ファイナンシャルプランナーの平均年収や給料を解説

更新日:2023年9月28日

札束と電卓と通帳と印鑑

ファイナンシャルプランナーの仕事は、顧客の資産運用やライフプランニングに関して適切なアドバイスを送ることになります。

そんなファイナンシャルプランナーという仕事ですが、実際に年収といった面ではどの程度の年収が見込めるのか?気になる方も多いかと思います。

この記事では、公的データからファイナンシャルプランナーの平均年収を紹介。また、働き方や地域別、企業規模別など細かなデータも参照し、ファイナンシャルプランナーとして年収をアップさせるためにはどうすればいいかなども紹介していきたいと思います。

すでにファイナンシャルプランナーとして働いている方はもちろん、今後ファイナンシャルプランナーを目指しているという方の参考になるデータをまとめていますのでぜひチェックしてみてください。

目次

ファイナンシャルプランナーの平均年収

まずは何よりファイナンシャルプランナーの平均年収を見ていきましょう。ファイナンシャルプランナーには3つの働き方があります。

ひとつは企業に勤務し、給料を受け取る企業勤務型、もうひとつは独立し開業する独立開業型、そして最後に企業に勤務しながら副業でファイナンシャルプランナーの業務を行う副業型です。

まずは企業勤務型のファイナンシャルプランナーの平均年収に関して解説していきましょう。

資格所有者の年収をまとめたデータはない

給与所得者の平均年収をまとめた公的データとしては、厚生労働省が毎年発表している「賃金構造基本統計調査」があります。

ただし、このデータは業界別のデータとなっており、ファイナンシャルプランナーに限定した年収データというのはまとめられていません。ファイナンシャルプランナーという仕事は、比較的広い業界で活躍していることもあり、正確なデータは探すことができないということになります。

しかし、ファイナンシャルプランナーの仕事内容から、より多く活躍している業界というのはありますので、こういった業界の平均年収を見れば、ある程度ファイナンシャルプランナーの年収を想定することができるでしょう。

そこで、ここからはファイナンシャルプランナーがより多く存在している業界の平均年収から、ファイナンシャルプランナーの年収を想定していきたいと思います。

参考となる資料によると平均年収は527万円

ファイナンシャルプランナーが多く活躍している業界と言えば、保険業界と金融業界です。特に営業職においては多くのファイナンシャルプランナーが活躍しており、この業界の平均年収を見れば、おおよそファイナンシャルプランナーの平均年収も見えてくるかと思います。

そこで「令和4年賃金構造基本統計調査」から、「金融営業職従事者」と「保険営業職従事者」の平均年収をチェックしてみましょう。

職種 きまって支給する
現金給与額
年間賞与その他
特別給与額
想定年収
金融営業職業
従事者
379,800円 1,513,300円 6,070,900円
保険営業職業
従事者
324,100円 580,300円 4,469,500円
平均 351,950円 1,046,800円 5,270,200円

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

2つの業界の平均年収を見ると、金融業界で約600万円、保険業界で約450万円というデータとなっており、両者の平均では約527万円という結果が出ました。

この年収データには役職者の年収も含まれていますので、あくまでも平均ということになりますが、500万円前後がファイナンシャルプランナーの平均年収であることが分かるかと思います。

給与所得者の平均年収よりも高い

同じく「令和4年賃金構造基本統計調査」によると給与所得者全体の平均年収は443万円となっています。この数字と比較するとファイナンシャルプランナーの平均年収は給与所得者全体の平均よりやや高いということになります。

特に金融業界で営業職に就いている方に限って考えれば、給与所得者の平均年収よりも年収にして150万円ほど高い数字になります。ボーナスを考慮しても、月給としては8~10万円程度高い計算となり、かなり高給取りの部類に入るかと思います。

条件別の年収の違い

企業勤務型のファイナンシャルプランナーの年収をより細かなデータで見ていきたいと思います。このデータを見て、いつ、どこで働くと年収アップが期待できるのかなどが分かりますので参考にしてください。

ファイナンシャルプランナー・企業規模別の平均年収

まずは企業の規模別の平均年収をチェックしていきましょう。参考にするのは同じく「令和4年賃金構造基本統計調査」で、従業員の人数別の平均年収データをチェックしてみましょう。

従業員数 金融営業職業
従事者
保険営業職業
従事者
平均
平均年収 平均年収
10~99人 6,613,000円 5,650,300円 6,131,650円
100~999人 5,095,000円 4,400,500円 4,747,750円
1,000人以上 6,451,700円 4,366,600円 5,409,150円

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

一般的にどんな業界でも、企業規模が大きいほど年収は高くなるというイメージがあるかと思います。しかしデータを見ると一概にそうとも言えないのが面白い点かと思います。

このデータから分かるのは、ファイナンシャルプランナーの仕事は、事業所の規模以上に個人の能力や資質によるところが大きいということ。どんな会社に就職するかというより、どれだけ勤務している会社で業績を伸ばせるかが年収に直結するという事です。

大きな企業に就職するには、やはりそれなりの学歴が必要になるのが日本社会。しかしファイナンシャルプランナーという仕事に関しては、学歴に関係なく、会社の規模に関係なく年収アップを目指せる仕事ということができます。

ファイナンシャルプランナー・男女別の平均年収

続いては男女別の年収に関してチェックしていきたいと思います。

性別 金融営業職業
従事者
保険営業職業
従事者
平均
平均年収 平均年収
男性 6,737,200円 7,654,000円 7,195,600円
女性 5,008,100円 3,870,500円 4,439,300円

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

このデータを見ると、男女間の差は大きいと言わざるを得ません。最初に説明した通り、このデータには役職者の年収も含まれていますので、男性の方が昇進に有利と言われている日本社会においてはこのデータも仕方ないかと思われます。

近年ではより女性が活躍できる社会にしようという動きが加速しています。実際に女性を役職者に据える企業も増えており、こうした動きが今後も加速していけば、この男女間の年収差も縮まってくるかとは思いますが、現状では男女間の年収差は大きいというのが現実です。

ファイナンシャルプランナー・年代別の平均年収

続いては年代別の平均年収のデータを見ていきたいと思います。

年代 金融営業職業
従事者
保険営業職業
従事者
平均
平均年収 平均年収
19歳以下 2,289,700円 2,624,400円 2,457,050円
20~24歳 3,486,400円 2,880,800円 3,183,600円
25~29歳 4,812,600円 3,595,200円 4,203,900円
30~34歳 6,125,100円 3,898,200円 5,011,650円
35~39歳 6,893,000円 4,394,600円 5,643,800円
40~44歳 7,440,600円 4,494,500円 5,967,550円
45~49歳 7,559,200円 4,746,000円 6,152,600円
50~54歳 8,284,300円 5,050,700円 6,667,500円
55~59歳 7,531,500円 5,202,500円 6,367,000円
60~64歳 4,865,000円 4,617,700円 4,741,350円
65~69歳 4,303,300円 4,995,700円 4,649,500円
70歳以上 4,475,700円 4,308,500円 4,392,100円

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

年代別の平均年収が、給与所得者全体の平均年収を超えるのが30代から。ほかの職種と比較すると、意外と早いタイミングで年収がアップすることがデータに表れています。

これはやはり営業職という点が大きく影響しているかと思います。営業職にはある程度の体力や根気が求められます。一般的にどの業界でも、営業職として動けるのは20~30代と言われており、仕事の成果を数字の面でハッキリ出すことができる職種と言われています。その分昇給も早い傾向にあり、データ上も比較的若いうちの昇給スピードが速いことが分かります。

また30代以降も順調に昇給する傾向が強く、このあたりは年功序列の考え方が定着している日本らしい点ということができるでしょう。

ファイナンシャルプランナー・地域別の平均年収

最後に働く地域別の平均年収もチェックしていきましょう。とはいえ日本全国の地域別年収を発表すると長くなってしまいますので、ここでは都道府県別のGDPを参考に、上位3都府県(東京都・大阪府・愛知県)と、下位3県(島根県・高知県・鳥取県)を抜粋して紹介していきましょう。

都道府県 金融営業職業
従事者
保険営業職業
従事者
平均
平均年収 平均年収
東京都 6,399,500円 4,847,100円 5,623,300円
大阪府 5,252,500円 5,346,600円 5,299,550円
愛知県 4,891,100円 4,225,100円 4,558,100円
島根県 3,378,800円 4,303,200円 3,841,000円
高知県 5,262,000円 3,566,400円 4,414,200円
鳥取県 4,507,400円 3,887,600円 4,197,500円

参照:令和4年度 賃金構造基本統計調査

基本的な傾向としては、やはり大都市圏の方が平均年収は高いという傾向にあります。ただし、上位3都府県と下位3県の差はそこまで大きな差ではなく、比較的地域による影響を受けにくい職種であるということも言えるかと思います。

この点からもファイナンシャルプランナーの年収は、個人の能力による所が大きいということが分かるかと思います。ファイナンシャルプランナーとして働くのであれば、企業のある地域や大きさはあまり考えず、自分がどのように働くかをしっかり考えることで、高年収を目指せるようになるでしょう。

働き方による年収の違い

ここまで企業勤務型のファイナンシャルプランナーの年収に関して、公的データから推測してきました。しかし、最初に紹介した通り、ファイナンシャルプランナーの働き方は企業に勤務する形だけではありません。

ここからはほかの働き方も含めて、働き方別の平均年収に関して解説していきましょう。

企業勤務型ファイナンシャルプランナー

企業勤務型のファイナンシャルプランナーの年収はここまで紹介してきた通り、全体を見れば、給与所得者全体の平均よりも年収は高くなる傾向があります。

また、働く会社の規模や地域による差よりも、個人の能力や資質の方が年収に与える影響は高いことが想像できます。

企業勤務型とは言え、自身がどれだけファイナンシャルプランナーという仕事に向き合えるか、どれだけ結果を残せるかである程度高年収を目指すことができるというデータが出ています。

独立開業型ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーとして独立開業をしている方の平均年収をまとめている公的データはありません。また、アンケート等参考になるデータも見つかりませんので、あくまでも想像という形で独立開業型ファイナンシャルプランナーの平均年収を考えていきましょう。

一般的に資格を取得し独立開業した場合、年収には大きな差が出る傾向にあります。独立開業するということは、営業から広告宣伝、働き方まで全てを自分で決めるということになります。そのため個人の資質ややる気によって年収にも大きな影響が出る結果となり、高年収の方と低年収の方の両極端になるからです。

あくまでも想像の範囲ですが、独立開業して成功しているファイナンシャルプランナーの方の中には年収数千万円という方もいらっしゃるでしょう。反対に上手くいっていないという方の中には、年収が100万円程度という方もいらっしゃるはずです。

独立開業したファイナンシャルプランナー全体の年収イメージとしては、年収は不安定になるケースが多いものの、努力と工夫次第で企業勤務型を大きく超える事も可能と考えておけば間違いないでしょう。

副業型ファイナンシャルプランナー

本業として社会人として働きながら、副業としてファイナンシャルプランナーの仕事を行う副業型の場合、想定できる年収は本業の給与所得+副業としての年収ということになります。

ファイナンシャルプランナーの仕事で、顧客を個人の方に限れば、副業でもある程度の収入を得ることは可能です。また、相談業務だけではなく、執筆業務や講演会なども含めれば、働き方はいろいろと想定できるでしょう。副業として活用するには非常に相性のいい資格ということができます。

仮に副業で月平均5万円の収入があれば、年収にして60万円のプラスということになります。副業でファイナンシャルプランナーの業務を行う場合、本業の職種に制限はありませんので、本業の年収が、給与所得者全体の平均約440万円と考えれば、副業の収入も含めて500万円というのが平均年収となります。

平均年収500万円と考えれば、企業勤務型のファイナンシャルプランナーと同等の年年収を期待できることになりますが、それには条件やデメリットがあります。

まずは、本業として勤めている会社が副業を認めているということ。そして、本業の就業時間以外に副業を行うため、プライベートの時間が短くなってしまうという点です。こうした条件やデメリットを受け入れられるのであれば、副業型という働き方も年収面ではおすすめとなります。

また、現状は企業に勤務しているものの、将来的に独立開業を考えているという場合は、この副業型でファイナンシャルプランナーの仕事の経験を積んでいくという方法もあります。

ファイナンシャルプランナーの年収を左右する要因

ファイナンシャルプランナーの年収に関してはここまで紹介した通りです。企業勤務型や副業型で500万円程度、独立開業した場合は、努力次第で数千万円の年収が目指せるといったところでしょう。

では、そんなファイナンシャルプランナーの年収を左右する要因となるのはどのような点か。このあたりを確認しておきましょう。

個人の資質によるところが大きい

特に企業勤務型の年収データを見てもハッキリしていたのが、勤務する会社のある地域や大きさよりも、個人の資質や能力が年収に大きく影響するという点です。

ファイナンシャルプランナーの仕事の中心は、顧客が持つお金の悩みを聞き、その悩みを解決できるような提案を行う相談業務です。こうした相談業務で大きいのは顧客からどれだけ信頼してもらえるかという点。

顧客から信頼されれば、その顧客から相談を受けられるのはもちろん、その顧客の友人や親類なども顧客として紹介してもらえるかもしれません。

そう考えると求められる資質はコミュニケーション能力。顧客の立場に寄り添い、しっかりとアドバイスできるかどうかという点が年収にも大きく影響すると考えることができます。

資格の有無も要因の一つ

顧客から信頼されるかどうかが年収を左右する大きな要因になるとすれば、ファイナンシャルプランナーの資格を持っているかどうかということも大きな要因となります。

ファイナンシャルプランナーの資格としては国家資格の「ファイナンシャル・プランニング技能士資格(以下:FP資格)」があります。このFP資格は、名称独占資格ではありますが、独占業務を持つ資格ではありません。

つまり、「ファイナンシャルプランナー」を名乗り、名刺などに明記することができるのは、名称独占資格であるFP資格を持つ方のみ。ただし、ファイナンシャルプランナーと同じ業務を行うことは、無資格者でも可能ということになります。

顧客から見れば、単なる営業担当者よりも、ファイナンシャルプランナーという肩書を持っている担当者の方が信頼しやすいのは当然です。例え同じだけの知識や経験があり、同じようなアドバイスをするとしても、無資格者よりも有資格者の言葉の方が響くはずです。

そう考えると、独占業務こそないものの、FP資格の取得は非常に重要であり、年収を左右する大きな要因となるでしょう。

年収アップを目指すには資格取得から

ファイナンシャルプランナーとして働く、さらに年収アップも目指すというのであれば、まずはFP資格の取得が重要になります。

FP資格を取得するために、有効となる勉強方法などに関して紹介していきましょう。

おすすめは2級以上の取得

FP資格には1~3級がありますが、実務で活かせる、より顧客から信頼されるという事で考えれば2級以上の取得がおすすめです。

FP3級は受験資格なしで誰でも受験できますが、FP2級以上は指定の資格取得や実務経験など受験資格があり、より信頼度の高い資格となります。同時に取得難易度も一気に上がりますので、効率よく勉強し取得を目指す必要があります。

特にすでに社会人として働いている方が、仕事をしながらFP2級を取得するのはなかなか難しい難易度となります。もちろん時間をかければいずれは取得できるかと思いますが、FP資格取得には長い時間をかけたくないところ。時間をかければかけるほど、ファイナンシャルプランナーとして働ける期間は短くなってしまいます。

では、より短期間で合格を目指すにはどのように勉強すればいいのかを紹介していきましょう。

短期間で合格を目指すなら通信講座がおすすめ

FP2級試験の難易度はそこまで高いものではありません。仮に実務経験のない初学者の方でも、じっくり時間をかければ独学でも十分に合格を目指せるレベルと言われています。

とはいえ、FP資格の取得にはそこまで時間をかけたくないところ。FP2級の試験には受験資格があり、実務経験がない場合はFP3級を取得するのが一般的です。独学でFP3級を取得し、さらにその後FP2級を目指すとなるとかなりの勉強期間が必要になってしまいます。

より短期間の勉強時間で合格を目指すのであれば、独学にこだわるのはおすすめできません。特に社会人の方におすすめしたいのが通信講座の利用です。

通信講座を活用すれば、自宅でマイペースで勉強しつつ、専門講師の講義も受講でき、より効率的に学べるでしょう。

フォーサイトなら無理なく短期合格を目指せる

FP2級の資格は人気資格のため、講座を開講している通信講座も数多くあります。その中でおすすめしたいのがフォーサイトのFP講座です。

フォーサイトには、初学者向けにFP2級とFP3級の試験対策を同時に行える講座があります。FP3級の対策とFP2級の試験対策には共通する部分も多く、こうした重複した部分をまとめて講義することで、2つの資格を寄り短期間で取得することができます。

FP2&3級対策講座を受講し、3級を取得してすぐに2級に挑戦すれば、理論上最短でFP2級の取得が可能。時間を賭けずにできるだけ早くFP2級資格を取得したいという方におすすめです。

またフォーサイトには、専任講師の講義動画やオリジナルテキストはもちろん、使いやすいデジタル教材が豊富なこともおすすめするポイントの1つ。手元にあるスマホでデジタル教材を利用すれば、毎日のちょっとしたスキマ時間も勉強時間に変えることができ、より短期間での合格を目指すことができます。

まとめ

ファイナンシャルプランナーの平均年収は、企業勤務型や副業型で500万円程度。独立開業型の場合、個人の努力は工夫次第で数千万円という年収も目指せることが可能です。

平均年収という点では給与所得者全体の平均年種よりも高い傾向にあり、おすすめの仕事ということができます。

ファイナンシャルプランナーの年収に関しては、勤務する会社の規模や地域以上に、個人の資質による部分が大きく、日本全国どこに住んでいても、本人のやる気や努力次第で高年収が目指せる傾向にあります。

ファイナンシャルプランナーとして年収アップを目指すためには、顧客から信頼されることが重要。信頼を得るためには、FP資格の取得は必須とも言えるでしょう。

FP資格をより効率的に取得することを考えると、通信講座のフォーサイトを利用するのがおすすめ。分かりやすいオリジナルテキスト、専門講師による講義動画に加え、スキマ時間を有効活用できるeラーニング教材など、教材が豊富で、より効率的に勉強が進められるでしょう。

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