組織行動論とは何か?会社でリーダーシップや組織マネジメントを発揮するために重要

組織行動論

「組織行動論って何?」「学ぶとどんな役に立つの?」などと気になっていませんか。これは会社でリーダーシップを発揮したり、組織をマネジメントしたりするうえで大切です。会社ではチームワークが求められるので、組織行動論を勉強しておくと現場で役立つでしょう。

今回は組織行動論を学びたい人のために、その基本的な定義をまとめました。この記事を読めば、仕事でチームワークがうまくいくヒントを学べるでしょう。

目次

組織行動論とは何か?

まずは組織行動論の基本的な意味を知りましょう。もともとは組織内における人間の行動を研究する学問です。心理学や社会学など、さまざまな学問的ジャンルが絡みます。組織行動論は人間の行動がグループに与える影響や、組織を向上させるための人間の動かし方を調べる分野です。

組織内での人間の行動を研究する学問

組織行動論は簡単にいうと、組織における人間の行動を調べます。行動を通して、結果だけでなく要因を明らかにするのです。ここから人間を社会で正しく行動させる方法や、組織の動かし方などを議論します。

それまで特定の組織と関係なかった人が加わったら、何が起きるかを予測する分野でもあるのです。たとえば特定の誰かが入社や転職してきたことで、会社の雰囲気が変わることもあるでしょう。組織行動論では、その雰囲気が変わった要因を人間の行動に求めます。

行動を研究する目的は組織内で望ましくない行動を減らし、望ましい行動を増やす制御方法を提案するためでもあります。グループの成長のために行動を問うのが組織行動論です。

3つのテーマ「説明」「予測」「統制」

組織行動論には3つのテーマがあります。「説明」「予測」「統制」です。3つのどれかに着目し、組織に影響を与える行動の原因や結果を調べます。

説明は組織の成功や失敗の要因を調べます。ここから潜在的な問題や解決法を明らかにするのです。

予測は特定人物がかかわることで、その人や組織全体への影響を見ます。新しいメンバーを招くときに、その人がもたらしそうな結果を調べるのです。

統制は研究結果に基づいて、組織が正しい方向へ動くように働きかけることです。たとえばスポーツのチームでは、新しい監督が組織を導くためのアイデアが組織行動論とされます。

説明、予測、統制の3つを通し、組織を正しい方向へ導こうとするのが組織行動論です。

組織行動論にはさまざまな学問的ジャンルが絡む

組織行動論には、さまざまな学問が関係します。たとえば人間の行動に着目している点は、心理学的アプローチです。組織のあり方を調べている点では、社会学的要素もあるでしょう。社会構造や機能などに組織が影響を受け、またその動きが社会に影響を与えるからです。

他にも企業が研究対象になることから、経営学にも当てはまります。組織の行動が収益の増減に影響するので、経済学的なアプローチも可能です。このように組織行動論ではさまざまな角度から、組織における人間の行動を研究します。

なぜ社会人は組織行動論を学ぶべきか?

社会人として活躍するには、組織行動論が重要になります。その必要性を裏づける3つのポイントを覚えましょう。企業を良い方向へ導くため、別の人の立場に立って考えるため、さまざまな視点を得るためです。それぞれの詳細を見ていきましょう。

組織行動論の力で企業を良い方向へ導くため

組織行動論の考え方があれば、企業を良い方向へ導けます。特定集団の行動原理を理解するためです。グループで起きている問題を見つけ、解決方法を提案することで、より良い方向を目指します。たとえば会社の士気が今ひとつ上がらなかったり、失敗が多くなったりしたときは、原因を分析して業務内容を改善してあげましょう。

このように原因と結果を考えて取り組みは、組織の向上のために常に重要です。生産性や売上、社内の雰囲気を良くしたいと思ったら、組織行動論的なアプローチが役に立つでしょう。集団を知り、正しい方向に導くためには、原因や解決法を論理的に見出すべきです。

別の人の立場に立って考えるため

組織行動論的アプローチは、別の人の立場に立って考える役割もあります。自分だけでなく相手の行動や気持ちも分析し、その人たちが働きやすいようにサポートするべきだからです。こうした取り組みが社内の雰囲気を良くさせます。

たとえ自身が別の部署でマネジメントを成功させた実績があっても、新しい部署で今と同じ方法が通用するとは限りません。たとえば経理や営業では求められる仕事が違うため、部署に集まりやすいタイプも異なります。各グループの事情に合わせて、マネジメントを変えなければいけません。

部署の実態を把握するには、その組織の背景や事情を学びましょう。背景をベースに正しい方向へ導く方法を学び、実践することが重要です。

組織で成功するにはさまざまな視点が必要

組織で成功するにはさまざまな視点が必要です。正しい視点を手に入れる訓練も、組織行動論的アプローチの役割です。

たとえば会社のチームワークが悪い原因もさまざまです。役割分担がはっきりしていなくて混乱しているグループもあるでしょう。特定の個人が和を乱しているだけで雰囲気が悪くなるケースもあります。

こうした背景を踏まえてチームワークが悪い原因だけでなく、どうすれば良くなるかを分析しましょう。分析結果を示したうえで、最終的な解決法を話し合うのも組織行動論的なマネジメントです。

組織行動論の代表例1「モチベーション理論」

組織行動論のひとつがモチベーション理論です。人には正しい行動へ進むための原動力を要します。モチベーションには自発的な「ドライブタイプ」と受動的な「インセンティブタイプ」があります。相手によってアプローチが違うので、両方学びましょう。

人には正しい行動への原動力が必要

社内の人間には正しい行動への原動力が必要です。それがモチベーションになります。モチベーション理論は、心理学的観点から人間のやる気をコントロールするのが目的です。

個人や組織という複数のポイントから、特定人物の心理状態を研究します。そこから問題を抱えている相手に対し、自身がモチベーション向上のためにできることを見出しましょう。

向上心や探求心が芽生えて仕事に前向きになる「ドライブタイプ」もいれば、労働環境や報酬などの外的要因でやる気になる「インセンティブタイプ」もいます。正しい行動へ進むきっかけは人それぞれなので、個別の考えに向き合ってあげましょう。

個人の気持ちで行動につなげる「ドライブタイプ」

ドライブタイプは、個人の気持ちで正しい行動に動くタイプです。向上心や好奇心、探求心などがモチベーションのきっかけになります。

自身の内側から湧いたエネルギーが原動力なので、心理学的には「内的動機づけ」と呼ばれます。相手の好きなものや、仕事で果たしたい野望などを聞き出し、それを叶えるためのマネジメントをしてあげましょう。

経営者や上司は部下の望みに耳を傾け、適切にサポートしてあげることが大切です。内的動機づけの成功は、組織の活動力を上げるきっかけのひとつになります。

報酬や条件で行動が決まる「インセンティブタイプ」

インセンティブタイプは報酬や条件で行動が決まるタイプです。主な要因には高い給料、恵まれた労働環境などが当てはまります。これらを満たしていることで、安心して働けるという人も多いのです。

このように外的要因に精神状態が影響を受けるので「外的動機づけ」と呼ばれます。社内の雰囲気を変えたいと思い、問題点をアンケートで取ってみたら「オフィス内のニオイが気になる」「仕事量の割に給料が安いのではないか」という答えが目立つかもしれません。

こうした問題を解決するには、外的動機づけとして労働環境の変化が挙がります。環境に敏感な人のために、経営者や上司は部下の働き方や社内ルールを見直してあげましょう。

組織行動論の代表例2「リーダーシップ理論」

次はリーダーシップ理論です。組織の成功のためにリーダーがどう動くべきかを研究します。ここでも「オーセンティック・リーダーシップ」と「サーバント・リーダーシップ」の2種類に分かれるのが特徴です。それぞれの違いを見ながら、理論を学びましょう。

組織が成功するためにリーダーがどう動くべきかを研究

リーダーシップ理論とは、組織成功のためにリーダーの正しい行動を研究する分野です。リーダーシップとは指導力や統率力を意味します。一方でリーダーについていく側は「フォロワー」と呼ばれ、お互いの信頼関係が重要です。

目標や目的を果たすためには、個人を動かすリーダーが頼れなければいけません。間違ったマネジメントばかりしているリーダーは、組織内での不平不満も多く、最終的には解散につながる可能性もあります。

リーダーシップにも「オーセンティック」「サーバント」の2タイプがあり、リーダーの性格や組織のあり方によって正しい方が違います。いずれにしても組織の事情を尊重しながら、成功へ引っ張っていく存在が大切です。

自身の価値観にもとづいた「オーセンティック・リーダーシップ」

「オーセンティック・リーダーシップ」は、自身の考えをベースにチームを引っ張るタイプです。リーダーの中に確固たる考えがあり「自分について来てほしい」という信条になります。

オーセンティック型はとくに倫理観を重視します。協調性を重んじたり、不正を徹底的に許さなかったりする方針が多いでしょう。「正しい方向へ動き続ける組織には、統率者の揺るぎない考えが必要だ」という思想が、リーダーシップを支えるのです。

リーダーの考えが組織のあり方にマッチしていれば、フォロワーも慕いやすいでしょう。揺るぎない考えで組織を引っ張るやり方が、オーセンティック・リーダーシップです。

部下と協力し合う「サーバント・リーダーシップ」

サーバント・リーダーシップは、組織を引っ張るよりも、フォロワーと協力し合うことに重点を置きます。上の立場にいながらも、部下とともに目標へ向かって歩いていくイメージでしょう。

部下とのチームワークを尊重することがサーバント型の特徴です。組織としてのビジョンを示す点はオーセンティック型と同じですが、相手の気持ちに寄り添い、ともに考えながら進む人間像が浮かぶでしょう。

サーバント型には「組織が正しい方向へ動くには、リーダーとフォロワーの信頼関係が必要」という考えが根底にあります。部下の意見を聞きながら解決法を見出すことで、成長する組織もあるのです。

組織行動論の実践例4つ

組織行動論をイメージしていただくため、実践モデルを4つ紹介します。それぞれをチェックして、実際の現場に役立ててみましょう。

コンセプトを決める

企業では新製品やプロジェクトのコンセプトを決める場面が多いといえます。このとき従業員からのヒアリングを徹底しましょう。これはサーバント・リーダーシップの実践例になります。

ポイントはメインの客層やリピーターにありがちなタイプ、売上上位の商品などを従業員から聞き出すことです。地道な顧客調査の結果、主力商品とメインターゲットを決められるでしょう。

サーバント・リーダーシップは現場の実情や、フォロワーの心情をくみ取るのが仕事です。コンセプトを決めるときは、周囲の声に耳を傾けてみましょう。

内部不正を徹底的に防ぐ

組織行動論は、内部不正を防ぐ取り組みでも重要です。毎年世界中で、企業の内部不正が問題になっています。これは「オーセンティック・リーダーシップ」が解決しやすいでしょう。

リーダーは不正の原因になりえるものを突き止め、情報持ち出しや流出などの対策を強化するものです。不正のきっかけを減らすだけでなく、厳罰の明文化も考えられるでしょう。

オーセンティック・リーダーシップは倫理観を重んじるので、不正防止では重要になります。

職場環境を改善する

職場環境の改善は、モチベーション理論の実践で重要です。これにより人のやる気が上がれば「外的動機づけ」の成功です。

社内で労働環境に関するネガティブな話を聞いたとき、すぐに行動しましょう。きれいな空気を守るべく空気清浄機を取り入れたり、トイレのにおいが気になるときは掃除したりするのが好例です。

職場環境はモチベーションへの影響が大きいので、外的動機づけを存分に生かしましょう。

小さな成功体験を積ませる

フォロワーに小さな成功体験を積ませることは、内的動機づけとして有用です。小さな目標を定期的に決めて、成功すれば褒めてあげましょう。この積み重ねが社員に対し、ここで働き続けたいと思わせられます。

フォロワーが壁にぶつかったときは、サポートしつつも自力での解決を促してください。そうしているうちにフォロワーは目標作りと達成が習慣づけられ、労働環境においてやるべきことを自分で考えるようになります。以上が果たされれば、内的動機づけは成功です。

中小企業診断士では組織行動論を学ぶ必要がある

中小企業診断士では、企業経営理論という科目で組織行動論が出ます。モチベーション理論やリーダーシップ理論に加え、集団のダイナミクスも勉強しなければなりません。

企業の成長戦略やそれに向けたアドバイスをするとき、組織行動論がよく絡みます。資格勉強だけでなく、実務でも大きくかかわるポイントです。

フォーサイトでも中小企業診断士通信講座で、組織行動論の攻略法を教えます。資格を取りたいと思ったら、ぜひご注目ください。

まとめ

社会組織の中で成功するには、組織行動論を学びましょう。チームワークを良くしたり、働きやすい雰囲気にしたりするために大切だからです。

中小企業診断士のように、組織行動論が問題として出る資格もあります。それほどまでに社会的に重要視されている学問です。これを機に勉強を進め、仕事の現場で実践してみるとよいでしょう。