中小企業診断士は独学で合格できる?独学で合格するポイントも解説

中小企業診断士は独学で合格できる?独学で合格するポイントも解説

中小企業の経営相談などを受け、適切なアドバイスを行う中小企業診断士。近年受験者数も多い人気の資格です。

そんな中小企業診断士試験は独学でも合格できるのか?

この点に注目して行きたいと思います。独学で合格を目指すのに必要な勉強時間や、独学で目指す際に注意すべきポイントなどを紹介していきたいと思います。

目次

中小企業診断士試験は独学でも合格できるか?

まずは中小企業診断士試験の難易度に関して簡単に説明しておきましょう。ただし、ここで「簡単だ」、「難しい」と断じたところでその難易度は伝わりにくいかと思います。そこで実際の数字から難易度を紹介していきましょう。

中小企業診断士試験の難易度目安
過去10年平均合格率 一次試験 27.1%
二次試験 19.1%
推定偏差値 67
推奨勉強時間(独学) 一次試験 800~1,000時間
二次試験 200~400時間

中小企業診断士試験は一次試験と二次試験で行われます。それぞれの過去10年の合格率は上の表の通り。この2つの数字を見る限りそこまで難易度が高くはないと感じるかもしれません。

続いて推定偏差値ですが、これはあくまでも合格率などから想像できる目安の数値です。偏差値67というと、大学受験で考えれば早稲田・慶応・上智大学といった一流私立大学のレベル。

さらに独学で目指す場合の勉強時間は、1,000~1,400時間。資格試験の中ではかなり長い勉強時間を要するレベルです。

これらの数値から考えると、中小企業診断士試験は独学でも目指すことは可能な範囲と考えることができます。

実際に独学で中小企業診断士試験に合格したという方もいらっしゃいますので、不可能ではないといっていいでしょう。

不可能ではないが難易度は高い

中小企業診断士は独学でも合格を目指せるレベルの資格です。ただしそれは「不可能ではない」というだけであり、決して簡単ではありません。

上でも紹介した通り、大学受験で考えれば一流私立大学レベルの難易度ですから、一般的には塾や予備校などに通って合格を目指すレベルといえます。

合格率に関しても、一次試験・二次試験の数字を見るとそこまで難易度は高くないという印象を持たれるかもしれませんが、この一次&二次試験に1度の挑戦で両方合格しようと考えるとその合格率は7.7%程度。1割に満たない合格率となります。

中小企業診断士試験に独学で挑戦し合格できるという方はある程度限られていると考えていいでしょう。

中小企業診断士を独学で目指すのに向いている方の特徴

独学で中小企業診断士試験合格を目指すのはかなり険しい道ということになります。それでも独学で合格した方がいるということは、独学で目指すのに向いている方がいるということ。

では、どんな方が独学での挑戦に向いているかという点に注目していきましょう。

毎日地道な努力を続けられる方

上でも紹介した通り、中小企業診断士試験に合格するために必要な勉強時間は1,000~1,400時間。仮に1,400時間で計算した場合、1年間の勉強期間で合格するのであれば、1日平均4時間の勉強時間が必要になります。

1日4時間の勉強時間というのは、社会人の方や専業主婦(主夫)の方にとっては到底確保できるレベルではありません。仮に社会人の方が仕事のある平日に2時間の勉強時間を確保した場合、土日は9時間ずつ勉強しないと追いつけません。

この予定を1年間継続するのは現実的ではなく、実際に中小企業診断士試験を独学で目指す方は1年以上、できれば2年間程の勉強期間が必要ということになります。

問題はその長期間勉強をし続けなければいけないという点。それができるという方は、地道な作業を黙々と続けることができる根気のある方ということになるでしょう。

ほかの資格試験に独学で合格した経験のある方

独学で中小企業診断士試験を目指すには多くの勉強時間が必要です。この勉強時間を短縮できる方も独学に向いている方といえるでしょう。

ではどのようにして勉強時間を短縮するのか。これは勉強効率を上げるしかありません。どうすれば勉強効率を上げることができるか?これを知っている方は独学で目指すのに向いている方となります。

ではどういった方が勉強の仕方を知っているかといえば、やはり経験者ということになるでしょう。つまりすでに独学でほかの資格試験に合格した経験がある方となります。

資格試験の勉強にはある程度共通しているコツがあります。そんなコツを知っている方は独学に向いているといえます。

情報収集が得意な方

独学で中小企業診断士試験のような難関試験を目指す場合にはいろいろな問題があります。一人で勉強するためにモチベーションの管理が難しいことや、効率的な勉強スケジュールを組むのが難しいということも考えられますが、もっとも考えておきたいのが難関ポイントの克服法です。

独学で勉強している場合、理解の難しいポイントにぶつかってしまった場合、そのポイントを乗り越えるのも自分自身で行わなければいけません。

もちろん手元にある参考書などを頼りに自分で解決をすることになりますが、それでも理解できない場合はネットやほかの資料を駆使して解決しなければいけません。

こうした場合に問われるのが情報収集能力です。ネットにある多数の情報の中から正確で分かりやすい情報を探し出す力、図書館などで的確に解説してくれる資料を見つける力、こうした力がないと独学での勉強を進めるのは難しくなります。

情報収集能力は、中小企業診断士に限らず、ほかの難関資格を目指す際も重要になるポイントといえるでしょう。

中小企業診断士を独学で目指すメリット

中小企業診断士試験に独学で挑むのはかなりハードルの高い挑戦です。中小企業診断士を目指すのであれば、予備校に通学する、通信講座を受講するといった勉強方法もあります。むしろこうした通信講座や通学といった方法が一般的と言ってもいいでしょう。

そんな中あえて難易度の高い独学を選択することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?

経済面のメリットは大きい

まず挙げられるのが経済面のメリットです。予備校に通学するにも通信講座を受講するにも、受講料を支払う必要があります。受講料には大きな差がありますが、通信講座で5万円ほど、予備校に通学すると15~30万円程度となります。

これに対し独学で挑戦する場合に必要な費用は、参考書代、問題集代、模試受験料程度で抑えることができます。相場でも数千円~2万円程度。受講料を支払うことを考えればその差は歴然で、経済面でのメリットは大きいといえます。

マイペースで勉強できる

独学のメリットとしては、マイペースで勉強できるという点もあります。

予備校などに通学する場合、予備校のカリキュラムに沿って学ぶ必要があります。個のカリキュラムの進行が早すぎればついていくのが難しくなりますし、遅ければ遅いでストレスが溜まります。

また、予備校の場合、決められた日時に授業が開講されます。特に社会人の方は仕事の都合で個の授業に必ず出席できるというものでもありません。年度末や期末といった繁忙期に入れば予期せぬ残業もあるでしょうし、断るのが難しいお誘いなどもあるでしょう。こういったタイミングでは授業に出席するのが難しくなります。

その点独学の場合は、いつどれだけ勉強するのか、どんなペースで勉強するのかを決めるのは自分自身。仕事が忙しいタイミングは勉強時間を減らし、比較的時間に余裕のある時に一気に進めるなど、プライベートや仕事の都合に合わせて調整が可能です。

勉強の進行でストレスを感じることなく、マイペースで学べるのは勉強効率が高まることになりますので大きなメリットと考えていいでしょう。

中小企業診断士を独学で目指すデメリット

メリットのある物事には、当然ですがデメリットが存在するもの。もちろん中小企業診断士試験に独学で挑戦することにもデメリットは存在します。

そんなデメリットに関して紹介していきましょう。

勉強期間が長くなる

通信講座も予備校も、中小企業診断士試験に精通した専門スタッフや専門講師が、合格するために必要な勉強を最短で行えるようにカリキュラムを考えています。また、中小企業診断士試験にも合格基準点がありますので、その基準点をクリアできる最短のカリキュラムが組まれているというのもポイントです。

それと比較すれば、中小企業診断士試験の専門家ではない方が考えた勉強スケジュールには無駄が多くなるのは間違いありません。結果勉強する期間はどうしても長くなってしまいます。

勉強期間が長くなるデメリットは非常に大きいものがあります。

単純に考えても勉強期間が長くなれば勉強に対するモチベーションは下がりやすくなります。モチベーションが低いまま勉強を続けても勉強効率は上がりません。勉強効率が下がればスケジュール通り勉強を進めるのが難しくなり、さらに勉強期間が延びるという悪循環にも陥りかねません。

資格取得を目指す勉強期間は極力短くというのが基本。その点このデメリットは大きいといえるでしょう。

モチベーション管理が難しい

独学は基本的に自宅で一人で勉強を進めます。そのため勉強に対するモチベーションの低下が大きな懸念材料となります。

勉強に対するモチベーションが下がる原因は、上で紹介した通り勉強期間が長くなること以外にもあります。それが壁にぶつかった時です。いくら勉強しても実力が身につかない、模試などで結果が出ないといった時にもモチベーションは下がるものです。

また、勉強する中で理解しづらい部分にぶつかった時も同様です。スケジュール通りに勉強が進まないというのはモチベーションに大きく関わってきます。

モチベーションが落ちないように考える、もし落ちてしまったときにもう一度モチベーションアップを図る方法を用意しておくなど、モチベーション管理は独学では大きな問題といえるでしょう。

独学で合格を目指すためのポイント

中小企業診断士試験に独学で挑むのは簡単なことではありません。それでも独学で挑戦したいという方は、しっかりと事前準備をしておく必要があります。

勉強を始める前に意識しておきたいポイントを紹介していきましょう。

勉強スケジュールを立て実行する

まず重要なポイントとなるのが勉強スケジュールの立案です。言い換えれば自分なりのカリキュラムを考えるということ。

勉強スケジュールを立てるには、まず何をどれだけ学ぶかという点が重要になります。それを知るためにも大切なのが、まずは参考書を手に入れ全体を読んでいくことです。この時点で全てを理解する必要はありません。少々分かりにくい部分があってもどんどん読み進めましょう。

参考書全体を読むことで、中小企業診断士試験で重視される部分が見えてくるかと思います。何度も出てくる項目は非常に大事な項目ということ。まずはそれを知りましょう。

一通り参考書を読み切ったら、重要だと感じる部分をピックアップ。その部分を重視しつつ全体を学べるスケジュールを考えましょう。

勉強スケジュールを立てる際のポイントは、まずは無理なスケジュールを立てないという点です。勉強スケジュールは立てるのが目的ではありません。立てたスケジュールを実行するのが目的です。

実行できないスケジュールに意味はありません。確実に実行できるというスケジュールを考えましょう。

実行可能な勉強スケジュールを立て、スケジュール通りに勉強が進行すれば勉強に対するモチベーションを保ち続けることもできます。しっかりとしたスケジュールを立てられるように考えましょう。

自分に合った勉強方法で毎日続ける

独学で中小企業診断士試験の勉強をするのは長期間の戦いとなります。ここで重要になるのが自分に合った勉強方法や勉強のスタイルを見つけることです。

勉強方法や勉強スタイルに関しては、それぞれの方の考え方やライフスタイルにも直結しますので、どれがベストという答えはありません。いずれにせよ自分自身がやる気が出るようなスタイルを見つけましょう。

平日は自宅で勉強するが、土日祝日などはお気に入りのカフェで勉強をする、朝早起きして出勤前に勉強をする、テキストは声を出して音読するなどなど。いろいろな方法があると思いますので、自分に合ったものを探しましょう。

また、勉強は毎日続けるのが非常に重要。長期間の勉強になりますので、勉強自体を週間づけないとなかなか続きません。仕事や家事などで疲れた日でも、寝る前にベッドの中で15分テキストを読むだけでもいいので、必ず毎日勉強を続けることを意識しましょう。

過去問対策は重要

資格試験の勉強全般に言えることですが、過去問対策が非常に重要になります。過去問に挑戦することで、どのような出題傾向があるのか、どのような知識が重視されているのかが理解しやすくなります。

出題傾向や重要なポイントが分かれば、試験での得点率が上がることは間違いありません。過去問対策は軽視せず、しっかり行うようにしましょう。

過去問対策をする際のポイントとしては、あまり古い過去問には手を付けない、同じ過去問に何度も挑戦するということが挙げられます。

中小企業診断士試験の範囲には法律に関する問題も含まれます。また、近年の企業経営に関する問題なども出題されます。こうした問題は現行の法制度や経済状況などが加味されているため、古い過去問では反映されていない部分も多数あります。

過去問を用意するなら5年以内、できれば3年以内程度に限定して用意するようにしましょう。

同じ過去問に何度も挑戦していると、その問題の解答を暗記してしまうケースがあります。暗記をしてはいけないということはありませんが、暗記したところで終わってしまうのはいけません。

なぜその解答に辿り着くのか、その理屈を理解することが重要です。単に暗記しているから正解できたで終わるのではなく、どのような理屈・理論でその解答に辿り着くのかをしっかりと理解できるようにしましょう。

効率よく勉強を進めるなら通信講座を活用

中小企業診断士試験対策には長い勉強時間が必要です。この勉強時間を短縮するには、勉強効率を上げるしかありません。とはいえ、独学の方が勉強効率を上げるには限界があります。

独学で挑戦するつもりだが勉強率を上げられる気がしない、また独学で始めたものの、想像以上に勉強が進まないという方は、独学にこだわらず通信講座を利用することを考えてもいいでしょう。

効率が低い勉強を続けるのは勉強時間がもったいないこと。それよりは通信講座を利用して効率を上げる方が時間を無駄にせずに学べることになります。

独学と同じ勉強環境で活用できる

最初の方で紹介した通り、中小企業診断士試験を目指すのであれば考えられる勉強方法は3つ。独学か通信講座か予備校通学です。

その中で通信講座はおすすめで、予備校通学がおすすめではないのかを簡単に説明します。

もちろん予備校通学も効率よく学べるひとつの方法です。ただしそれが実現できる方は一部の限られた方であるという点が考えられます。

まずは予備校の少なさ。正確には少ないというより、人口の多い都市部に集中しているという問題があります。簡単に言ってしまえば通える範囲に予備校があるという方が限られているという問題です。

予備校によっては、授業は都市部の校舎で行い、その映像を全国に設置したサテライト教室で受講するという授業形式の学校もあります。この形式であれば全国広い範囲で授業は受けられますが、映像授業を受けるのであれば通信講座と同じです。その場合、サテライト教室に通う通学時間が必要な分、通信講座を自宅で受講した方がお得となります。

通信講座をおすすめとした理由は、まずは独学と同様に自宅で一人で勉強するというスタイルで学べること。勉強環境面で変化がないという点が挙げられます。勉強環境が変わりませんので、独学で初めて途中から通信講座を利用するといった方も勉強しやすいというメリットがあります。

もうひとつは予備校の場合、中小企業診断士講座には講義スタートのタイミングがあります。そのタイミングで入学しないと、全ての講義が受けられないという問題があります。その点通信講座は基本的に教材を一括で受け取れますので、いつ始めても最初から学び直すことが可能。

独学同様マイペースで学べるというメリットがあります。

通信講座の中ではフォーサイトがおすすめ

中小企業診断士講座を開講している通信講座は数多くあります。その中で講義内容や提供される教材を見るとおすすめになるのがフォーサイトの通信講座です。

なぜフォーサイトがおすすめなのか。その理由を次の項で説明していきましょう。

フォーサイトをおすすめする理由

中小企業診断士講座を開講している通信講座は多いため、どの講座を受講すべきか悩むという方もいらっしゃるかと思います。また、どの講座でも変わらないと考えている方もいらっしゃるかもしれません。

数ある通信講座の中で、フォーサイトをおすすめする理由を紹介していきましょう。

分かりやすいテキストと講義動画が手に入る

フォーサイトではフルカラーのオリジナルテキストを用意。このテキストは中小企業診断士試験に精通したスタッフ・講師が校正に参加したテキストであり、試験で満点を取ることではなく確実に合格点を取ることを目的として製作されています。

そのため見やすく理解しやすい内容になっており、またこのテキストを解説する講義動画も合わせることで、勉強の進み方は飛躍的に速くなるでしょう。

eラーニング教材も充実

フォーサイトをおすすめするもうひとつのポイントがeラーニング教材の充実です。お手元のスマホなどでも手軽に勉強を進めることができるeラーニング。その教材が充実しているということは、毎日のちょっとしたスキマ時間に、スマホで手軽に勉強が進められるということになります。

eラーニング教材には講義動画はもちろん、講義の音声データやデジタルテキスト、さらに演習問題まで揃っており、あらゆる勉強が可能です。特に講義動画はスキマ時間に学べるように15分程度の短時間動画が中心になっており、またスマホの小さな画面で観ても観やすいように構成されています。

まとめ

中小企業診断士試験は独学でも合格を目指せる試験です。ただし独学で目指すのはかなり難しいのも事実であり、特に初学者の方にはおすすめできないレベルの試験といえます。

それでも独学で目指すという方は、スケジュールをしっかりと立て、自分に合った勉強方法で地道に続けていくことを心がけましょう。

独学で目指すのは難しいと感じた方、また実際に独学勉強を始めたものの勉強が進まないという方は、独学にこだわらず通信講座の利用も検討しましょう。

通信講座の中では、オリジナルテキストや質の高い講義動画、さらに使いやすいeラーニング教材が揃っているフォーサイトの中小企業診断士講座をおすすめします。