中小企業診断士の難易度と合格率は?科目別や他の資格との比較で解説

サラリーマンの後ろ姿

中小企業診断士試験は一次試験と二次試験があり、一度の受験で二次試験まで一気に合格すると考えると難易度の高い試験と言われています。

中小企業診断士試験がどの程度の難易度なのかという点に関して、合格率や合格基準点、さらに科目ごとの特徴などから紹介していきましょう。

中小企業診断士試験の特徴や難易度をしっかりと把握して、できるだけ短期間の勉強時間で合格できるように、準備しておきましょう。

目次

中小企業診断士試験の合格率

中小企業診断士試験の難易度を知るために、まずは中小企業診断士試験の合格率に関して確認しておきましょう。

2022年度中小企業診断士試験の一次試験合格率は28.9%、二次試験合格率は18.7%でした。この2つの合格率から単純計算すると、一度の受験で二次試験まで一気に合格する合格率は約5%という難易度でした。

一次試験、二次試験それぞれの合格率はそこまで低いものではなく、それぞれの試験は難易度が高いとは言えないかもしれませんが、一気に合格を目指す場合は難易度の高い試験となります。

中小企業診断士試験の合格率の詳細は以下の記事で詳しく解説していますので、データが気になる方は確認しておきましょう。

中小企業診断士試験の合格率の詳細はこちら

中小企業診断士試験の合格基準点

続いては中小企業診断士試験の合格基準点から、中小企業診断士試験の難易度を推測していきたいと思います。

中小企業診断士試験は原則絶対評価の試験です。絶対評価の試験とは、あらかじめ合格基準点が設定されており、その得点を超えれば何人でも合格できるという試験。

一般的に中小企業診断士試験のような絶対評価の試験は、目標となる点数がハッキリしている分対策がしやすくなるといわれています。この点では難易度が低いタイプの試験といえるでしょう。

中小企業診断士試験では、一次試験、二次試験にそれぞれ合格基準点があるのに加え、科目ごとの足切り点も存在します。このあたりが難易度にどう影響しているのか、という点も併せて紹介していきます。

一次試験の合格基準

まずは一次試験の合格基準点を紹介していきましょう。

中小企業診断士試験 一次試験の合格基準点
総得点 420点/700点
科目別 各科目40点/100点

一次試験においては、総得点で6割以上、科目ごとに4割以上の得点を取ることができれば合格となります。一次試験では7科目が出題されますので、苦手科目があるようだと合格は難しくなります。一度に7科目すべてで合格基準点をクリアするのは難易度が高いといえるかもしれません。

仮に中小企業診断士試験に不合格となっても、一次試験の合格基準点をすべてクリアしていれば、向こう2年間は一次試験は免除されます。

また、一次試験の総得点が合格基準点に達していなくても、4割以上得点できた科目に関しては科目別合格となり、向こう2年間は科目免除となります。

勉強をする中で、一度の挑戦で中小企業診断士試験に合格するのは難しいと感じた方は、科目や一次試験に絞って勉強を進め、この科目免除、試験免除の制度を活用して2年目以降の合格を目指すという方法もあります。

二次試験の合格基準

中小企業診断士試験の二次試験では筆記試験と口述試験が行われます。それぞれの合格基準点を確認しておきましょう。

中小企業診断士試験 二次試験の合格基準点
総得点【筆記試験】 240点/400点
科目別【筆記試験】 各科目40点/100点
評定【口述試験】 60/100点

筆記試験には科目別の足切り点と、総得点の合格基準点があります。この双方をクリアすれば合格ということになります。

中小企業診断士試験の二次試験の筆記試験では科目別合格の制度がないため、例え1科目でも合格基準点に達していなければ不合格となり、翌年以降に改めて全科目の受験が必要になります。二次試験の合格率の低さ、難易度の高さはこれが影響しているといえます。

口述試験は6割の評定を受けることができれば合格です。口述試験の合格率は例年99%以上と言われており、一次試験、二次試験の筆記試験をクリアした方が持つ知識があれば、十分に合格が狙える難易度の試験と言われています。

とはいえ口述試験も試験ですし、合格率が100%というわけではありませんので、しっかり対策は行うようにしてください。

中小企業診断士試験の難易度は?

ここまでは合格率や合格基準点といったデータの面から中小企業診断士試験の難易度を紹介してきましたが、ここからは合格に必要な勉強時間という観点からその難易度を解説していきましょう。

合格に必要な勉強時間は?

中小企業診断士試験に独学で合格するために必要な勉強時間は、1,000~1,400時間と言われています。その内訳は、一次試験対策に800~1,000時間、二次試験対策に200~400時間程度です。

仮に必要な勉強時間を1,400時間と考えると、1年間の勉強期間で中小企業診断士試験に合格するためには1日平均4時間近くの勉強時間が必要な計算になります。

社会人の方や専業主婦(主夫)の方が、仕事や家事・育児の合間に勉強時間を確保すると考えると、毎日4時間というのは現実的ではありません。

仮に平日毎日1時間ずつ勉強をした場合、土日はそれぞれ10時間以上の勉強時間が必要になる計算であり、1年間の勉強期間で合格するのは難しいレベルの難易度ということになります。

独学ではなく予備校に通学する、通信講座を利用するといった勉強方法を利用すれば、難易度が高い中小企業診断士試験でも、勉強時間を大幅に短縮することができるでしょう。

中小企業診断士試験に合格するための勉強時間に関して、詳細は以下の記事で解説していますので参考にしてください。

中小企業診断士の勉強時間の詳細はこちら

合格に必要な勉強時間でほかの人気資格と難易度比較

資格試験にはそれぞれ合格に必要な勉強時間があります。この勉強時間の長さがその資格試験の難易度を表現しているともいえます。

ここでは中小企業診断士とほかの人気資格で、合格に必要な勉強時間という観点を中心にその難易度を比較していきたいと思います。

社会保険労務士試験と比較

社会保険労務士も社会人の方から人気の高い資格試験。合格に必要な勉強時間は800~1,000時間と言われている難易度の高い試験です。

単純な勉強時間の比較では、中小企業診断士の方が取得難易度は高いといえるでしょう。ただし社会保険労務士試験では出題科目が中小企業診断士試験よりも多い9科目(厳密に言えば10科目)であり、科目別の合格制度がありません。

この点では対策が難しい試験であり、その難易度は必要な勉強時間以上に高い試験といえるかもしれません。

社会保険労務士試験の合格に必要な勉強時間に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。

社労士試験の勉強時間の詳細はこちら

司法書士試験と比較

独学で司法書士試験に合格するためには3,000時間の勉強時間が必要とも言われており難易度の高い試験の代表格とも言われています。司法書士試験は求められる法知識の範囲が非常に広大であり、出題範囲という点では中小企業診断士試験よりもはるかに広大ということになります。

必要な勉強時間の違い通り、司法書士試験は中小企業診断士試験よりも難易度の高い試験といえるでしょう。

司法書士試験の合格に必要な勉強時間などは以下の記事で詳しく解説しています。

司法書士試験の勉強時間の詳細はこちら

中小企業診断士試験の科目別難易度

中小企業診断士試験では、一次試験で7科目、二次試験の筆記試験で4科目が出題されます。この科目ごとの難易度に関しても解説していきましょう。

上記の通り、中小企業診断士試験の一次試験は科目別合格の制度を採用しています。科目ごとの難易度を知り、この科目別合格を利用して最終的に合格を目指すというのもひとつの方法ですので、確認していきましょう。

一次試験の科目別難易度は年度ごとに変化

まずは一次試験の科目別の難易度を、科目ごとの合格率という点で見ていきましょう。参考にするのは2022年度試験と、2023年度試験の合格率です。

2022年度合格率 2023年度合格率
経済学・経済政策 10.5% 13.1%
財務・会計 13.3% 14.3%
企業経営理論 17.3% 19.8%
運営管理 16.1% 8.7%
経営法務 26.9% 25.6%
経営情報システム 18.5% 11.4%
中小企業経営・中小企業政策 10.9% 20.6%

一次試験の科目別合格率は上記の通り。上の表を見ても分かる通り、合格率には統一性がなく、科目ごとの難易度も年度によって大きく変わるということが分かります。

実際に中小企業診断士試験の一次試験では、年度ごとに科目別の合格率が大きく変わります。つまり年度によって出題難易度が変わるということです。

特にどの科目が難易度が低く、どの科目が難易度が高いというわけではなく、実際の科目別難易度は受験してみないとわからないというのが現実です。

これから中小企業診断士試験の受験を考えている方は、特に一次試験対策に関しては7科目を平均的に勉強するように心がけましょう。過去問を活用する場合は、科目別合格率を調べ、近年で合格率が低かった年の過去問で対策するのがおすすめ。難易度の高い過去問を有効活用しましょう。

二次試験の筆記試験は事例Ⅳが高難易度

中小企業診断士試験の二次試験の筆記試験では、4つの事例問題が出題されます。それぞれの問題で取り上げられる項目に違いがあり、その中でも特に難易度が高いといわれているのが事例Ⅳの問題です。

事例Ⅳの問題では、企業のキャッシュフローなどが出題されるため、ある程度の計算力や、数学的思考が求められます。受験者の方の中にはこうした数字面に弱い方もおり、この問題が最も難易度が高いという声は少なくありません。

二次試験の筆記試験では科目別合格の制度がないため、科目別の合格率は不明ですが、これから中小企業診断士試験を目指す方は、難易度が高いといわれている事例Ⅳ対策を特に重視するようにしましょう。

中小企業試験対策のポイント

中小企業診断士試験の難易度を、合格率などの数字面や、試験の形式などから紹介してきました。約5%という合格率もさることながら、出題科目の多さ、試験形式の多彩さなど、間違いなく中小企業診断士試験は難易度の高い試験といえるでしょう。

では、そんな難易度の高い中小企業診断士試験のための勉強をする際、どういったポイントに注意して勉強をすべきか。そのあたりを解説していきましょう。

一次試験対策と二次試験対策を合わせて考える

中小企業診断士試験の合格率を高めるためのポイントは、一次試験と二次試験を別物と考えないことが重要です。

最初に必要な勉強時間を紹介する際は、便宜上一次試験と二次試験に分けて紹介しましたが、実際の勉強ではこの2つを分けずに、まとめて勉強する意識が重要になります。

中小企業診断士試験では、一次試験で各科目の基礎的な知識の有無が問われ、二次試験の筆記試験でその知識の応用力が問われます。単純に知識として暗記しているだけではなく、その知識を業務に活用できるかどうかを確認するのが二次試験の筆記試験であり、これが難易度を高くしている要因でもあります。

特に一次試験の企業運営理論、財務・会計、運営管理といった科目は、二次試験の筆記試験でも多用される科目のため、一次試験対策の暗記というだけではなく、その内容を深く理解できるように勉強していくのが合格率を高めるポイントです。

勉強に対するモチベーションを維持する

中小企業診断士は難易度の高い試験のため、合格するためには長い勉強時間が必要です。そのためには長期間安定して、集中して勉強を続けることが重要になります。

勉強を長い時間続けていくと、モチベーションが下がり、最終的に勉強の効率が悪くなります。

勉強に対するモチベーションを維持する方法はいくつか考えられます。ひとつはしっかりとした勉強スケジュールを立てて実行していくこと。毎日の勉強スケジュールを立て、そのスケジュールをクリアできれば、一定の達成感を感じることができます。達成感を感じるということはモチベーション維持にも大いに役立つでしょう。

ほかには一定の期間ごとにご褒美を設定するという方法もあります。いつまでにどこまで勉強が進んだら、次の休日は自分の趣味のことに没頭できるなどと目標を設定すれば、勉強に対するモチベーションを高く保てるでしょう。

ほかにも勉強に対するモチベーションを維持する方法はいくつかあるかと思いますので、自分に合った方法を見つけましょう。勉強に対するモチベーションを維持できれば、難易度の高い中小企業診断士試験でも自然と合格率は高まるでしょう。

効率的な学習ツールを選ぶ

勉強の基本的な方法としては、テキストを読む、ノートにまとめるといった形になるかと思います。しかしこれはあくまでも基本的な方法。効率的に学ぶにはいろいろな学習ツールを利用して、学習を進めていくのが重要。これが合格率を高めるためには効果的な方法です。

目で映像を観る、耳から情報を得るなど、いろいろな勉強法を採り入れて、できるだけ効率的に学べるようにしましょう。難易度の高い中小企業診断士試験を攻略するためには、こうした勉強の効率化が重要になります。

そのために必要となる学習ツールが、動画や音声データといったもの。こうしたものも柔軟に取り入れることが合格率を高めるポイントとなります。

働きながら中小企業診断士を目指すなら

中小企業診断士試験の過去のデータを参照すると、受験者、合格者の中心は、働いている社会人の方です。つまり、中小企業診断士試験は難易度の高い試験ではあるものの、社会人の方が働きながら勉強しても合格できるレベルの難易度ということになります。

ただし社会人の方すべてが独学で合格しているわけではありません。むしろ独学で合格している方は一握りでしょう。

社会人の方はもちろん、毎日の家事が忙しい専業主婦(主夫)の方なども、難易度の高い中小企業診断士試験に合格することを目指す以上、独学にはこだわらずほかの勉強方法を検討することをおすすめします。

独学以外の勉強方法となると、考えられるのは予備校への通学と、通信講座の受講です。この2つであればおすすめは通信講座の受講です。特に社会人など忙しい方には通信講座がおすすめです。

なぜ通信講座がおすすめなのか。その点を紹介していきましょう。

通信講座がおすすめ

通信講座と予備校を比較した場合、通信講座の方がよりおすすめです。その理由はいくつかありますがまず一つ目が費用面の問題。

通信講座で中小企業診断士講座を受講する場合の受講料相場はおよそ10万円ほど。予備校に通学した場合の受講料相場が20~30万円ほどですから、その差は歴然です。費用が違うからと言って予備校の方が合格率が高いということではありませんので、この費用面の差は大きいといえるでしょう。

続いてのポイントは予備校の立地の問題です。資格取得講座を開講している予備校は、主に人口が多い都市部に集中しています。つまり、都市部ではなく地方部に住んでいる方は、通いたくても通えないということになります。

一部大手の予備校では、日本各地にサテライト教室を開講しており、ここで都市部と同じ授業を映像で受講できるというケースもあります。しかし、映像で受講するのであれば通信講座と変わりません。むしろ映像で見ることに特化して撮影されている通信講座の映像の方が、勉強しやすいということもできます。

また、仮に通学可能圏内に予備校がある方でも、予備校への通学時間は必要です。通学時間が片道30分かかる場合、予備校に通学することで1時間が無駄な移動時間で消費されることになります。

繰り返しているように、社会人や専業主婦(主夫)の方にとって、勉強時間の確保は簡単ではありません。その貴重な時間の一部が、移動時間という無駄な時間で消費されるのは、効率的とは言えません。

通信講座は独学同様自宅で受講できますので、日本全国どこでも受講でき、しかも通学時間も必要ありません。これが通信講座をおすすめする理由となります。

通信講座でも、中小企業診断士講座は多数見かけるかと思います。その中からどの講座を選ぶかとなると、注目すべきポイントは2つ。

まずはオリジナルテキストが見やすい作りになっているかどうか。カラーなどを採用し、一目で重要な部分が分かるようなテキストであれば、初学者の方でも勉強を進めやすいでしょう。

もう1点はeラーニング教材に力を入れているかどうかという点。スマホ1つあれば勉強が進められるeラーニング教材があれば、毎日の通勤電車の中など、ちょっとしたスキマ時間を勉強時間に変えることができるため、勉強時間の確保がしやすくなります。

こういった点に注目し、自分に合った通信講座を見つけましょう。

まとめ

中小企業診断士試験は、合格率から見ても、試験内容から見ても難易度の高い試験といえます。例年の合格率は5%程度、一次試験、二次試験、さらに科目別に合格基準点が設定されており、すべてをクリアしないと合格はできないという難易度の高さです。

そんな中小企業診断士試験の合格率を高めるためには、効率的に学ぶのが重要になります。効率的に、集中して勉強を続けても1年間程度は勉強期間が必要な難易度の試験ですので、しっかりと勉強期間を確保し、効率的に学べる勉強方法を採り入れるようにしましょう。

中小企業診断士試験に、独学で合格した方は多数いらっしゃいます。しかし中小企業診断士試験の合格率、難易度を考えると、独学での挑戦はかなり難易度の高い挑戦となります。

本気で合格を目指す、少しでも合格率を上げたいと考えるのであれば、独学にこだわらず、ほかの勉強方法を採り入れることも検討しましょう。

おすすめは通信講座の受講です。質の高い映像授業を受講でき、しかもeラーニング教材が揃っている通信講座であれば、仕事をしている社会人の方も、家事や育児が忙しい専業主婦(主夫)の方も効率的に学べますので、より合格率を高めることができるでしょう。