中小企業診断士の難易度とは?勉強時間から偏差値の目安まで解説

更新日:2024年3月15日

中小企業診断士の難易度とは?勉強時間から偏差値の目安まで解説

特に社会人の方に人気が高い資格である中小企業診断士。この資格を取得するには、一次試験、二次試験に合格する必要があります。

一次試験はマークシートを利用した多肢選択式、二次試験では筆記試験と口述試験があり、いろいろな試験方式に対応しなければいけません。

難易度が高いと言われている中小企業診断士試験。この試験の難易度を合格率などから数値化して紹介していきます。

同時にこの難関試験に合格するためのおすすめ勉強法なども簡単に紹介していきましょう。

目次

中小企業診断士試験の合格率

中小企業診断士試験は年に1度行われ、一次試験と二次試験の結果合否が確定します。

まずは、2022年度試験の日程を紹介しておきましょう。

試験
実施日
一次試験日 2022年8月6日(土)・7日(日)
二次筆記試験日 2022年10月30日(日)
二次口述試験日 2023年1月22日(日)
合格発表日 2023年2月1日(水)

8月に試験が始まり、最終的な結果が出るのが翌年2月と、長丁場の試験。このすべての試験に合格して中小企業診断士の資格を得ることになります。

一次試験はマークシートによる多肢選択試験。初日に4科目、2日目に3科目の合計7科目の試験が行われます。

この一次試験には科目別合格の制度があり、科目ごとに合格点に達した場合、たとえその年の中小企業診断士試験で不合格となっても、向こう3年間は合格科目は受験免除を選択することが可能になります。

では、一次試験、二次試験、さらに一次試験の科目別合格の3つの合格率を確認していきましょう。

関連記事:中小企業診断士の合格率についてはこちら

一次試験の合格率推移

最初に一次試験の合格率です。ここでは一次試験7科目全てを受験し合格した方の割合を紹介していきましょう。

年度
受験者数
合格者数
合格率
2013年 14,981名 3,519名 23.5%
2014年 14,252名 3,094名 21.7%
2015年 13,805名 3,207名 23.2%
2016年 13,186名 3,426名 26.0%
2017年 13,605名 2,404名 17.7%
2018年 14,343名 3,106名 21.7%
2019年 13,733名 3,236名 23.5%
2020年 14,691名 4,444名 30.2%
2021年 11,785名 5,005名 42.5%
2022年 16,057名 5,839名 36.4%
10年合計 140,478名 37,280名 26.5%

過去10年の合格率は17~42%。年度によりかなり大きな開きがあります。10年合計の合格率は26.5%。イメージとしては4人に1人が合格できる試験となっています。

続いて一次試験の男女別合格率、さらに年代別合格率に関しても紹介しておきましょう。こちらは2021年度試験のデータを参照しています。

2021年度 一次試験 男女別合格率
申込者数
合格者数
合格率
男性 22,050名 5,436名 24.7%
女性 2,445名 403名 16.5%

2021年度 一次試験 年代別合格率
年代
申込者数
合格者数
合格率
20歳未満 165名 22名 13.3%
20~29歳 3,851名 889名 23.1%
30~39歳 7,149名 1,779名 24.9%
40~49歳 7,111名 1,674名 23.5%
50~59歳 4,785名 1,152名 24.1%
60~69歳 1,290名 306名 23.7%
70歳以上 144名 17名 11.8%

受験者数、合格率とも男性が女性を上回っていますが、これは資格の性質上の問題もあるかもしれません。

中小企業診断士の資格にはいわゆる独占業務がなく、資格を取得したからと言って、何かができるようになるわけではありません。どちらかといえば自身の知識やスキルを確認する、証明するために取得する資格であり、そのため男性の受験者数が多いとも考えられます。

年代別の合格率を見ると、受験者の中心は30~50歳。合格率に大きな差はありませんが、比較的高齢になっても合格率が下がらない傾向が見えます。

社会人として働きながら挑戦する方が中心の資格であり、地位が高くなっていくほど資格の必要性が高まる傾向があるとも考えられるでしょう。

参考:J-SMECA「申込者・合格者にかかる統計資料(第1次試験)」


二次試験の合格率推移

続いて二次試験の合格率です。

中小企業診断士試験の二次試験は、筆記試験と口述試験に分かれています。ただし、口述試験に関しては非常に合格率が高い試験。過去10年の合計を見ても、合格率99.8%となっています。

ここでは二次試験全体の合格率推移を紹介していきます。

年度
受験者数
合格者数
合格率
2012年 4,878名 1,220名 25.0%
2013年 4,907名 910名 18.5%
2014年 4,885名 1,185名 24.3%
2015年 4,941名 944名 19.1%
2016年 4,394名 842名 19.2%
2017年 4,279名 828名 19.4%
2018年 4,812名 905名 18.8%
2019年 5,954名 1,088名 18.3%
2020年 6,388名 1,174名 18.4%
2021年 8,757名 1,600名 18.3%
10年合計 54,195名 10,696名 19.7%

二次試験の合格率は18~25%の間で推移。10年合計の合格率は19.7%と、一次試験よりもさらに難易度は高くなっています。

続いて一次試験と同様に、2021年度試験の男女別合格率、年代別合格率を確認していきましょう。

2021年度 ニ次試験 男女別合格率
申込者数
合格者数
合格率
男性 8,562名 1,428名 16.7%
女性 628名 172名 27.4%

2021年度 ニ次試験 年代別合格率
年代
申込者数
合格者数
合格率
20歳未満 15名 2名 13.3%
20~29歳 1,112名 283名 25.4%
30~39歳 2,756名 687名 24.9%
40~49歳 2,708名 416名 15.4%
50~59歳 1,983名 193名 9.7%
60~69歳 579名 19名 3.3%
70歳以上 37名 0名 0.0%

受験者数は一次試験と同様に男性が圧倒的に多くなっていますが、合格率を見ると女性が圧倒的な数字を残しています。筆記試験や口述試験まで進めば、女性受験者の方が結果を残せる試験といえるかもしれません。

年代別の受験者数の傾向は一次試験を大きな差はありませんが、合格率にやや違いが見て取れます。

一次試験では高齢になってもあまり合格率は下がりませんでしたが、二次試験となると50歳を境に一気に合格率が下がっています。

この結果から、中小企業診断士試験を目指す方は、できれば早めに挑戦した方がいいということが分かります。

参考:J-SMECA「申込者・合格者にかかる統計資料(第2次試験)」


一次試験の科目別合格率

最後に一次試験の科目別合格率を確認しておきましょう。

最初に少し解説した通り、一次試験では科目別合格の制度が採用されており、1度合格した科目は、3年間受験を免除されます。

2021年度の科目別の合格率を掲載していきます。

2021年度 一次試験 科目別合格率
科目
受験者数
合格者数
合格率
経済学・経済政策 14,373名 3,026名 21.1%
財務・会計 15,386名 3,446名 22.4%
企業経営理論 15,117名 5,253名 34.7%
運営管理
(オペレーション・マネジメント)
15,118名 2,796名 18.5%
経営法務 15,683名 2,013名 12.8%
経営情報システム 13,695名 1,457名 10.6%
中小企業経営
中小企業政策
15,446名 1,093名 7.1%

参考:J-SMECA「申込者・合格者にかかる統計資料(第1次試験)」


2021年度試験では「企業経営理論」が34.7%でもっとも合格率が高く、「中小企業経営・政策」が7.1%でもっとも合格率が低いという結果になりました。

ご覧の通り科目によって合格率は大きく変わってきます。

ただし、これは2021年度試験の結果。毎年同じような数字になるということはありませんのでご注意ください。

一概には言えませんが、過去の科目別合格率の推移を見ると、前年合格率が高かった科目は翌年合格率が低くなり、合格率が低かった科目は翌年高くなる傾向があります。

出題側も前年の合格率や例年の合格率の推移を見ながら、出題難易度を調整しているのでしょう。2022年度試験では、「企業経営理論」の難易度が上がり、「中小企業経営・政策」の難易度が下がるかもしれません。

中小企業診断士試験の合格基準点

中小企業診断士試験の、各試験における合格率の推移を紹介してきました。どの試験の合格率でも共通しているのが、「年度によって合格率にバラつきがある」という点です。その理由が中小企業診断士試験の合格基準点にあります。

中小企業診断士試験の試験概要にある合格基準点は以下の通りです。

中小企業診断士試験 合格基準
一次試験 ・総得点(700点)の60%以上を基準に、試験委員会が相当と認めた得点比率
・全7科目で40%未満(40点未満)の科目がないこと
二次試験 【筆記試験】
・総得点(400点)の60%(240点)以上を基準に、試験委員会が相当と認めた得点比率
・全4科目で40%未満(40点未満)の科目がないこと
【口述試験】
・評定が60%以上

「試験委員会が相当と認めた得点比率」という条件はついているものの、基本的には基準点がハッキリと示されている、いわゆる「絶対評価」の試験となります。

絶対評価の試験は受験者のレベルが高い年、もしくは問題の難易度の低い年には合格率が高くなり、反対のケースで合格率が低くなります。

あらかじめ合格できる点数が決まっていて、合格者数に制限がないのがこの絶対評価の特徴。受験者から見れば、他者に関係なく自分がしっかりと得点できれば合格できるため、比較的対策のしやすい試験となります。

ちなみに絶対評価と対をなすのが「相対評価」の試験。こちらは合格基準点が決まっておらず、受験者の上位何名(もしくは上位何%)が合格するという規定の試験です。相対評価の試験は例年の合格率がほぼ変わらず、合格基準点が大きく変化する試験。司法書士試験や宅建士試験が当てはまります。

話が少しずれたので戻しましょう。中小企業診断士試験は絶対評価の試験で対策自体は比較的しやすい試験です。ただし科目ごとに足切り点が設定されているため、全科目を平均的に学ぶ必要があります。

また、二次試験には科目別合格はありませんので、二次試験は一発で全ての教科、試験をクリアする必要があります。

中小企業診断士試験の難易度

中小企業診断士試験の合格率や合格基準点を紹介してきましたが、結局のところどのくらい難しいのかというのはイメージがしにくいかもしれません。

そこで、中小企業診断士試験の難易度を、比較的分かりやすい偏差値という形で解説していきたいと思います。

中小企業診断士試験の難易度を偏差値で表す

試験の偏差値を正確に算出するには、全受験者の全解答から算出する必要がありますが、当然そんなことはできません。

そこで偏差値の基本的な考え方の一つである正規分布の考え方から、おおよその偏差値を算出していきたいと思います。

偏差値の対象とするのは、「1度の試験で一次試験・二次試験ともに一発で合格した方」の偏差値。科目別合格をした方などの数字は省き、1次試験の全科目を受験した方を「受験者数」に、二次試験合格者数を「合格者数」として計算しました。

年度
一次試験
受験者数
二次試験
合格者数
合格率
推定偏差値
2012年 14,981名 1,220名 8.1% 64
2013年 14,252名 910名 6.4% 65
2014年 13,805名 1,185名 8.6% 64
2015年 13,186名 944名 7.2% 65
2016年 13,605名 842名 6.2% 65
2017年 14,343名 828名 5.8% 66
2018年 13,773名 905名 6.6% 65
2019年 14,691名 1,088名 7.4% 65
2020年 11,785名 1,174名 10.0% 63
2021年 16.057名 1,600名 10.0% 63
10年合計 140,478名 10,696名 7.6% 64

参考:J-SMECA 中小企業診断士試験


この形で見ると合格率は5~10%。10年合計でも7.6%とかなり難易度は高くなります。

また、ここで採用している二次試験合格者の中には、一次試験で科目免除を受けていた方も含まれますので、実際に1度の試験で一発合格する確率はさらに低くなるでしょう。

算出された合格率から推定される偏差値は64前後。現実的に初学者の方が初挑戦の年度でいきなり合格できる偏差値はこれよりもさらに高くなるということになります。

つまり、中小企業診断士試験はかなり難易度の高い試験であり、しっかりとした対策を考えて挑戦しないと、なかなか結果の出ない試験。そのためにはどのような準備が必要かを考えていきましょう。

他の資格との難易度を比較

中小企業診断士の難易度を、他資格との比較で見ていきましょう。ここでは、行政書士、社会保険労務士、司法書士の合格率と勉強時間から、難易度の違いを考察します。

資格 合格率 必要な勉強時間
中小企業診断士 約4~7% 1,000時間以上
行政書士 約12% 約800~1,000時間
社労士 約5~7% 約800~1,000時間
司法書士 約3~5% 約3,000時間

行政書士試験合格に必要な勉強時間は800~1,000時間、2019年から2023年までの過去5年間の合格率の平均はおよそ12%です。中小企業診断士試験合格に必要な勉強時間が1,000時間超、合格率が約4~7%であることから、行政書士試験の方が合格を狙いやすいと考えて良いでしょう。

行政書士試験同様、合格までに必要な勉強時間の目安が800~1,000時間とされる資格試験のひとつに、社労士試験があります。合格率はおよそ5~7%台で推移しており、数字だけ見れば中小企業診断士試験よりも若干易しいイメージです。

とはいえ、出題科目数や科目合格制度がないことに鑑みれば、中小企業診断士試験とは異なる、社労士試験特有の難しさがあると言えます。

中小企業診断士試験よりも明らかに高難易度に位置づけられるのが、司法書士試験です。合格までには3,000時間ほどの勉強時間が必要とされ、合格率は例年3~5%の狭き門とされています。

出題範囲の広さや試験内容のボリューム等からも中小企業診断士試験以上の難しさがあります。

関連記事:中小企業診断士と社労士の比較ついてはこちら

中小企業診断士試験に合格するための勉強時間

前項でも触れましたが、中小企業診断士試験合格までの勉強時間は1,000時間超と言われています。

具体的には、第1次試験対策に800~1,000時間、第2次試験対策に200~400時間程度の勉強時間が必要とされており、初学者であれば1,400時間ほどの取り組みが必要になります。

本試験日から逆算して十分な期間を確保し、継続的に学習を積み重ねる姿勢が肝心です。もちろん、勉強時間数と併せて学習の質が求められることは言うまでもありません。

関連記事:中小企業診断士の勉強時間についてはこちら

中小企業診断士試験に短期間で合格するには?

中小企業診断士という資格には独占業務がありません。つまり資格を取得したからと言って、何か特別な業務ができるようになるわけではないということになります。

独占業務を持つ資格は、ある程度時間をかけて、しっかりと対策をして挑戦する方法もありますが、独占業務がない以上、資格取得に多くの時間をあけるのは推奨できません。

では難関資格であることがハッキリした中小企業診断士の試験に、短期間の勉強期間で合格するための3つのポイントを紹介しましょう。

試験の出題傾向などを把握する

中小企業診断士試験の特徴としては、まずは出題範囲が広いという点が挙げられます。

経済学、経営理論はもちろん、財務会計の分野では数学的な知識も必要となりますし、さらに法知識が必要な科目もあります。

広大な出題範囲を、すべて細かく理解しようとすれば、いくら時間があっても足りません。大事なことは中小企業診断士試験の出題傾向をしっかりと把握するという点です。

幅広い分野とはいえ、実際に試験で頻出する分野は限られています。こうした出題傾向から力を入れて学んでいく点を理解していけば、勉強時間は大幅に短縮できるでしょう。

初学者の方にとっては、どの科目も未知の領域で、出題傾向を把握するといっても簡単ではないでしょう。

中小企業診断士試験対策の問題集や過去問、さらに模試なども活用し、出題傾向を見抜いていくのが重要になります。

関連記事:中小企業診断士の過去問についてはこちら

自分の得意分野と苦手分野を把握する

中小企業診断士試験には科目ごとに足切り点が設定されています。

つまり苦手科目があると、ほかの科目でいくら点を取っていても合格できないということ。極端な話をしてしまえば、一次試験7科目中6科目が満点でも、残りの1科目が30点では不合格になるのが中小企業診断士試験です。

対策において大事なことは苦手科目を作らないこと。さらに踏み込んで言えば、自分が苦手な科目を知ることが大切になります。

自分の苦手分野が分かれば、同時に得意な分野も分かります。そうなれば得意分野の勉強時間を少し削り、苦手分野の勉強時間に回すことで全科目の点数を平均的にアップさせることができます。

苦手分野を知るには模試のように、実際に試験と同じように問題に挑戦するのが重要。普段通りに勉強しているだけでは、なかなか分野ごとの得手不得手は理解しにくいものです。

自分なりに勉強スケジュールを組み、ある程度のタイミングで模試に挑戦。そこで苦手分野を把握して、後の勉強スケジュールを立て直すというのが、合格に近づく勉強法となります。

持続できるような勉強スケジュールを立てる

中小企業診断士試験に、初学者が独学で合格しようとした場合、必要な勉強時間は1,000~1,400時間と言われています。

一般的な社会人の方が、毎日の生活の中で確保できる勉強時間は2~3時間程度。そう考えると、中小企業診断士試験に合格するためには最低でも1年、長い場合2~3年の勉強期間が必要になります。

勉強期間が長期間になる場合、重要になるのが勉強スケジュール。勉強に取り掛かる前はモチベーションも十分に高い状態ですので、少々無理なスケジュールを立ててしまいがちです。

しかし、1年かそれ以上の期間同じ勉強を続けると考えた場合、無理なスケジュールではまず上手く進みません。どこかで勉強に遅れが生じ、その遅れがきっかけでモチベーションが低下。そのままズルズルと諦めてしまうという可能性もあるでしょう。

大事なことは長期間継続可能なスケジュールを立てるということ。もちろんその分目標達成までの時間は必要になりますが、独学で学ぶ場合は何よりモチベーションが下がらないようにするのが重要になります。

短期間で合格するためのおすすめ勉強法

中小企業診断士試験に短期間で合格するためには、どのような勉強法がいいのか。具体的な勉強法や、おすすめな勉強法を紹介していきたいと思います。

独学での挑戦はかなり厳しい

中小企業診断士試験は難関試験です。初学者の方が、独学で合格を目指すのはかなりハードルが高い挑戦だということは理解しておきましょう。

もちろん独学で中小企業診断士試験に合格した方はいます。しかし、こういった方の多くはすでに資格試験の勉強を経験済みという方が多いのも事実です。

独学で合格を目指せる方の多くは、すでにほかの資格試験に独学で合格した経験がある方、もしくは中小企業診断士試験に何度か挑戦している方、さらに中小企業診断士試験で出題される範囲を、大学などで勉強した経験がある方でしょう。

特に前知識がない初学者の方で、しかもほかの資格も持っていないという方が挑戦するのは相当厳しいですし、間違っても推奨できるものではありません。

初学者の方は完全な独学ではなく、ほかの勉強方法で挑戦するようにしましょう。

通信講座で効率的に学ぶ

初学者の方が、独学に近い形で、さらに短期間で中小企業診断士試験に合格するというのであれば、通信講座の利用がおすすめです。

通信講座をおすすめする詳しい理由は後述しますが、なにより独学と同様マイペースで、自宅で勉強できるのがポイント。

特に社会人の方は、仕事の都合で忙しいタイミングがあるもの。残業などが増えるタイミングでは、予備校に通学するのもままならないでしょう。

その点通信講座は自宅でマイペースで学べます。仕事が忙しければ勉強のペースを落とし、仕事が落ち着いたタイミングでペースを上げるなど、自身の都合に合わせて調整できるのがおすすめポイントのひとつです。

こうした点も含め、効率的に学べる通信講座を利用すると、勉強効率も一気に上がるでしょう。

得意分野と苦手分野を早めに把握する

上でも触れましたが、中小企業診断士試験では各科目を平均的に学ぶ必要があり、そのためには苦手分野の把握が重要になります。

苦手分野を把握するためには模試の受験がおすすめとしましたが、ではどのタイミングで模試に挑戦するのがいいのかを簡単に解説していきます。

おすすめするタイミングは、試験範囲の勉強を1周終わらせた後です。この1周目に関しては、深くしっかりと学ぶ必要はありません。少々理解が難しい部分があっても、まずは一気にテキストを最後まで終わらせましょう。

試験範囲全体がある程度頭に入った状態で、まずは模試を受けます。もちろん芳しい結果は出ないかと思いますが、大切なのはそこではありません。

科目ごとの試験結果を見れば、どの分野は把握できていて、どの分野が把握できていないかが分かるかと思います。ここである程度苦手分野と得意分野の色分けができるでしょう。

この模試の結果を基に2周目の勉強計画を立てましょう。得意分野は短めに、苦手分野はしっかりと勉強時間を確保するのがポイントです。

2周目が終わったら再び模試に挑戦。今度は1度目の模試よりも結果は良くなっているかと思いますが、やはりポイントは科目ごとの得点。

この繰り返しで各科目平均的に点が取れるようになるのが理想です。

中小企業診断士試験に通信講座がおすすめのポイント

中小企業診断士を目指す上で重要になるのが勉強スケジュールの立案と、自分の得意・不得意を理解することです。

そのうえで大きな助けとなるのが通信講座となります。

中小企業診断士試験の対策は、通信講座に限らず開講している予備校もありますが、ここで通信講座をおすすめする理由に関して紹介していきたいと思います。

効率的なカリキュラムがある

独学との大きな違いの一つに、効率的な勉強カリキュラムがあることが挙げられます。

ここまで何度か書いているように、勉強スケジュールの組み方は合否に直結する重要ポイント。特に出題範囲の広い中小企業診断士試験などの場合、このカリキュラムひとつで合否が分かれる原因となります。

初学者の方が、独学で勉強スケジュールを立てるのは簡単ではありません。さらに効率的なスケジュールを立てるとなると、これは不可能に近いでしょう。

しかし、予備校や通信講座は中小企業診断士試験対策のプロです。どこで何を学ぶべきか、どの分野を重点的に学ぶかなどに関しても正確な判断ができます。

より短期間での合格を目指す場合に欠かすことができないカリキュラム。これが無条件で手に入るのが大きなメリットのひとつとなります。

分かりやすいテキストがある

初学者が独学で学ぶ場合、どのテキストで学ぶかというのも大事なポイント。何しろした知識のない初学者が、勉強を前にテキストの良し悪しを判断する必要があるわけですから、簡単なことではありません。

その点予備校や通信講座では、それぞれ独自のテキストを制作しています。もちろんテキストの政策には、中小企業診断士試験対策のプロが関わっており、必要な部分を必要なだけ揃えた、非常に精度の高いテキストが配布されます。

上で紹介した勉強カリキュラムもこのテキストを基準に考えられており、必要なポイントを、必要な順番で、必要な分だけ学べるのがオリジナルテキストを利用するメリット。

さらにこのテキストを、専門講師が解説してくれますので、勉強効率は大幅にアップするでしょう。

日本全国どこでも学べる

ここまで紹介した2つのメリットは、予備校に通学しても通信講座を受講しても享受できるもの。その中で通信講座をおすすめする最大の理由が日本全国どこでも学べるという点です。

予備校に通学すれば、確かに専門講師の授業をライブで受講できるというメリットはあります。ただしそれもこれも、通学圏内に予備校がある場合のみの話。

資格試験対策の講座を開講している予備校の多くは、当然ですが人口の多い都市部に集中しています。都市部以外にもサテライト教室などを開いているケースもありますが、サテライト教室で映像授業を受講するのであれば、通信講座を大差ありません。

その点通信講座は最初から自宅での学習を前提としています。何より予備校通学には必須の「通学時間」が必要ありません。片道30分の通学時間が必要となれば、1度の授業で1時間の通学時間が必要になります。

社会人の貴重な勉強時間の内1時間を通学時間で消費するのは効率的とは言えません。

また予備校は決まった曜日に授業を行います。社会人の方の中には、この授業に参加するのが難しいという方も多いでしょう。急な残業や断れない付き合いなどで授業に出席できなければ、予備校の大きなメリットであるライブ授業を受けるということが叶わなくなります。

通信講座は自宅で学習するため日本全国どこに住んでいても受講可能。通学時間もありません。

また、勉強のペース配分も自分次第。残業が多かった日は勉強時間を軽くし、その分休日に取り返すなど、細かなペース調整も自由です。

長期間の勉強期間が必要となる中小企業診断士試験。それをクリアするためには、こうした無理のない、マイペースの勉強スケジュールを組める通信講座が最適ということになります。

中小企業診断士を目指すならフォーサイトの中小企業診断士講座がおすすめ

数ある中小企業診断士試験対策講座の中でも、教材の充実度とコストパフォーマンスで比較すれば、断然フォーサイトの通信講座です。

視覚的に分かりやすいフルカラーテキストには、試験で狙われるポイントが凝縮されており、無駄なく効率良く合格を目指すことができます。

また、講義やeラーニング、メールサポート等、学習効果をぐんと高める教材がリーズナブルな受講料で提供されるのも、フォーサイトならではの特徴です。

まとめ

中小企業診断士試験には、一次試験と二次試験があり、それぞれ合格率も変わります。さらに絶対評価の試験のため、年度ごとにも合格率は変動します。

そんな中小企業診断士試験の難易度を偏差値で表現すれば65前後。一次試験、二次試験を一度に突破できる確率は10%以下という難関試験となります。

その難易度や出題範囲の広さ、さらに足切り点の存在などを考えると、独学での挑戦はかなりハードルが高い挑戦。何年かかっても合格できればいいという方以外にはあまりおすすめできません。

より短期間で、より確実に合格に近づくのであれば、通信講座の利用がおすすめ。マイペースで勉強できるため、長く勉強を続けやすく、さらに独学とは比較にならないほど効率的な勉強ができるようになります。

難関資格ではあるものの、合格できないようなレベルではない中小企業診断士試験。しっかりと準備を行い、自信を持って挑戦できるようになりましょう。

中小企業診断士コラム一覧へ戻る