株式についてもっと理解を深めよう!エクイティファイナンスとは? | わかりやすく中小企業診断士解説

更新日:2020年4月14日

エクイティファイナンスとは?

会社を大きくしたり、ビジネスをさらに飛躍させたりするために必要なのは資金です。資金調達の方法はいろいろありますが、エクイティファイナンスもそのひとつです。

今回はエクイティファイナンスの基礎知識やメリット、デメリットについて解説していきます。

目次

エクイティファイナンスとは?

エクイティファイナンスとは会社が新株を発行し、事業を発展させるための資金を調達することをいいます。

エクイティ(equity)には株式資本、自己資本という意味があります。エクイティを増加させる資金調達方法なので「エクイティファイナンス」と呼ばれています。この方法で資金を調達することで、貸借対照表の純資産(資本)が増加します。

とても魅力的な資金調達方法ですが、そこにはメリットとデメリットが存在します。そのことについては次項で詳しく解説していきましょう。

エクイティファイナンスのメリット

エクイティファイナンスにはメリットがたくさんあります。以下、具体的に見ていきましょう。

①返済義務が無いこと

エクイティファイナンスの最大のメリットは返済義務が無いことです。

資金繰りは会社を経営する上で必ず考えなければいけないことです。金融機関から借入した場合、借入元本と利息の支払いが資金繰りに大きな影響を及ぼすことは明らかです。

その点、エクイティファイナンスなら原則、返済の義務が無いため返済による資金繰りに悩むことなく経営に集中することができます。

②財務体質の改善

エクイティファイナンスによる資金調達をした場合、貸借対照表では通常、純資産の部の「資本金」に表示されます。

資本金は「会社にとって返済する必要のない運転資金」ということです。新株を発行して株主を増価させることにより資本が増えます。資本金が増えるということはそれだけ会社の財務基盤が強化されるということなのです。

③多額の資金調達も可能

金融機関から借入する場合は会社の返済能力、財源の余力、担保などいろいろなものが加味されるため、どうしても限界があります。

エクイティファイナンスによる資金調達は新株を発行する会社の時価が高かったり、会社が魅力的な事業を行ったりしていれば賛同した投資家から多額の資金を集めることが可能です。

エクイティファイナンスのデメリット

メリットがあれば当然、デメリットも存在します。エクイティファイナンスを検討する際、メリットとデメリットの両方を踏まえ、慎重に進めていく必要があります。以下、デメリットについて解説してきます。

①経営権を握られる可能性がある

エクイティファイナンスの最大のデメリットは経営権が握られ、会社の支配関係が変わってしまう可能性があることです。

新株を発行した場合、株主構成も大きく変化することがあります。今まで株主では無かった人が株主になり、場合によっては経営に口を出してくることもあります。その結果、事業そのものが上手くいかなくなり、内部分裂が発生。現・経営者が自由に経営できなくなるということもあるのです。

②配当金の支払いが求められる

会社に利益が出た場合、利益の還元として株主に配当金を払うことになります。一般的に株式への投資は融資よりリスクが高いと考えられるため、借入金による利息よりも高いリターンが求められます。またその支払いは税務上経費とはなりません。

さらに株主にとっては新株として発行株式が増えた分、一株の価値が薄まります。エクイティファイナンスを検討する場合、既存株主に対して合理的な説明を行い、理解を得る必要があるでしょう。

「エクイティファイナンス」と「デットファイナンス」の違い

資金調達という目的を達成するための方法は大きく分けて2つあります。ひとつは「エクイティファイナンス」です。そして、もうひとつの方法は「デットファイナンス」と呼ばれます。

この「エクイティファイナンス」と「デットファイナンス」という2つの言葉は、ビジネスでもよく耳にしますが、その違いが分からないという人も多いかと思います。ここでは「エクイティファイナンス」と「デットファイナンス」の違いについて簡潔に説明していきます。

「エクイティファイナンス」のエクイティは資本を意味します。

一方「デットファイナンス」のデットは借入や借金を意味します。つまり「デットファイナンス」は借入などによって資金を調達する方法を指します。

「デットファイナンス」は簡単に言えば借金に該当します。当然、返済義務も発生します。

返済時に利息分も支払いますので借入金額が多いほど、金銭的な負担も増えていきます。「エクイティファイナンス」では返済義務は発生しません。ただし、前述した通り配当金などの形で投資家に利益を分配する必要があります。

「デットファイナンス」は借入による資金調達なので「他人資本」として扱われます。また貸借対照表上でも「負債」として記載されます。負債が多いと金融機関などからの印象が悪くなる可能性もあるので注意が必要です。

一方「エクイティファイナンス」は「自己資本」して扱われます。貸借対照表上でも「資本」として記載されます。

全ての資本に対する自己資本の割合を「自己資本比率」と言いますが、この自己資本比率は金融機関から融資を受ける際の審査基準とされています。この比率が高い方が安定している会社と判断される傾向にあります。

それぞれメリット、デメリットが存在します。まず自社の財務状況や経営状況をしっかり把握し、その上で将来の計画も視野に入れながら最適な資金調達方法を選択することが大切です。

中小企業診断士として経営者と共に最適な方法を判断できるスキルが必要になってきますね。

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まとめ

エクイティファイナンスについて解説してきました。

会社にとって魅力的な資金調達方法ですが、株主構成が変化する可能性があるため、十分な対策をすることが大切です。

またエクイティファイナンスを実行するのに必要な手続きは複雑で、時間がかかることが多いです。実行する際は専門家に相談することも大切です。

エクイティファイナンスという資金調達方法があると知っておけば資格取得後、様々な場面で経営者に助言することができます。その際メリット、デメリットも踏まえておくとさらに説得力が増しますね。

今後も幅広い視野をもって勉強を続けていきましょう。

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