ率が安定している国や地域の通貨価格の方が、経済成長率が低くインフレ率が不安定な国や地域の通貨の価値よりも高くなる傾向がある。」ということの考え方を教えて下さい。

一般的に、経済成長率が高くインフレ率が安定している国や地域のほうが、経済成長率が低くインフレ率が安定していない国や地域よりも、リスクが小さく海外から資金が流れやすいので、経済成長率が高くインフレ率が安定している国や地域は長期的に通貨の価値が高くなる傾向があります。

つまり、どこかの国に投資をしたいと考えた場合、経済成長率が高い国に投資すれば高い投資収益が期待できるので、その国の通貨は買われやすくなります。ただし、見た目の経済成長率が高くてもインフレ率が高ければ、実質的な収益率が高いとはいえないので、インフレ率も重要です。

為替相場の変動要因は、各国の経済成長率、インフレ率、国際収支、原油価格、需要と供給の関係、政策要因などがあります。つまり、様々なことが要因となって日々変動しています。

したがって、ご質問いただいた問題はひとつは購買力平価説から為替相場をみた場合の考え方ひとつは経済成長率から為替相場をみた場合の考え方、となります。

「支払準備率」のイメージができません。説明してください。

銀行は、預金者から預かった預金を運用や貸出しに回して受け取る利息や運用益で、もうけを捻出しています。

しかし、預金者から預かった預金をすべて運用や貸出しに回してしまうと預金者の払い戻しの要求(=引き出し)に応じられないことになります。

そこで、そのような事態にならないように預金残高の一定割合を預金の支払い準備(=準備預金)として日本銀行の当座預金に無利子で預けておかなくてはいけないというルールがあります(=準備預金制度)。

この際の一定の割合を法定準備率といいます。(支払準備率ということもあります)

そして、法定準備率を変更することを支払準備率操作と言っています。

この率が変更されることにより、各銀行が強制的に日本銀行に預ける金額が変わりその結果、自分の手元で自由に使えるお金が増えたり減ったりすることになります。

ちなみに、日本銀行は、我々が日常生活で利用する銀行の銀行です。

したがって、法定準備率が引き上げられると、銀行は今までより多くの資金を日本銀行に預ける必要になるため、銀行全体でみると、貸出しや運用に回せるお金が減ることになり、資金は不足傾向になります。

いっぽう、法定準備率が引き下げられると、銀行における資金は余ることになり、銀行としては運用や貸出に回せるお金が増えることになります。

これらのことがどのように我々の生活に影響するのかというと銀行の手持ちの資金が増えると、我々消費者にお金を貸すときの貸出金利が低下傾向になりやすくなります。銀行の手持ちの資金が減ると、我々消費者にお金を貸すときの貸出金利が上昇傾向になりやすくなります。