社労士と中小企業診断士 難易度、年収、将来性で有利なのはどっち?

社労士と中小企業診断士

社会人の人気資格として知られる社労士と中小企業診断士は、いずれも専門家として独立開業を目指す方にお勧めの資格です。加えて、ダブルライセンスを考える上でも、比較的親和性の高い組み合わせと言えます。

このページでは、「使える資格」の代表格ともいえる社労士と中小企業診断士について、難易度や年収、将来性の観点からの比較、さらにダブルライセンスのメリット等を解説します。

目次

社労士と中小企業診断士の難易度は同レベル

まずは社労士と中小企業診断士の、試験自体の難易度比較からスタートしましょう。難易度の指標としては様々ありますが、ここでは「合格率」と「勉強時間」から、両資格を比較します。

結論から言えば、社労士も中小企業診断士も、合格率と勉強時間の観点から言えば、さほど大きな差は生じません。いずれも対策には充分に時間を確保することが必要であり、合格率は例年一桁台の狭き門と言えます。

中小企業診断士の最終的な合格率はおよそ5%

まず、社労士試験の合格率は例年およそ7%です。ただし、もちろん年度によって大きく変動し、9%まで上がったこともあれば、2015年度試験では2.6%という衝撃的な合格率を記録したこともあります。

一方、中小企業診断士試験の合格率は、最終的に5%程度が平均的な数字のようです。「最終的に」というのは、中小企業診断士の一次試験、二次試験それぞれの合格率を考慮するからです。一次試験の合格率の目安はおよそ25%、二次試験の合格率の目安は20%ほどであり、これらを掛け合わせると「5%」の数字が導き出されます。

もっとも、中小企業診断士試験には筆記・口述の二段階があることから、試験内容としては社労士試験よりも中小企業診断士試験の難易度が高いと考えられます。

社労士と中小企業診断士、共に勉強時間の目安は「1000時間」

資格試験対策にどの程度の勉強時間が必要かは、受験生個々の状況により異なります。よって、一概に論じられることではありませんが、資格予備校が展開する社労士試験と中小企業診断士試験の対策講座のカリキュラム、加えて受講生自身で取り組むべき予習復習の時間を考慮すると、いずれも目安は「1,000時間」というのが一般的な数字のようです。

合格率同様、勉強時間もまた同程度の目安であると考えることができます。

社労士と中小企業診断士、どちらがメリットが多い?

どちらがメリットが多い?

このように、合格率と勉強時間の比較では、社労士試験と中小企業診断士試験に大きな差異はありません。もちろん、およそ1,000時間もの勉強を続ける上では、「どちらの試験対策の方が、受験生自身が前向きに取り組める内容か」といった個々の興味関心が重要となります。

社労士と中小企業診断士のどちらかの受験で迷われる場合は、データの比較だけではなく、自分自身が取り組みやすい方に注目されるのが得策です。

ここからは少し視点を変えて、社労士と中小企業診断士の実務上のメリットである「年収」「将来性」について考えましょう。

公的な年収の統計はなく、いずれも働き方次第

仕事のメリットを考える上で「お金」は欠かすことのできない要素ですが、現状、社労士も中小企業診断士も、共に年収に関わる公的なデータはありません。これは両資格とも年収データの把握が可能な会社員としてだけではなく、独立開業という道も選べるからです。

独立開業の場合の年収は、働き方へのスタンスによって大きく変わるため、そもそも平均を算出して一般的な年収相場とする考え方自体に無理が生じるのです。

社労士も中小企業診断士も、企業内はもちろん、独立してやっていくにも十分な専門性の証明となる資格であり、年収は働き方や努力次第で大きく変動します。そういった意味でも、「一般的な会社員と比較すると、自分自身で働き方や年収をコントロールしやすい」という点こそがメリットと言えるかもしれません。

社労士と中小企業診断士、それぞれに将来性あり

仕事の将来性という観点では、社労士も中小企業診断士のいずれも、企業経営を支える専門家としてそれぞれに需要があり、求められる専門家であると言えます。社労士は労務管理の専門家として、中小企業診断士は経営を総合的にサポートする専門家として、つまり両資格は異なる分野での活躍が期待される専門職です。

仕事に困らないためには「手に職」と言いますが、社労士も中小企業診断士も文字通り「手に職」を叶えてくれる資格と考えて良いでしょう。

社労士と中小企業診断士は相性が良く、ダブルライセンスがオススメ

ダブルライセンスがオススメ

社労士と中小企業診断士は「どちらが良いか」「どちらを取得すべきか」という見方だけではなく、「どちらも取得して仕事に活かす」といったダブルライセンスの可能性に目を向けるのも得策です。

もっとも、両資格とも難関資格同士であり、いずれにも合格することは容易ではありません。ただし、社労士も中小企業診断士も「企業経営を支える役割」を担う仕事に従事するという点での共通項があり、ダブルライセンスによって専門性を高めるメリットは大きいと言えます。

また、試験科目を考える上では、社労士試験の知識を中小企業診断士試験に活かすことも可能です。

労働保険関係の知識が中小企業診断士試験に活きる

社労士試験と中小企業診断士試験は、一見すると何の関連性もないように思われがちです。ところが、中小企業診断士の一次試験の試験範囲である「企業経営理論」に含まれる「組織論」からは、毎年5問程度、必ず労働保険関係の法律問題が出題されます。

中小企業診断士試験の受験生の中には、労働保険分野からの出題をネックとし、結果的に対策をせずに臨む方も少なくありません。この点、社労士試験で労働保険について十分知識を高めた受験生であれば、むしろこの「5問」を確実に得点につなげることができます。

数点の差で合否が分かれる難関国家資格試験では、「たかが5問、されど5問」。社労士と中小企業診断士の両方を目指す受験生にとっては、大きなアドバンテージとなります。

それぞれの専門性“+α”が強みに

社労士と中小企業診断士は、「企業支援」という目的に対して、それぞれ異なる専門性からアプローチする専門家同士です。しかしながら、実際に企業支援に携わる上では、社労士であっても会社の経営状態を把握していた方が良いですし、一方で中小企業診断士であっても従業員や労務管理体制について考えることができれば役に立つこともあるでしょう。

つまり、企業支援をする上では、社労士と中小企業診断士のどちらを本業にしようとも、もう一方の資格の知識が必ず活かされるのです。

コンサル業務が強化できる

前項の「それぞれの専門性“+α”が強みに」の内容と重複しますが、企業経営に関わるコンサルメインの中小企業診断士と、労務関連のコンサルを請け負える社労士は、両方を取得しておくことでより幅広い角度からのアドバイスが可能になります。

異なる専門性を総合的に活かすことで、コンサルティング業務においては理想的な相乗効果が生まれます。

社労士と中小企業診断士のダブルライセンスは戦略が大事

戦略が大事

このように、社労士と中小企業診断士は、ダブルライセンスを考える上では相性の良い資格同士です。ただし、いずれも合格率一桁台、膨大な専門分野の習得が不可欠となる難関国家資格であるため、両方を取得するとなればそれなりの戦略が必要です。

資格取得の順序としては、まず先に社労士試験に挑戦し、労働保険関連法令の知識を活かして中小企業診断士試験に臨むのが得策と言えましょう。

また、いずれも試験範囲が多岐に渡るため、合格を目指す上では効率重視の取り組みが功を奏します。よって、社労士試験も中小企業診断士試験も、対策講座の活用がお勧めです。

資格受験生の中には、「独学にこだわりたい」「お金をかけられない」等の理由から、講座活用に消極的な方も少なくない様です。しかしながら、資格取得はゴールではなく、夢の実現のスタート地点であることを鑑みれば、いずれの方法であれ早期に合格を掴み、一日も早く実務家としてデビューするのが得策。

お金がネックになっていたとしても、自分自身への必要な投資と考えれば、講座受講へのハードルも低く感じられるのではないでしょうか?

また、「忙しいから」「子育て中で時間がないから」という受験生のために、通信講座という選択肢もあります。社労士と中小企業診断士のダブルライセンスの実現に向けた戦略に「講座活用」を取り入れ、合格にぐんと近づきましょう。

まとめ

  • 社労士と中小企業診断士はいずれも仕事に活かせる人気資格ですが、ダブルライセンスを考える上でも相性の良い資格同士です
  • 社労士と中小企業診断士の難易度を「合格率」、対策に必要な「勉強時間」の観点から考えると、いずれも同程度の難易度であるといえます
  • 社労士と中小企業診断士は、いずれも将来性があり、決まりきった働き方に捉われることなく活躍可能であるという点に、資格取得のメリットがあります
  • 社労士と中小企業診断士のダブルライセンスのメリットとして、試験に労働保険分野の出題があること、実務上相互に専門性を活かしやすいこと等が挙げられます
  • 社労士と中小企業診断士はいずれも難関国家資格であることから、ダブルライセンスを目指すためには特に、対策講座を活用した戦略的な取り組みが不可欠です