令和3年度 行政書士試験の解答速報・試験講評

2021/11/14

解答速報

11月14日(日)に実施されました、令和3年度 行政書士試験の解答速報を公開いたします。

問1 問2 問3 問4 問5
5 5 4 2 3
問6 問7 問8 問9 問10
4 5 4 1 2
問11 問12 問13 問14 問15
1 3 3 3 1
問16 問17 問18 問19 問20
2 3 4 4 1
問21 問22 問23 問24 問25
1 2 5 5 3
問26 問27 問28 問29 問30
2 2 4 5 3
問31 問32 問33 問34 問35
3 5 4 5 4
問36 問37 問38 問39 問40
3 4 4 1 1
問41 (ア) (イ) (ウ) (エ)
20 13 19 16
問42 (ア) (イ) (ウ) (エ)
6 1 12 2
問43 (ア) (イ) (ウ) (エ)
9 17 13 6
問44
行政指導に該当し、A大学は、文部科学大臣に対して、当該勧告の中止等を求めることができる。(44字)
問45
Cが、本件代金債権の譲渡制限の意思表示を知り、又は重大な過失によって知らなかった場合。(43字)
問46
原則としてBが負い、Bが損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、Aが負う。(41字)
問47 問48 問49 問50 問51
4 2 2 1 3
問52 問53 問54 問55 問56
2 5 4 3 3
問57 問58 問59 問60  
5 5 2 3  

試験講評

1. はじめに

令和3年11月14日(日)に、令和3年度行政書士試験が実施されました。受験された方は、本当にお疲れ様でした。

例年通り、全部で60問、55ページに及ぶ長い試験ですが、ここで簡単に今年の試験問題を振り返ってみたいと思います。

2. 基礎法学(問題1~2)

基礎法学は、例年通り2問の出題でした。

問題1については、刑法理論に関する出題です。例年通り、最初の問題らしく受験生の意表をつく内容だと思います(事前準備ができないという意味で)。
次に、問題2は、法令の効力の問題です。こちらは、基本的な知識問題ですので、正解した方が多かったのではないかと思います。

3. 憲法(問題3~7、多肢選択式 問題41)

まず、択一式ですが、例年通り5問の出題でした。

まず、総論として、昨年と同じ程度の難易度という印象です。その意味では、例年並みか例年よりも少し難しいという印象です。
次に、多肢選択式問題については、例年通り1問の出題でした。裁判員制度の判例からで、テキストにも記載がある判例ですので正解できた方が多いのではないかと思います。

4. 行政法(問題8~問題26、多肢選択式:問題42・問題43、記述式:問題44)

まず、択一式ですが、例年通り19問でした。
スタートの問題8は、法の一般原則に関する著名な判例からの出題でしたので、消去法で正解できたと思います。

しかし、その後の問題9、問題10は難易度が高く、ここで挫折しそうになった方もいたかもしれません。

さらに、終わりの問題24から問題26の3問も難しい問題を固めておいてありました。この辺りは、精神的にも苦しいところです。

しかし、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法については、例年並みの難易度であったと思います。

その意味では、難易度の高い問題はありましたが、全体の印象としては平易であったと思います。

多肢選択式は、例年通り問題42と問題43の2問の出題でした。

内容は、問題42については、新型コロナに関する出題、問題43は行政手続法からの出題でした。

記述式については、例年通り問題44の1問が出題されました。今年の行政法の記述式は、条文問題ということで比較的易しい問題でした。

全体としては、難しい問題やイレギュラーな出題は散見されるものの、条文や著名な判例を学習しておけば得点ができる分野が中心という印象です。ここ数年の傾向からしても大きな変更はないと思います。

5. 民法(問題27~問題35、記述式 問題45、問題46)

まず択一式ですが、例年通り9問の出題となります。

民法は、今年も難しかったと思います。
スタートの意思表示から、マイナー論点が続きました。その意味で、今年の民法は苦戦された方が多かったと思います。

記述式については、例年通り問題45、問題46の2問が出題されました。
まず、問題45についてですが、債権譲渡の出題となっています。こちらは、条文知識で対応が可能な問題です。

次に、問題46ですが、これも不法行為における占有者と所有者の責任を知っていれば書ける条文問題です。

その意味では、記述式は少しできた方が多いのではないかと思います。
いずれにしても、今年の民法は、精神的にもかなり厳しい闘いだったと思います。

6. 商法・会社法(問題36~問題40)

商法・会社法は、例年通り5問の出題となります。

まず、問題36は例年通り、商法からの問題です。
次に、会社法からは、設立、株式から各1問、機関1問、その他から1問となりました。

今回は、商法・会社法の分野は、比較的難しい内容だったのではないかと思います。

7. 一般知識(問題47~問題60)

一般知識については、まず、例年通り、問題58から問題60までは文章理解の分野からの出題でした。

次に、情報通信・個人情報保護の分野ですが、問題55で情報通信用語、問題57で行政機関個人情報保護法でした。ここ最近は、この分野の出題が減少傾向にあると思います。

その他の政治・経済・社会については、時事を反映した出題が目立ちました。新型コロナ、オリンピック、エネルギー政策、自動運転などがその例です。

8. 結語

法令科目については、まず、択一式については、ここ数年の平均値という印象でした。もしくは、少し易しいかもしれません。

最近の傾向として、民法と各科目のマイナー論点からの出題によって、全体の難易度が高く感じます。

例年、比較的得点し易い多肢選択式も、3問中1問は難しい印象を持ちました。 しかし、反面、記述式については、近年の中では易しい印象です。

最後に、一般知識分野ですが、こちらは従来の過去問の傾向に合致する内容であったと思います。文章理解を核として、全体の難易度が下がり、基準点に届かない方は大幅に減少する傾向にあると見受けられます。今後も、あまりむやみに手を広げず、過去問の傾向を探りながら学習することが肝要だと思いました。

以上で、講評を終わります。

受験生の皆様、本当にお疲れ様でした。


行政の解答速報・試験講評一覧

  • ※解答速報はフォーサイト独自のものであり、正解を保証するものではありません。また、情報を予告なく更新することがあります。
  • ※解答速報・試験講評に関するご質問はお受けしておりませんので、予めご了承ください。
  • ※この解答速報・試験講評の著作権は株式会社フォーサイトが有し、無断転載及び無断転用を禁じます。