付加年金と国民年金基金とは?

更新日:2019年10月21日

豚の貯金箱
目次

付加年金とは

第一号被保険者が、将来受けるべき年金額を増やすため、老齢基礎年金に付加して受給する第一号被保険者独自の給付です。付加年金は、老齢基礎年金の繰上げ、繰下げに連動します。これらの申出によって額が増減します。

付加年金支給の要件とは

  1. 第一号被保険者であること。任意加入被保険者を含みます。
  2. 付加保険料月額400(定額)を納付すること。
  3. 老齢基礎年金の受給権を取得していること。

付加年金保険料の納付方法とは

国民年金保険料と同様に、納期限から2年間納めることができます。納期限は、翌月末となります。

注意点は以下の通りです。

  • 国民年金基金との重複加入はできません。
  • 付加年金はさかのぼって加入することはできません。
  • 国民年金保険料を納めていない月は、付加保険料を納付することができません。

付加年金の年金額とは

200円×付加保険料納付済月数が付加年金として受け取れます。付加年金は、2年間受け取ると、受け取った額が支払った額を上回ります。

例えば、付加年金に40年加入すると「400円×40年×12カ月=192,000円」が支払った保険料の総額です。

そして受け取れる額は「200円×40年×12カ月=96,000円」が毎年受け取れる額です。これは生涯受け取ることができます。

公的年金制度は、相互扶助の理念の下に成り立っているので、元を取るという考え方はあまり馴染まないのですが、付加年金はとてもお得な制度であると言えます。

国民年金基金とは

国民年金基金は、自営業者等の第一号被保険者のための老齢基礎年金に上乗せした年金を支給する任意加入の制度です。

国民年金基金加入の要件とは

  • 20歳以上60歳未満の国民年金の第一号被保険者であること
    国民年金の保険料免除を受けている場合は加入できません。
  • 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の国民年金の任意加入被保険者であること
  • 日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の者であること

国民年金基金の種類とは

国民年金基金は、「全国国民年金基金」と「職能型国民年基金」の2種類があります。職能型国民年金基金は、3つの職種別に設立された基金です。

  1. 全国国民年金基金に加入できるのは、国民年金の第一号被保険者の方です。第一号被保険者であれば、住所地や職種は問いません。
  2. 職能型国民年金基金に加入できるのは、基金ごとに定められた事業または業務に従事する国民年金の第一号被保険者です。
  3. 全国国民年金基金と職能型国民年金基金の2つの形態が設けられていますが、それぞれの基金が行う事業内容は同じです。

なお、加入する場合はいずれか一つの基金にしか加入できませんので、選択制となります。

国民年金基金の脱退または中途解約とは

原則、任意の脱退または中途解約はできません。なお、加入資格を喪失したことによる脱退は、その時点まで納めた掛け金が将来年金として支払われます。

付加年金との関係とは

国民年金基金と付加年金に重複して加入することはできません。

国民年金基金の税制優遇とは

  • 支払った掛け金は全額社会保険料控除の対象となります。
  • 受け取る年金は、公的年金等控除が適用されます。
  • 遺族が受け取る一時金(遺族一時金)は非課税です。

国民年金基金の月々の掛け金とは

  • 月額6万8,000円が上限となります。
  • 個人型確定拠出年金にも加入している場合は、その掛け金と合わせて月額6万8,000円が上限になります。

国民年金基金の年金額とは

国民年金基金の年金額は積立方式の年金制度です。物価スライドはありません。

  1. 終身年金…生涯年金が支払われます。
  2. 確定年金…受給期間が決まっていて、その期間中に亡くなった場合は残りの期間分の年金が一時金として遺族に支払われます。

終身型

種類 支給開始 保証期間 年金月額(1口)
A型 65歳 15年保証 65~80歳 1口目………原則2万円

2口目以降…原則1万円

B型 65歳 なし

確定型

Ⅰ型 65歳 15年保証 65~80歳 2口目以降…原則1万円
Ⅱ型 65歳 10年保証 65~75歳
Ⅲ型 60歳 15年保証 60~75歳
Ⅳ型 60歳 10年保証 60~70歳
Ⅴ型 60歳 5年保証 60~65歳

※年金月額は、35歳までに加入した場合の金額です

付加年金と国民年金に関するよくある質問

国民年金基金に加入している者は、第一号被保険者であっても国民年金の付加保険料を納付できないのでしょうか?

国民年金基金は、主に第一号被保険者のためのものです。第一号被保険者であっても、付加年金と両方加入することはできません。

社会保険料の分野の中で、国民年金基金は所得控除、というように分かれるのでしょうか?

所得控除とは、「社会保険料控除」「生命保険料控除」「医療費控除」などをいいますので、国民年金基金代として支払った金額は、所得控除として差し引かれます。

例えば自営業の方が確定拠出年金の個人型年金に加入する場合、どこでどういう手続きをして加入するのですか?

確定拠出年金に自営業者等が加入される場合、実施主体は国民年金基金連合会ですが、実際には銀行、証券会社等が加入手続きを行う窓口となります。

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この記事の監修者は
金山浩晃(かなやま ひろあき)

合格の先をイメージして!
【出身】埼玉県
【趣味】NFL(アメフト)観戦、カフェ巡り
【座右の銘】雲外蒼天

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