損害保険の種類や基礎用語とは?|わかりやすくFP解説
更新日:2019年12月6日
損害保険の種類とは
損害保険は、補償対象によって物保険、人保険、賠償責任保険、その他の保険に分類されます。
物保険とは
偶発的な事故を原因とする、物に対する損害を補償する保険をいいます。
例)火災保険、自動車保険(車両保険)、盗難保険など
人保険とは
人に対する損害を補償する保険をいいます。
例)各種損害保険など
賠償責任保険とは
偶発的な事故により負った法律上の賠償責任を補償する保険をいいます。
例)個人賠償責任保険、自動車保険(対人賠償保険、対物賠償保険)など
その他の保険とは
上記3つの補償対象以外のものを補償する保険をいいます。
例)火災利益保険、信用・保証保険など
損害保険の基礎用語とは
契約者とは
保険会社と保険契約を締結する人をいいます。保険料支払義務がある一方、保険契約にかんする権利をもちます。
被保険者とは
事故が発生して損害を受けたときに、保険契約に基づいて保険金の支払いを受ける人をいいます。または保険の対象となる人をいいます。
保険金額とは
保険契約における契約金の金額で、事故によって損害が発生した場合の支払限度額をいいます。
保険金とは
損害が発生したときに保険会社が被保険者に支払うお金をいいます。
保険期間とは
保険会社が責任を負う期間をいいます。
保険料とは
契約者が、保険契約に基づいて保険会社に支払うお金をいいます。
被保険利益とは
あるものに偶然な事故が発生することにより、ある人が被害を受ける恐れがある場合に、そのある人とあるものとの間にある利害関係を被保険利益といいます。
損害保険契約は、損害に対し保険金を支払うことを目的とするので、その契約が成立するためには非保険利益の存在が前提となります。
保険の目的とは
保険契約の対象となるものをいいます。
例)建物、家財、車など
時価額とは
同質の物を新たに購入するために必要な金額(再調達価額)から、使用による消耗分を控除して算出した金額をいいます。
保険価額とは
被保険利益を金銭に評価した額をいいます。物保険では、通常時価となります。
再調達価額とは
事故によって失われた保険の目的と同一のものを新たに入手するために必要な金額をいいます。
異動とは
保険契約を締結した後、危険の状況等が変わった場合に、契約者の請求に基づき契約条件を裏書きにより変更することをいいます。
解約とは
保険契約締結後、保険契約者の請求により、現存契約の効力を将来に向かって消滅させることをいいます。
解除とは
契約当事者の一方の意思表示によって、契約の効力を遡及的に消滅させることをいいます。
失効とは
保険契約が効力を失い終了することをいいます。
告知義務とは
契約の際に、契約者が保険会社に知っている事実を告げることをいいます。また、事実でないことを告げたりしないことも含みます。
通知義務とは
契約後、その契約内容に重要な変更が生じたときに、遅滞なく保険会社に通知することをいいます。
過失相殺とは
損害賠償額の算出にあたり、被害者にも過失が認められる場合、被害者の過失部分を加害者の負担すべき損害賠償額から差し引くことをいいます。過失割合は、事故当時の責任割合となります。
実損てん補とは
事故によって損害が生じたとき、保険金額を限度として実際の損害額の全額を保険金として支払うことをいいます。
比例てん補(比例支払い)とは
保険金額が保険価額を下回っている一部保険の場合には、保険金額の保険価額に対する割合で保険金が支払われる方法をいいます。
免責金額とは
自己負担額のことをいいます。一定金額以下の小損害については、契約者または被保険者が自己負担するものとして設定する金額をいいます。
免責条項とは
保険金を支払うことができない場合について定めた条項をいいます。
損害率とは
収入保険料に対する支払った保険金の割合をいいます。
重複保険とは
同一の非保険利益について、保険期間の全部または一部を共通する複数の保険が存在する場合を広義の重複保険といい、また、複数の保険契約の保険金額の合計額が再調達価額または時価(額)を超過する場合を狭義の重複保険といいます。
損害保険の種類や基礎用語に関するよくある質問
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医療保険と医療費用保険の違いがよく分からないので教えて欲しいです。
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医療保険は、公的医療保険を利用するか否かにかかわらず、契約時に定められた定額の入院給付金等が支払われるものです。
一方、医療費用保険とは損害保険会社が販売している実損てん補型の保険です。
簡単に説明しますと、怪我や病気なので病院に入院した時にかかった治療費のうち、公的医療保険制度の下で支払われない部分に対して保険金が支払われる保険です。
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「住宅の時価(保険価額)が2,000万円、保険金額が1,500万円で、時価2,000万円の住宅が半焼し、損害額が1,000万円」という事例の場合の比例てん補払いの金額の求め方を教えてください。
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損害保険金=損害額×保険金額(分母が上限)÷保険価額となっています。
しかし、この計算式の次の行に「住宅総合保険」や「住宅火災保険」の場合は、分母の金額を「保険価額×80%」と置き換えて計算することとなっています。
以上のことから考えると、上記のような事例の場合、分母の金額は「保険価額×80%」として算出することとなるため、
損害保険金=(損害額)1,000万円×(保険金額)1,500万円÷{(保険価額)2,000万円×80%}
これを計算すると937.5万円になります。
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定期保険特約付終身保険の更新型は、
「一定期間原則として診査や告知不要で更新することができる」のか「更新型の更新の際の保険料は、当初の契約時の年齢や保険料で保険料が計算される」のか、どちらの解釈が正しいのでしょうか。
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更新型は、更新するたびに、更新時の年齢で保険料が再計算されます。つまり、更新するたびに保険料がどんどん高くなっていくわけです。
また、更新時には、被保険者の健康状態に関係なく、更新することができます。 (新規に加入するわけではないので、健康状態は問われません)
金山浩晃(かなやま ひろあき)
合格の先をイメージして!
【出身】埼玉県
【趣味】NFL(アメフト)観戦、カフェ巡り
【座右の銘】雲外蒼天