令和2年度 行政書士試験の解答速報・試験講評

2020/11/08

解答速報

11月8日(日)に実施されました、令和2年度 行政書士試験の解答速報を公開いたします。

問1 問2 問3 問4 問5
1 4 1 5 2
問6 問7 問8 問9 問10
5 4 5 1 2
問11 問12 問13 問14 問15
3 1 3 1 2
問16 問17 問18 問19 問20
3 4 2 3 4
問21 問22 問23 問24 問25
5 1 5 5 1
問26 問27 問28 問29 問30
1 4 4 3 3
問31 問32 問33 問34 問35
5 5 2 2 4
問36 問37 問38 問39 問40
2 1 5 4 1
問41 (ア) (イ) (ウ) (エ)
20 8 17 1
問42 (ア) (イ) (ウ) (エ)
4 9 16 6
問43 (ア) (イ) (ウ) (エ)
11 18 5 10
問44
Xは、本件組合を被告として、本件換地処分を対象とする、無効等確認の訴えを提起すべきである。(45字)
問45
Bが、Cの詐欺について悪意又は善意有過失であるときは、Aは契約を取り消すことができる。(43字)
問46
信義則上、登記の欠缺を主張する正当な利益を有しない者であるが、AC間の売買契約は有効だから(45字)
問47 問48 問49 問50 問51
3 2 3 5 3
問52 問53 問54 問55 問56
3 4 3 3 2
問57 問58 問59 問60  
5 4 2 1  

試験講評

1. はじめに

令和2年11月8日(日)に、令和2年度行政書士試験が実施されました。受験された方は、本当にお疲れ様でした。

例年通り、全部で60問、55ページに及ぶ長い試験ですが、ここで簡単に今年の試験問題を振り返ってみたいと思います。

2. 基礎法学(問題1~2)

基礎法学は、例年通り2問の出題でした。

問題1については、裁判以外の紛争解決に関する出題です。最初の問題としては、割と無難な問題だと思いました。
次に、問題2は、簡易裁判所の問題です。少し難しい問題でした。自信をもって、選択肢を選ぶのは難しかったかもしれません。

3. 憲法(問題3~7、多肢選択式 問題41)

まず、択一式ですが、例年通り5問の出題でした。

まず、総論として、昨年に比べると易しい印象です。その意味では、例年並みか例年よりも少し難しいという印象です。
次に、多肢選択式問題については、例年通り1問の出題でした。立候補の自由の判例からで、少しマイナーな分野だったと思います。

昨年、難しいと感じた憲法ですが、今年は少し落ち着いて例年並みか例年より少し難しいという難易度でした。

4. 行政法(問題8~問題26、多肢選択式:問題42・問題43、記述式:問題44)

まず、択一式ですが、例年通り19問でした。
スタートの問題8は、法律による行政の原理という、知っているけれども馴染みの薄い分野だったので、少し驚いたのではないでしょうか。

それから、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法については、例年並みの難易度であったと思います。

次に、地方自治法ですが、問題24の住民訴訟は頻出ですが、問題22、23は手薄な分野だったと思います。

最後に、問題10、問題25は、イレギュラーな出題ですので、混乱を誘う地雷問題だと思います。

多肢選択式は、例年通り問題42と問題43の2問の出題でした。

内容は、問題42については、行政手続法に関する出題、問題43は国家賠償からの出題でした。内容は、問題42は正解できた方も多かったと思いますが、問題43は難しいと感じた方が多いと思います。

記述式については、例年通り問題44の1問が出題されました。昨年に続いて、今年も行政法の記述式は難しい問題でした。

全体としては、難しい問題やイレギュラーな出題は散見されるものの、条文や著名な判例を学習しておけば得点ができる分野だという印象です。ここ数年の傾向からしても大きな変更はないと思います。

5. 民法(問題27~問題35、記述式 問題45、問題46)

まず択一式ですが、例年通り9問の出題となります。

民法は、今年も難しかったと思います。
スタートの総則からは、制限行為能力者という比較的得点しやすい分野でしたが、それ以降は、マイナー論点が続きました。

今年の民法は苦戦された方が多かったと思います。
記述式については、例年通り問題45、問題46の2問が出題されました。
まず、問題45についてですが、第三者の詐欺の出題となっています。こちらは、条文知識で対応が可能な問題ですが、問題の読み方に苦労した方も多いと思います。錯誤の可能性もあると思いますが、問題文の記述から第三者の詐欺を選択したほうが無難かと思います。
次に、問題46ですが、これも難しかったです。

今年の民法は、かなり厳しい闘いだったと思います。

6. 商法・会社法(問題36~問題40)

商法・会社法は、例年通り5問の出題となります。

まず、問題36は例年通り、商法からの問題です。
次に、会社法からは、設立、株式から各1問、機関1問、その他から1問となりました。

今回も、昨年に続いて商法・会社法の分野は、比較的平易な内容だったのではないかと思います。

7. 一般知識(問題47~問題60)

一般知識については、まず、例年通り、問題58から問題60までは文章理解の分野からの出題でした。

次に、情報通信・個人情報保護の分野ですが、問題55で情報通信用語、問題56で行政機関個人情報保護法、問題57は個人情報保護法に関する出題があり、オーソドックスな流れでした。
また、一昨年、昨年と連続して出題があった、行政書士業務と関連の深い内容の出題は見受けられませんでした。

その他の政治・経済・社会については、普通選挙、フランス人権宣言、日本の国債、子ども・子育て等、過去問でも頻出分野からの出題だったと思います。

8. 結語

法令科目については、まず、択一式については、一昨年よりも、また昨年よりも難しい印象でした。
特に、民法と各科目のマイナー論点からの出題によって、全体の難易度が高く感じます。

例年、比較的得点し易い多肢選択式も、3問中2問は難しい印象を持ちました。さらに、記述式も同様に厳しい内容です。

最後に、一般知識分野ですが、こちらは従来の過去問の傾向に合致する内容であったと思います。今後も、あまりむやみに手を広げず、過去問の傾向を探りながら学習することが肝要だと思いました。

以上で、講評を終わります。

受験生の皆様、本当にお疲れ様でした。


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